英語でのプレゼン前に覚えたいフレーズ集と構成・資料・話し方のポイント

英語でのプレゼンは新たなビジネスチャンスの創出につながる重要性の高いイベントです。しかし、これまで英語を使ったプレゼンの経験がない方にとっては大きな挑戦で、当日うまくできるか不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

プレゼンの場では一般的な英会話と適した表現が変わります。プレゼン前の限られた準備期間に、よく使うフレーズを覚えておくと良いでしょう。

ただし、プレゼンを成功させる要素は「英語力」だけではありません。聴衆を惹きつけて自身の主張を伝えるためには、プレゼンの構成や資料、話し方をブラッシュアップする必要があります。

本記事では英語のプレゼン前に覚えておきたいフレーズと、プレゼンで重要な要素となる「プレゼン構成の作り方」「資料の作り方」「話し方」の3つをそれぞれ解説していきます。

本記事を読むことで、英語でのプレゼンを実施するための備えとして何をすべきか、限られた時間の中でどこに注力すべきかが理解できるようになります。


英語のプレゼン時に役立つフレーズ

英語でのプレゼンにおいて効果的なフレーズを使って印象を高めることが重要です。以下の内容をもとに各プレゼンのフェーズで役立つフレーズや単語を解説します。

参考:英語プレゼン|始め方〜締めまで全例文と構成・スライド作成法
   英語のプレゼンを成功させるコツとは?使えるフレーズも紹介|英語学習メディアEnglish With
   これで万全!英語プレゼンテーションを成功に導くコツを紹介 – 神田外語キャリアカレッジ 公式サイト

1.プレゼンの始め方

プレゼンの始まりは、聴衆の注意を引き、自分のメッセージに興味を持ってもらう大事な瞬間です。

開始時の鉄板フレーズ

1.Good morning/afternoon/evening, everyone.
「おはようございます/こんにちは/こんばんは、皆さん」
2.Thank you for taking the time to join us today.
「今日はお時間を取って参加していただき、ありがとうございます」

あいさつと自己紹介のフレーズ

1.My name is [Your Name], and I’m with [Your Company/Organization].
「私の名前は[あなたの名前]で、[あなたの会社/組織]に所属しています」
2.I’m here today to discuss/share/talk about…
「今日は…について話し合う/共有する/話すためにここにいます」

2.英語のプレゼンの本題

聴衆が最も関心を持つであろう部分、それがプレゼンの「本題」です。これをうまく伝えるためのフレーズは以下の通りです。

本題の一つのセクションを開始する時のフレーズ

1.Let’s dive into the first section/topic…
「最初のセクション/トピックに入りましょう」
2.I’d like to begin by addressing…
「まず…について触れたいと思います」

重要なことを強調する時のフレーズ

1.I’d like to emphasize that…
「…であることを強調したいと思います」
2.It’s crucial/essential to note that…
「…であることを注意深く記しておくことが重要/必須です」

英語のプレゼンでのスライドを使った説明

スライドは、プレゼンの内容をビジュアルに整理、強調する重要なツールです。そのスライドを効果的に説明するためのフレーズをご紹介します。

スライドを紹介・説明するときのフレーズ

1.As you can see on this slide…
「このスライドで見られるように…」
2.Let’s turn our attention to the next slide.
「次のスライドに注意を向けてみましょう」
3.Let’s take a look at this slide.
「このスライドを見てみましょう。」
4.As you can see here…
「こちらで見ることができるように…」
5.”This slide highlights the main points of our discussion.”
「このスライドは、私たちの議論の主要なポイントを強調しています。」
6.”Moving on to the next slide, we can see the results of our latest survey.”
「次のスライドに移ると、最新の調査結果が見られます。」
7.”On the left/right side of the slide, you’ll notice…”
「スライドの左/右側に、…が注目されているのがわかるでしょう。」
8.”I’d like to draw your attention to the section labeled…”
「…とラベル付けされたセクションに注目していただきたいです。」
9.”In comparison to the previous slide, this one shows…”
「前のスライドと比べて、このスライドでは…が示されています。」

グラフやチャートを紹介する時のフレーズ

1.This chart/graph illustrates/shows…
「このチャート/グラフは…を示しています」
2.The data here indicates that…
「ここにあるデータは…を示しています」
3.The data displayed here indicates that…
「ここに表示されているデータは、…を示しています。」
4.To clarify this point further, let’s delve into this diagram.
「この点をさらに明確にするため、この図を詳しく見てみましょう。」
5.This pie chart provides a percentage breakdown of…
「この円グラフは、…のパーセンテージ内訳を示しています。」

3.英語のプレゼンの終わり方

プレゼンの最後に残る印象が全体の評価に大きく影響することがよくあります。ここでは、印象的な結びと感謝の言葉について説明します。

結論と要点のまとめ方

1.In conclusion, …
「結論として、…」
2.To sum up, …
「要約すると、…」

聴衆への感謝のフレーズ

1.Thank you for your attention/time.
「ご注意/お時間をいただき、ありがとうございます」
2.I appreciate your active participation today.
「今日は積極的に参加していただき、感謝しています」

(その他)英語のプレゼンでよく使われる重要単語

フレーズとは異なりますが、英語でのプレゼンでよく使われる単語をまとめておきます。以下に、具体的によく使われる単語と簡単な説明をリストアップしています。

  • Objective(目的):プレゼンの主な目標や目的
  • Data(データ):推論や議論の根拠として使用される事実情報
  • Analysis(分析):何らかの要素や構造の詳細な調査
  • Strategy(戦略):長期的または全体的な目的を達成するための行動計画
  • Trend(トレンド):何かが発展または変化している一般的な方向
  • Forecast(予測):未来の予測や見積もり
  • Outcome(結果):行動や物事の結果
  • Recommendation(推奨):最善の行動方針としての提案

このように、単語を上手に駆使することで、プレゼンがよりスムーズで印象的なものになるでしょう。


英語でのプレゼンを成功させる構成のポイント3点

プレゼンテーションは、効果的なコミュニケーションを実現するために、通常「導入」「本論」「結論」という三つの主要な構成部分に分けられます。この構成は、聴衆の注意を引き、情報を効果的に伝え、印象深いメッセージを残すために重要です。

参考:英語プレゼン|始め方〜締めまで全例文と構成・スライド作成法
   英語のプレゼンを成功させるコツとは?使えるフレーズも紹介|英語学習メディアEnglish With

導入

導入はプレゼンテーションの最初の部分で、聴衆の注意を引き、関心を喚起するために使われます。ここでプレゼンテーションの目的や主要なメッセージを明確にすることで、聴衆はプレゼンテーションの全体的な流れを理解しやすくなります。

  • ジョークやアイスブレイクを使用する
  • プレゼンの目的や主要メッセージを明確に伝える

導入部では、聴衆の関心を引くためにジョークやアイスブレイクを活用することが効果的です。これにより、リラックスした雰囲気を作り出し、聴衆の興味を喚起します。

また、プレゼンテーションの目的や主要なメッセージを初めに明確に伝えることで、聴衆はプレゼンテーションの流れを理解しやすくなります。

本論

本論では、プレゼンテーションの主要な内容や論点を詳細に伝えます。情報は論理的に整理され、聴衆が容易に理解できるように提示されるべきです。ビジュアルや具体例を用いることで、複雑な情報もわかりやすく伝えることができます。

  • 情報を論理的に整理し、ナンバリングで提示する
  • ビジュアルを活用する
  • 具体例やエビデンスを用いる

本論部分では、提示する情報を論理的に整理し、ナンバリングを用いて聴衆に伝えます。

図表、グラフ、写真、イラストレーションなどの視覚的な要素や具体例、エビデンスを交えることで、聴衆の理解を深め、説得力を増します。情報を段階的に提示することで、聴衆が論点を追いやすくなります。

結論

結論はプレゼンテーションの最後に位置し、ここで主要なポイントを再度強調し、聴衆に持ち帰ってほしいメッセージを明確にします。結論は、聴衆がプレゼンテーションから得た知識をどのように活用できるかを示すためにも重要です。

  • 一呼吸置いて落ち着いたトーンで進める
  • 主要なポイントを再度強調
  • 具体的なステップや展望を提示

結論部では、一旦落ち着いて、プレゼンテーションの主要なポイントを再度強調します。

聴衆に具体的なステップや展望を提示し、プレゼンテーションの目的を再確認します。この部分は、聴衆が持ち帰るべきメッセージを明確にし、行動を起こすための動機付けを行うために重要です。


英語のプレゼン時に効果的なスライド制作の5つのコツ

プレゼンは、ビジュアル要素と言語が融合したコミュニケーション手段です。内容をよりわかりやすく伝えるためには、スライドにもこだわる必要があります。

特に英語でのプレゼンとなると、参加者の多国籍であることも想定して国際的な観点と理解が必要です。ここでは、そのための5つの主要なコツをご紹介します。

参考:英語でプレゼン!スライドの作成方法と注意点 | ベルリッツ
   英語プレゼンのスライド構成と作り方の例|パワポの書き方のコツも紹介 | ビジネス英語習得の本質
   英語プレゼンを乗り切る!抑えておきたい5つの基本
   感情を動かす英語のプレゼンテーションスライドの作成手順7つ|魅力的な資料を作ろう | 英語で暮らしと仕事が楽しくなるビズメイツブログ

1.シンプルな英語で作成する

英語でのプレゼン用のスライドでは、シンプルな英単語や表現を使って確実に情報を伝えることを重視しましょう。たとえば、「始める」の意味の「commence」ではなく、「start」を使うなどです。

専門用語やスラングは避け、シンプルな表現を心掛けることは、コミュニケーションの基本です。

また、聞き手や、ビジネス観点でのターゲットとなる国が特定されている場合は、その国の言語で重要ポイントを併記することで理解を深めてもらえます。

2.世界標準に数字表記やフォーマットを統一する

数字や日付の表記は地域によって異なるため、国際的な規格に統一することが大切です。特に、アメリカとヨーロッパでは数値のコンマとピリオドの使用が逆であり、これが聴衆を混乱させる可能性があります。

さらに、日付表記に関しては「YYYY-MM-DD」のような国際標準形式を採用することで、多文化な聴衆にもわかりやすくなります。

また、通貨や単位表記にも注意が必要で、国際単位系(SI)を用いるなど、一貫性を持たせるべきです。

3.質問形式を活用して聞き手がのめり込みやすくする

質問形式を使うと、聞き手が自然とプレゼンに参加しやすくなります。疑問形の表現は多くの英語圏で理解されるため、多国籍な聴衆にも効果的です。

例えば、質疑応答の際に「Any questions?」(質問はありますか?)よりも、「What questions do you have?」(何か質問がありますか?)と言った方が、聞き手が質問をしやすい環境が作れます。

「What questions do you have?」という表現の方が、「Any questions?」よりも聞き手が質問しやすくなる理由は、心理的な働きかけがあるからです。「Any questions?」は閉じた質問であり、はいorいいえで答えられる形です。これに対して、「What questions do you have?」は開かれた質問で、聞き手に何かしらの質問があることを前提としています。

自分がプレゼンを通じて伝えるべきことを直接聞き手にぶつけたり、聞き手の気持ちや理解を確認できる効果もあります。

4.語彙と表現を文化的に中立に保つ

多様な文化背景を持つ聴衆に対応するために、ビジュアル要素を効果的に活用します。これによって、言語の障壁が低減される可能性が高まります。

ただし、ビジュアル表現には地域や文化に特有の制限やタブーが存在するため、慎重な選択が必要です。例えば、タイでは黄色は避けた方がよい色とされていますし、宗教的な側面で特定のイラストが不適切とされる場合があります。

また、”Freedom”や”Democracy”のような政治的・文化的に敏感な語彙は、異なる背景を持つ人々によって異なる解釈がされる可能性があります。そういった単語を使う場合は、その文化的なニュアンスを考慮するか、明確な定義を与えることが望ましいです。

さらに、略語や頭字語の使用も避けがちですが、使う場合はその意味をしっかりと説明しましょう。例えば、「SEO」を初めて聞く方には「Search Engine Optimization」といった具体的な説明を付け加えることで、より広い層に訴えられるプレゼンになります。

5.地域特有のユーモアは除外する

プレゼンを楽しくしたいと考えるなら、ユーモアは有効な手段の一つです。しかし、国際的な環境でのプレゼンにおいて、ユーモアは文化や地域によって受け取り方が大きく変わる可能性があります。

特に地域固有のジョークや俗語は、その地域や文化に詳しくない人々には理解されにくいことが多く、逆に混乱や不快な思いをさせてしまうリスクがあります。

そのため、ユーモアを取り入れる場合は、できるだけ国際的に通用するものを選ぶようにしましょう。


相手を惹きつける話し方の6つのポイント

英語でのプレゼンでは、話し方一つで相手に与える印象が大きく変わります。ここでは、話し方のポイントを6つ紹介します。

以下に、聴衆の心をつかみ、メッセージを効果的に伝えるための話し方のポイントをご紹介します。

1.聴衆とのアイコンタクト

アイコンタクトは、特に外国だと相手との信頼関係を築く基本的なコミュニケーション手段となります。聴衆一人ひとりと目を合わせることで、個々にメッセージを届け、より相手に響くコミュニケーションがとれるでしょう。

このような視線のコミュニケーションは、相手に誠実さと自信を感じさせ、特にプレゼンでは、伝えていくメッセージがより心に響きます。

2.はっきりした発声

はっきりとした発音と適切なトーン、リズムで話すことが重要です。自然な話し方で、ゆっくりと落ち着いて話すことで、聴衆は理解しやすくなります。

また、声の抑揚や速度を変えることで、聴衆の注意を引き続け、内容が頭に残りやすくなります。

ただ、英語ということで発音やトーンなどに自信がない場合は、事前に発生練習やフレーズを口に出してみるなどの準備をすればよいでしょう。

3.身振り手振りを活用

言葉以外の非言語的コミュニケーションもコミュニケーションの一部です。適切な身振り手振りは、言葉を補完し、メッセージの理解を助けます。

特に、重要なポイントでは、手を使って強調すると効果的です。また、表情やポーズも利用して、話のニュアンスを伝えましょう。

4.ストーリーを意識する

ストーリーを交えることで、プレゼンはより魅力的になります。聴衆はストーリーに引き込まれ、情報を記憶しやすくなります。

実体験や具体例を用いて、メッセージに深みと説得力を持たせ、聴衆の感情に訴えかけましょう。

5.休憩を取り入れる

適切なタイミングで一呼吸入れることで、聴衆に情報を消化する時間を与え、集中力を保ちます。また、休憩時間は、次に続くポイントへの期待感を高める効果もあります。

このような一時的なブレークは、情報オーバーロードを防ぎ、聴衆が全てのポイントをしっかりと捉えることができます。

ただし、15分や30分など、短いプレゼンの場合は休憩を入れることは通常ないので、プレゼンの時間に合わせて設定しましょう。

6.質問やフィードバックを促す

聴衆からの質問やフィードバックを求めることで、対話型のプレゼンが可能になり、聴衆の参加意識と関心が高まります。

これによって、プレゼンは一方通行のコミュニケーションではなく、相互の意見交換の場となり、より深い理解を促すことができます。


まとめ

英語でのプレゼンでは印象に残りやすいフレーズを覚えておきましょう。始まりや本論、スライド説明時など、状況別で使えるフレーズをおさえておくことをオススメします。

ただし、英語力だけではプレゼンを成功に導くことは難しいです。プレゼンの構成や適切な資料、話し方などを磨く必要があります。

構成は「導入」「本論」「結論」の三部構成が基本です。導入で聴衆の注意を引き、本論で情報を詳細に伝え、結論で主要なポイントを再強調します。

プレゼンでは、シンプルな英語でスライドを作成し、国際標準のフォーマットを用いることが重要です。質問形式を活用し、文化的に中立な表現を心掛けることで、多様な聴衆にアプローチできます。

話し方では、はっきりとした発声と身振り手振りを用い、ストーリーを交えることで、聴衆の関心を引きつけ、メッセージを効果的に伝えることができます。

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