議事録作成とは?基本、フォーマット、ツールなどの情報を一挙紹介!

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議事録作成とは、会議での重要事項や決定内容を正確に記録し、組織内で情報を共有するための作業です。

議事録は、会議の内容や合意事項を後から確認しやすくするだけでなく、会議後のアクションアイテムを明確化し、チーム全体での進捗管理を支援する役割も果たします。

しかし、議事録作成には、情報の過不足や共有の遅れなどの失敗もよく見られます。

そこで本記事では、議事録作成の基本やフォーマット、便利なツール、作成時の失敗とその対策などの役立つ情報を一挙に紹介します。

議事録作成に悩んでいる方は、ぜひご一読ください。


目次

議事録作成とは

議事録作成とは、会議や打ち合わせでの重要な内容を記録し、共有するための作業です。これにより、参加者間での情報共有が確実になり、会議での決定事項や今後のアクションが明確化されるため、組織内でのコミュニケーションと業務効率の向上に欠かせません。

議事録は、会議や打ち合わせでの要点を明文化し、情報を整理して残す役割を果たします。出席者全員が議論の内容を把握したり、意思決定の確認と進捗管理を行ったり、コミュニケーションの透明性を確保することで、関係者間の理解と協力を促し、情報の行き違いを防ぎます。

議事録作成を効果的に行うことは、組織の運営効率に大きく影響するため、単なる記録ではなく、戦略的な情報管理手段としても重視されています。


議事録が必要とされる4つの理由

議事録は、会議内容を組織全体に正確に伝達し、意思決定や行動計画を明確にするために欠かせないものです。これにより、情報共有が徹底され、効率的な業務推進と意思決定の迅速化が可能となります。

議事録が必要とされる主な理由には、以下の4つがあります。

1.決定事項と責任を明確化するため

会議での合意事項や役割分担を記録することで、各メンバーの行動が明確になり、後々の認識違いやトラブルを防ぎます。特に、会議後に誰が何を実行するのかを記録しておくことで、各自の責任が明確化され、業務の進行がスムーズに進むようになります。

2.情報を一元管理し参照性を高めるため

議事録により、議論の内容や決定事項が一つの文書として残され、後から参照できるようになります。これにより、参加できなかったメンバーや後日参加する関係者にも情報が一貫して提供され、組織内での理解や協力を促進します。

3.会議の透明性と信頼性を向上するため

議事録が共有されることで、組織全体での透明性が確保されます。会議内容が適切に文書化され、出席者間で共有されることにより、意思決定の過程が明確になり、組織の信頼性向上にもつながります。

4.業務改善や成果を可視化するため

議事録を振り返ることで、会議の効果や課題を把握しやすくなり、次回以降の会議や業務改善に活かすことが可能です。過去の議論や決定事項が蓄積されることで、組織全体としての成果や進展も可視化できます。

このように、議事録は単なるメモではなく、会議を通じて得られた成果を組織全体で共有し、業務を確実に進めるための重要なツールです。


議事録作成の基本ルールと5つのポイント

議事録は「正確・簡潔・客観的」に作成することが基本です。このルールを守ることで、誰もが内容を理解しやすく、誤解なく共有できる議事録になります。

具体的には以下5つのポイントを意識しましょう。

1.正確性を重視する

発言や決定事項は正確に記録する必要があります。参加者が後から読み返しても誤解が生じないよう、発言の内容や結論を正確に伝える表現を使います。また、決定事項やアクションアイテムについては、具体的な担当者名と期限を明示することで、行動に結びつきやすくなります。

2.簡潔な表現を用いる

長文や複雑な表現は避け、要点を簡潔にまとめることが重要です。文章を短くまとめ、要点が一目で分かるようにすると、後から見直す際もわかりやすくなります。また、箇条書きを活用することで、視覚的に整理され、読み手にとっての負担を軽減できます。

3.客観的な視点で記録する

議事録は、あくまで客観的な事実の記録であるため、感想や主観的な表現を避けます。例えば、「良いアイデア」や「問題が多い」といった曖昧な表現ではなく、具体的な内容や状況を明確に示す表現を使います。

4.重要な情報を優先して記録する

会議全体を細かく記録する必要はなく、特に重要なポイントや決定事項、アクションに関する内容に焦点を当てます。発言内容のすべてを網羅するのではなく、会議の目的や達成事項に沿った要点を選別して記録することが効率的です。

5.書式やフォーマットを統一する

議事録のフォーマットは統一しておくと、見やすさや検索性が向上します。項目ごとに見出しをつける、日付や出席者情報を冒頭に明記するなど、どの会議でも同じ構成にすることで、利用者が迷わずに内容を把握できます。

これらのルールを守ることで、議事録が情報を伝達するうえでの重要な役割を果たし、組織全体の業務効率を高める効果が期待できます。


議事録作成の手順3ステップ

議事録作成は「準備」「記録」「整理」の3ステップで進めるのが基本です。事前に必要な情報を確認し、会議中に要点を押さえて記録し、最後に整理して共有することで、誰もが活用しやすい議事録が完成します。

具体的な手順は以下の通りです。

1.会議前の準備

議事録作成の前に、会議のアジェンダ(議題)や出席者の確認を行います。事前に議題やゴールを把握しておくことで、会議の要点を意識して記録でき、議事録の内容も目的に沿ったものになります。

また、議事録に必要なテンプレートやフォーマットを準備しておくと、記録がスムーズです。

2.会議中の記録

会議の進行に合わせて、発言の要点や決定事項をリアルタイムで記録します。この際、以下のポイントに留意します。

  • 要点を押さえる:全ての発言を詳細に記録するのではなく、議論の要点や合意内容、決定事項などに集中して記録します。
  • 担当者や期限を明確に:アクションアイテムについては、担当者と実行期限を明確に記録することで、後からのフォローアップがしやすくなります。
  • 中立的な視点を保つ:記録内容は客観的で、事実ベースにまとめるよう意識します。

3.会議後の整理・共有

会議が終わったら、記録したメモをもとに議事録を整理し、分かりやすい形にまとめます。

内容を見直し、要約:不要な情報や曖昧な表現がないか確認し、簡潔な文章でまとめます。また、見出しや箇条書きなどを使って、情報が整理されていると読みやすくなります。

  • 保存と共有:完成した議事録は、関係者がアクセスしやすい場所に保存し、必要なメンバーへ共有します。クラウドストレージや社内の共有ドライブなどを活用すると便利です。

このように、「準備」「記録」「整理」という3つのステップで進めることで、効率的かつ効果的に議事録を作成し、組織全体での情報共有を円滑に行うことができます。


議事録に含めるべき主な内容5つ

議事録には「会議情報」「議題」「議論の要点」「決定事項」「アクションアイテム」の5つの要素を含めるのが基本です。これらを網羅することで、会議内容が正確に伝わり、後からでも会議の成果を確認しやすくなります。

以下は、議事録に必ず含めるべき主な内容です。

1.会議情報

会議の基本情報として、以下を記載します。

  • 日時:会議が行われた日付と時間。
  • 場所:物理的な会場やオンライン会議の場合はURLを記載。
  • 出席者・欠席者:参加したメンバーと、欠席したメンバーの氏名を記載しておくと、後から関係者を確認するのに便利です。

2.議題

会議で扱った主要なトピックやテーマをリストアップします。これにより、参加者がどの議題に基づいて議論が進められたかを簡単に把握でき、後からも会議の流れを追いやすくなります。

3.議論の要点

各議題について話し合われた内容の要点を記録します。重要な発言や意見、議論の流れが分かるようにまとめ、全ての発言を詳細に記録する必要はなく、要点のみを簡潔に示すようにします。

特に、対立した意見や異なる視点が提示された場合には、それも要点として含めると、会議の全体像が分かりやすくなります。

4.決定事項

会議の中で決定した内容を明確に記載します。どのような意思決定が行われたのか、具体的なアクションや今後の方針が含まれているかを確認し、わかりやすく整理します。

後からの確認にも役立つため、箇条書きで分かりやすくするのが効果的です。

5.アクションアイテム(実行事項)

会議で決まった実行事項として、担当者や期限を含めて記載します。たとえば、「○○が△△までにレポートを提出する」など、実行内容を具体的に明記し、誰が何をいつまでに行うのかが明確にわかるようにすることが重要です。

これにより、関係者全員が自分の役割を把握し、スムーズに次のステップに進むことができます。

これらの内容を適切に含めることで、議事録が情報の記録・伝達だけでなく、行動指針や進行管理としての役割を果たしやすくなります。


議事録作成のフォーマット

次に、議事録作成のフォーマットを前述の内容に沿って紹介します。
次章の見本と合わせてご活用ください。

■基本情報
会議名:
日時:
場所:
出席者:
欠席者:
 
■議題
1.
2.
3.
 
■議題ごとの要点と議論内容
1.


2.


3.



 
■決定事項
– (担当:○○)
– (担当:○○)
 
■アクションアイテム
– ○○:(期限:)
– ○○:(期限:)
 
■その他備考・次回の会議予定
次回会議予定:


議事録の見本

次に、議事録の見本を紹介します。

■基本情報
会議名:営業部定例会議
日時:2024年11月10日 10:00~11:30
場所:本社会議室
出席者:○○、△△、□□
欠席者:××
 
■議題
1. 先月の営業報告
2. 新製品の販売戦略
3. 来季の目標設定
 
■議題ごとの要点と議論内容
1. 先月の営業報告
– 先月の目標達成率:90%
– 主な課題:商品Aの販売不振、競合B社の影響
– 解決策:販売強化策の検討を次回までに行う
 
■決定事項
– 商品Aの販売強化案を次回会議までに営業部でまとめる(担当:○○)
– 新製品のプロモーション計画をマーケティング部で立案する(担当:△△)
 
■アクションアイテム
– ○○:販売強化策の資料作成(期限:11月15日)
– △△:プロモーション案の初稿作成(期限:11月20日)
 
■その他備考・次回の会議予定
次回会議予定:2024年11月30日 10:00~ 本社会議室

議事録作成ツール6つ

議事録作成には、リアルタイムの記録や共同編集が可能なツールが最適です。これにより、効率的に情報を整理し、会議後すぐに関係者へ共有できるため、業務のスピードと精度が向上します。

本章では、議事録作成に役立つ主要なツールとその特徴です。

また、以下の記事ではより詳しくツールをご紹介しておりますので、興味がある方はご一読ください。

参考:【2024年最新版】議事録作成ツールおすすめ25選を比較!選び方も紹介│LISKUL

1.Google ドキュメント

リアルタイムでの共同編集が可能で、クラウド上で保存されるため、会議の参加者がどこからでもアクセスでき、編集やコメントが可能です。また、自動保存機能があるため、作業中のデータ損失リスクが少なくなります。

会議中に参加者が同時に記録を進めたり、会議後にレビューを加える際に便利です。議題ごとにコメント機能を使ってフィードバックを残すこともできます。

2.Microsoft OneNote

手書きメモや画像、リンクを追加しやすく、整理が柔軟に行えるノートツールです。議事録をまとめるだけでなく、会議資料や関連ドキュメントも一緒に保存できるため、情報管理がしやすくなります。

議題ごとにセクションを分けて記録し、関連資料を添付しておくと、会議内容が一目で把握できるようになります。特に複数の会議を継続して管理したい場合に適しています。

3.Evernote

ノートブックを活用して複数の議事録を分類・保存できる便利なツールです。音声メモの追加や、ファイル添付機能もあり、会議の内容や資料をまとめて管理できます。

会議ごとにノートブックを作成し、各会議の議事録を時系列で管理することで、過去の会議内容もスムーズに参照できます。また、検索機能も充実しているため、特定のキーワードを探しやすいのがメリットです。

4.Notion

カスタマイズ性が高く、タスク管理やデータベース機能も備えているため、議事録だけでなくプロジェクト全体の管理が可能です。テンプレートを活用すると、議事録作成の効率が大幅に向上します。

議題ごとにテンプレートを設定し、タスク管理と合わせて進捗を追いやすくできます。各項目にチェックリストを設けることで、アクションアイテムの確認も行いやすくなります。

5.Slack

チャットツールとしての機能に加えて、会議ごとのスレッドやチャンネルを作成することで、簡易的な議事録を記録しやすい点が特徴です。また、検索機能も強力で、過去の発言やファイルを簡単に確認できます。

会議ごとにスレッドを立て、会議中の要点を随時メモとして投稿するスタイルが効果的です。会議終了後には、該当スレッドから要点を抜き出して整理することで、正式な議事録の作成がスムーズになります。

参考:【2024年最新版】ビジネスチャットおすすめ10選を導入社数順で比較!│LISKUL

6.Microsoft Word/Excel

多くのビジネス環境で利用されており、編集機能が豊富です。Excelでは議題やアクションアイテムを表形式で整理できるため、視覚的に分かりやすく議事録をまとめられます。

Excelの表形式を活用して、議題・決定事項・アクションアイテムを一元管理する形式にすると、後から見返した際も情報が整理されており、確認がしやすいでしょう。


議事録作成のよくある失敗と対策5つ

次に、議事録作成のよくある失敗と対策を5つ紹介します。

失敗1.必要な情報が記録されていない

決定事項やアクションアイテムの記載漏れがあると、後から確認が難しくなり、次のステップが不明確になることがあります。

議事録作成時には、あらかじめ「会議情報」「議題」「決定事項」「アクションアイテム」の項目をチェックリスト化し、会議中に漏れがないか確認する習慣をつけましょう。必要な要素が網羅されたフォーマットを使用するのも効果的です。

失敗2.記載内容が曖昧で理解しづらい

具体的でない表現や専門用語の多用により、後から読んだ際に会議の要点がわかりにくくなることがあります。

議事録は簡潔かつ明確な表現を心がけ、要点をわかりやすく記録します。また、専門用語や略語を使用する場合は、その説明を加えるか、わかりやすい表現に置き換えるようにしましょう。

失敗3.議事録の共有が遅れる

会議後の議事録共有が遅れると、決定事項の実行が後手に回り、スケジュールが遅れるリスクがあります。

会議終了後、できるだけ早く議事録を整理し、関係者に共有します。リアルタイムで記録を進めるツールを使用すれば、会議終了後の整理がスムーズになるため、共有も迅速化できます。ツールとしてはGoogle ドキュメントやMicrosoft OneNoteが適しています。

失敗4.フォーマットが統一されていない

議事録のフォーマットが毎回異なると、内容の把握に時間がかかり、効率が低下します。

組織で共通の議事録フォーマットを設定し、すべての会議で使用するようにします。会議の種類や目的に応じたテンプレートを用意し、必要に応じて使い分けると、どの会議でも内容が把握しやすくなります。

失敗5.記録に時間がかかりすぎる

会議中のすべての発言を記録しようとして時間がかかり、重要な要点が埋もれてしまうことがあります。

議事録は要点に集中して記録することが基本です。すべての発言を記録しようとするのではなく、議題に対する重要な発言や合意された内容を優先して記録します。箇条書きや見出しを活用することで、情報の整理がしやすくなります。


議事録作成に関するよくある誤解5つ

最後に、議事録作成に関するよくある誤解を5つ紹介します。

誤解1:議事録にはすべての発言を記録しなければならない

議事録には要点のみを記録することが基本です。すべての発言を詳細に記録するのは非効率であり、かえって重要なポイントが埋もれてしまうことがあります。議事録は議題の要点や合意事項、決定事項、アクションアイテムに焦点を当てることで、会議の内容を簡潔に伝える役割を果たします。

誤解2:議事録は会議後に作成すればよい

効率的な議事録作成のためには、会議中に要点をリアルタイムで記録しておくことが理想的です。会議後に記憶だけを頼りに作成すると、記録漏れや誤解が生じやすくなります。ツールを活用して会議中に記録を進め、会議終了後に整理してすぐに共有できるようにしましょう。

誤解3:議事録はすべての参加者にとって必要ではない

議事録は会議の出席者のみならず、不参加者や関係部署にも有用です。不参加者にとっては、会議の内容や決定事項を把握するための重要な情報源となります。また、後から確認することで、各部門の進捗や合意事項を俯瞰的に理解できるため、組織全体の意思決定や進行管理に役立ちます。

誤解4:議事録は一度作成すれば終了である

議事録は記録だけでなく、会議後の実行やフォローアップに役立つツールです。特にアクションアイテムに関しては、定期的に進捗状況を確認し、必要に応じて議事録を更新することで、業務の推進力が向上します。また、次回の会議での議論の基盤としても活用されます。

誤解5:議事録のフォーマットにこだわる必要はない

議事録のフォーマットは統一することで、情報の整理と確認がスムーズになります。フォーマットが統一されていると、どの議事録でも必要な情報を簡単に見つけられるため、関係者が迷わず内容を理解しやすくなります。議事録の構成要素や項目を固定化することで、誰が作成しても同じレベルの議事録が得られる点がメリットです。


まとめ

本記事では、議事録作成の基本、フォーマット、ツール、よくある失敗とその対策について一挙に紹介しました。

議事録作成とは、会議での重要事項を正確に記録し、組織内での情報共有をスムーズにするための重要な業務です。議事録は、後から会議の内容を確認し、意思決定やアクションの進行状況を把握するために欠かせないツールであり、その重要性はビジネスにおける効率的なコミュニケーションにあります。

議事録作成の基本ルールを守り、標準化されたフォーマットを活用することで、誰が見ても理解しやすい議事録が作成できます。また、GoogleドキュメントやOneNoteといったツールの活用によって、効率的に議事録を作成・共有することが可能です。

これらのポイントをおさえて議事録を作成することで、情報伝達の正確性が向上し、組織全体の業務推進に貢献することができます。

業務推進や進行管理にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

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