YouTubeは、現時点において日本で最も利用者数が多い動画共有サービスです。今この記事を読んでいる方もYouTube利用されている人がほとんどではないでしょうか。
今回は、YouTube広告(TrueView)を使って、自社の商品を上手くPRする方法について説明します。
YouTubeで広告をよく見るけれども、どうやって広告を出すのだろう、効果的な使い方はあるの?というみなさんの疑問を解決します。
YouTube広告の基本と動画広告の効果
YouTube広告は「TrueView」と呼ばれるGoogleが提供する広告サービス
YouTubeで広告を配信するには、Googleが提供するGoogle Adwords(グーグルアドワーズ)というインターネット広告サービスを使います。
YouTube広告は正式には「TrueView」と呼ばれ、Google AdWordsのアカウントから広告のキャンペーン、グループを作成して配信をします。ここで予め、上限予算、広告の掲載先、配信ターゲットなどを設定できるので、誰でも安心して利用できます。
参考:【徹底比較】動画広告の主要5種類メリット・デメリットまとめ
最近広まっている理由は、動画広告の効果の高さ
そもそも、動画広告は最近流行っているみたいだけど、効果ってでるの?と思う方もいるのではないでしょうか。
アメリカの動画マーケティング会社「adform」が公表しているデータだと、通常のバナーよりも動画バナーはクリック率が高い傾向だということがわかっています。
参考:動画広告って効果あるの?データから分かる市場規模や活用するべき業界
弊社でも、静止画よりも動画の方がおよそ2倍のクリック率という結果が出ているように、効果の高さも、最近動画広告に注目が集まっている理由です。
TrueViewの2つのフォーマット
TrueViewには「TrueViewインストリーム広告」と「TrueViewディスカバリー広告」の2つのフォーマットがあります。
多くの人に商品を認知させることができる、TrueViewインストリーム広告
他の動画の再生前、再生中、または再生後に表示される動画広告です。広告が再生されてから 5 秒経過すると、ユーザーは広告をスキップできるようになります。
広告掲載面
・YouTube の動画再生ページ ・Googleディスプレイ ネットワーク上のパートナー サイトやアプリ
課金体系
・ユーザーが広告動画を 30 秒間視聴する(30 秒未満の広告の場合は最後まで視聴する)
・30 秒未満でもユーザーが広告動画に対して特定のアクションを行う(Webサイトにアクセス、CTAオーバーレイ、カード、コンパニオン バナーをクリックすることなど)
メリット
・30秒以内に広告動画がスキップされた場合は料金が発生しない
・興味関心の高いユーザーにのみコストをかけることができる
デメリット
・見たい動画の前に広告が表示されるため、マイナスイメージを持たれてしまう可能性がある
・動画の質によっては逆にブランドイメージを損なう可能性がある
こんな企業におすすめ
・多くの人にサービス、商品の認知をさせたい
・期間限定でセールやキャンペーンなどの告知をしたい
・ユーザーの潜在ニーズを引き出したい
特定の関心を持つターゲット層へアプローチできる、TrueViewディスカバリー広告
YouTubeの検索結果一覧、視聴している動画右横の関連動画欄、Googleディスプレイ ネットワークのコンテンツと並べて表示されます。広告動画のサムネイルとテキストで形成され、ユーザーがクリックすることで広告が再生されます。
広告掲載面
・YouTube の検索結果欄
・YouTube の関連動画の上部
・YouTube のトップページ
・YouTube 動画再生ページのオーバーレイ
・ディスプレイ ネットワークのパートナー サイトやアプリ
課金体系
・ユーザーがサムネイルをクリックし、広告を視聴する
メリット
・特定の関心を持つターゲット層への効率的なアプローチが可能
デメリット
・キーワードやターゲットの選定を誤ると、効果が得られにくい
こんな企業におすすめ
・顕在化したニーズの刈り取りをしたい
・サービス、商品のファンを増やしたい
参考:TrueView広告の種類をもう1度確認しましょう!|株式会社ジェー・ピー・シー
ユーザーを惹きつける3つの動画広告
ユーザーに動画広告を見てもらうためには、TrueView広告でスキップされない最初の5秒が勝負です。
最初の5秒で如何に興味を喚起できるかが、動画の続きをみてもらうカギとなるでしょう。逆に興味を持ってもらえないユーザーには右下のボタンから広告をスキップできますよと誘導させてあげるのも、無駄な費用を発生させないための1つの方法です。
今回は自社で制作していない動画も含まれていますが、実際に最初の5秒で上手くユーザーの興味を喚起させている例を見てみたいと思います。
1.違和感で興味を喚起させるテクニック
ランニングシューズの通気性をアピールする動画広告ですが、タイトルがパスタテストとなっており、後ろからは熱々の鍋を持った男性が登場。
靴と鍋という違和感のある組み合わせにまず興味がそそられます。通気性に優れたシューズというのをパスタの湯切りで表現するなんともユニークな動画です。
2.聴覚を使って臨場感を出すテクニック
引用:リセッシュ 大島優子にもしもニオイを嗅がれたら・・・|KaoJapan
冒頭の5秒間で「必ずイアホンをつけてお楽しみください」とあるので何かと思ってつけてみると、大島優子さんが自分の周りでひたすらスンスン臭いを嗅いでくる動画です。3D音声になっているので臨場感あふれ思わずドキドキしちゃいます。
福士蒼汰さんのバージョンもあるので、女性の方はこちらをどうぞ
引用:花王 リセッシュ プレジャーブーケ 360° 動画広告 福士蒼汰|KaoJapan
3.直球勝負!スキップしないでと情に訴えかけるテクニック
引用:C3+ビタフレッシュ「先輩ずるい」篇 WEB限定デザインボトル|ロートチャンネル
「スキップしたらずるい!」とか、「見てくれたら嬉しい」とかの言葉を使ってユーザーの情に訴えかける少し強引な方法です。
モデルによって効果は変わってくると思いますが、一言最初にユーザーに見て欲しいというメッセージを伝えることでスキップさせにくくします。
参考:動画制作を依頼するときに気を付けたい3つのポイントと動画の使い方
YouTube広告で気をつけるべき5つのポイント
YouTubeでの動画広告は、能動的に動画を視聴しようとしているユーザーに対し、受動的に広告を見させるため、場合によっては逆効果になってしまうリスクがあります。このリスクを回避するために気をつけなければならないポイントについて説明します。
1.目的・目標を設定する
TrueView広告を配信する目的は何でしょうか?それによって動画の内容や広告の設定も大きく変わってきます。
リスティング広告で取りきれなかったユーザーに対して動画広告を見せることで認知獲得を狙い、その後リマーケティングを行なうという目的であれば、どれだけ動画を見てくれた人がいたか?が指標になります。
動画を見せた後に自社サイトへ誘導し、問い合わせや申込みに結び付けるという目的であれば、コンバージョンの数や獲得単価が指標となります。 施策後のPDCAを回す意味でも、予め目的・目標はきちんと定めて置いたほうがよいです。
2.配信対象を絞る
冒頭でも述べた通り、YouTubeのユーザー数は膨大なため、配信対象を絞らないと無駄な広告費がかさみます。
また、全く関連のないユーザーに広告動画が流れることにより、ブランドイメージの低下にもつながってしまいます。
3.動画の見出しと説明文で興味を惹く
検索連動型のディスカバリー広告で表示された際に、ユーザーから興味をもってクリックしてもらえるような、動画タイトルと説明文を設定します。
4.最初の5秒間でユーザーの心を掴むもしくは切り捨てる
インストリーム広告では動画が表示されてから5秒後にスキップすることが可能なので、最初の5秒間で如何にユーザーの興味を喚起できるかが重要です。
または、興味を持ってもらえないユーザーに対しては、5秒後に「もうスキップしていいですよ」というメッセージを動画の中身に入れ込むことで無駄な広告費を防ぐことが可能です。
5.質の低い動画は出稿しない
ユーザーが見たい動画の前に流れる広告なので、あまりにも質が低い動画だとユーザーからの不快感やブランドに対する不信感を与えかねません。YouTubeで広告動画を配信する際は動画の質にも気をつけたいところです。
YouTube広告の出稿方法
1.動画をYouTubeにアップ
まずは広告用の動画をYouTubeにアップロードします。
TrueView広告には動画の長さに制限はありませんが、長ければ長いほどユーザーの拘束率は低くなるため、30秒~1分程度に収めるのが理想です。
参考:動画のベストな長さは? ~動画マーケティングでいつも迷うこと~|コンテンツマーケティング研究所
2.Google Adwordsから設定を行なう
TrueView広告の設定はGoogle AdWordsの管理画面にて行います。
リスティング広告等で使用しているアカウントに動画キャンペーンを追加しましょう。設定が完了したら審査を経てTrueView広告の配信が開始されます。
番外編:YouTube アナリティクスで効果検証する
YouTubeアナリティクスでは「誰が」、「どの地域で」、「どれくらい」広告動画を見ているかを把握できます。ユーザーに興味を持って見てもらえているかどうか、最適なタイミングで訴求が出来ているか(訴求する前に離脱されていないか)をチェックしましょう。
参考:YouTube アナリティクスの概要|YouTube ヘルプ
まとめ
このように、工夫次第でYouTube広告でも効果的に自社の商品のPRをすることが可能です。
しかし、いくら5000万人規模の視聴者に対し露出ができるとは言え、下手に出稿すればブランドイメージを損なう危険性もあるので、この記事を参考にしながらPR用の動画制作を進めて頂けたらと思います。