Webマーケティングノウハウメディアの「LISKUL」と、IT/Web業界の求人紹介をしている「グロウスギア」の共同企画、「キャリアノート」。
第1回目の今回は、株式会社オプトの人事戦略部部長 高部賢一さんに登壇いただきました。
自らの成長意欲の赴くままに、常にチャレンジフルな環境に身を置きたいと考えていた高部さん。最終的にたどり着いた株式会社オプトで待ち受けていたのは、大きな挫折でした。しかしその挫折を乗り超えることで人間的な成長を経験。自らのキャリアの変遷、そして現職の人事担当者として描く、今後の採用戦略について聞きました。
目次
常にステップアップできる場を求め転職。オプトには企業のビジョンにも共感して入社を決意
高部賢一 株式会社オプトHLD/オプト 人事戦略部 部長。外資系ソリューションプロバイダーを経て2005年株式会社オプトへ入社。SEM運用部門のコンサル、メディア部門長としてYahoo!/Googleの売り上げ日本一を達成。その後新規事業として官民連携に取り組みプロジェクトマネージャーとして従事した後、2014年より国内外のオペレーションセクションの責任者を経て2016年8月より現職。
まずはオプトに転職するに至った経緯からお聞かせください。
高部さん:物心ついたときから独立志向があり、その目標を達成するために、常に勢いのまま挑戦をしている会社に勤めて経験を積んでいきたいという意識がありました。大学を卒業して最初に勤めたのが営業会社で。
厳しい環境で貴重な経験を得た後に、さらなるステップアップの場を求め、巨大な外資系企業に転職を果たしました。自分がどれだけできるか?というレベルを確認したかったのですね。転職して3か月で成果が出始めたのですが、ただ売り続けるだけのことに対して自分の成長やキャリアに疑問を感じることになり、転職を考えるようになっていました。
いま思えば、自分で考えることができない未熟な部分が露呈したところでもありますが、転職エージェントから、“少々生意気な高部君にぴったりの会社がある”と紹介を受けたのがオプト。調べてみて、経営者が掲げるビジョンに強く共感しました。
そこでうたわれていたのは「一人ひとりが社長」「社員一人ひとりの幸せを追求する」という2つのキーワード。「経済的」「職業的」「精神的」という3つの自立が備わってこそ、社員が幸せになるのだという考え方に大きく心が揺さぶられました。ここで自分は思い切り成長できる、挑戦できると感じました。
未経験からの中途入社でご苦労された点はありませんでしたか?
高部さん:入社が決まってから、当時の人事担当者に「営業と運用型広告のコンサルタントという仕事があるけれども、どちらがいい?」と問われ、「運用型広告のコンサルタントをやります」と、何の迷いもなく答えていました。
それまでずっと営業をやってきましたから、少し別なことをやりたいと思ったのですね。入社して約半年間はものすごく苦労しましたよ。最初は見よう見まねで仕事を進めてはいたのですが…。
入社して3か月目くらいの時期でした。営業担当者と同行してクライアントの元に伺ったのですが、もう3分間くらいしか説明ができず…全然、言葉が出てこない。営業がフォローしてくれて、何とかその場を乗り切ったのですが…すぐに反省会でした。今でもはっきり覚えていますが、訪問先からの帰り道、ファミレスに立ち寄って、同行した営業担当者から「運用型広告ってさ…」という話を2時間くらい聞きました。
そこでようやく知識が形式化されたというか、点が線になったのですね。それがオプトにおいて成長の産声をあげた原点になったと思っています。そこから周囲のメンバーの信頼を積み重ねていって、7か月後くらいにチームリーダー職を拝命するまでに至りました。
未経験であったにも関わらず、スピーディに昇進されました。そもそも運用型広告の業務に携わる方の評価ポイントとはどのようなものでしょうか。
高部さん:認められる場所は3つあり、ひとつはお客様。私たちが立案して実際にオペレーションしている広告運用によってお客様の売り上げがあがること。まず、これが一番重要であることは間違いないのですが、さらに社内にふたつの評価ポイントがあります。
ひとつは、しっかり運用したことでお客様からの評価が高まり、いただける広告予算があがるということ、そしてもうひとつは業務効率をあげて、いかに作業の数を減らしていくかという点も評価につながっていきます。
チームリーダーからさらにマネジメント職に拝命されたのは、どのようなタイミングだったのですか?
高部さん:入社して5年間は運用型広告のセクションでキャリアを重ねていきました。マネージャーになるのも比較的早く、2年足らずで副部長になりました。でも、今、振り返ってみると非常に未熟なマネジメントだったと反省しています。
当時、運用型広告の業務に長けた社員の育成は得意だったのですが、ビジネスマンとしてのボトムアップができていなかったように思えます。ボトムをあげるためには、その人のどこに着火をすればいいのか? そのポイントを短時間で見つけられるかどうかが重要になります。
当時の私は、内発的なやる気を引き出すことができなかった。それに気づいたのは、もっとずっと後、いくつかの経験を重ねてようやく、実感するようになりました。
新規事業での挫折後、仕事で会社に返したいという思いから「会社でもっとも問題のある部門に置いてほしい」と直訴
そこから、どのようにキャリアを重ねていったのですか。
高部さん:元々、私の中に、“地方に雇用を創出することが最大の社会貢献につながる”という考え方があり、たまたまそのとき、社内で官民連携によるビジネスを進める新規事業の話が持ち上がり、真っ先に手を挙げていましたね。
あるベンチャー企業とのジョイントプロジェクトだったのですが、私はオプト側のプロジェクトマネージャーという立場で出向。全国の自治体に足を運んだり、全力で取り組んだにも関わらず、事業モデルが先進的すぎたのか、残念ながら結果が出せないままに、わずか3年間で事業撤退を余儀なくされました。
地方の雇用創出という、私が大切に温めてきたビジネステーマを実現するチャンスを捨てなくてはいけないということに大きなショックを覚えていましたし会社にも迷惑をかけてしまった。
正直、妻にも相談して、会社を辞めることまでも考えました。でも、辞めるにせよ、会社に対して何らかのお返しをしなくてはならないと。そこで役職も返上して、「オプトの中で一番問題になっている部門に私を置いてください」と、上層部に直訴したんですね。「仕事でお返ししたい」と、そう言ったのです。
そして、当時、組織の成長の課題を抱えていた運用型広告のオペレート部門に配属され、必死になって課題解決に取り組み、約3年間かけて立て直すことに成功。その成果が認められたのか、その年の「ベストマネージメント賞」を獲得し、ようやく新規事業の失敗に対して少し恩返しができたのではと感じたのです。
現職である人事部門への異動には、どのようなきっかけがあったのですか。
高部さん:実は、新規事業に取り組み始めていた頃に、オプトが広告代理店のランキングで首位から転落していて、どうやったら奪還できるかとずっと考えていました。どこに問題があるのか?会社全体を見渡しながら、社員育成であったり、マネジメントに課題があるのでは?と思いあたり、率直な意見を社長にぶつけました。
着眼点は大きく三つあって、「人材育成」「キャリア形成」「人材流動性」においてそれぞれに課題があるのではと。結局、自分が入社してから現在に至るまでを振り返ってみると成長意欲をもって、自らの意思で異動をしてきました。経験が私を強くしていった。
ですから、そういった成長に不可欠な機会を社員に与えることで、オプト全体の成長が加速するのではと考えたのですね。これまでの人事施策を否定するつもりはなく、“もっとやれることがあるのでは?”と提言したのです。
どのような人事施策をお考えですか。
高部さん:世の中に潜在的な転職志望者というのはかなりの数にのぼると思っています。例えば、現在所属している企業で活躍している人に対しても、オプトに来ればもっと活躍できるし、もっと成長できるというメッセージを伝えたいと考えています。
要するに、“転職サイトに登録していない人たち”にアプローチしたい。そんな方法を模索しながら、共感をもってオプトに転職してくれる、新しい仲間たちと一緒に、今現在、世の中で進行しつつあるデジタルシフトを加速したいと思っています。
オプトは、入社年次や役職に関係なく風通しの良い組織風土で、誰もが平等にチャンスを与えられている会社です。採用に関しては職歴も学歴も不問で、失敗を恐れず意欲の高いメンバーを広く募集しています。
“こういう人材が良い”と限定するつもりはないのですが、結果的には誠実でありながら挑戦意欲の高い人ばかりが集まっているように思えます。成果を出して、お客様から信頼を得て、初めて利益が獲得できるビジネスであり、企業なので、単なる“誠実な人”では物足りない。安定志向の人は馴染めないかもしれませんね。要するに“ベンチャーマインド”が必要だということです。
自立と挑戦が共存し、なおかつ何事に対しても自分事として捉える、そんな当事者意識も必要です。さらに私の個人的な意見ではあるのですが、“セルフスタート”ができる人が望ましいです。自分で目標設定して、達成して、そして自分を褒めるのだけれども、そこは見せない。それがオプトで活躍する人材の“典型的なタイプ”なのかもしれません。
自分の子どもにも、迷わず入社をすすめられる会社
高部さんはご家族を大切にされているといきます。どのようにしてワークライフバランスを実現しているのでしょうか。
高部さん:我が家には子どもが3人いるのですが、週末には上の子と下の子が所属するサッカーチームにコーチとして参加。真ん中の子はバトミントンをやっているので、必ず送り迎えをしたりと、個別に交流する時間を取るようにしています。
先ほどもお話ししたように、妻とは仕事のことも含めて何でも話し合える関係。子どもたちの前でも私のことを、きちんと敬意をもって話してくれているので、子どもたちも私のことを“大好き”だと感じてくれています。
休みの日には会社のメンバーを自宅に呼んで、家族と一緒に過ごすこともあります。私が仕事に集中できるのも、こうした家族の存在があってこそのことと理解しています。Web広告代理店というと、業界的にハードワークなイメージが付きまといますが、社内を見渡してみると既婚率も高まっていますし、それぞれがワークライフバランスを意識しながら、仕事もプライベートも楽しんでいるように思えます。
オプトとはどういう会社なのか、一言で表現してみてください。
高部さん:子どもが3人いるという話をしましたが、将来的に、自分の子どもに迷わず入社をすすめることができる、そんな会社だと思いますし、私たちの手で、この先もっと良い会社にしていきたいと思います。
また、オプトという会社を一言で表現するとしたら、“自由な会社”だと思います。自由とは一見柔らかい印象を持ちますが、一方で責任と挑戦が伴います。そのような環境のなか、オプトの醍醐味は、信頼され手を挙げた社員に権限を委譲することです。私たち人事は成長機会の数を増やし、その質を高めることを強く意識しています。風土は大変風通しの良い環境。
社員が遠慮なく意見できる、そんな“動いている組織”ですね。ですから、変化に柔軟で、もっといえば、変化を楽しめる人には最適だと思います。
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