【検証結果あり!】Facebookリード獲得広告のメリット・デメリット

Facebookリード獲得広告とは、「ユーザーがFacebook上で購買や申し込み等のアクションを完了できる広告」です。2015年10月20日に正式にリリースされたばかりのまだ新しい広告手法です。検索をしても、まだなかなか情報が見つかりません。

Facebook広告はじめてガイド【EC向け】

そこで本記事では、Facebookの新広告「リード獲得広告」の概要とそのメリット・デメリット、そして海外での先行事例と弊社で実際に試した結果の考察まで、様々な角度からご紹介します。新しい広告をご検討の方は、情報としてぜひご活用ください。


1.リード獲得広告とは?

リード獲得広告をひとことで説明
リード獲得広告とは、「ユーザーが2タップするだけで、手軽にメルマガ登録や資料請求などができる」新しい広告手法です。
1-弊社実施のリード獲得広告

広告右下のボタンをタップすると、ユーザーのFacebookの登録情報がすでに入力されたフォームが表示されるので、ユーザーは確認して送信するだけで登録が完了する、という仕組みです。


2.【海外事例】Facebookのリード獲得広告で、リード獲得数3倍、コストが4分の1に!(不動産)

Facebookは公式ページに、このフォームを活用して獲得数を増加させた企業や獲得単価を下げた企業が事例を公開しています。

例えば、南アメリカで不動産を扱うProperatiは、リード獲得広告を使って、掲載物件へのお問い合わせ数を圧倒的に増やしました。CEOのGabriel氏の以下のように言っています。

「リード獲得広告を導入したことによって、リード獲得に対する考え方が根本から変わりました。これまでも同様の施策は何度か試したことがありますが、結果はあまり思わしくありませんでした。

Facebookのリード獲得広告では、4分の1のコストでリードを獲得することができ、また、実際に獲得しているリードの数も、ブラジルで通常獲得できる数の3倍あります。」(Properati、CEO、Gabriel Gruber氏)

引用:リード獲得広告を正式リリース | Facebook for Business


3.リード獲得広告のメリット

1:フォーム入力の手間を軽減できる

リード獲得広告の最大のメリットは、フォーム入力の手間を軽減できるところです。ユーザーのFacebook登録情報は自動入力されるため、その分ユーザーの入力の手間が省けます。

2:フォームの送信までFacebook上で完了できる。

リード獲得広告では、フォームの送信までFacebook上で完了できるため、アプリの切り替えやサイトへの移動が発生せず、ユーザーに不要なストレスがかかりません。これらのメリットにより、リードの獲得をより効率的に行えるというのが売りです。


4.リード獲得広告のデメリット

もちろん多くの広告手法と同じように、この広告にもメリットとデメリットがあります。弊社で把握している限り、デメリットは3つあります。

1:スマホ向けにしか配信できない

現時点で、リード獲得広告はスマートフォンのみに配信が可能です。

しかし、BtoB向けにビジネスをされている企業様で獲得がとれるデバイスは、スマホよりもPCということが多いため、できればPCでも使えるようになって欲しいところです。

2:Facebook登録情報が使えないフォームだと、むしろ手間がかかる。

ユーザーのFacebook登録情報が使えないような項目(カスタムの項目)をフォームに作った場合、自動入力が適用されず、ユーザーは自分で入力しなければなりません。

ユーザーがFacebookに登録しているアドレスは個人のものが多いため、BtoBのビジネスをされている企業様は、この広告とは相性がよくないかもしれません。実際、弊社実施の広告でも、社用アドレス・社用携帯番号を入力する項目を設けていた期間は、獲得が1件も発生しませんでした。

2-社用アドレス・社用携帯番号を入力する項目を入れた場合
またフォームの1ページに入れることができる項目数は2つまでのため、カスタムの項目を入れれば入れるほど、フォームのページ数が増え、ユーザーの負担は増えてしまいます。

3:コンバージョンしたユーザーのリストが、Facebookページからしか閲覧できない

例えば、弊社の使用しているCRMツールはFacebookとのAPI連携に対応していなかったため、CVが発生するたびに手動でお礼メールを送付していました。

ただし、FacebookとAPI連携ができる一部のCRMツール使っている場合は、数字を反映することができます。

【2016年3月現在、Facebookリード獲得広告に対応しているCRMツール】
Constant Contact
Driftrock
InfusionSoft
Marketo
Maropost
Oracle Marketing Cloud
Sailthru
Salesforce Marketing Cloud
Sparkroom


5.事例:運営会社「ソウルドアウト株式会社」が資料ダウンロードをCVにした場合

 弊社でもリード獲得広告を早速実施しましたので、ここからご紹介したいと思います。実際にやったこととしては、リード獲得広告と通常広告のABテストです。ABテストをするにあたって立てた仮説は下記です。

仮説

リード獲得広告によって、ユーザーはより簡単にフォーム入力ができるため、リード獲得広告は通常広告よりも獲得率が高くなるのではないか。

実施したこと

3-Ebookのダウンロード画面
・Ebookのダウンロードを促す広告をFacebookの通常版の広告とリード獲得広告のフォーマットにて作成。
・フォームがつく以外の違いはなく、見た目・広告文・画像、すべて同じ。
・フォームの項目:氏名、メールアドレス(両方とも自動入力)
・配信期間:1週間
・配信デバイス:スマートフォン
・リスティング広告の獲得単価:2,500円

結果

4-結果

検証期間が短いものの、通常広告とリード獲得広告の結果に大きな差はみられませんでした。獲得がつかずに獲得単価が高騰してしまったため、1週間で配信を停止しました。

結果をみると、通常広告もリード獲得広告も獲得単価がリスティング広告よりもかなり高いため、通常広告と比べてリード獲得広告がどうこうというよりも、そもそもプロモーションをした商品とFacebook広告の相性が悪かったと思われます。

ただ、これがPCに配信できていたり、バナーがよかったり、カルーセル広告と掛け合わせてやっていたら、また違う結果になっていたかもしれないので、今後も機会があれば、継続的に検証は続けていきたいと思います。


6.海外の事例紹介

弊社の事例と同じような条件でリード獲得広告と通常広告の成果の違いを比較していたケースが海外でもありました。

Webマーケッターを支援する様々なサービス展開するDigital Marketerでは、バズるブログのテンプレートのダウンロードをコンバージョン地点として通常広告とリード獲得広告を回しました。下記が実際に回したバナーです。

5-Digital Marketerの画面
引用:Facebook Lead Ads | What you Need to Know│ Digital Marketer(英語)

結果は、通常広告の方が獲得単価が45%安く、獲得数も2倍良かったようです。また同社は、Facebook広告のテンプレートをコンバージョンとした広告も回していたようです。そちらも結果は、通常広告が16%獲得単価が安く、8倍の獲得数だったそうです。


7. 考察:リード獲得広告は「商品の相性」が重要

リード獲得広告は、相性の良い商品が悪い商品がかなりはっきり出る広告だというのが所感です。

弊社のリスティング広告のEbookもDigital Marketerのブログのテンプレも、Facebookの広告上だけでは魅力を伝えきれていない可能性が高いです。通常広告の場合、広告のリンク先のランディングページにて、さらなるアピールが可能ですが、リード獲得広告はすぐにフォーム入力が始まってしまいます。

そのため、ユーザとしては、資料ダウンロードをしたいという気持ちよりも、よくわからない資料をダウンロードして自分の個人情報がとられるという不安の方が大きい状態になっているかもしれません。

ではどのような商品が相性が良いと考えられるか。あくまで個人的な見解ですが、見積もりや査定、クーポン等が相性が良いと思います。

理由としては、ユーザが個人情報を渡す対価として得られるものが明確なためです。またこれらの商品も、ある程度知名度がある企業が実施しないと怪しさは払拭しきれないと思われるため、ブランド力がある企業でなければ、うまくいかないかもしれません。


8.まとめ

いかがでしたか。Facebookのリード獲得広告への理解を深めていただけましたでしょうか。最後に、この広告の特徴を下記にまとめておきますので、広告を実施するか迷われている方はチェックしてみてください。

リード獲得広告の特徴

①通常のFacebook広告にフォームがついたもの
②フォームにユーザーがFacebookに登録している情報は自動入力される
③サイト・アプリに遷移することなくフォーム送信を完了できる
④モバイルにしか配信できない
⑤フォームは、1ページに2項目までしか入れられない

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