インタースペース採用強化の裏にある、新規事業推進のための仕組みづくりとは?

Webマーケティングノウハウメディアの「LISKUL」と、IT/Web業界の求人紹介をしている「グロウスギア」の共同企画、「キャリアノート」。

“アフィリエイトの会社”というイメージが定着する株式会社インタースペースで、非常にユニークなムーブメントが起こっています。社員から新規事業を募り、実現に向けてサポートをする“新規事業の推進”の仕組みが実に革新的です。新規事業推進室の室長である日向瑞貴さんに、そのユニークな試みが生まれた背景、および全容、そして、新規事業推進室で働くことの魅力について伺いました。

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社員全員が新規事業を立ち上げられる仕組みをつくりそれぞれのやりたいことを支援

インタースペース1日向瑞貴株式会社インタースペース 新規事業推進室 室長​


―まずは、新規事業推進室に課せられたミッションから教えてください。

最初に経営層から降りてきたのは“向こう10年でものすごい数の事業をつくりたい”というオーダーでした。私の解釈としては事業数を経営層が求めているのではなく、ものすごい数の事業が立ち上がってくるような、そんなイノベーションが起こせるカルチャーの会社をつくりたいのだろうと考えました。

だからこそ、あえて“新規事業”の後に、“推進”という言葉をつけた部署を立ちあげているのです。単純に僕ら自身が企画を考えてそれを立ち上げるのではなく、他の事業部の方たちのそれぞれにやりたい新しいことを支援して実現に導くことが仕事であると自覚しています。

―新規事業の内容に何らかの“縛り”はないのでしょうか。“御社だからできること”みたいな。

どちらかというと、現在の事業内容には縛られない新規事業という考えです。「BeInnovative!」というスローガンを掲げ、要素としては「インターネット」「ベンチャー」「先進・革新」「社会的インパクト」「グローバル」という概念に加え、「WIN-WIN志考」の6つの行動指針を掲げております。その範疇にあれば、特に制限を設けるつもりはありません。

―具体的には、どのように事業を推進していくのでしょう?

まずは社内で新規事業が生まれない理由は何なのかを考えました。そのために社内アンケートをとったり、社員の話を聞いたりしながら、客観的な理由を整理していって、その中で“僕らに何ができるのだろうか?”ということを考えるところからスタートしました。

そこで見えてきたのは、自分たちが考えたことをどのように実現したらいいのかわからないと感じている人が多かったということ。それを臆せず上司に当てることができないと。ですから、まずは自分のアイデアをみんなに向けて気軽に発信できる社内ツールを用意しました。誰もが匿名で発信できて、そしてそのアイデアに共感した人同士をつなげていって一緒に企画を作っていけるようなツールを社内でリリースしたのです。

―社内の反応はいかがでしたか。

今から2か月前にツールの運用を開始しました。当初は、投稿してもらうこと自体にハードルがあるのでは?と考えていたのですが、想定以上にポジティブな社員が多く、すでに50個ほどのアイデアが投稿されています。その中から、経営陣へのプレゼンが始まっているものや、具体的な検討が始まっているものもあります。

運用開始前から“この人は投稿してくれるだろう”という期待に応えてくれた人もいれば、“こういう人がいたんだ?”と意外な人物が積極的に発信してきたりと様々ありますが、圧倒的に多いのが後者。意欲がある人がこんなにも多いのだという嬉しい驚きを感じ続けています。

もちろん、このプラットフォームを介さずとも、直接提案してもらったアイデアを一緒に実現化する取り組みを進めたり、どうやったら企画をまとめられるのか啓蒙したり、チャレンジできる人をどのようにバックアップして評価していくのかという社内ルールや制度の整備を行うのも私たちの仕事となります。

意欲のある人同士をつなぎ合わせていくことであったり、そこまでモチベ―ションが上がっていない人をいかに引き上げるかというところは、会社のカルチャーを作っていくうえで重要だと思っています。

―ということは、社内でスペシャルな人を発掘して、そのアイデアを育てるというのではなく、社員全員からアイデアを出させるような取り組みなんですか?

そうです。社員全員が新規事業を発信できるようなイメージです。アイデアの母数は重要ですよね。しかも、遠くのどこかの新規事業の部署が勝手に企画し、年に1~2本立ち上げ、5年に1本成功するかしないかみたいな会社ではたぶん、働いている人間としても面白くないですよね。それだったら自分がそこに参加できる可能性がある会社の方がたぶん面白い。働き甲斐だってあるし、会社にとってもそれが成長余力になっていくと思うのです。

僕は経営層にいる人間ではないのですが、この会社のメンバーの一員という立場でインタースペースという会社の組織づくりを進めていきたいのです。特に弊社のようなネット系の会社では、僕のような一社員が会社を少しずつ変えていくことができます。これは、これまでの経験の中から培ってきた持論です。


「人と一緒に仕事をしたい」という想いから働く課題を解決

インタースペース2

―日向さんは、この会社に入って、どのようなカタチで会社の組織を変えていったのですか。これまでのキャリアと併せてお聞かせください。

実は僕は大学を卒業してすぐに、現地の民族楽器と文化を勉強したくてオーストラリアに渡り、帰国後もその楽器をネットで販売したり、楽器店に卸したりしながら生計を立てていました。この時は会社に入ることなど、まったく考えていませんでした。その後、インターネット専用回線を契約者のご自宅に引き入れる工事の仕事を個人事業主として引き受けるようになりました。

ちょうどネットの普及が一気に加速していた時期だったので、それなりに忙しくしていたのですが、ふと将来のことを考えると限界が見えてしまうのですね。やはり、自分で仕事を生み出す社会の歯車を作って、それを仕組みにして定着させていくような、そんな形で社会貢献ができないものかと考えるようになったのがサラリーマンとして働こうと思い始めたきっかけでした。まあ、単純にサラリーマンをやったことなかったので漠然とした興味もありましたけれども。

―それが実現できる会社を探した?

そうですね。なので、規模が大きい会社ではなく、これから会社が作られていくようなところがいいなと、仕組みをつくっていけるような会社ということで、当時100名程度しか在籍していなかった弊社を選びました。もうひとつ“社会貢献”というテーマもあったので、自社だけでなく、自社が繁栄することで関係者全員が幸福になるようなビジネスが良いとも考えていました。当時、アフィリエイトというシステムが広告主とメディア、そして弊社の三方がWin-Winになるものだと理解し、それも転職理由のひとつとなりましたね。

―入社してからのキャリア変遷を教えてください。

最初は主幹事業であったアフィリエイトのメディア側の業務を担当しました。サラリーマンを経験したことがなかった僕は当初、組織の中では型にハマって与えられた仕事をしっかりこなすことが重要かと考えていたのですが、1年ぐらい経過して、どうやらそうではないということがやっと分かってきて、そこから働き方を変えました。自分個人のパフォーマンスをあげるために働くのではなく、できるだけ多くの人のパフォーマンスを上げようと考えるようになったのです。

当時はまだ若い会社だったということもあり、“個人プレイヤーの集合体”みたいな雰囲気があって、重複業務もずいぶんありました。それを統合して戦略的に動くと、ものすごく効率化されてインパクトが大きくなります。また、属人化されていた業務をシステムに置き換えることで、たとえ人が辞めていっても業務クオリティが維持できます。

そういった改革を、誰かに指示されるのではなく自発的に進めていったのですね。元々、サラリーマンになったのも人と一緒に仕事をしたいという大前提があったので、周囲の人を巻き込みながら組織改革を進めるのが非常に面白くやりがいもありました。

当時の上司とも“広告事業本部内の各組織の課題を横断的に解決していくことが必要である”という考えが合致し、新たに開設されることになったマーケティング室の立ち上げに参画させて頂きました。外部商材の導入やシステムの構築など、部門を超えた課題一つひとつを検証し、解決を図っていくような業務に従事するようになりました。


「アイデアを超えた体験を」というビジョンに共感する人と仕事をしたい

インタースペース3

―どんどん役割が変わっていくというか、レイヤーが上がっていくようなイメージですね。

そうですね。マーケティング室として活動を進めていく中で、一番課題になっていたのが、何か新しいWebシステムやサービスを作りたいと思っている人が社内にいたとしても、それを実際に作れる人がいなかったとか、システムエンジニアはいるけれども、エンジニアと企画側の視点にかなりずれがあったということ。それを調整する役割が必要だという話になり、マーケティング部門とシステム部を統合。その部署で、企画からあがってきた要望をいかにスピーディにカタチにするかという仕事をやってきました。その流れから、新規事業部門立ちあげのオファーが来たということです。

―なるほど。ありがとうございます。では、現時点で日向さんが考える、新規事業推進室に必要な人材像を教えてください。

職種ごとにそれぞれ要件はありますが、共通する要素として、やはりプロジェクトとして動くので個人のパフォーマンスを個人であげたいという人より、チーム自体がどうやったら最大限の良いアウトプットを出せるのかを考えるような、“チーム思考”が持てる人が良いとは思います。そして考えるだけではなく、アクションを起こせる人が欲しいですね。

キャリアパスも色々と考えていて、人をマネジメントするキャリアも描けるし、得意な技術を極めたいというような専門志向を持つ方にもお応えできるものを用意していくつもりです。さらに新規事業を立ち上げていって、成長する過程において、その事業にずっと携わっていきたいという人も出てくるかと思いますので、そういった選択をできる道も用意していきます。

僕たちの部署が掲げるビジョンは「アイデアを超えた体験を」というものです。人を支援していこう、人のアイデアをどう実現してあげようかという志向をもったメンバーが多いのですが、そのアイデアが出てきた時点よりも素晴らしいものにブラッシュアップしてアウトプットしたいという思いを表現しています。経験は問わずこの言葉に象徴されるような思いが共有できる人と一緒に仕事を進めていきたいです。

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