バイアスの種類100選!バイアスに振り回されない意思決定のヒント

バイアス 種類_アイキャッチ

無意識に意思決定に偏りをもたらすバイアスは、日常生活においても、ビジネスシーンにおいても厄介な存在です。

なぜなら意識できていなければ対策を講じることもできないからです。

逆に、バイアスとして意識できれば、ある程度の対策を講じることが可能であるとも言えます。

しかし、バイアスには無数の種類が存在するため、全てを知ることは現実的ではありません。

そこで本記事では、100種のバイアスを雑学好きな著者の独断と偏見で自分のためにまとめました。

心当たりのあるものから意識するだけでも、日々の意思決定の精度を向上することができると思いますし、同類の方は眺めるだけで頭がよくなった気がして満足できるのではないかと思いますので、お手すきで流し読みしていただければ幸いです。

目次


バイアスの種類100選

以下に100種類のバイアスについてまとめました。

バイアスを完全に排除することは難しいかもしれませんが、知識を持つことでその影響を最小限に抑え、より客観的な判断ができるようになるはずです。

参考:バイアスとは?先入観や偏見を減らして意思決定の質を向上するための基本│LISKUL

Acceptance Bias(受容性バイアス)

受容性バイアスは、特に社会的な状況や圧力がある場合、他人の意見や行動に無批判に同意する傾向です。

これにより、グループ内での意見の多様性が失われ、個々人の真の意見や判断が抑制されることがあります。

Action Bias(アクションバイアス)

アクションバイアスは、何もしないよりも何かをする方が良いと感じる傾向です。

特に不確実な状況において、行動を起こすことが優先されがちです。

Affect Heuristic(感情ヒューリスティック)

感情ヒューリスティックは、感情や直感に基づいて判断を下す傾向です。

たとえば、恐怖を感じるとリスクを過大評価し、快感を感じるとリスクを過小評価することがあります。

Ambiguity Bias(アンビギュイティバイアス)

アンビギュイティバイアスは、不確実性や曖昧さを避け、より確実性の高い情報に基づく判断を好む傾向です。

不確実な選択肢よりも、リスクが明確に定義されている選択肢を選ぶことが一例です。

Analogy Bias(アナログバイアス)

アナログバイアスは、過去の似た状況や経験に基づいて新しい状況を評価する傾向です。

このバイアスは、新しい問題に対して過去の解決策を不適切に適用するリスクを伴います。

Anchoring Effect(アンカリング効果)

アンカリング効果は、最初に提示された情報(アンカー)に強く影響され、その後の判断がその情報に引っ張られる現象です。

たとえば、最初に見た家の価格が市場価格より高かった場合、その後見る他の家の価格も高く感じる傾向があります。

Authority Bias(権威への服従)

権威への服従は、権威ある人物や専門家の意見を過剰に信頼する傾向です。

このバイアスにより、権威のある人物が提供する情報や意見が批判的な思考無しに受け入れられることがあります。

Availability Bias(利用可能性バイアス)

利用可能性バイアスは、直近で思い出しやすい情報に基づいて判断を下す傾向です。

たとえば、最近起こった事件やニュースが意思決定に強く影響することがあります。

Availability Cascade(アベイラビリティカスケード)

アベイラビリティカスケードは、特定の情報がメディアで頻繁に繰り返されることによって、人々がその情報を過剰に信じるようになる現象です。

これにより、公衆の意見が形成され、時には誤った情報や過剰な恐怖が広まることがあります。

Availability Heuristic(利用可能性ヒューリスティック)

利用可能性ヒューリスティックは、最近経験した事象や頻繁に聞く事象を、より一般的または重要であると誤って判断する傾向です。

たとえば、ニュースで飛行機事故の報道を見た直後に飛行機の安全性について考えるとき、実際の事故率よりもずっと危険であると感じるかもしれません。

Backfire Effect(バックファイア効果)

バックファイア効果は、自分の信念に反する証拠を提示されたとき、信念を強化する反応を示すことです。

これにより、誤った情報を捨てる代わりに、人々は自分の間違った信念をより一層固執することがあります。

Bandwagon Effect(群衆の知恵)

群衆の知恵は、多くの人が何かを信じている、または何かをしているからという理由だけで、同じ信念や行動を追随する傾向です。

ソーシャルメディアで特定の製品が急速に人気を得ているとき、それに乗じて購入する行動はこのバイアスに該当します。

Barnum Effect(バーナム効果)

バーナム効果は、非常に一般的であいまいな情報が個人に特有のように感じられる現象です。

たとえば、占星術の読み物や性格診断が「個人に合わせた」ように思えるが、実際には多くの人に当てはまる表現を使用しています。

Base Rate Neglect(ベースレート無視)

ベースレート無視は、一般的な情報(ベースレート)を無視し、特定の証拠や情報に過度に依存する傾向です。

これにより、統計的な判断や確率的評価が歪むことがあります。

Beauty Stereotype(美しさのステレオタイプ)

美しさのステレオタイプは、外見が魅力的な人々は他の多くの肯定的な特性(たとえば、知性、社交性、信頼性)も持っていると無意識のうちに想定する傾向です。

これにより、外見に基づいた不公平な優遇が生じる可能性があります。

Belief Bias(信念バイアス)

信念バイアスは、既存の信念や価値観に合致する情報を過大評価し、矛盾する情報を過小評価する傾向です。

これにより、偏った判断が行われやすくなります。

Blind Spot Bias(ブラインドスポットバイアス)

ブラインドスポットバイアスは、自分自身はバイアスの影響を受けていないと信じる一方で、他人はバイアスの影響を受けていると認識する傾向です。

このバイアスにより、自己の客観性を過信し、自身の認知の歪みに気づかないことがあります。

Bystander Effect(傍観者効果)

傍観者効果は、多くの人がいる場面で誰も行動を起こさない傾向です。

多数の他人がいる状況では、個人の責任感が希薄になりがちです。

Certainty Bias(確信バイアス)

確信バイアスは、証拠が不十分なにもかかわらず、あるアイデアや選択に過度の確信を持つ傾向です。

これは、情報が限られている状況で特に見られます。

Choice-Supportive Bias(選択支持バイアス)

選択支持バイアスは、自分が選んだ選択肢を後から過大評価し、選ばなかった選択肢を過小評価する傾向です。

これにより、自分の決定が正当化されることがあります。

Clustering Illusion(偶然の一致バイアス)

偶然の一致バイアスは、無作為な事象の中にパターンや順序を見出そうとする傾向です。

たとえば、株価の動きやロトの数字に意味あるパターンがあると錯覚するのがこれに該当します。

Cognitive Dissonance(認知的不協和)

認知的不協和は、自分の持っている信念や価値観と相反する行動や情報に直面したときに生じる不快な感情です。

この不快感を解消するために、人々は自己の信念を変更したり、相反する情報を否定したりすることがあります。

Cognitive Inertia(認知的慣性)

認知的慣性は、一度形成された信念や考え方を変更するのに抵抗がある現象です。

新しい情報や証拠が提示されても、既存の認識やフレームワークを維持しようとする傾向があります。

Confirmation Bias(確証バイアス)

確証バイアスは、自分の既存の信念や仮説を支持する情報のみに注目し、それに反する情報を無視する傾向です。

たとえば、株式投資家が自分が選んだ株が良いと信じているために、その株に好意的なニュースは積極的に受け入れ、否定的なニュースは見過ごす場合、このバイアスが作用しています。

Constraint Bias(制約バイアス)

制約バイアスは、選択肢や行動の範囲が実際よりも狭いと誤って認識する傾向です。

これにより、可能な解決策や代替案を見落とし、限定された選択からしか決定を行えなくなることがあります。

Contextual Bias(状況的バイアス)

状況的バイアスは、現在の状況や文脈が判断や観察を歪める現象です。

特定の状況下での経験や情報が、その後の判断や評価に影響を与えることがあります。

Contrast Effect(コントラスト効果)

コントラスト効果は、現在対処している事象やオブジェクトを、直前に経験した類似の事象やオブジェクトと比較することにより、その評価が歪められる現象です。

これは、特に人物評価や物の価値判断において顕著です。

Curse of Knowledge(知識の呪い)

知識の呪いは、一度知識や情報を得ると、他の人がその知識を持っていない状態を想像するのが難しくなる現象です。

これが原因で、専門家が非専門家に対して、過度に専門的な用語や複雑な説明を使ってしまうことがあります。

Decoy Effect(デコイ効果)

デコイ効果は、選択肢AとBがある時に、劣る選択肢C(デコイ)を追加することで、AまたはBのどちらかが相対的に魅力的に見えるようにする現象です。

この効果は特にマーケティングや消費者行動の研究で注目されます。

Default Effect(デフォルト効果)

デフォルト効果は、提供されたデフォルト選択肢を変更することなく受け入れる傾向です.

たとえば、オプションのプレチェックボックスがある場合、多くの人がその選択肢をそのまま受け入れます。

Denial Bias(デニアルバイアス)

デニアルバイアスは、個人が不快な事実や情報から目を逸らす、またはそれを否定する傾向です。

これにより、現実を直視することを避け、問題の解決が遅れることがあります。

Disconfirmation Bias(疑念確証バイアス)

疑念確証バイアスは、自分の持っている疑念や否定的な見解を支持する証拠に重きを置き、肯定的な証拠を無視する傾向です。

これにより、人々は一度形成された懐疑的な意見を変えることが困難になります。

Distinction Bias(識別バイアス)

識別バイアスは、直接比較する際に違いを過大評価し、実際にはそれほど重要でない違いに過剰に反応する傾向です。

これにより、選択肢の評価が歪められることがあります。

Doubt Avoidance(疑念バイアス)

疑念バイアスは、不確実性や曖昧さを避けるために迅速に判断を下す傾向です。

このバイアスにより、十分な情報がないにもかかわらず、確実性を求めるための早急な決定が行われることがあります。

Dunning-Kruger Effect(ダニング=クルーガー効果)

ダニング=クルーガー効果は、能力が低い人ほど自分の能力を過大評価し、実際よりも自分を有能だと考える傾向です。

逆に、能力が高い人は自分の能力を過小評価することがあります。

Duration Neglect(期間無視バイアス)

期間無視バイアスは、経験の総量や持続時間よりも、そのピーク(最も強烈な部分)や終わりの印象に基づいて全体を評価する傾向です。

これにより、長い期間にわたる経験がその最終段階や特に印象的な瞬間によって評価されがちです。

Effective Altruism Bias(効果的アルゴリズムバイアス)

効果的アルゴリズムバイアスは、倫理的または社会的な意思決定において、最も多くの人に最大の利益をもたらす選択肢を優先する傾向です。

これにより、個々のニーズや特定の状況が見過ごされることがあります。

Egocentric Bias(エゴセントリック・バイアス)

エゴセントリック・バイアスは、自分自身を中心に考え、自分の経験や視点を他人も共有していると仮定する傾向です。

これにより、他人の行動や意見を理解する際に誤解が生じやすくなります。

Endowment Effect(エンドウメント効果)

エンドウメント効果は、個人が所有するものに過剰な価値を付ける傾向です。

所有するだけで、そのアイテムを手放すためにはより高い価格が必要だと感じることがあります。

Escalation of Commitment(エスカレーション・オブ・コミットメント)

エスカレーション・オブ・コミットメントは、以前の決定に基づいてさらに投資を行う傾向で、特にその決定が間違っていた可能性が高い場合に見られます。

失敗に対する認めたくない心理が、さらなるリソースの浪費を引き起こします。

Expectation Effect(期待効果)

期待効果は、個人の期待が実際の結果に影響を及ぼす現象です。

たとえば、ある薬が効くと強く信じている場合、その薬を服用したことで実際に健康状態が改善される可能性が高くなります(プラセボ効果とも関連します)。

Exposure Effect(反復露出効果)

反復露出効果は、ある刺激に何度も露出することでその刺激に対する好意が増す現象です。
これは慣れや親しみによるもので、しばしばマーケティングや広告に利用されます。

Familiarity Bias(親近感バイアス)

親近感バイアスは、よく知っている事物や人々に対して過剰な好意を持つ傾向です。

新しいものや未知のものよりも馴染みのある選択肢を好むことが多く、これにより多様性や革新の機会が見落とされることがあります。

Focalism(フォーカルイズム)

フォーカルイズムは、一つの情報や事象に焦点を当てすぎることで、他の重要な情報を無視する傾向です。

特定の出来事や結果に集中しすぎることで、全体的な状況の評価が偏ることがあります。

Framing Effect(フレーミング効果)

フレーミング効果は、同じ情報が異なる方法で提示されることで、人々の反応が変わる現象です。

たとえば、同じ医療処置の成功率を「90%の生存率」と「10%の死亡率」と表現すると、受け取り方が異なります。

Functional Fixedness(機能的固定性)

機能的固定性は、あるアイテムやアイディアを、慣れ親しんだ用途や方法以外で考えることが難しい状態を指します。

これにより、創造的な問題解決が妨げられることがあります。

Gambler’s Fallacy(ギャンブラーの誤謬)

ギャンブラーの誤謬は、ランダムなイベントが一定のパターンを持っていると誤解することです。

たとえば、コイン投げで何回か連続して表が出た後に、次は裏が出る確率が高いと誤って考えることがこれに該当します。

Groupthink(グループシンク)

グループシンクは、集団内での調和や一致を重んじるあまり、効果的な意思決定プロセスが損なわれる現象です。

これにより、批判的な評価が抑制され、非効率または誤った決定が行われることがあります。

Halo Effect(ハロー効果)

ハロー効果は、あるポジティブな特徴(たとえば、外見の魅力)が、その他の無関係な特性(たとえば、能力や性格)の評価にも良い影響を与える現象です。

美しいとされる人がより才能があると評価されやすいのは、ハロー効果の一例です。

Horns Effect(ホーン効果)

ホーン効果は、個人の一つの否定的特性が、その他のすべての側面の評価を不利にする傾向です。

これはハロー効果の逆で、一つの悪い特徴が全体的な印象を損ねます。

Hostile Media Effect(敵対的メディア効果)

敵対的メディア効果は、個人が自分の立場に反すると感じる情報に対して、メディアが偏っていると感じる傾向です。

特に政治的または社会的な問題において顕著で、中立的な報道でさえも偏見があると感じることがあります。

Hyperbolic Discounting(ハイパーボリック割引)

ハイパーボリック割引は、即時の報酬を遠い将来のより大きな報酬よりも高く評価する傾向です。

これにより、長期的な利益よりも短期的な満足を選ぶことが多くなります。

Illusory Correlation(イリュソリー・コレレーション)

イリュソリー・コレレーションは、関連性がないにもかかわらず、二つの事象間に関連があると誤って認識することです。

これはしばしば偏見や迷信の形成に寄与します。

Impact Bias(インパクト・バイアス)

インパクト・バイアスは、未来の出来事(特に感情的な出来事)が自分に与える影響の長さや強度を過大評価する傾向です。

人々はしばしば、良いことや悪いことが将来自分に及ぼす影響を誇張することがあります。

Information Bias(情報バイアス)

情報バイアスは、意思決定に必要な情報がすでに十分にあるにもかかわらず、更なる情報を求める傾向です。

このバイアスは、追加情報が実際には意思決定を改善しない場合でも発生します。

Information Cascades(情報カスケード)

情報カスケードは、他人の行動を見て、個人が自身の情報や信念に反して同じ行動を取る現象です。

特に不確実な状況下では、他人の行動が正しいと見なされることがあります。

In-group Bias(イングループ・バイアス)

イングループ・バイアスは、自分が属するグループのメンバーを好意的に評価し、外部グループのメンバーに対しては批判的または否定的になる傾向です。
これはグループ内の団結を高めますが、同時に偏見や不公平を生じさせる原因にもなります。

Intersection Fallacy(インターセクションフォールシー)

インターセクションフォールシーは、複数の確率的事象が同時に発生する確率を過大評価する傾向です。

たとえば、特定の特徴を持つ人が特定の行動を取る確率を、単一の事象の確率よりも高く見積もることがこれに該当します。

Justification Bias(正当化バイアス)

正当化バイアスは、自分の選択や行動を正当化するために情報を歪める傾向です。

一度決定を下すと、その選択を支持する情報だけを探すことで、自分の判断が正しいと確信するようになります。

Loss Aversion(損失回避バイアス)

損失回避バイアスは、損失を避けるために過剰に努力する傾向です。

人々は同等の利得を得るよりも、損失を避ける方を強く望むため、リスクを回避する行動を取りがちです。

たとえば、投資の決定において潜在的な損失に対して過敏に反応する場合がこれに該当します。

Magical Thinking(マジカル・シンキング)

マジカル・シンキングは、現実世界の事象に対して非論理的や超自然的な因果関係を信じる傾向です。

これにより、科学的根拠に基づかない信念や迷信が影響を及ぼすことがあります。

Maximin Rule(マキシミンルール)

マキシミンルールは、最悪の場合の結果を最も良くする選択をする傾向です。

これは、特に未知のリスクが大きい決定において、最悪の結果を避けるために選ばれることが多いです。

Mere Exposure Effect(単純接触効果)

単純接触効果は、ある刺激に対して繰り返し晒されることにより、その刺激を好むようになる現象です。

人々はよく見聞きするものに対して好意を抱く傾向があります。

Miscalibration(ミスカリブレーション)

ミスカリブレーションは、自身の予測や判断の確実性を誤って評価する傾向です。

特に、難易度の高いタスクや不確実性のある状況下で、自分の予測の正確性を過大に評価することがあります。

Moral Credential Effect(モラル・クレデンシャル効果)

モラル・クレデンシャル効果は、過去に倫理的な行動を取ったことで、後に倫理的でない行動を正当化する傾向です。

このバイアスにより、人々は自分の行動が一貫して倫理的だと過信することがあります。

Moral Luck(モラルラッキング)

モラルラッキングは、結果が個人の道徳的評価に影響を与える状況です。

つまり、結果が良ければ行動も道徳的に良いと評価され、結果が悪ければその行動が非難される傾向があります。

Narrative Fallacy(ナラティブフォールシー)

ナラティブフォールシーは、事象に簡単で理解しやすいストーリーを適用することによって、実際よりも事象の因果関係を明確にする傾向です。

これにより、複雑な事象やランダムな事象が単純化され、誤解されることがあります。

Nativity Bias(出生効果)

出生効果は、個人が生まれ育った環境や文化がその人の価値観、選択、および判断に深く影響を与える傾向です。

このバイアスにより、異なる文化的背景を持つ他者に対して無意識の偏見や誤解を持つことがあります。

Negativity Bias(ネガティビティバイアス)

ネガティビティバイアスは、ネガティブな出来事や情報に対して、ポジティブなものよりも強く反応し、より深く記憶する傾向です。

これにより、否定的な情報が意思決定や気分に不釣り合いに大きな影響を与えることがあります。

Negative Outcome Bias(ネガティブアウトカムバイアス)

ネガティブアウトカムバイアスは、結果が悪い場合、そのプロセスや意思決定が不適切だったと評価される傾向です。

これにより、実際には合理的な判断も否定的に見られることがあります。

Nihilism Bias(ニヒリズムバイアス)

ニヒリズムバイアスは、楽観的または希望的な見方を避け、否定的な結果や最悪のシナリオに過度に焦点を当てる傾向です。

これは、過剰な悲観主義や無意味さの感覚に繋がることがあります。

Optimism Bias(最適バイアス)

最適バイアスは、自分には良いことが起こり、悪いことは他人に起こりやすいと過剰に楽観的に考える傾向です。

このバイアスにより、リスクを過小評価し、準備不足になることがあります。

Omission Bias(忘却バイアス)

忘却バイアスは、行動を起こすことによるリスクよりも、行動を起こさないことによるリスクを過小評価する傾向です。

たとえば、医療行為に伴うリスクを恐れて必要な治療を受けない場合などがこれにあたります。

Overconfidence Bias(オーバーコンフィデンスバイアス)

オーバーコンフィデンスバイアスは、自身の知識、能力、または判断の正確さに対する過度の信頼です。

これにより、リスクが過小評価され、準備が不十分な状態で意思決定を行うことがあります。

Overshooting Bias(オーバーシューティングバイアス)

オーバーシューティングバイアスは、特定の目標に対する反応が過剰になり、結果として目標を超えた行動を取る傾向です。

たとえば、市場の小さな変動に対して極端な財政措置を取ることがこれにあたります。

Paradox of Choice(パラドックス・オブ・チョイス)

パラドックス・オブ・チョイスは、選択肢が多すぎると、選択によって得られる満足感が低下する現象です。

選択の自由が増えると、決定を下すのが難しくなり、結果として不満や後悔の感情が増加することがあります。

Pareidolia(パレイドリア)

パレイドリアは、無関係なデータに意味のあるパターンを見出す現象です。

たとえば、ランダムな画像の中に顔や形を見つけるなどがこれに該当します。

Peak-End Rule(ピークエンドルール)

ピークエンドルールは、経験の全体的な評価が、最も強烈だった瞬間(ピーク)と終わり(エンド)の印象によって大きく影響されることです。

このため、長期間の経験全体よりも、特定の瞬間が評価に大きく影響します。

Planning Fallacy(計画の誤り)

計画の誤りは、特定のタスクを完了するのに必要な時間を過小評価する傾向です。

これにより、プロジェクトのスケジュールが遅れることが多くなります。

Priming Effect(プライミング効果)

プライミング効果は、最初に受けた刺激が後の行動や判断に影響を与える現象です。

たとえば、特定の言葉や画像にさらされた後、それに関連する行動を取りやすくなります。

Processing Fluency Bias(処理容易性バイアス)

処理容易性バイアスは、情報が理解しやすいほど、それが真実であると認識しやすい傾向です。

簡単に消化できる情報や覚えやすい事実は、より信頼性が高いと見なされることがあります。

Projection Bias(プロジェクションバイアス)

プロジェクションバイアスは、自分の現在の感情や嗜好を将来にも適用し、未来の自分が現在の自分と同じ感情や好みを持つと仮定する傾向です。

これにより、長期的な計画や予測が現在の状態に基づいて歪められることがあります。

Pseudocertainty Effect(疑似的確証バイアス)

疑似的確証バイアスは、リスクが関与している場合に確実性を感じる傾向です。

たとえば、ある選択肢がリスクを完全に排除すると認識されると、その選択肢が選ばれる確率が高くなります。

Reactance Bias(反動バイアス)

反動バイアスは、自由が制限されると感じると、その制限に反発して逆の行動をとる傾向です。

たとえば、ある選択肢が禁止された場合、それを選びたくなるという心理が働きます。

Recognition Bias(認識バイアス)

認識バイアスは、以前に経験した事物や情報を新しいものよりも優れていると認識する傾向です。

このバイアスにより、過去の成功体験が新しい情報やアイデアよりも優先され、変化に対する抵抗の原因となることがあります。

Reflexive Dismissal(反射性拒否)

反射性拒否は、新しい情報や異なる意見を、事前の考察や検証なしに即座に拒絶する傾向です。

これは特に強い信念や固定観念がある場合に見られます。

Relative Privation Bias(相対特権バイアス)

相対特権バイアスは、他者の問題や苦しみを、もっと深刻な問題と比較して相対的に重要でないと見なす傾向です。

このバイアスは、小さな問題を無視したり、行動を促すのを妨げたりすることがあります。

Retrospective Bias(逆行性バイアス)

逆行性バイアスは、過去の出来事を、現在知っている情報に基づいて誤って再構成する傾向です。

これは、過去の予測や意思決定が現在の知識を反映するかのように記憶されることがあります。

Risk Compensation Theory(リスク補償理論)

リスク補償理論は、安全措置が導入された場合、人々がより危険な行動を取る傾向があるという概念です。

たとえば、安全ベルトを装着することで、ドライバーがより高速で運転するなどが挙げられます。

Self-Serving Bias(自己奉仕バイアス)

自己奉仕バイアスは、成功や良い結果を自分の能力や努力に帰属させ、失敗や悪い結果は外部の要因に帰属させる傾向です。

これにより、個人は自己評価を守ることができますが、現実的な自己反省や評価が難しくなることがあります。

Serial Position Effect(効果的序列効果)

効果的序列効果は、リストや列において、最初と最後の項目をより良く覚える傾向です。

これは、情報の中間部分よりも先頭や末尾の情報が記憶に残りやすいという現象で、プレゼンテーションやリストの伝達において意識する必要があります。

Simulacrum Error(シミュラクラ現象)

シミュラクラ現象は、実際の事象やオブジェクトよりも、その模倣や再現されたものに基づいて判断する傾向です。

これは、メディアやシミュレーションにおける表現が現実の認識を歪める原因となります。

Situational Blindness(状況的盲目)

状況的盲目は、現在の状況や文脈からの情報を無視し、一般的なルールや期待に基づいて判断する傾向です。

これにより、個別の状況に適した柔軟な対応を見落とすことがあります。

Status Quo Bias(ステータスクオバイアス)

ステータスクオバイアスは、既存の状況を維持することを好む傾向であり、変更に対する抵抗が生じることがあります。

これは、既知のリスクよりも未知のリスクを避けるために発生します。

Stereotyping(ステレオタイプ効果)

ステレオタイプ効果は、特定のグループに属する人々に一般化された信念を適用する傾向です。

たとえば、ある職業や国籍の人々に対する一般的な性質を、個々の人物にも当てはめて考える場合、このバイアスが影響しています。

Sunk Cost Fallacy(サンクコストフォールシー)

サンクコストフォールシーは、すでに投資したコスト(時間、金銭、労力など)を理由に、効果が低いか明らかに失敗が確定しているプロジェクトを継続する傾向です。

このバイアスにより、良い結果が得られる可能性が低いにもかかわらず、さらなるリソースの浪費が行われます。

Temporal Discounting(遠近効果)

遠近効果または時間割引は、将来の利益よりも即時の利益を過大に評価する傾向です。

時間が経過するにつれて、報酬の価値が低く感じられる現象です。

Value Attribution(バリューアトリビューション)

バリューアトリビューションは、対象が持つ既知の価値や属性に基づいて、その他の未知の特性に価値を帰属させる傾向です。

たとえば、高価なアート作品には自動的に高い芸術的価値があると見なされることがこれに該当します。

Visibility Bias(視認性バイアス)

視認性バイアスは、目に見える情報や容易に観察可能なデータに基づいて、意思決定を行う傾向です。

このバイアスにより、人々は隠れた要因や目に見えない情報を無視しがちです。

Zero-risk Bias(ゼロリスクバイアス)

ゼロリスクバイアスは、リスクを完全に排除する選択肢を、リスクを低減するが完全には排除できない選択肢よりも好む傾向です。

人々は安全性を極端に重視する傾向があり、しばしばリスクの完全な排除を求めます。


まとめ

本記事では、日常やビジネスシーンに潜む様々なバイアスを紹介しました。

聞いたことがあるものも、ないものも含まれていたと思いますが、多くの事象には心当たりがあったのではないでしょうか。

知らないものはどうすることもできませんが、知ってさえしまえばそれは単なる現象にすぎず、ある程度対処することも可能です。

本記事で紹介した情報が、皆様がバイアスに振り回されることなく適切な意思決定を行い、充実した生活やビジネスの成功を収めるためのヒントとなれば幸いです。

また著者と同類の方は、ここまで読み進めてIQが10ほど高くなった全能感に浸っていることかと思いますが、それは「74. オーバーコンフィデンスバイアス(自己の過大評価)」です。(わかります。)