非接触で決済できるキャッシュレス決済の需要は、年々高まっています。その中でも、特に認知度の高いPayPayの決済システム導入を検討されている方は多いでしょう。
「PayPay決済を導入するといっても、まず何から始めたらいいの?」
「特別に用意しなきゃならないものはある?費用はどれくらいかかる?」
このように、まずは何から始めたらいいかわからない方が大半かと思います。
PayPay決済を導入する際、オフライン決済・オンライン決済に関わらず、「加盟店申込」を行うのが導入の第一歩です。
オフライン決済(実店舗)では、審査に通り次第スターターガイドや専用キットが届くので、ガイドを見ながら初期設定をしていきます。
オンライン決済(ECサイト)の場合、「提携パートナーの利用」と「PayPay for Developersを使った独自開発」の2つの方法があります。自社のご状況に合わせて、どちらかの方法を選択します。
本記事では、PayPay決済を導入するにあたり、手順や必須項目、費用について詳しくご紹介します。
この記事を読むことで、実店舗・ECサイトに関わらず、PayPay決済を導入できるようになります。
オフライン(実店舗)でのPayPay決済の導入方法
実店舗にPayPay決済を導入する手順は以下の4ステップです。
- 必要書類の準備
- 申込フォームへの記入
- 申込案内メール受信&審査情報の入力
- 必要キットの受け取り
1. 必要書類の準備
まずは導入に必要な書類を準備します。
法人の方・個人事業主の方でそれぞれ準備する書類に違いがあるため、事前に確認しておくと安心です。またコピーではなく原本を準備しましょう。
<法人の方>
- 本人確認書類1点(運転免許証 or 在留カードおよび特別永住者証明書 or マイナンバーカード or 日本国パスポート or 健康保険証)
- 法人番号(国税庁法人番号公表サイトで確認可能)
<個人事業主の方>
- 本人確認書類1点(運転免許証 or 在留カードおよび特別永住者証明書 or マイナンバーカード or 日本国パスポート or 健康保険証)
- 発行から6ヶ月以内の住所確認書類(電気・ガス・水道などの公共料金領収書 or 住民票記載事項証明書 or 住民票写し)
※次のステップである「申込みフォームへの記入」において、入力した個人情報と本人確認書類との情報が同じである必要があります。
<そのほか>
- 中古品の取扱をしている方:古物商許可証
- 治療院や接骨院を開業している方:開設届出済証明書
- 旅行代理店を経営している方:旅行業登録票
- 医療や法律相談に携わっている方:資格認定証または登録証
(社会福祉登録証、精神保健福祉登録証、弁護士身分証明書など) - 運行代行業に携わっている方:自動車運転代行業認定証
- 特定継続的役務(学習塾・家庭教師・PC教室・美容医療院など)に携わっている方:3期分の決算書+履歴事項全部証明書または確定申告書の写し
- 宝くじや公営競技などに携わっている方:販売委託契約書のコピー
- 保険業に携わっている方:代理店委託契約書または2名分の保険募集人資格登録証+合格証
- 興行チケットを販売している方:古物商許可証+チケット不正転売禁止法遵守の同意書
- 商品券やプリペイドカードなどを販売している方:古物商許可証(二次販売の場合)
参考:国税庁法人番号公表サイト
2. 申込フォームへの記入
必要書類が準備できたら、申込フォームへ記入します。メールアドレス、氏名、法人名または屋号名、連絡先電話番号などの記入が必要です。
3. 申込案内メール受信&審査情報の入力
必要書類を元に申込フォームへ記入したら、入力したメールアドレス宛に「申込案内メール」が届きます。迷惑メールフォルダへ振り分けられてしまうのを防ぐため、「@paypay-corp.co.jp」ドメインのメールを受信できるよう設定しておきましょう。
申込案内メールの内容に沿って、審査情報を入力することで申込が完了します。
4. 必要キットの受け取り
申込が完了したら、あとは必要キットが届くのを待つだけです。PayPay側で審査が完了次第、「PayPayコードキット」が送られてきます。
「PayPayコードキット」内には、スタートガイドやQRコードステッカーのほか、レジ前・店舗前に掲示するための自立式スタンドなども入っています。スタートガイドに沿って設置し、初期設定を進めましょう。
オンライン(ECサイト)でのPayPay決済の導入方法
PayPay決済をECサイトなどに導入するには、大きく2つの方法があります。
- PayPayの提携パートナーである決済代行会社/ショッピングカートを利用する
- PayPay for Developersを利用して実装する
どちらの方法でも、オフライン決済(実店舗)とは別で加盟店申込を行い、審査を通す必要があります。申込は公式ページから実施可能です。
PayPayの提携パートナーである決済代行会社/ショッピングカートを利用する
PayPay決済の提携パートナーである決済代行会社やショッピングカート事業者を通すことで、PayPayでのオンライン決済を可能にします。
提携パートナーを利用することで、以下のような課題を解決できます。
- PayPayをサイトに導入したいけど、開発を行うリソースやノウハウがない
- PayPay以外のオンライン決済にも対応したい
- 審査・手続き・セキュリティ対策などを丸ごと委託したい
すでに決済代行会社・ショッピングカートを利用している場合は、PayPay決済と提携しているサービスかを確認しましょう。
PayPayオンライン決済の導入費用は提携パートナーによって異なるので、これから事業者を選ぶ方は必ず確認しましょう。
決済代行会社サービスプロバイダーの提携パートナー
- インコム・ジャパン株式会社
- SMBC GMO PAYMENT
- SBペイメントサービス株式会社
- GMOイプシロン株式会社
- GMOペイメントゲートウェイ株式会社
- 株式会社ゼウス
- ベリトランス株式会社
- Boku Network Services
- 株式会社ユニヴァ・ペイキャスト
- ネットスターズ
- 株式会社メタップスペイメント
ショッピングカード事業者の提携パートナー
- STORES
- e-shopsカートS
- カゴラボ
- おちゃのこネット
- MakeShop
- カラーミーショップ
- aishipR
- ショップサーブ
- futureshop
PayPay for DevelopersでECサイトやアプリに実装する
PayPay for Developersは、2020年7月にPayPay株式会社が提供を開始した開発者向けツールです。自社運営のECサイト・アプリとPayPayをAPI連携することで、簡単にオンライン決済を導入できるようになります。
PayPay for Developersを使うことで、主に以下の4つの支払い機能が利用できるようになります。
- ウェブペイメント機能:PayPayの支払い画面を表示して決済する機能
- ネイティブペイメント機能:ユーザーが事前に連携したPayPayアカウントで決済する機能
- 動的ユーザースキャン機能:自社サイト上にPaypay決済ができる動的QRコードを表示する機能
- アプリコール機能:ECサイト・アプリからPayPayアプリを呼び出して決済する機能
「専任のシステム開発担当がいる」「サイト・アプリを自社独自に開発・構築した」「自社独自にカスタマイズしたい」という場合は、PayPay for Developersの利用を検討してみてください。
参考:自社のECサイトやアプリに「PayPay」を導入できる開発者向けツール「PayPay for Developers」の提供を開始 – プレスリリース
参考:PayPay for Developers
オンラインのPayPay決済導入ならGMOイプシロンの決済代行(PR)
ネットショップなどオンラインでのPayPay決済の導入を考えている方におすすめなのがGMOイプシロンです。
GMOイプシロンの決済代行サービスは、導入実績30,000社以上でPayPay決済はじめ様々な決済手段を取り揃えております。
詳細はサービスページよりご覧ください。
PayPay決済導入にかかる費用
PayPay決済を導入するのに発生する費用について解説します。
かかる費用は以下の3つです。
- 初期費用
- 決済システム利用料
- 入金手数料
初期費用、決済システム利用料
PayPayを導入するのに、「初期費用」は一切かかりません。代わりに「決済システム利用料」が発生します。
2021年10月から決済システム利用料は、売上に対し1.60%かかります。PayPayマイストアライトプランへの契約なしの場合は1.98%となります。
なおPayPay決済がまったく発生しない場合は、総じて決済システム利用料は発生しません。
売上金振込サイクルは月1回、振り込み手数料は無料です。
参考:「PayPay」加盟店における2021年10月以降の決済システム利用料について – プレスリリース
入金手数料
月1回の入金の場合は、入金手数料が無料になります。
条件により無料となる場合と有料となる場合があるため、確認しておきましょう。
- 入金サイクルが当月末締め(月1回入金)の場合:入金手数料無料
- 入金額1万円以上、その都度入金の場合:入金手数料105円(税込)
また振込手数料は、月末締めで月1回振込の場合は無料です。
早期振込サービスへ加入すれば振込時期を早めることも可能ですが、サービス利用料と振込手数料が別途発生するため注意しましょう。
入金サイクル
入金先としてPayPay銀行を指定している場合、最短で翌日入金が可能です。累計決済金額などの縛りもありません。
他の金融機関を利用している場合は、最短で翌々営業日の入金になります。
PayPay決済を導入するメリットとデメリット
PayPay決済を導入する際のメリットとデメリットを確認しましょう。
PayPay決済を導入するメリット
PayPay決済を導入する主なメリットは以下のとおりです。
- ユーザー数が多いため売上や見込み客の増加が見込める
- 感染予防対策につながる(オフライン決済)
- QRコードを貼り出すだけで導入可能(オフライン決済)
- 支払い方法入力が不要なため、カゴ落ち防止で売り上げアップが期待できる(オンライン決済)
非接触で決済できるため感染予防対策につながり、特にコロナ禍においては大きなメリットとなります。
また他のキャッシュレス決済と比べても、QRコード読込だけで決済ができるため、顧客にとっての負担も最小限です。
PayPay決済を導入するデメリット
PayPay決済を導入する主なデメリットは以下のとおりです。
- 導入や運用の手間がかかる
- 手数料がかかる場合もある
- 2021年10月以降決済手数料が有料になる
- PayPayと提携している決済代行会社やショッピングカート事業者を利用する
- PayPay for DevelopersでECサイトやアプリに実装する
導入にかかる手間は比較的少ないPayPay決済ですが、書類の準備や審査申込など、ある程度の手間はかかります。
これまで無料だった決済手数料が、2021年10月から有料になったのは大きな変更点でありデメリットです。
まとめ
PayPay決済を導入する場合、実店舗・ECサイトに関わらず、まずは申込を行う必要があります。
実店舗にPayPay決済を導入するためのステップは「書類準備」「申込フォームへの記入」「審査申込」「必要キットの受取」の4つです。キットの中にはスターターガイドもセットで入っているので、これを見ながら初期設定を完了させてください。
ECサイトのオンライン決済としてPaypay決済を導入する場合は、以下の2通りの方法があります。
PayPayに限らずほかのオンライン決済も導入している場合は、管理コストを下げられるので提携パートナーを利用すると良いでしょう。
専任の開発担当者がいて、カスタマイズも含めすべて自社のペースで進めていきたいという場合は「PayPay for Developers」の利用をおすすめします。