文書の保管方法の基本|保存期間や保管サービスについても紹介

文書 保管

業務で作成する文書をどのように保管すればよいかわからないという方は少なくありません。事務以外にさまざまな業務を兼任している場合はなおさらです。また法律で保管が定められている書類もあります。

この記事では、文書を保管する理由や保管方法・保管期限なども紹介しています。文書保管のコツなども解説しているので、ぜひ業務に役立ててください。


法律で保管期間が定められている書類とは?

まず、法律にしたがって保管する必要がある書類を、期間ごとに列記していきます。保管を開始した時期ついては、文書によって違いがあるため別途確認が必要です。保存期間に達しないまま廃棄してしまうと、法律違反になり罰則が適用されます。

また、文書の保存期間は一つの法律だけに明記されているとは限りません。例えば、経理に関する請求書は、会社法・法人税法の適用をそれぞれ受けるので、異なる保存期間が設定されています。このような場合は、一般的に保存期間が長いものが優先的に適用されます。

永久に保存しなければならない書類

業務別文書
総務・定款 ・株主名簿、新株予約権原簿、社債原簿、端株原簿、株券喪失登録簿 ・登記、訴訟関係書類 ・官公庁への提出文書、官公署からの許可書、認可書、通達などに関する重要な書類 ・知的所有権に関する関係書類 ・社規、社則、またこれに関する通達文書 ・効力の永続する契約に関わる書類 ・重要な権利や財産に関わる書類 ・社報、社内報、重要刊行物 ・重要統計文書 ・儀式、祭典に関する文書 ・関連会社に関する文書 ・会計監査に関する文書 ・外部団体への加入・脱退に関する書類 ・経営計画に関する文書 ・稟議書やその他の重要書類 ・訴訟関係書類 ・外部団体や企業が受けた認定や登録に関する証書と関係書類 ・製品の開発・設計に関わる重要な書類(特許書類など)
人事・重要な人事に関わる書類 ・従業員の労務、人事、給与、社会保険関係の書類 ・労働協約に関する書類 ・表彰や懲戒に関する文書
経理・決算に関する書類 ・株式増資に関する書類 ・中長期予算、年次予算に関する書類 ・固定資産に関する書類

参考:おかんの給湯室|【文書保管マニュアル】書類の保存期間ってきちんと理解できていますか?

30年間保存しなければならない書類

業務別文書
人事・労働者に関する作業概要などの定期記録
・上記労働者の特定化学物質等健康診断個人表
・焼却施設等作業の記録
・放射線業務従事者の健康診断記録
・常時焼却施設等のダイオキシン類の濃度の定期測定記録

参考:おかんの給湯室|【文書保管マニュアル】書類の保存期間ってきちんと理解できていますか?

10年間保存しなければならない書類

業務別文書
総務・各種議事録(株主総会、取締役会、監査役会、委員会、重要会議) ・満期契約書(解約含む) ・取引記録 ・損害保険関連の重要文書 ・社内全般の通達書 ・福利厚生関連の重要文書 ・経営管理のために重要で後列となる文書
経理・計算書類および附属明細書 ・会計帳簿および事業に関する重要書類 ・財務関係書類 ・決算書類

参考:おかんの給湯室|【文書保管マニュアル】書類の保存期間ってきちんと理解できていますか?

7年間保存しなければならない書類

業務別文書
経理・取引帳簿(仕訳帳、現金出納帳、固定資産台帳など) ・決算関連書類 ・現金収受や預貯金関連取引証憑書類(領収書、預金通帳、借用書など) ・有価証券の取引関連証憑書類(有価証券受渡計算書、売買報告書、社債申込書など) ・取引証憑書類(請求書、契約書、見積書など) ・電子取引の取引関連電磁的記録 ・各種控除申告書(給与所得者の扶養控除等(異動)、配偶者特別控除、保険料控除) ・給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書 ・課税仕入などの税額の控除に関する帳簿 ・請求書 ・資産の譲渡や課税仕入 ・課税貨物の保税地域からの取引に関する帳簿 ・源泉徴収簿

参考:おかんの給湯室|【文書保管マニュアル】書類の保存期間ってきちんと理解できていますか?

5年間保存しなければならない書類

業務別文書
経理・監査報告 ・会計監査報告 ・会計参与が備えおくべき計算書類 ・附属明細書 ・会計参与報告 ・金融機関等が保存する非課税貯蓄申込書、非課税貯蓄申告書など ・金融機関等が保存する海外転勤者の財産形成非課税住宅貯蓄継続適用申告書 ・海外天気者の国内勤務申告書などの写し ・金融機関等が保存する退職等に関する通知書 ・監査役の監査報告書 ・退職等に関する通知書 ・海外転勤者の財政形成非課税住宅貯蓄継続用申告書 ・海外転勤者の国内勤務報告書などの写し
人事・従業員の身元保証書 ・誓約書など ・雇用保険の被保険者に関する書類 ・雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿
総務・事業報告 ・有価証券届出書、有価証券報告書とその添付書類 ・訂正届出書の写し ・契約期限のある覚書、念書、協定書 ・重要事項のやりとりに関わる書類 ・診療録(カルテ) ・産業廃棄物管理表

参考:おかんの給湯室|【文書保管マニュアル】書類の保存期間ってきちんと理解できていますか?

3年間保存しなければならない書類

業務別文書
人事・労働者名簿 ・賃金台帳 ・雇用、解雇、退職に関わる書類 ・災害補償に関わる書類 ・タイムカードや残業命令書、残業報告書など ・労災保険に関する書類 ・労働保険に関する書類
総務・四半期報告書、半期報告書とその訂正報告書の写し ・官公署関係の認可や出願の書類 ・業務日報、社内会議の記録、契約書など後に参照可能性のある書類 ・消耗品や購入品の受け入れ、払い戻し、保管の書類 ・統計書類 ・企画、広告、宣伝、市場調査などに関する書類 ・業務日報 ・外部団体への寄付や賛助に関する書類

参考:おかんの給湯室|【文書保管マニュアル】書類の保存期間ってきちんと理解できていますか?

1~2年間保存しなければならない書類

業務別文書
人事・雇用保険関係の書類 ・健康保険、厚生年金保険関係の書類 ・住所姓名の変更届 ・出勤簿、休暇届、欠勤願、休暇使用記録表
総務・臨時報告書、事故株券買付状況報告書とその訂正報告書の写し ・日誌、送受信文書、通知書類、調査書類など ・来客記録 ・株主総会委任状 ・催事出品商品申請書

参考:おかんの給湯室|【文書保管マニュアル】書類の保存期間ってきちんと理解できていますか?


文書管理の方法

ここでは、文書管理の基本的な方法やコツを紹介していきます。

書類を分類、整理する

書類を分類・整理するときは、文書の分類体系をきちんと決めておくことが大切です。
文書の分類には、大きく分けてワリツケ式・ツミアゲ式があります。ワリツケ式は、大分類⇒中分類⇒小分類の順に整理する方法で、社内全体の共通文章に使われる事が多い分類体系です。

一方、ツミアゲ式は、小分類⇒中分類⇒大分類の順に整理される分類体系で、部署ごとの固有文書に用いられます。書類の分類・整理では、共通・固有文書などの性質ごとにカテゴライズしていくことがわかりやすさのポイントになります。

難しいときは、会社の「文書管理規則」や「文書管理規程」などを参考にしましょう。

ファイリングをする

効率的に書類を分類・整理したい時は、ファイリングシステムがオススメです。ファイリングシステムとは、会社で扱う書類を分類・管理しやすくする仕組みのことです。以下で、代表的なものを紹介します。

バーチカルファイリング

分類した書類をクリアファイルなどにまとめて入れ、同じようなファイルを大量に作成して保管する方法です。

簿冊式ファイリング

見出しやタイトルがつけられたバインダーや厚型ファイルなどに書類を綴じて保管する方法です。

ボックスファイリング

バーチカルファイリングで作ったファイルを、さらに箱型のファイルなどでラベリングして保管していく方法です。

ラベリングをする

ラベリングとは、どのような書類が保管されているかを示す目印のようなものです。分類・整理された書類の特徴を示す「見出し」や「名前」などがつけられます。全体で共有するものなので、誰でも理解できるような言葉を使うことが大切です。

現段階でラベリングできないファイルは「一時保管ファイル」などの名前にしましょう。「その他」というラベルでは、何が入っているのか分かりません。できあがったラベリングは、第三者にチェックしてもらい、表現が分かりにくい場合は修正するとよいでしょう。


文書保管におすすめの方法3選

ここでは、文書保管に活用できる方法を3つ紹介していきます。

倉庫に預ける

全文書中、使用頻度の高い文書が3割未満なら、電子化せずに紙媒体で倉庫に預けるのがよいとされています。使用頻度の高い文章を抽出するのも、文章を電子化するのにも、コストがかかるからです。

とはいっても、使用頻度の低い文書であっても保管するスペースがないという方もいるでしょう。そのような場合は、文書保管サービスを利用するのがおすすめです。文書保管サービスを利用すれば、箱単位で書類を預けることができます。

依頼もWeb上で完結し、1箱当たり月額100円以下で利用できるケースも多く、電子化よりもコストを抑えられます。閲覧時は、該当の文章をPDF化して送ってくれます。電子化のデメリットを克服したサービスといえるでしょう。

ペーパーレス化を推進する

コストがかかると言っても、文書を電子化する動きは活発になっています。「e文書法」や「電子帳簿保存法」の影響も大きいでしょう。

e文書法とは、法定保存文書のうち各省庁が認めたものについては電子化が認められるという法律です。電子帳簿保存法は、税務関係の文書を電子化することを認めた法律です。これらの法律が制定されたことで、ペーパーレス化がより促進されました。保管スペースの確保・検索性の向上・紛失防止にも効果が見られています。

例えば、領収書はスマートフォンのカメラ機能をつかうことで、自ないでペーパーレス化ができます。これにより、経費精算のためにだけに在席する必要もなくなります。契約書の場合もペーパーレス化は可能ですが、契約相手側の許可が必須になります。

アウトソーシングする

文書の保管を自社で対応することが困難な場合は、アウトソーシングサービスを利用しましょう。アウトソーシングなら、箱詰めや文書管理台帳の作成といった業務をすべて外注化できます。自社で文書保管する手間がなくなった分だけ、重要な業務に集中することが可能です。

専門性の高い会社にアウトソーシングすれば、セキュリティ性の高いスペースに文書を保管することができます。自ら倉庫に預けたりペーパーレス化する時よりも、より安全に文書の保管できるのが特徴です。アクセスログを確認できるなど、文書の所在・使用者の状況もリアルタイムに把握できます。

登録から出庫依頼、箱詰めまでWeb上で依頼でき、文書保管に関するコストを大幅に削減することも可能です。


外部委託する際の注意点

自社の目的に合ったサービスか?

外部委託する時は、自社の目的にあったサービスを利用しましょう。どのような課題があるのか把握して、導入する目的を明確にすることが大切です。例えば、ペーパーレス化が目的なら、スキャナや複合機が充実しているサービスが適しています。

また、既存システムとの連携機能も必要になるでしょう。業務を効率化させたいなら「検索機能」と「承認機能」も重要です。検索機能が優秀だと、目的の文書を迅速に探すことができ、全文検索機能も可能です。承認機能が充実していると、申請の進捗状況を簡単に把握できます。

いずれの目的にせよ、書類を預けたり電子化したりする前に、必要な書類を整理しておくことが重要です。

セキュリティは万全か?

文書保管を外部に委託するなら、セキュリティ対策が充実しているところを選びましょう。セキュリティが万全でなければ、紛失リスクが増大します。本来の業務ではなくただ預かるだけを目的としたサービスの場合は、他の貨物との混載も起こりえます。

人の出入りの多い保管場所も安全とは言えません。これらを踏まえて、以下でセキュリティ機能が高い外部委託サービスの特徴を示します。

  • 文章単位でアクセス管理できる。
  • 自動バックアップ機能がある。
  • 入退室管理が徹底している。
  • 保管場所が耐震対策されている。
  • 専用の車両で集配送されているか。
  • 車両にもセキュリティが施されているか。

まとめ

法律で保管期限が定められた文書は、規定された期間中ずっと保管しなければなりません。上手に保管するには、書類を分類してファイリング・ラベリングするとよいでしょう。また分類についても、共通文書と固有文書の違いを意識してカテゴライズすることがわかりやすさのうえでも重要です。

文書の保管方法は3種類ありますが、それぞれ特徴が異なるため、目的や文書の量に応じた使い分けが必要です。使用頻度の高い書類が3割以上あるなら、ペーパーレス化も効果的だといわれます。自社で対応できない場合は、アウトソーシングすることもおすすめです。

参考にしたサイト

会計・経理関係書類の保存期間総まとめ(根拠法付き)
【保存版】文書管理の“いろは”を徹底的に網羅したまとめ
【文書保管マニュアル】書類の保存期間ってきちんと理解できていますか?
すぐに書類を取り出せる保管方法とは?文書分類のコツ
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