顧客アンケートの実施ノウハウを徹底解説!回答率をアップさせる5つのポイント

顧客へのアンケートを実施したいと考えているものの、何から始めたらいいかわからない……とお悩みではないでしょうか。

近年ではWeb上で回答できるアンケートが主流となっています。紙のアンケートと比べて回答率が高く、集計・分析なども容易なので、アンケートを実施する場合はWebアンケートを選びましょう。

フローとしては対象を明確にしてからスケジュールを引き、アンケートを設計します。

しかし、顧客アンケートはただ単に調査したい内容を質問するだけでは効果が得られません。というのも、アンケート自体は顧客にとって面倒なものであり、正確な回答を得ることが難しいからです。

そのため、顧客のことを考えたアンケート設計でなければ、回答すらしてもらえないという最悪な状況にもなり得ます。

そうならないためには、顧客のことを考えたアンケート設計や回答率を上げるポイントをおさえておかなければなりません。

この記事では、顧客アンケートで自社の課題を見つけるべく、アンケート作成のコツから回答率を上げるポイントなどを解説します。

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顧客にアンケートを行う方法

顧客にアンケートを行う場合、基本的には既存顧客に向けたアンケートを行うことになります。

現在では紙のアンケートよりも Web上で回答できるアンケートフォームが主流です。

スマホの普及により手軽に回答できるようになったことが背景として考えられます。またWebのアンケートフォームは集計後の分析も容易なため、ビジネスの改善につなげやすいです。

Webのアンケートフォームの場合は簡易的なアンケートを実施できる無料ツールから、アンケート作成から分析までできる高機能を備えた有料ツールまで様々です。


顧客満足度アンケートを行うフロー

顧客に向けたアンケートの実施フローは以下の通りです。

  1. 目的を明確にする
  2. アンケート対象となる企業や対象者を選定する
  3. 調査体制を整え、スケジュールを立てる
  4. 仮説をもとにアンケートを設計・作成する
  5. アンケートを実施し、結果を回収する
  6. アンケートを集計・分析する
  7. 分析結果をもとに施策を展開する

実際のアンケート調査がスムーズにいきやすくするため、ここで流れをしっかり理解しておきましょう。

1.目的を明確にする

アンケート調査を始めるにあたり、重要なのは「目的」です。何を目的に調査をし、最終的にはどうなりたいのかを明確にする必要があります。

例えば顧客のロイヤルティを高めたいのか、リピーターを増やしたいのか、単純に自社商品の売れない理由を知りたいのかでアンケートの設問内容が変わってきます。

例えば、リピーターを増やす場合は現時点で継続利用している顧客に対して「商品を継続利用されている理由はなんですか」というように、リピーターが満足しているポイントを見つけます。

そのポイントを強化すればリピーターの増加に影響してくるわけですが、目的が曖昧だと設問内容も統一性がなく、正確なアンケート回答が見込めません。

そのため、まずは顧客アンケートを行う目的を明確にする必要があります。

2.アンケート対象となる企業や対象者を選定する

目的を明確にした後は、アンケート対象がユーザー個人なのか企業なのか選定します。

アンケートは、自社の顧客を対象に絞った「クローズドアンケート」と、不特定多数のユーザーが対象の「オープンアンケート」があります。

リピーター対象ならばクローズドアンケート、新規顧客対象ならばオープンアンケートが良いでしょう。

企業を対象とする場合は、できるだけ多くの取引先にアンケート協力を依頼しましょう。

そこからさらに、部署や役職などで対象を絞ります。アンケートを実施する際は、取引先に対し電話などで調査を行う旨を伝えると、協力してもらいやすいでしょう。

3.調査体制を整え、スケジュールを立てる

顧客アンケートは担当者1人でできるものでは到底ありませんので、調査・分析・改善などステップごとに体制を整え、スケジュールを立てる必要があります。

よくあるケースとして現場の担当者にアンケートの配布から回収まで任せている企業があります。
アンケートを回収、分析した後にビジネスの根本的な部分を改善する必要性が出てくる可能性がありますが、意思決定はビジネスの責任者が行う必要があります。

そのため、会社全体のプロジェクトととして捉えなければスムーズに進められません。顧客アンケートを実施する前に調査体制は整えておくようにしましょう。

4.仮説をもとにアンケートを設計・作成する

アンケート作成の前に、会社の現状の課題に仮説を立てましょう。何が原因で目的が達成できないのかを想定するのです。

例えばリピート率を増やしたいのであれば、品質や価格などあらゆる原因が想定できますが、ここでは顧客と接する機会のある営業担当の意見を聞き、現状の課題を探り出します。

そして仮説に基づき、アンケートの設計と作成をしましょう。

5.アンケートを実施し、結果を回収する

アンケートを作成後は対象者に配布し、期限日に回収します。

以前は、紙によるアンケートが多かったのですが、最近はWebアンケートが多くなりました。Webアンケートであれば、インターネットで管理できるため配布も回答も手間がかかりません。

郵送やFAXは回答して送信するだけのWebよりは手間がかかります。アンケートを回答する顧客の手間を考慮し、なるべく手間がかからないようWebアンケートがおすすめです。

6.アンケートを集計・分析する

アンケート回収後は、分析しやすいように集計を行います。集計は「単純集計」と「クロス集計」という方法があります。

単純集計とは、全ての回答者数を分母にし、各項目の選択肢を選んだ人の割合を求めます。クロス集計とは、回答者を年代や性別などで分類し、それぞれ母数として集計します。

例えば、企業向けのアンケートの場合、会社の規模や取引年数でクロス集計を行うと、意外な結果が分かることもあるでしょう。

ただし、母数が少なければデータとしては不十分です。分析の時は、母数のことも考えましょう。

詳しいデータ分析の手法についてはこちらを参考にしてください。

参考:明日からデータ活用を始めるためのおさえておくべき基本スキルと分析テクニック

7.分析結果をもとに改善する

集計したデータを基に、アンケート作成前に立てた仮説と照合して分析します。

顧客の満足度はどうか、どのような不満点があるかなど、データをチェックして自社課題を見つけましょう。

分析後は結果をレポートにまとめ、改善できるように活かしましょう。


顧客満足度アンケートの設計方法

顧客に向けたアンケートの設計手順は以下の通りです。

  1. 質問形式や選択肢を決める
  2. アンケートデザインを決める
  3. アンケート用紙・フォームを作成する

手順を理解し、アンケートを設計しましょう。

1.質問形式や選択肢を決める

アンケートをどのような質問形式にするか決めます。例えば、満足度を5段階で選択できるタイプであれば、顧客が回答しやすくなります。

自由回答も必要であれば、選択式を8割~9割多めにし、残りを自由回答欄にしましょう。自由回答欄が多いと、回答されにくいです。

また、質問数が多くなった場合は特に重要な質問箇所にチェック入れておくと良いでしょう。

2.アンケートデザインを決める

質問形式や選択肢を決めた後は、アンケートデザインを決めます。この時、デザインをカスタマイズしたい場合はツールがおすすめです。

ツールはインターネット上でアンケートの作成や実施ができるもので、アンケートの作成、配布、回答の集計機能がある「アンケートフォーム作成ツール」と、調査会社が独自に所有するモニターに回答依頼できる「ネットリサーチツール」があります。

調査会社を介さないのであれば、「アンケートフォーム作成ツール」の利用が良いでしょう。

紙のアンケートと比べて回答率が高く、データはすぐに集計されます。ツールはテンプレートが用意されていることが多いので、アンケート作成が初めての人でも難しくはないでしょう。

3.アンケート用紙・フォームを作成する

アンケート用紙の作成では前述した通り「紙で作成する」場合と、「Web上のアンケートフォームを作成する」場合があります。

これらの使い分け方法としては、紙で作成する場合は回答者がインターネット環境を利用できない場合やスマホやパソコンを扱えない高齢者に行う場合に向いています。

一方、アンケートの作成や配信、集計や分析を行いたい場合はWebのアンケートフォームを作成するのがおすすめです。

どちらも使い分けが大切なので、自社の顧客にあった方法でアンケートを作成しましょう。


顧客アンケートを設計する際に意識すべき3つのポイント

顧客アンケートは、以下で紹介する3つのポイントを意識することで正確な回答を得られるアンケートを設計できます。

  • 回答者の態度変容を意識して設問を考える
  • アンケートは選択式と記述式を合わせて使う
  • シンプルな設問を設計する

回答者の態度変容を意識して設問を考える

回答者がどのように商品を知り購入に至ったのか、そして購入後の満足度から今後も継続していくのかといった流れを意識して設問を考える必要があります。

できるだけ、回答者が当時の状況を思い出しながら回答しやすいよう時系列を合わせましょう。

そうすることで顧客自身が体感したプロセスを可視化できます。そのプロセスの過程で不満があれば、指定の箇所を改善することで商品購入の促進やリピーター獲得につながります。

アンケートは選択式と記述式を合わせて使う

アンケートは選択式のみにせず、満足度や利用頻度などの顧客の意見を聞きたい時は、記述式も合わせて使います。

選択式のみだと顧客からすれば回答しやすいですが、分析となれば何が課題で何を改善すれば良いのか分からず、アンケートしたことが無意味になります。

ですので、選択式で選んだ項目に対して「なぜそう思ったのか理由をお聞かせください」というように、設問に合わせて記述式の設問を設置しましょう。

シンプルな設問を設計する

設問は回答者にその意図が分かるようシンプルなものに設計しましょう。その時に重要視して欲しいポイントは「設問は一目見てわかる内容にする」ということです。

顧客アンケートの際、複雑な設問の場合、時間をかけて回答することになります。そうなると、顧客は面倒だと感じ、アンケートを適当に回答する可能性が高いです。

それを防ぐために設問は一目見て内容がわかるようシンプルに設問を心がけましょう。


顧客アンケートの回答率を上げる5つのポイント

顧客アンケートを実施する際には、アンケートの回答率を上げることが大切です。実施しても回答率が低いようでは正確なデータを取得できなくなります。

回答率を上げるためには以下の5つを意識してください。

  • インセンティブを用意する
  • 顧客アンケートの設問数はできるだけ少なくする
  • 個人情報の記入を少なくする
  • アンケートの趣旨を明確に伝える
  • 自由回答欄は必要最小限に抑える

インセンティブを用意する

確実に回答率を上げたい時は、インセンティブを用意しましょう。

例えば、「アンケートに答えた人に粗品をプレゼント」といった回答者にお得感を与えることで、回答したくなるよう誘導します。

インセンティブは、回答者全員でも抽選でも良いでしょう。金額は100円~1,000円程度までが一般的とされています。

顧客アンケートの設問数はできるだけ少なくする

設問数はできるだけ少ないほうが、顧客は回答しやすいです。設問数が多いと、アンケートに答えること自体に煩わしさを感じさせてしまうからです。

アンケートは、A4用紙1枚以内にすると回答者の負担が少なく、一目見ても設問数が少なく感じるので回答率が上がりやすいです。

A4用紙を一つの判断基準として捉え、それ以上になってしまう場合は、設問を厳選しましょう。

個人情報の記入を少なくする

アンケートは個人情報を記入する箇所はなるべく少なくしましょう。個人情報の記入が必要だと分かると、「アンケートに答えたくない」という方が増えます。

また、回答者の中には「個人情報の明記が必要なら正直な意見が書きづらく」と考える方がほとんどのため、回答率が下がってしまいます。

ですので、匿名でもアンケートに回答できるよう設計するなど、個人情報の記入を少なくするなど工夫しましょう。

また、個人情報の記入がともなく箇所は必須項目にせず、自由回答形式にすれば回答者に負担がかかりません。

匿名でも回答できるアンケートにすると、顧客は回答しやすくなります。

アンケートの趣旨を明確に伝える

アンケートの実施や配布を顧客に伝える際、その趣旨を明確に伝えることが大切です。

趣旨を伝えなければ、顧客は「怪しいものではないか」と不安に思います。

どういう目的で行うのか、どのようなことに利用するのか、個人情報の取り扱いについても明記し、顧客に安心感を与えることで回答率は上がります。

ですので、いきなりアンケートの設問を設置するのではなく、先にどういった趣旨でなんのために行うのかを明確に伝えましょう。

自由回答欄は必要最小限に抑える

自由回答欄や自由選択できる設問は、必要最小限に抑えましょう。

顧客の意見をより詳しく知ることができますが、その分回答者の負担が増え、回答することのモチベーションが下がる可能性があります。

基本的に、質問1つに対して回答を1つ選択する「単一選択型」が回答者の負担が少なく済みます。


まとめ

顧客アンケートで大切なことは、「どんな目的でアンケートを行うのか」これによって設問内容は大きく異なります。

その次に大切なことがアンケートの回答率を上げることです。顧客にアンケートを行っても回答率が低いのであれば結果を生かすことができません。

上記2つを意識して顧客アンケートの作成・実施を行うことでビジネスの根本的な課題の解決が可能となります。

顧客アンケートを正しく活かすことができれば、売り上げが何倍にもアップする、リピーターが増える、という目に見える成果が得られます。

この記事では、顧客アンケートのフローからアンケートの作成方法、回答率を上げる方法まで解説しています。自社で顧客アンケートを行う際には、この記事を活用してください。

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