エッジAIとは、独立したデバイス上で処理を行う人工知能技術のことです。
エッジAIはクラウドサーバーへのデータ送信を必要としないため、ラグのないデータ処理を行うことができ、現在では様々なデバイスやシステムに導入されています。
しかし、このようなテクノロジーに関心はあるものの、専門的な知識がないため具体的なイメージが沸いていないという方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、エッジAIの基礎から、活用事例、クラウドAIとの違い、メリットやデメリットなどの情報を一挙にご紹介します。
エッジAIの基礎を知りたい方は、ぜひご一読ください。
※本記事はCint Japan株式会社 提供によるスポンサード・コンテンツです。
エッジAIとは、独立したデバイス上で処理を行うAIのこと
エッジAI(Edge AI)とは、独立したエッジデバイス上で直接データ処理を行う人工知能技術です。
エッジAIの技術では、クラウドサーバーへのデータ送信を必要とせず、デバイス自体がデータの処理を行うため、リアルタイムかつ迅速なデータ処理を実現できます。
特に通信環境が不安定な場所や、迅速な処理が求められるアプリケーションなどで真価を発揮します。
エッジデバイスとは
エッジデバイスとは、スマートフォンやその他IoTデバイスなど、センサーを通じてデータを収集・活用できるデバイスのことを指します。
デバイス上でエッジAIがセンサーデータの解析、顔認識、音声認識などのタスクを実行することで、クラウドコンピューティングのAIに似た機能を局所的に利用することができます。
エッジデバイスの代表的な事例5つ
エッジAI技術は、さまざまなエッジデバイスで活用されています。
以下に、代表的なエッジデバイスの例を5つご紹介します。
1.スマートフォン
スマートフォンは最も身近なエッジデバイスの一つです。
スマートフォンには、様々な種類のセンサーや、高度なプロセッサが搭載されており、複雑な計算をローカル環境で処理することができます。
例えば、カメラ機能を活用した顔認証や、音声認識機能を活用したリアルタイム翻訳などがこれに該当します。
2.ウェアラブルデバイス
ウェアラブルデバイスとは、スマートウォッチやリストバンドのように身につけるタイプのデバイスのことで、主に健康やフィットネスなどのデータ収集に利用されています。
ウェアラブルデバイスには、心拍数、歩数、睡眠時間を計測する機能などが備わっており、収集したデータをリアルタイムで解析し、健康状態の可視化や、アクティビティの提案を行うことができます。
3.スマートホームデバイス
スマートホームデバイスとは、室内の光量を自動調整するなど、家庭内の様々な装置を自動化・効率化するためのデバイスです。
代表的なものとして、スマートライト、スマートサーモスタット、スマートロックなどが挙げられます。
たとえばスマートライトは、エッジAIの技術を用いて日中の光の変化に応じて照明の強度を調整することが可能です。
スマートサーモスタットは同技術を用いて室温を最適化し、エネルギーの消費を削減することができます。
4.自動運転車
自動運転車とは、エッジAIを活用した運転を自動化した車両(システム)のことで、世界中で開発が進められています。
これらの車両には、高精度のカメラ、レーダー、リダーなどの多くのセンサーが搭載されており、検知した周囲の環境をリアルタイムで処理することで自動で運転を行います。
AI技術を運転システムに用いることで、複雑なタスクを処理することができるため、安全性の向上や、交通状況の最適化など改善が期待されています。
5.産業用ロボット
産業用ロボットとは、製造業の各工程の作業を自動化・効率化するために使用されているロボットのことです。
産業用ロボットにもエッジAIが搭載されているものが多く、組み立てや検査などの作業を自動で行うことができます。
エッジAIを活用することにより、作業の制度を高めたり、品質や生産性の改善、ダウンタイムの減少などを実現することが可能です。
エッジAIとクラウドAIの違い
次に、比較されることが多いエッジAIとクラウドAIの違いについて紹介します。
エッジAIとクラウドAIは、データ処理の場所と方法において下記のような違いがあります。
特徴 | エッジAI | クラウドAI |
---|---|---|
データ処理の場所 | デバイス上 | クラウドサーバー |
処理速度 | 比較的に速い(リアルタイム処理) | 比較的に遅い(通信速度が影響) |
プライバシー | 比較的に高い(デバイス内でデータを処理) | 比較的に低い(データがクラウドに送信される) |
計算能力 | デバイスの性能に依存する | 比較的に高い(クラウド上で処理を行うためデバイスの性能に依存しない) |
スケーラビリティ | 限定的 | 高い |
独立したデバイス上で処理を行うエッジAIは、クラウドへデータ送信を行う必要がないため、処理速度が速く、プライバシーの保護に優れています。
しかし、処理速度はデバイスの性能に依存するため、柔軟性やスケーラビリティの面ではクラウドAIに軍配が上がります。
エッジAIの主なメリット4つ
次に、エッジAIの主なメリットを4つご紹介します。
1.高速で処理を行える
エッジAIはデータをローカル環境で処理するため、通信による遅延が生じません。
特に自動運転システムや緊急対応システムなどの速度が重要となるシステムにおいては大きな利点です。
2.データ流出リスクを低減できる
データがエッジデバイス上で処理されるエッジAIは、クラウドへのデータ転送を必要としません。
これにより、データの外部流出リスクを低減し、ユーザのプライバシーを保護することができます。
3.データ通信コストの削減できる
エッジAIは、クラウドにデータを送信する必要がないため、データ通信のコストを削減することにもつながります。
4.オフライン環境で機能する
エッジAIはローカル環境で機能するため、インターネット接続がない環境でもデータ処理を続けることができます。
ネットワークが不安定な地域や、山奥などのネット環境のない地域でもデバイスが機能します。
エッジAIの主なデメリット3つ
前述のとおりローカル環境で高速に機能するエッジAIですが、いくつかのデメリットも存在します。以下に代表的なデメリットを3つご紹介します。
1.計算能力とストレージ容量がデバイスに依存する
エッジAIの計算能力や容量はエッジデバイスに依存するため、クラウドサーバーほどの高い計算能力や大容量ストレージを持っていません。
このため、エッジAIはクラウドAIと比べて複雑な処理や大規模なデータ処理には向いていません。
2.デバイスのエネルギー消費量が増える
エッジAIを活用してエッジデバイス上でのデータ処理が増えるということは、それだけバッテリーを消費するということです。
特に小型のエッジデバイスでは、エネルギー効率やバッテリー寿命は重要な課題となります。
3.デバイス管理が複雑化する可能性がある
エッジデバイスは物理的に異なる環境で動作しているため、デバイスの管理や保守、アップデートなどがクラウドAIに比べて複雑になる可能性があります。
まとめ
本記事では、エッジAIの基礎から、メリットやデメリット、活用事例、クラウドAIなどとの違いなどの情報を紹介しました。
エッジAIとは、独立したデバイス(エッジデバイス)上でデータ処理を行うAI技術のことです。
クラウドサーバへデータ通信を行わずエッジデバイス上で処理を行うことで、高速化やプライバシー保護などの面で優れており、素早い意思決定が求められる自動運転のシステムや、ネット環境が不安定な地域などでの利用に適しています。
反面、デバイス性能に依存する処理能力、限定的な拡張性、バッテリー消費などの面ではクラウドAIに劣ります。
エッジAIの技術はすでにスマートフォンや、ウェアラブルデバイス、スマートホームデバイスなど、身近に利用されています。
そして、自動運転システムや産業用ロボットなど、多くの方面でさらなる活躍が期待されています。
今後もエッジAI技術の発展からは目が離せません。
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本記事では、エッジAIについて解説してきました。
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