インスタ広告でできるターゲティングの種類と成果を挙げる設定のポイントを解説

Instagramをはじめ、SNSを通じた集客の成功事例を聞く機会も増えてきたのではないでしょうか。

豊富な広告予算を持つ企業であれば、より多くの利用者を対象に広告を配信できるでしょう。しかし、限られた予算しかない状況では、しっかりとターゲットを決め効果的な広告を配信する必要があります。

この記事では、Instagram広告(以下インスタ広告)では重要なターゲット層についての基本から設定方法について解説します。

最後まで読むことで、自社の広告を効果的なものにするためには、インスタ広告でどのようなターゲットを選べばよいか検討でき、実際の出稿のための用意に役立てられるでしょう。


インスタ広告で指定できるターゲティング層

インスタ広告のターゲティング層は全部で4つです。シンプルな設定でターゲット層を設定できるため、配信する広告に興味・関心を持っているであろうインスタ利用者へリーチすることができます。

利用者属性ターゲティング

年齢や性別など、利用者の基本的な登録情報を元に、広告を配信する利用者を分類する基本的な設定です。他の媒体ですでにSNS広告を配信している企業にとっては、属性が判明しているため分かりやすい項目といえます。

インスタ広告では利用者情報を元に、次のような情報の絞り込みが行えます。

  • 地域…国や都道府県、市区町村など具体的な場所をキロ単位で指定
  • 年齢…1歳単位
  • 性別…男女
  • 言語
  • 卒業校や学歴
  • 収入
  • 勤務先や役職、業界

ただし、Facebookアカウントとの連携を行っていないインスタ利用者の場合は、これらのデータは利用者のフォローしているアカウントなどから類推されたものとなります。インスタ広告のターゲティングは、Facebook広告のものを使用しているためです。

Facebook広告ならではの詳細な利用者のターゲティングを利用できる一方で、インスタだけを利用している利用者がいることを念頭に、設定を行う必要があります。

また、利用者属性を絞り込みすぎると、自然とリーチできる範囲が小さくなります。ターゲットの概要を絞り込むにあたり外せない属性と、まだ絞り込むべきか分からない属性の見極めも大切です。

インタレストターゲティング

インタレストターゲティングは、インスタで利用者が「いいね!」を行った情報や行動データ、スマホの利用状況を元に、「興味・関心」と「行動」の2つの視点から、利用者の分類を行う方法です。

これにより、アクションを起こしてくれそうな利用者をより絞り込めます。

具体的には、次のような内容で利用者を絞り込みます。

  • フォロー中のアカウント
  • 使用中のハッシュタグ
  • 検索をかけたワード
  • 「いいね!」やコメントを行った投稿
  • ゲームのジャンル
  • 好きなアプリやFacebookのページ
  • 位置情報
  • 端末情報…OSやOSバージョン、携帯端末の機種、利用ブラウザなど
  • Wi-Fi接続環境

広告を配信する利用者をさらに詳細に絞り込める一方で、ターゲットとなる利用者の興味・関心や行動がはっきりしていないと、本来なら配信できたはずの利用者を取りこぼしてしまう可能性があります。

そのため、広告を配信できる利用者のボリューム(人数)を意識して設定することが重要です。

ターゲット設定を詳しくしすぎると、配信ボリュームが小さくなり、広告表示回数が下がります。広告表示回数が下がると、クリックされる可能性も当然下がり、設定中のターゲティングで本当に良いのか判断するデータも蓄積されません。

反対に、設定を大きくし過ぎると、広告配信費用の増加に繋がります。

インスタ広告には、ターゲティングによりリーチできる人数を潜在リーチとして推測する機能が備わっているため、活用して高いパフォーマンスを維持できるターゲティングを行いましょう。

カスタムオーディエンス

カスタムオーディエンスは、自社の顧客や接点を持っている利用者のデータを活用し、配信する方法です。

インスタ広告ではターゲット設定を「オーディエンス」と呼びます。○○オーディエンスと出てきたら、その前半部分に合う利用者のターゲティングを行う方法と考えると、理解しやすくなるでしょう。

作成できるカスタムオーディエンスは、元とする情報ごとに以下の4タイプです。

  • ウェブサイトカスタムオーディエンス
  • モバイルアプリカスタムオーディエンス
  • カスタマーリストに基づくカスタムオーディエンス
  • エンゲージメントカスタムオーディエンス

ウェブサイトカスタムオーディエンスは、これまでサイトへアクセスした顧客を対象または除外するオーディエンスです。リターゲティング配信を行いたい場合も、有効なオーディエンスといえます。

また、モバイルアプリカスタムオーディエンスでは、アプリをインストールした利用者が対象です。エンゲージメントカスタムオーディエンスでは、動画の再生履歴など利用者の行動を対象にオーディエンスを作成できます。

そして、自社の持つ顧客情報を活用するのが、カスタマーリストに基づくカスタムオーディエンスです。電話番号やメールアドレス、利用者ID、Google PlayやiOSの広告用のIDをアップロードする必要があります。

カスタマーリストを利用する場合は、利用者がFacebookアカウントを有していること、さらにアップロードした情報と利用者の紐づけを行えることも前提となる点に注意しましょう。

このように、自社との接点がある利用者に対して、行動や属性などによってターゲティングを行うため精度の高い配信を行うことができます。

類似オーディエンス

類似オーディエンスは、カスタムオーディエンスやインタレストターゲティングなどを通じて得た情報を元に、Facebookに「いいね」をしている利用者やアプリを利用している利用者など、特定の利用者と共通点が類似している利用者へ広告配信を行うように絞り込む方法です。

成果が発生した利用者と似た属性を持つ利用者へ広告配信を限定するため、リーチの質を高めることができます。

共通項の多さを設定することができますが、これを「類似オーディエンスのサイズを選択する」といい、1%~10%まで選択することができます。1%が元となる利用者に一番近い層になります。

サイズを大きくした方が共通項を絞り過ぎないため、潜在的なリーチ数を増やせるというメリットがあります。しかし、共通項が少ないことにより成果に繋がりにくくなる可能性があることも事実です。

一方で、サイズを小さくすることで、これまでにも成果があった利用者と共通項の多い利用者だけに広告を配信できます。一方で、潜在的なリーチ数が減るため、同様に成果に繋がりにくくなる可能性も考慮が必要です。

こうしたことから、そのため最初は1%で設定し、反応を見てから3%、5%とターゲットの裾野を広げていくとよいでしょう。

データの元となるオーディエンスも重要

類似オーディエンスを利用する際は、ソースオーディエンスにするオーディエンス(顧客の属性)も重要となります。ソースオーディエンスとは、カスタムオーディエンスやインタレストターゲティングなどを通じて得た利用者のオーディエンスのことです。

たとえば通販サイトで1回だけ5,000円以上購入した顧客と、毎月1回3,000円以上購入する顧客では、後者の顧客の属性に合わせた方が成果が出る可能性が高まります。後者の顧客の方が、継続的に利益を生み出してくれる、優良な顧客といえるためです。

このように、ソースオーディエンスの共通する特徴や興味関心を抽出して、共通点の多いユーザーをFacebookが特定して広告を配信するため、重要といえます。


ターゲティングの設定の手順

インスタ広告でターゲティングの設定を行う際は、Facebook広告マネージャの「広告セット」という項目から行います。

入力項目を確認

必要な入力項目は、全部で7つです。

  • カスタムオーディエンス
  • 地域
  • 年齢
  • 性別
  • 言語
  • 詳細ターゲット設定
  • つながり

それぞれ入力する際のポイントについては以下の通りとなります。

カスタムオーディエンス

1つ目の「カスタムオーディエンス」は、すでにサイト訪問の情報を蓄積している場合に利用できます。そのため、自社サイトに訪れた顧客に広告を発信したい場合、カスタムオーディエンスを通じて設定します。

地域を設定する

続いて、「地域」を設定します。日本国内はもちろん、全世界対象とすることも可能です。また、指定した地域にいつその人が訪れたか、現在居住中なのか、旅行中なのかも決めることが可能です。

国内をターゲットにする場合でも、サービスの提供範囲に応じて地域を設定することがポイントです。たとえば、実店舗を持つサービスなら店舗から5㎞以内に暮らしている人を対象とすることで、実店舗にアクセスしやすい顧客に絞って広告を配信できるでしょう。

年齢と性別を設定する

「年齢」では、13歳以上から65歳までの間を、1歳単位で選択します。Facebookに登録されている情報も利用できるため、詳細なターゲティングが可能です。商品をよく利用する利用者層や、リーチしたい年齢を元に決定します。

ただし、Instagramのみを登録している利用者の場合、年齢や性別はみなし属性となります。まれに、リーチしたい顧客とは違う年齢層や性別の利用者に広告が届く可能性があることは覚えておきましょう。

「性別」もFacebookに登録されている情報を元に、男女または両方で設定します。

言語を設定する

「言語」では、英語や日本語など、利用者が利用する言語の設定が行えます。ただし、通常は設定しない状態の方が、より多くの利用者を広告配信の対象とできます。

設定するのであれば、たとえば、日本国内で英語を使用している利用者だけにリーチしたい、といった場合におすすめです。

趣味・関心や行動は詳細ターゲットから

趣味・関心については詳細ターゲット設定という項目部分を選び、検索窓にキーワードを入力すると、キーワードに合うカテゴリが出てくるため、求める内容をクリックして設定します。

例えば、下の画像では「チョコレート」と入力した場合です。

このように、チョコレートというキーワードを元に、Facebook広告に蓄積された趣味・関心に関する条件が出てきました。

興味・関心はスポーツやアウトドアをはじめ、食品や買い物、家族との交友関係など多彩です。

ただし、利用者が持つ興味・関心が、広告効果と直結していないことも考慮する必要があります。

たとえば自動車という興味・関心がある利用者全員が、新車購入を検討しているとは限りません。趣味として、Instagramで自動車について検索している人もいるでしょう。

新車購入を前提にInstagramの画像を通じて、家族で対象の車に乗るとどのような狭さなのか、荷物をどの程度乗せられるか、検索している人もいるかもしれません。

想定される利用者の行動を考えてキーワードを選択すると、興味・関心を設定しやすくなります。広告配信後の利用者の行動に合わせて、適宜変更していくとよいでしょう。

つながり

最後の項目である「つながり」は、ページやアプリへのアクセスを行った利用者や、「いいね!」を行った利用者を対象とするか決める項目です。

たとえば、企業のFacebookページにアクセスした利用者の友だちを「つながり」でオーディエンスとして設定すれば、同じ興味・関心の項目でも、より多くの利用者にリーチ出来るようになります。

反対に「特定ページへのアクセスがあった」利用者を、この項目を利用して除外することも可能です。

ただし絞り込み過ぎると、オーディエンスの規模が小さくなりすぎる可能性があるため、「つながり」の内容も継続してデータをチェックしつつ、自社の広告に合う条件を見つけていきましょう。

設定の詳細は「オーディエンス」を参考にする

項目の入力が完了したら、ページ内にある「オーディエンス」をチェックします。

ここでは、設定したオーディエンスサイズで得られるリーチや投稿のエンゲージメントの推定が行われます。オーディエンスが広すぎると潜在リーチは増えますが、成果が上がらない可能性があります。

反対にオーディエンスが狭いと、利用者に適切に広告がリーチできると成果が上がります。

そうでなかった場合、広告費の高騰や自動最適化という便利な機能の最適化が遅くなるといったデメリットが発生するため、まずは中程度のオーディエンスサイズを設定し、後述する「自動最適化機能」をもとに変更していくことがおすすめです。

最後に、設定したオーディエンスを保存して、ターゲティングは完了です。


インスタ広告でターゲティングをする上での注意点

ここまでは、インスタ広告で行えるターゲティングとその設定方法を解説してきました。これらを踏まえたうえで、実際に運用する際に注意したいポイントを2つ紹介します。

過度なターゲティングは広告効果を下げる

お伝えしてきたように、適切なターゲティングを行おうとするターゲットを絞り込みすぎないように注意しましょう。

広告が利用者の目に触れる機会を減らしてしまうことで潜在的な見込客を取りこぼしてしまう可能性があるからです。

たとえば、女性化粧品の販売にあたりターゲットを20代に絞った場合、30代以上の世代、あるいは、10代の世代に広告が配信できないため、結果としてリーチ数が減ってしまいます。

自動最適化にも影響が出る

インスタ広告には「自動最適化機能」という、自動でより適した利用者へ広告を配信できる機能が備わっています。広告を出稿する際に、キャンペーンの目的を設定すれば、後はインスタ広告の自動最適化機能が最適な配信方法を決めてくれるのです。

しかし、機械学習によるデータをもとにするため、広告配信数が少ないと、自然と精度が落ちてしまうというデメリットがあります。

ターゲティングを詳細にし過ぎると、自動最適化の適応が遅くなるため、まずは大まかなターゲティングで開始し、その後の配信を見てさらに条件を追加していくことが重要です。

広告費が高騰する

ターゲティングを詳細にし過ぎると、広告費が高騰する恐れがあります。

インスタ広告では、広告表示ごとに入札(オークション)が行われます。1人の利用者へ広告を届けるための単価は、広告を配信する側が決めた予算の中から、他社と配信枠の競売が行われることで、単価が決まるという仕組みです。

もし、ターゲティングに合う利用者の数が少なく、さらに他社もターゲティングの対象としている利用者だった場合、入札競争の激化が予想されます。

ターゲティングを詳細にすることは結果として、利用者が広告を1回タップするごとに発生する費用(CPC)や広告表示回数に応じて発生する費用(CPM)が高くなる事態を招く可能性があります。

ただし、ターゲティングの対象となる利用者に対し、他社との入札競争が発生しない場合は、単価が安くなることもあります。
複数のターゲティングを用意し、より詳細にしても問題がないか、データを蓄積しつつ改善していくと良いでしょう。


ターゲティングにより効果を上げる具体的な方法

ここからは、ターゲティングに通じ、インスタ広告をより効果的なものとするポイントを解説します。ポイントはオーディエンスの設定と、広告の配信内容の2つです。

カスタムオーディエンスと類似オーディエンスを活用する

顧客情報を利用できる「カスタムオーディエンス」と類似する利用者をターゲティングできる「類似オーディエンス」を併用することで、新規顧客を増やしつつ既存の顧客へも情報発信が行えるようになります。

まず、カスタムオーディエンスを適切に利用することで、次のような広告配信が可能です。

  • 自社の顧客に限定して広告を配信する(既存の顧客との繋がり)
  • 自社の顧客を除外して広告を配信する(新規顧客の獲得)
  • 商品の購入に至らなかった利用者を除外して広告を配信する
  • 自社のウェブサイトを訪問した利用者を対象とする

ここで蓄積された情報を利用すれば、目的とするコンバージョンに至った利用者のデータを元に、類似オーディエンス作成できます。インスタグラムを利用するコンバージョンに至りそうな人を対象とした確度の高い配信が可能です。

ただし、類似オーディエンスを利用する場合、見込客がいない可能性に注意が必要です。まずは、元となる利用者に最も近いことを示すオーディエンスサイズ1%を選択し、見込み客の有無を調べましょう。

反応を見ながら、少しずつオーディエンスサイズを大きくすることで、より効果的に類似オーディエンスを活用できます。

ターゲットに合った広告を配信する

インスタ広告は、次の4種類です。

  • 写真広告
  • 動画広告
  • カルーセル広告
  • インスタグラムストーリーズ広告

それぞれ配信面も、画像や動画の見え方も異なります。使い分けをしっかりと行うことで、ターゲティングによる効果をより高められるでしょう。なぜなら、インスタ映えという言葉があるように、利用者の画像や動画に対する意識が高いからです。

写真広告


画像引用:Instagramでブランドを構築

まず、写真を利用した広告は、フォロー中のアカウントの投稿と共に表示されます。

たとえば日常的に使える雑貨や食品など、サービスの特徴を一目で分かる写真を掲載することで、利用者に、インスタを普段使う感覚のなかで、広告にアクセスしてもらえます。掲載しやすい広告のため、どの企業にも比較的使いやすい広告です。

動画広告


画像引用:Instagram広告でビジネスを宣伝する

動画広告は、見た目は写真広告と変わらないものの、写真広告と異なり音声や動きを活用した広告を打ち出せます。

動画にすることで情報量を高められるため、日用品やコスメだけでなく、飲食店や旅行、自動車やバイクといった趣味性の強い商材を扱う企業に適しています。

カルーセル広告


画像引用:カルーセル広告に動画を追加する

また、カルーセル広告は、複数の画像と動画を組み合わせ、左右へスワイプすることで閲覧してもらえる広告です。動きを持たせて画像を切り替えていけるため、ストーリー仕立てで宣伝したい商材に向いています。

たとえば、コスメやファッションの新作やブランドを紹介する場合や、同時期に発売される食品や飲料をまとめて紹介したい場合におすすめです。

ストーリーズ広告

画像引用:Instagramのストーリーズとフィード: イメージと使われ方の違い

最後に、ストーリーズ広告は、インスタグラムならではの広告といえます。ストーリーズとは、24時間以内に消える画像・動画をアップする機能です。利用者の使用頻度も高く、広告を認識してもらいやすいといえます。

写真広告や動画広告、カルーセル広告の3つを、全て配信可能です。正方形だけでなく、画面全体を利用する縦長や横長、フルスクリーンサイズの画像を使用可能できます。
フルスクリーンで利用者に楽しんでもらうことで、没入感のある広告を提供できるでしょう。

ストーリーズは掲載が短期間のため、リアルタイム感の強い機能です。そのため、キャンペーンやイベントの告知、新作の一押し商材の広告に向いています。


まとめ

インスタ広告では、Facebook広告の機能を利用した精度の高いターゲティングが可能です。しかし、設定は決して難しいものではなく、ターゲティング層が4つしかないため、シンプルに行えます。

一方で、ターゲティングを狭め過ぎると、インスタ広告の自動最適化機能の精度が落ちたり、広告費が高騰したり、デメリットも起こりえます。
また、インスタ広告では広告に使用される画像や動画のクオリティもポイントです。ターゲットに見てもらえる広告とはどのようなものか知ることも重要となります。

この記事で、インスタ広告のターゲティングについて、理解が深められたかと思います。注意点や効果を高めるポイントをおさえて、インスタ広告の設定を実行してみましょう。