YouTube広告の費用は視聴回数にひもづいて課金される形式で、課金の金額は入札方式で決定します。
入札相場は広告の種類によって異なり、3円~20円ほどです。
また、YouTube広告を出稿する際には広告課金のコストだけではなく、動画の制作にかかる費用も考慮しなければいけません。
YouTube広告を本格的に攻略するなら、月額100万円程度の予算はあったほうが良いでしょう。
本記事ではYouTube広告にかかる費用について、種類別の課金形態に関する情報や動画制作の相場などを解説します。
あわせてYouTube広告をうまく機能させるためのコツもまとめていきます。
この記事を読むことで、YouTube広告の費用や運用のポイントがわかるはずです。
目次
YouTube広告を本格攻略するなら月額100万は用意しておきたい
YouTube広告の成果を定義する際に10,000回という再生回数が1つの基準になります。広告の入札金額の目安が3円~20円になっている点から、10,000回の再生に必要なコストは3万円~20万円という金額を想定することが可能です。
そのうえで代理店を活用して本格的に攻略するなら、月額100万円の広告費、制作費20万ほどは割きたいところです。攻略のためには自動最適化を最短でかける必要がありますが、そのために月額100万の広告予算が必要です。最適化をかければ手運用で利用できないデータも使えるので、成果が大きく変わります。
予算が50万以下でも最適化をかけることは可能ですが、最適化の精度が落ちてしまうので、別の施策に予算を割いたほうが良いでしょう。
YouTube広告は出稿前にシミュレーションできる
広告出稿前に頭を悩ませている企業は多く、そのような企業に対して、YouTubeは広告効果のシミュレーションサービスを提供しています。具体的にはGoogle広告 ヘルプ内に「入札単価、予算、目標値のシミュレーションで掲載結果を推測する」というページがあります。
そのページの中段にある「動画キャンペーンで入札単価シミュレーションを使用する」というタブを開くことで、YouTube広告のシミュレーション方法を確認できます。
Google広告のアカウントを保持している必要がありますが、無料でYouTube広告の費用をシミュレーションできますので、ぜひ活用してみてください。
YouTube広告の種類別の課金形態
YouTube広告にはいくつかの課金形態があります。公式情報を一覧表にまとめましたので、まずはそちらを見ていきましょう。
課金形態一覧
広告フォーマット | 課金形態 |
---|---|
バンパー広告 | CPM |
スキップ不可のインストリーム広告 | |
アウトストリーム動画広告 | |
マストヘッド | CPM/CPD |
スキップ可能なインストリーム広告 | CPV |
TrueViewディスカバリー広告 | CPC |
- CPM(Cost Per Mille):広告表示1,000回ごとに課金される方式
- CPD(Cost Per Day):広告出稿からの日数単位で課金される方式
- CPV(Cost Per View):広告表示回数1回ごとに課金される方式
- CPC(Cost Per Click):広告をクリックした回数ごとに課金される方式
各広告の表示場所と課金形態
次に、各広告の表示場所と課金形態について紹介します。どの場所にどうようなYoutube広告を出すことができるのか、また、それぞれにどのような形で課金が発生するのか、イメージをつかんでください。
バンパー広告
表示場所
- YouTube動画とGoogle動画パートナーのウェブサイトやアプリに表示される。
課金形態
- CPM/表示回数1,000回ごとに料金が発生する。
スキップ不可のインストリーム広告
表示場所
- YouTube動画とGoogle 動画パートナー上のウェブサイトやアプリに表示される。
課金形態
- CPM/表示回数1,000回ごとに料金が発生する。
アウトストリーム広告
表示場所
- アウトストリーム広告はモバイル専用広告。
- Google動画パートナー上のウェブサイトやアプリのみに表示される。
※YouTube上では利用不可。
課金形態
- CPM/表示回数1,000回ごとに料金が発生する。
※2秒以上の動画再生を1回とカウント。
マストヘッド広告
表示場所
- YouTubeサイトおよびYouTubeアプリトップ。
課金形態
- CPM/表示回数1,000回ごとに料金が発生する。
- CPD/表示日数単位で料金が発生する。
スキップ可能なインストリーム広告
表示場所
- YouTube 動画再生ページおよびGoogle動画パートナーのウェブサイト。
課金形態
- CPV/ユーザーが動画を30秒間(30秒未満の広告の場合は最後まで)視聴したか、30秒経つ前に動画を操作した場合に課金が発生する。
TrueView ディスカバリー広告
表示場所
- YouTube検索結果。
- YouTubeの関連動画の横。
- モバイル版YouTubeのトップページ。
課金形態
- CPC/ユーザーによるクリックごとに課金が発生する。
費用対効果をアップさせるコツ
このようにさまざまなタイプ・課金形態のあるYouTube広告ですが、運用する際にはどのようなことを意識すれば良いのでしょうか。費用対効果をアップさせる5つのコツを紹介します。
用途に合った広告タイプ選択
ここまで紹介してきたように、各広告フォーマットには適切な用途があります。それぞれには得意とする用途があり、YouTube広告を活用する際にはタイプごとの向き不向きに合った選択をしなければなりません。
たとえばブランド認知度の向上とリーチにはバンパー広告やスキップ不可のインストリーム広告が向いています。一方で短期間で大きな効果を出したい場合はマストヘッド広告が有効です。目的にあわせて予算を振り分ける意識が費用対効果を高めるでしょう。
丁寧なターゲティング
YouTube広告はGoogle広告の動画広告に位置づけられるものです。そのため、Googleが蓄積する詳細なユーザーデータを広告配信に活用できます。
年齢、性別、居住地、年収、検索歴、関心事など、ターゲティングを実施する際にはできるだけ多くの軸で丁寧に設定を行いましょう。細かくターゲティングすることにより、広告を見せたいターゲット層にしっかりとリーチでき、効果が高まります。
リマーケティングの有効活用
各種セグメントによってターゲティングしたユーザーの行動を追うリマーケティングができる点もYouTube広告の特徴です。ユーザーがどんな動画を視聴し、チャンネル登録をしているのか。広告を見たあとに、公式ページにアクセスしたかといった情報まで活用できます。
このような情報があれば、一度広告を配信し、チャンネルページに来た人に再度広告を配信するといった施策を実施することが可能です。リマーケティングを繰り返し実施すれば、広告配信の精度をどんどん高めていけるでしょう。
動画広告視聴後のわかりやすい導線
YouTube広告の最大の目的は動画広告を最後まで見せることではありません。動画を見たユーザーが1人でも多く商品サイトやLPに到達できるように、導線を整えましょう。
広告表示中のリンク表示や動画説明欄へのリンク記載など、動画広告視聴中に気になったユーザーがすぐさま見つけられる場所に自社サイトへの入り口を配置してください。
クオリティの高い動画も必要
数多くの動画が配信されているYouTubeにおいて、クオリティの低い動画広告はなかなかユーザーの興味を引くことができません。できるだけ動画を長く視聴してもらい、狙う導線へと誘導するためにはクオリティの高い動画が必要です。
特に最初の5秒間は、早くメインの動画を見たいと思っているユーザーにマイナスの印象を与える恐れもあり。明確なメッセージを端的に表現しなければなりません。逆に短い時間でユーザーの目を引ければ、新規顧客獲得・購買促進に繋がるきっかけになります。
自社での動画制作が難しい場合は、専門の制作会社に作成を依頼するのも1つの方法です。
まとめ
今回はこれからYouTube広告を始める方向けに費用の目安と各広告フォーマットの課金形態、そして費用対効果をアップさせるコツを紹介しました。
YouTube広告にはさまざまなタイプがあり、それぞれに表示方法や課金の発生条件が異なります。YouTube広告を活用するなら、それらの情報をしっかりと把握したうえで自社に合う方法を探っていきたいものです。
YouTube広告をイチから運用するためにはいろいろなことを覚えなくてはなりませんが、まずは自分の手で設定を行い、チャレンジしてみることが大切です。全体のコスト感については公式のシミュレーションも活用してイメージをつかんでいきましょう。
参考サイト
YouTube動画制作の平均費用と料金相場【2020年完全版】|アイミツ
動画広告制作費用の最新相場調査:2020年2月版|Web担当者のための見積相場ガイド
動画広告フォーマットの概要|Google広告 ヘルプ
YouTube動画広告の費用対効果を高めるためのコツとは?|GJC
YouTubeの広告は効果なし?運用のコツや出し方など徹底解説|Somethingfun
YouTube 視聴者へのリマーケティングについて|Google 広告 ヘルプ