BPOとは業務プロセスの一部をアウトソーシングすることです。定型業務や再現性の高い業務が、BPOの対象となります。
専門業者に業務の一部を委託することで、コスト削減・業務の効率化・業務改善などの効果が期待できるでしょう。
【1カ月だけの利用もOK】いま確認しておきたいBPOサービス「フジ子さん」
一方、社内にノウハウが蓄積できない、情報漏洩のリスクがあるといったデメリットも生じます。情報漏洩のリスクを下げるためには、セキュリティ対策が十分な企業を選択しましょう。
この記事を最後までお読みいただければ、BPOのメリットやデメリット、BPOの対象となる業務、依頼先の選定方法などが理解できます。
BPOを自社に導入すべきかどうか判断に迷っている場合やどの業務を委託すれば良いか頭を悩ませている担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
※本記事はBPOテクノロジー株式会社提供によるスポンサード・コンテンツです。
BPOとは業務プロセスをアウトソーシングすること
BPOとは、ビジネスで発生する業務プロセスの一部を専門業者にアウトソーシングすることを意味します。このBPOとは、「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の頭文字を取った言葉です。
BPOを導入すると業務の改善につながります。人材をはじめとした社内のリソース不足を感じている企業が、業務のクオリティを高めるために適したサービスです。
ここでは、BPOの本質や類似用語との違いについて詳しくみていきましょう。
BPOの本質は効率化ではなく業務の改善
BPOの本質は業務の効率化ではなく、業務改善です。
専門的な外部企業のBPOを活用すると、自社の経営資源であるコア業務に集中することが可能になります。さらに、コスト削減・固定費の変動費化・業務品質向上などにつながります。
BPOにより、コア業務に集中することで、顧客への提供価値をさらに高めることができるでしょう。
参考:コア業務とは?ノンコア業務との違いと成果を生み出す効率化のポイント│LISKUL
BPOは社内のリソース不足を感じている企業は導入すべき
BPOを導入すべき企業は、社内のリソース不足を感じている企業です。
人員不足をはじめとした、社内のリソース不足を感じている企業は少なくありません。リソース不足により引きおこるさまざまな問題が、BPOで改善できます。
例えば次のような問題や要望があるでしょう。
- 業務の属人化が起きている
- コア業務以外の事務作業が多い
- 今より業務水準を高めたい
BPOを導入すると、その業務を専門とする企業に業務プロセスの設計から運用までを一括して委託できます。
BPOの活用により、社内の業務時間やコストの削減につながります。加えて、これまで事務作業などに充てていた人材を、コア業務にまわすことが可能です。そのため、コア業務に集中できるようになり、収益向上につながります。
加えて、委託した業務は、プロフェッショナルや専門家が行うため、業務内容の品質向上が期待できます。
類似用語との違い
BPOの類似用語に次のものがあります。似ているので混同することもあるでしょう。
- アウトソーシング
- BPR
それぞれの違いについてみていきましょう。
アウトソーシング
アウトソーシングとは、自社業務を単に委託し運用してもらうことです。BPOのように、業務設計や分析・業務の改善などは含みません。
BPR
BPRは、ビジネス・プロセス・リエンジニアリングの頭文字をとったものです。
業務本来の目的を達成するために、業務・組織・戦略などの再構築を行います。
現状の業務を疑い、否定する視点から入ることが多いため、業務方法の大幅な変更やシステムの再構築を伴うことが少なくありません。
BPOの対象となる業務は事務や受付などのノンコア業務
BPOの対象となる業務は、定型化がしやすいノンコア業務となります。主なものは次のとおりです。
- 事務作業
- 受付・コールセンター
- 採用代行
- 営業代行
- 健康管理
- 官公庁・地方団体
主に、定型化できるものや再現性の高い業務が対象となっています。それぞれについて、詳しくみていきましょう。
事務作業
BPOの対象となる業務の1つに事務作業があります。主な業務内容は次のとおりです。
- 営業事務の受発注
- 請求書発行
- 経理事務の売掛金管理
- 支払い処理
- 経費精算
- 総務事務の施設と備品の管理
- メール対応
事務作業は、自社で行うと多くの人手がかかり、コア業務の圧迫をするケースが見受けられます。特に、経理・総務などを請け負う専門業者はいくつもあるため、BPOを活用しやすい業務といえるでしょう。
受付・コールセンター
BPOの対象となる業務の1つに受付・コールセンター業務があります。主な業務内容は次のとおりです。
- 来訪者の応接室への案内
- 代表電話への対応
- 来客対応
- コールセンター
- ヘルプデスク業務
コールセンターやヘルプデスクなどが必要となる企業もあるでしょう。顧客満足度の高い対応を行うためには、担当者への教育や研修が欠かせません。
自社で準備すると、人材や専用システムなどのリソースなどが必要となります。既にノウハウのある専門業者へのBPOを検討すべき業務の1つといえるでしょう。
採用代行
BPOの対象となる業務の1つに採用代行業務があります。 採用業務の計画から戦略、ブランディングまで引き受けてくれます。応募者の管理だけでなく、母集団形成や分析・検証など幅広く任せることが可能です。
営業代行
BPOの対象となる業務の1つに営業代行業務があります。
営業スキルの高い社員を育てるには、時間やノウハウが必要となります。 BPOを利用すれば、ルート営業や新規開拓などの専門ノウハウを持つプロに任せることが可能です。
営業効率や生産性の向上が見込まれるでしょう。
健康管理
BPOの対象となる業務の1つに健康管理業務があります。主な業務内容は次のとおりです。
- 健康診断の実施
- 健康診断結果分析
- 医療機関との契約交渉
- 医療機関の予約管理
従業員の健康管理業務も手間のかかる業務の1つです。健康診断の実施や医療機関との契約交渉などを、専門業者に任せることで、担当従業員の負荷を減らし、そのリソースをコア業務へまわすことが可能になるでしょう。
官公庁・地方団体
BPOの対象となる業務の1つに官公庁・地方団体の業務があります。主な業務内容は次のとおりです。
- 住民記録
- 国民健康保険
- 介護保険
- 就労支援などに関する業務
近年、官公庁や地方団体でもリソース不足を補うためにBPOを活用しているところが見受けられます。
BPOに依頼することで得られる効果
BPOを活用すると、コア業務への集中やコスト削減などの効果が得られます。主なものは次のとおりです。
- 売上を始めたとした数値改善が見込める
- コスト削減
- 業務効率化・改善
それぞれについて詳しくみていきましょう。
売上などの数値改善が見込める
BPOを活用すると、売上をはじめとした数値改善が見込めます。
定型業務は重要ですが、必ずしも自社で行う必要はありません。BPOを活用すると、限られた人材を定型業務から解放し、コア業務に集中させることができます。
削減したコストを自社のコア業務の活動資金に投入することも可能です。結果として、業務効率化向上、売上や利益のアップなどの数値改善が見込めます。
コスト削減が見込める
BPOに依頼するとコスト削減が見込めます。
BPOに依頼すると、閑散期・繁忙期の変動に合わせてかかる費用はその都度変更が可能です。 一般的に業務の多くは、忙しさに波があります。
そのため、繁忙期に合わせて人材をそろえると、閑散期に余分なコストが必要です。一方で、閑散期に合わせて人材をそろえると、繁忙期には手が回らなくなることもあるでしょう。
BPOに依頼すると、繁忙期に合わせて自社で人材を確保しておく必要がありません。そのため、コスト削減が見込めます。
業務の効率化・改善が期待できる
BPOを導入すると業務の効率化や改善が期待できます。BPOを導入すると、専門的な立場の第三者が細部にわたって業務プロセスの改善を行うためです。
例えば次のようなものが該当するでしょう。
- マニュアルの整備
- 処理方法の見直し
- ボトルネック分析
- 書式の統一
- ITシステムの導入
専門的な知見を持つ第三者の立場で見直しができるため、社内のしがらみや慣例にとらわれない思い切った改革が期待できます。
参考:業務効率化の8つの方法と、今すぐに始めるべきアイデア8選│LISKUL
BPOに依頼する課題・リスク
BPOに依頼することにより、課題やリスクが生じることもあります。事前に課題やリスクを把握しておくと、回避できることも少なくありません。
ここでは、BPOの導入により生じる可能性がある課題やリスクについてみていきましょう。
社内ノウハウが蓄積できない
BPOを任せた部分の業務については、社内ノウハウの蓄積が困難になります。
BPO企業に業務を委託した部分を社内で一切目にすることがなくなると、その部分のノウハウやスキル、アイデアなどは社内に蓄積できません。社員教育も困難になるため、将来的に内製化するのは困難になるでしょう。
将来的に内製化に戻すことも視野に入れる場合、全てをBPO丸投げするのではなく、定期的に連絡を取りながらパートナーとして付き合っていくことを意識しなければなりません。
例えば、連絡を取り合う時にExcelシートではなくスプレッドシートを用いることで、リアルタイムなコミュニケーションが可能となります。
加えて、BPOに蓄積されたノウハウを定期的にフィードバックしてもらえるよう、仕組みを整えておきましょう。
セキュリティが甘いと情報漏洩のリスクがある
セキュリティが甘い場合、情報漏えいのリスクが生じます。外部に業務を委託する際には、情報漏洩のリスクが必ず付いて回ります。
リスク軽減のためには、秘密保持契約書などが有効です。具体的には次のような内容を明記します。
- 秘密情報の定義
- 取り扱い時の注意
- 返還義務
- 損害賠償
事前に自社のセキュリティ環境を整えておくのはもちろんのこと、契約時には必要な制約事項を設ける、セキュリティ関連の誓約を取り交わすなど、リスクを最大限回避できる工夫を行いましょう。
従業員のモチベーションが低下しやすい
BPOの導入が従業員のモチベーション低下につながることもあります。
例えば、BPOを導入した結果、望まない部署への配置転換となった従業員のメンタルが落ち込むことがあるでしょう。また、同僚がリストラされた場合、他の従業員のモチベーションが低下する可能性が生じます。
防止するために、個別面談や社内相談窓口の設置など、社員に対する精神面のフォローを行いましょう。
参考:BPOビジネスにおける今後の業界動向について
各種契約等の参考例
BPOの導入事例
ここからは、具体的にBPOの導入事例についてみていきます。
受注額の増加やサイトアクセス数アップなど、BPOの導入によりさまざまな効果が出ていますので、参考にしてください。
3年間で受注額が2割増加
BPOの導入により3年間で受注額が2割増加した事例についてみていきましょう。長崎の火力プラントの保守機器・部品の営業部門にて固定費の削減と受注額増加を実現しています。
対応する国や地域により業務処理方法が異なるため、BPO導入前は、メンバー間による互いのフォローが難しい状態でした。そのため、見積書をスムーズに提出できず、受注を逃してしまう案件がいくつもあったと言います。
この問題を解決するために、保守・メンテナンスに関して、下記のことをBPOに依頼しました。
- 必要部品の見積
- 受注後の手配
- 出荷
- 請求・入金業務
BPO導入後した結果、全ての案件に対して見積を提出できるようになったと言います。業務標準化シートの有効活用、スキルの棚卸、相互補完体制の整備などにより、属人的な業務運営体制を解消しました。
全ての案件のうち80%以上をBPOで対応しています。結果として受注額は3年間で2割増加しました。
参考:BPO事例インタビュー:三菱日立パワーシステムズ株式会社 | パソナのBPO・アウトソーシングサービス
Webサイトアクセス数が1.7倍に増加
Webサイトアクセス数が1.7倍に増加した事例についてみていきましょう。
BPO導入前に、Webサイトを利用した顧客の困りごとや社会課題の解決方法について探っていました。その手法として、デジタル施策により各顧客に多様な選択肢や新たな体験を提供したいと考えたのです。
実現に向け、デジタル施策の実行から一部のコンタクトセンターまでをBPOに委託しました。
BPO導入後は、コンテンツマーケティングやSEO施策で流入強化を図った結果、Webサイト改善開始から3年でアクセス数は1.7倍にまで増加しました。その後、PDCA改善を続けた結果、コストに対しての費用対効果は単年で約2.5倍になっています。
受注のデジタル化で誤受注率を0.01%以上削減
受注のデジタル化で誤受注率を0.01%以上削減した事例についてみていきましょう。
BPO導入前は、退職等の人材流出で受注業務を安定して継続できなくなりました。受注業務に手がかかり、社員がコア業務に専念できなくなったと言います。
そのため、受注業務をBPOに委託しました。
BPO導入後は、委託化前の調査・業務の標準化・マニュアル化により、人が替わっても安定して運営できる基盤を整備できたと言います。
具体的には、それまで主流だったFAX注文から、EDIでの受注へと切り替えました。結果として、誤受注率0.003%以下にまで減少することに成功しています。
参考:BPO事例インタビュー:月桂冠株式会社 | パソナのBPO・アウトソーシングサービス
BPOの依頼先の選び方
BPOを依頼する際の選び方についてみていきます。
BPO企業を選定する際、失敗したくない・後悔したくないと考える担当者の方は多いでしょう。自社にマッチする企業を選ぶ際、特に気を付けるべき点は以下の4つです。
- 委託したい業務が対応範囲に含まれているか
- 過去に同業種の実績はあるか
- 委託業務の拡大に対応してもらえるか
- セキュリティ対策は十分か
それぞれについて詳しくみていきましょう。
委託したい業務が対応範囲に含まれているか
委託したい業務が対応範囲に含まれている企業を選びましょう。企業によって専門領域や得意領域は異なります。例えば、同じオペレーター業務でも、インバウンドかアウトバウンドかで対応を分けているところも少なくありません。
グローバル企業の場合は、海外BPOも選択肢に含めることが可能です。海外BPOは、外来語を扱う業務に優れており、料金も国内より安い傾向にあります。ただし、言語の違いや時差などの関係で、コミュニケーションが取りづらい点は難点といえるでしょう。
BPOの企業規模を見ると同時に、対応範囲についても確認しておくと自社にマッチした企業が見極められます。
過去に同業種の実績はあるか
過去に自社と同業種の実績のある企業を選びましょう。さらに、委託を希望している業務に関して、次の面で同程度の実績があるかどうか確認しておくとよいでしょう。
- 自社と同程度の規模感
- 同様の業務内容
- 期間
- フェーズ
同業種の実績が最低1つでもあると、マッチしやすくなります。なお、Web上では実績非公開の場合でも、問い合わせにより開示してくれる企業もあるので、問い合わせてみましょう。
委託業務の拡大に対応してもらえるか
委託業務が拡大した場合にも対応してもらえる企業を選びましょう。委託先の企業規模によっては、拡大する業務には対応できないケースがあります。
将来的なBPO導入のビジョンと照らし合わせて、対応が可能かどうか事前に相談しておきましょう。また、イレギュラー時の追加料金・対応範囲・体制も確認しておくと、委託業務が拡大した際にスムーズな対応が可能になります。
セキュリティ対策は十分か
セキュリティ対策が万全な企業を選びましょう。個人情報を取り扱う業務を委託する場合、下記のいずれかを取得している業者であれば安心して一任できます。
- ISMS認証
- ISO/IEC27001(JIS Q 27001)
- Pマーク
利用当初はセキュリティ対策を必要としない業務のみを委託する場合でも、後々委託業務を拡大する可能性を考慮して、できるだけセキュリティ対策の高い業者を選択しておくとよいでしょう。
BPOの効果を高めるコツ
BPOの効果を高めるコツについて解説します。 BPOを導入するからには、できるだけ高い効果を得たいものです。BPOの効果を高めるには先方との細やかな事前の取り決めが欠かせません。具体的には次の3点が大切になります。
- コミュニケーションの方法や頻度を明確にしておく
- ミス・イレギュラー発生時の対応を決めておく
- スキルマップを作成する
詳しくみていきましょう。
コミュニケーションの方法や頻度を明確にしておく
事前にBPOとのコミュニケーションの方法や頻度を明確にしておきましょう。
特に、立ち上げ期間や業務装着を進める際には綿密なコミュニケーションが必要です。以降においても、コミュニケーションの方法・頻度・互いの担当者などの要素を明確にしてコミュニケーションラインを整備しておくことで、迅速な業務装着やトラブルシューティングが可能になります。
ミス・イレギュラー発生時の対応を決めておく
事前に、ミスやイレギュラー発生時の対応方法を決めておきましょう。
ミスやイレギュラーが発生した場合、早めの対応がトラブル拡大の防止につながります。そのため、ミスやイレギュラーが発生した際の連絡方法や対応方法についてあらかじめ定めておきましょう。
具体的にはトラブル発生時について、次の点について事前に取り決めておきます。
- トラブルの重要度評価基準
- 発生時のプロセス・フロー
- 担当者の連絡先
- 緊急時の対応方法
事前にトラブル時の対応方法を取り決めておくことで、実際にミスなどが起きたときにスムーズな対応が可能となり、トラブル拡大の防止につながるでしょう。
スキルマップを作成する
BPOに依頼する際は、スキルマップの作成を依頼しましょう。
自社で取り組んでいる業務を委託する場合、事前に業務内容の棚卸を行い、業務に必要なスキルを明確にしておきます。スキルマップを作成すると、先方の担当者が、依頼する業務内容にマッチした人材かどうか事前の確認が可能です。
BPO依頼時は要件を固めずにRFPを作成しないこと
BPOを依頼する際、RFPを作成する前に、依頼する要件を決めておかなければなりません。
自社で、依頼する要件を固めておかないと導入や引継ぎが滞る可能性が高まります。要件が曖昧なままだと、本来希望していた全ての業務を請け負ってもらえないこともあるため注意が必要です。
RFP作成前に、自社が先方に依頼したい業務や今抱えている課題などを細かく書き出し、具体的に依頼すべき要件を社内で固めておきましょう。
※企業によってはRFPを作成しない場合もありますが、その際は別途スケジュールや進行について相談ができるか確認しましょう。
まとめ
業務プロセスの一部を外部企業に委託することをBPOと言います。
BPOを導入すると、専門業者に業務プロセスの設計から運用までを一括して委託できるため、業務改善が見込めます。
主に、定型化できるものや再現性の高い業務が対象です。そのため、事務作業や受付・コールセンター、営業代行など幅広い業務を検討できるでしょう。
貴重な人材や資金などのリソースをコア業務に集中できるため、売上アップや顧客満足度向上などが期待できます。
現在、社内のリソース不足のためにコア業務に集中できていないと考える企業担当者の方は、導入を検討してみましょう。
※本記事はBPOテクノロジー株式会社提供によるスポンサード・コンテンツです。
コメント