
マーケティングを成功させる秘訣の一つは、心理学を基にした施策で消費者を惹きつけることです。
対面での接客ができないWebマーケティングでは、広告やサイトのデザイン・コピーだけで購買意欲をそそらなければならないため、特に消費者心理を意識しなければなりません。
しかし、消費者心理を活用できているWebマーケティング担当者は多くありません。
今回は、Webでの成果を上げるために最低限押さえておきたい、15の消費者心理をご紹介します。
- 消費者心理を活用したマーケティングの基本
- 潜在層・準顕在層・顕在層ごとのアプローチ方法
- 15種類の具体的な心理テクニックとその実践事例
ここでぜひ意識していただきたいのが、消費者の商品に対する興味の度合いによって踏まえるべき消費者心理が違うことです。興味の薄い消費者群=潜在層と、購入を検討中の消費者群=顕在層では、アプローチの仕方は全く違います。
そのため、顕在層、準顕在層、潜在層の3つに分けて、それぞれの消費者心理に適したアプローチ方法を紹介いたします。
1.潜在層:広く商品を知らせるためのアプローチ
まず、バナー広告などで広く消費者に商品・サービスの存在を知らせたい場合に有効な消費者心理をご紹介します。広告のクリック率を上げて商品・サービスの知名度をまずは上げたいとお考えの広告主様は、こちらをご参考ください。
- 顔認識
- カリギュラ効果
- 希少性(スノッブ効果)
- 損失回避
つい目が行ってしまう:顔認識
人の顔が広告に入っていると、つい顔や表情に注目してしまう傾向があります。笑顔であれば安心し、特に丸顔で目が大きい方が見入ってしまいます。
有名人よりも、自分を投影できる一般人風の人の方が、コンバージョンが高いようです。
ダメだといわれるほど気になる:カリギュラ効果
ダメだといわれるほど興味がわいてしまう。ほとんどの人がこのような経験をしたことがあるのではないでしょうか。人は、禁止されるとむしろ、その行為をとりたくなってしまう傾向があります。
- 「肌がきれいになりたくない人以外見ないでください」
- 「決してひとりではみないでください」(映画コピーで恐怖心を喚起)
珍しいと欲しくなる:希少性(スノッブ効果)
簡単に手に入るものは需要が低くなり、手に入れるのが難しいものは需要が高まっていきます。そのため、品薄といった言葉のように商品の希少性を強調されると、一気に興味がわきます。
- 「残り◯点」「先着◯名」など具体的な数量表現
- 再入荷未定・期間限定の明示
できる限り損はしたくない:損失回避
人は利益を得ることよりも損をしないことを重視する傾向があります。「この美容液を使わなければシミが増える一方」といったように、自社商品・サービスのメリットを反対にした表現を使って、使用しなければ損をしてしまう印象付けをすると、商品・サービスの効果がより伝わりやすくなります。
- 保険未加入=住宅ローンで悩み続けるリスクを強調
- 転職しにくくなる・選択肢が狭まるなどの機会損失を提示
2.準顕在層:商品に興味を持ちそうな人へのアプローチ
次に、ターゲティング広告を活用して商品やサービスに興味を持ちそうな人をサイトまで誘導し、購入を検討させるために有効な手法をご紹介します。広告を打っているけれどサイトへの流入数が低いとお悩みの方は、これらの方法をお試しください。
- カクテルパーティー効果
- 権威への服従原理
- シャルパンティエ効果
- 同調現象
自分に向けた言葉に反応する:カクテルパーティー
カクテルパーティーのように雑音の多い場であっても、自分の名前や、関連のある単語はすぐに聞き取れます。情報量が多い中でも自分が関係している情報はすぐに見つけられるため、呼びかけコピーが有効です。
- 「頭皮ケアに悩み続けてきた方へ!」
- 「◯◯でお困りのあなたへ」
偉い人の言うことは信じてしまう:権威への服従原理
専門家など権威のある人物の言葉は無条件に信用されがちです。
- 「○○賞受賞」「○○ランキング一位」
- 「医師推奨」「公式パートナー認定」
違うようで実は同じ:シャルパンティエ効果
「1g」より「1000mg」の方が量が多く感じられるなど、単位や表現の仕方で印象が変わります。
- 「ビタミンC1000mg配合」などインパクトのある単位表現
- 回数・日数・人数など大きく感じる軸の選択
みんなと一緒なら安心:同調現象
自分だけが周りと違う行動をしていると不安になり、同じ行動だと安心する性質。
- 「50代以上の主婦の9割が使用中」
- レビュー件数・満足度の可視化(★4.6/5など)
3.顕在層:購入意欲の高いユーザーへのアプローチ
最後に、購入を検討し、自社と他社の広告やサイトを比較している消費者に使うべきアプローチ方法を解説します。広告の表示回数やサイトへの流入数は多いのに獲得率が低い場合には、これらの手段が有効です。
- 決定回避
- 松竹梅の法則
- テンションリダクション
- 認知的不協和
- バンドワゴン効果
- フレーミング効果
- マッチングリスク意識
多すぎると決めるのが面倒くさい:決定回避
多すぎる選択肢の中では選ぶのがわずらわしくなり、選択・決定を避けがち。
- 「◯◯タイプにおすすめ」でタイプ別に商品を絞る
- 初期表示はベストセラー/おすすめの少数に限定
ひとまず無難なものを選ぶ:松竹梅の法則
同一メーカーの3価格帯(1000円/3000円/5000円)なら中間が選ばれやすい傾向。
- 最も売りたい商品を中価格帯に配置
- 上位プランで価値差(追加機能)を明確化
ついつい財布のひもが緩んでしまう:テンションリダクション
大きな決断の後は緊張が緩み、安価な提案に応じやすくなります。
- 高額商品購入後に関連アクセサリ(数百円〜数千円)を提案
- 「この商品を買った人は〜も購入」レコメンド
矛盾から解放されたい:認知的不協和
矛盾する感情はストレスとなるため、整合的な提案で解消する。
- 「食事制限なしでダイエット」
- 「忙しくても続けられる時短プログラム」
流行物は気になってしまう:バンドワゴン効果
「話題の」「大人気」などトレンド訴求で魅力度が増します。
- SNSでの話題度(いいね数/シェア数)の表示
- ランキング掲載・月間売上トップの明示
伝え方で印象は変わる:フレーミング効果
同じ内容でも切り口で印象が変わります。
- 「花粉症の人は日本人の4割」 vs 「6割は花粉症ではない」
- 「20%が不満」 vs 「5人に1人が不満」
自分に合っているか心配:マッチングリスク意識
「効果が出ないかもしれない」「自分には合わないかもしれない」への不安を解消。
- 口コミ・体験談の掲載(顔写真付きが望ましい)
- 返金保証・お試しプランの提示
消費者心理に関するよくあるご質問
消費者心理でお悩みの方に役立つQ&Aをまとめています。
Q.消費者心理に影響を与える主な要因は?
A. 以下の要因が大きく影響します。
- 社会的影響(家族や友人の意見、広告、社会的トレンド)
- 個人的信念(価値観や習慣)
- 環境要因(周囲の状況、文化的背景)
- 感情(喜び・興奮・恐怖・不安など)
Q.購買決定における感情の役割は?
A. ポジティブ感情は購入の可能性を高め、恐怖や不安は躊躇を生みます。活用時は過度な恐怖訴求を避け、安心材料も併記します。
- ベネフィット訴求+保証/実績の併記
- 不安喚起のみのコピーは避ける
Q.ブランドロイヤルティはどう形成される?
A. 品質、顧客サービス、ブランドイメージの積み重ねで形成されます。
- 継続的な品質の安定
- 期待を超えるカスタマーサポート
- 一貫した世界観・ストーリーテリング
Q.消費者の購買意欲を高める要素は?
A. パーソナライズ、希少性、社会的証明、レビューが有効です。
- 期間限定・数量限定(緊急感)
- レーティング・レビューの可視化
- 利用シーンに基づく提案(パーソナライズ)
Q.消費者心理を活用した販売戦略の例は?
A. 感情を刺激する広告、ストーリーテリング、期間限定施策など。
- 感情移入できる導入ストーリー+権威の裏付け
- 先着順割引・タイムセール
- 購入後クロスセル(テンションリダクションの活用)
まとめ
本記事では顕在層、準顕在層、潜在層それぞれの消費者心理に基づいた15のアプローチ方法を紹介いたしました。
Webマーケティングで成果を高めるためには、消費者の心理を理解することが重要です。消費者の心理を理解すれば、消費者がつい注目し、購買したくなるようなWebマーケティングを実施することができます。
- 顔認識
- カリギュラ効果
- 希少性(スノッブ効果)
- 損失回避
- カクテルパーティー効果
- 権威への服従原理
- シャルパンティエ効果
- 同調現象
- 決定回避
- 松竹梅の法則
- テンションリダクション
- 認知的不協和
- バンドワゴン効果
- フレーミング効果
- マッチングリスク意識
Webマーケティングに関して勉強したい方は、以下記事も参考にしてください。
参考:Webマーケティングとは?基礎知識と実践すべき施策をわかりやすく解説
Webマーケティングを成功に導くコンサルタントが必ずしている5つの質問
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