地方・中小企業が続々トライするYahoo!コンテンツディスカバリーとは?(ヤフー株式会社 宇都宮氏インタビュー)

Yahoo!コンテンツディスカバリーというサービスをご存知ですか?Yahoo!コンテンツディスカバリーとは、Yahoo!ニュースなどの記事の下にレコメンドコンテンツを表示するサービスです。さらにリンク先のページは、直接購入を促すようなページではなく、コンテンツ型の記事広告でないといけません。

これまでのインターネット広告は、いかに目立つ位置に表示させるか?ファーストビューに表示させるか?直接購入を促すか?などを重視するのが常識でした。Yahoo!コンテンツディスカバリーは、このような従来の常識とは全く逆の発想ですが、最近利用する会社が急増しています。

今回はヤフー株式会社コンテンツディスカバリー室長の宇都宮正騎氏に、急成長するYahoo!コンテンツディスカバリーの裏側と攻略法について伺ってきました。


先行利用者の成功率の高さに、地方・中小企業が続々とYahoo!コンテンツディスカバリーに挑戦している

本格的にYahoo!コンテンツディスカバリーの導入が始まったのは2015年10月。サービス提供開始してからまだ8ヶ月ですが、10〜12月期と1〜3月期の売り上げを比較するとその伸びは400%。

利用社数は、10月と3月で比べると10倍になっています。この数字はマーケティングソリューションの中でも“類を見ない大幅な成長”だそうです。

Yahoo!コンテンツディスカバリーの売り上げ推移

YCD売上推移

宇都宮氏は、Yahoo!コンテンツディスカバリーの大幅な伸びの背景には、 “コンテンツ配信量の大幅な拡大と先行利用者の成功率の高さ”があるといいます。

ヤフー株式会社 コンテンツディスカバリー室長 宇都宮正騎氏

ヤフー株式会社 コンテンツディスカバリー室長 宇都宮正騎氏

宇都宮氏

Yahoo!コンテンツディスカバリーの最低クリック単価は約9円です。 また日本最大級のWebメディアの一つであるYahoo!ニュースに出稿でき、大きな配信量があるにもかかわらず現時点では出稿している企業が少数であるため、リーズナブルな平均クリック単価となっています。

そのため、大手企業様だけでなく、地方の企業様や中小企業様にも積極的なご利用をいただいております。

しかしYahoo!コンテンツディスカバリーが表示されるYahoo!ニュース記事の下の位置などに、本当にモチベーションの高いユーザーはいるのでしょうか。

宇都宮氏

記事下のレコメンドをクリックする人は少なくとも一つの記事を読みこんでいるユーザーです。

そして、Yahoo!コンテンツディスカバリーをクリックするということは、2ページ目まで読みたいという非常にモチベーションの高いユーザーであることを意味しています。

実際、記事下のレコメンド表示の効果については、海外の調査でも実証されています。

さらにYahoo!コンテンツディスカバリーは、従来のインターネット広告と組み合わせることで、効果的に活用されている実績もあるそうです。ある商品のプロモーションでは、Yahoo!コンテンツディスカバリーとYahoo!ディスプレイアドネットワークを同時に使ったことで、お互いにアプローチしにくい部分を補完しあい、全体の効果が上がったという調査もあるそう。

そんなふうにコンテンツを新しい方法でユーザーにアプローチすることができるYahoo!コンテンツディスカバリー。その根底にある考え方についてさらに詳しく伺います。


Yahoo!コンテンツディスカバリーの考え方は、企業側のターゲティングへの思い込みを壊す

Yahoo!コンテンツディスカバリーに導入されているレコメンドエンジンを提供するのは、Taboola社というイスラエルの会社です。技術を根幹におくTaboola社には「コンテンツが人を探す」という世界観があります。

YCD3

宇都宮氏

今までは、人が検索エンジンを活用してコンテンツや情報を探していました。コンテンツが人を探すとは、その全く逆の発想ですね。 「コンテンツが人を探す」とは、ユーザーが「コンテンツを読んだこと」が合図になり、ユーザーと商品の情報が出会える仕組みです。

つまり、コンテンツディスカバリーにおいて、自分のプロモーションのコンテンツから反応がたくさんあるということは、そのコンテンツがターゲットにすごく合っている、ということです。しかし効果がなければ、そのコンテンツ自体が合っていなかったということになります。

例えば結納のコンテンツの場合だと、結納の記事を最後まで読んだユーザーは「これから結婚する人、またはその親族」である可能性が高くなります。 結納の情報を探しているユーザーは多くいますが、人生で何回も経験する出来事ではないので興味を持つタイミングは人生の中で本当に一瞬だけです。

従来のWebマーケティングでは、この一瞬のタイミングにあわせてターゲティングをすることは難しいですが、Yahoo!コンテンツディスカバリーなら、「コンテンツを読んだ人」というシグナルによって、その一瞬を見逃さずに、ターゲティングすることができます。

宇都宮氏

私たちは、ターゲティングはレコメンドの可能性を低下させると考えています。

従来のWebマーケティングでは、「性別」「年齢」「趣味嗜好」などのターゲティングを広告主が設定して広告を配信することが有効だと考えられていました。

一方、Yahoo!コンテンツディスカバリーは、広告主がユーザー層をターゲティングするのではなく、ターゲット層がどのようなコンテンツなら読むか、ということを考えて価値あるコンテンツ作るかことが重要です。

また逆にYahoo!コンテンツディスカバリーの配信結果から、どのようなユーザー層に他のネット広告のターゲティングをするべきかを知ることもできそうです。

とはいえ、医薬品や酒類など対象年齢が決まっているなど「年齢」などのターゲティングの設定が全くできないと困る場合もあります。そこで今後は、どうしてもターゲティングが必要な製品を販促したいというーズにも対応できるようYahoo! JAPANの持つビッグデータを分析・活用できるようにしていく、という構想もあるそうです。

では、このようなレコメンドソリューションを活用している企業はどのような企業でしょうか。特に、これまでに効果があったものを事例に基づいてお伺いいたしました。

宇都宮氏

例えば、人生で何度も経験しない冠婚葬祭やリフォームなどを提供するサービスや、“ストーリーがある”ギフトなどの商品はコンテンツが作りやすいです。また、Yahoo!コンテンツディスカバリーの配信されるユーザーの半分以上が首都圏ユーザーという特徴を活かして、観光など地方へ人を誘致するコンテンツも適しています。

コンテンツをイメージしづらいBtoBのサービスの場合は、ニッチな業界であるほどクリック率が低下し、表示数が少なくなる傾向にあるそうです。しかし逆に言えば、あまり広告が表示されないということは、コンテンツによってしっかりターゲティングされている証拠です。そのため良質なユーザーを他の広告よりも安価に効果的に呼びこめるメディアと捉えることもできます。


ユーザーにとって役に立つコンテンツに価値がある。コンテンツを作成できる企業へと、Yahoo! JAPANが支援をしていく

最後に、Yahoo!コンテンツディスカバリーに取り組んでみたい企業が、最もつまずきやすい「コンテンツの作りかた」と「広告効果の測り方」について伺いました。

宇都宮氏

Yahoo!コンテンツディスカバリーのもっとも特殊な点は、レコメンドのリンク先のページはあくまでも「コンテンツ」ということです。コンテンツの内容は配信される前に審査されます。特に公共性と信頼性を重視するYahoo!ニュースへの表示は、すこし厳しくジャッジしています。

効果的なコンテンツを作るポイントは、「1GIVE 1PR」という考え方です。いきなりコンテンツの中でPRをすると、ユーザーも警戒をしてしまう。だから、まずユーザーにとって真に楽しめる・役に立つコンテンツを作ることができることが価値になっていきます。

また広告の効果の測り方としてはこのようにコンテンツを作るということを前提にしているため、「動画の再生数」「メールマガジンの登録」「無料セミナーなどのイベントの集客」など記事コンテンツの内容をさらに詳しく知るようなKPIを設定する場合も多いそうです。

特に購入などに至ったユーザーの一番最初の接点として、Yahoo!コンテンツディスカバリーは高く評価されているといいます。


今、業種や企業の規模を問わずYahoo!コンテンツディスカバリーに挑戦できる環境がある

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宇都宮氏

コンテンツ作成を支援する広告代理店も登場していますし、ヤフー側でも今後コンテンツを作る仕組みはさらに強化していこうと思っています。 低予算から活用できるため、地域や企業の規模を問わずYahoo!コンテンツディスカバリーは今後も多くの企業様に活用していただきたいです。

宇都宮氏のお話を伺う中で、「まずユーザーにとって役に立つコンテンツを作る」考え方は、本メディア「LISKUL」にも近いものがあると感じました。

私たちも、読者にとって役立つコンテンツを提供するからこそ、企業を信頼してもらえ、商品を信頼してもらうことができる、と信じています。

そのようなYahoo!コンテンツディスカバリー。今こそ、挑戦をするときなのではないでしょうか。

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