Web広告代理店10年の営業マンに聞いた!Web広告営業を成功に導く事前準備

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Web広告営業はどんなことをするのか?現場の生の声を知りたいといった方も多いのではないでしょうか。

参考:Web広告営業の社員のナマの声

本記事では、Web広告業界に身を置いた筆者が10年かけてやっとわかった、Web広告の営業とは何をどう進めれば良いのかや、営業を成功させるためのコツを詳しく解説します。

Web広告の営業が初めての方、これから実施してみたいと考えている方には、こちらの記事もおすすめです。
初めてのネット広告提案|オススメのメニューとその理由・ポイント


Web広告の営業をするうえで、抑えておきたい前提知識

ここでは、まずWeb広告の営業をするにあたって、抑えておきたい前提の知識について解説します。

すでに十分理解しているという方は、次章「Web広告営業の手順 ①ヒアリング編」より読み進めてください。

Web広告の活況の背景

みなさんの周りを見渡せば一目瞭然ですが、スマホやタブレットの普及に合わせて、ネット人口は増加を続けてきました。

ネットを使う人が増えたことで、そういったユーザーにアプローチするためにWeb広告を活用する企業がどんどん増えてます。 あわせて、Web広告は効果が見えやすいことも背景にあります。

電通社が発表している日本の広告費のデータを確認しましょう。

引用:電通 日本の広告費ダッシュボード

画像中央の年別推移を見ると分かりやすいですが、黄色のインターネット広告費が年々増えていることが分かります。

2020年には初めてインターネット広告費がテレビを抜いて1位になりました

このような状況下では、ネットを活用した商品・サービスを宣伝することは避けられない、必ず取り組まなければならないといえるでしょう。

また、インターネット広告費の過半数を運用型広告が占めていますが、これはクリックされて初めてお金が発生するクリック課金型であったり、少額からでも広告を出すことが可能なので、中小企業でも多く活用されています。

テレビ離れが叫ばれる昨今ですが、元々テレビには広告を出稿できない中小企業のインターネット広告の活用も、上記の大きな要因の一つです。

まだWeb広告に対して腰の重いクライアントの方に営業する際には、こうしたマクロデータをお見せして現状を理解していただくことも大事でしょう。

代表的なWeb広告

次に代表的なWeb広告をご紹介します。

日々新しいプロダクトが誕生しているWeb広告ですが、大まかにどのような分類がされているのかはおさえておきましょう。

リスティング広告(検索連動型広告)

リスティング広告とは、ユーザーがGoogleやYahoo!の検索窓から検索した時に、そのキーワードに関連して表示される広告のことを指します。

以下は「リスティング広告」というワードで検索した際の画面ですが、赤枠で囲った部分がリスティング広告の表示部分です。

検索結果よりも上部に表示されるため、より多くのユーザーに見てもらいやすいこと、また検索ワードに関連した広告が出せるため、他の広告と比べても売上につながりやすくなっています。

Web広告を実施する際には、まず最初に取り組むべき広告でしょう。

リスティング広告は始める前の戦略策定が効果を決めると言われていますので、以下の資料を提案前に読み、クライアントへの提案に備えておきましょう。
【リスティング広告の勝負を決める】たった3ステップのスタートアップガイド

参考:初心者でもわかるリスティング広告とは?費用から運用のやり方まで徹底解説!

ディスプレイネットワーク広告

ディスプレイ広告は、Webサイトに表示される画像形式の広告です。

表示される枠を買い占めて配信する純広告と、都度オークション形式で配信内容が決まる運用型広告に分かれます。

運用型のディスプレイ広告では、広告を表示させたいユーザーの興味関心や住んでいるエリア、年齢や性別などでターゲティングが可能です。

代表的な媒体として、Goolge広告のGoogleディスプレイネットワーク広告(GDN)と、Yahoo!広告のディスプレイ広告(YDA)※旧YDN の2つがあります。


引用:ディスプレイ広告の始め方とリスティング広告との違いを徹底解説!

動画広告

動画広告は、動画形式での広告で、近年非常に伸びている配信形式です。

電通社の発表では、2020年は前年比121.3%の3,862億円で、インターネット広告媒体費全体の22.0%と、ディスプレイ広告に迫る勢いです。

参考:「2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」

動画を見る前、途中、視聴後などに差しこまれていて、再生開始して5秒以降にスキップ出来るもの、6秒で完結されるものなど、秒数やフォーマットも複数存在しています。

動画広告も、ディスプレイ広告と同様に、ユーザーやエリアなどをターゲティングして広告を出すことが可能です。


引用:Youtube広告の種類と、目的を達成するための選び方のコツ

SNS広告

SNS広告は、Instagram/Facebook、LINE、TwitterなどのSNS上で配信可能な広告です。

それぞれの媒体が保有する独自のユーザーデータを用いたターゲティングが特長の広告になります。

特に若年層を中心に、GoogleやYahoo!では検索せずに、SNS上で検索するユーザーも増えています。

SNSでしかリーチできないユーザーが増えているということであり、こちらも取り組みは必須といえます。

以下は主要のSNSの早見表です。
それぞれどんな特徴があり、どんなユーザーにアプローチできるのかは把握しておきましょう。

005主要メディアの早見表

参考:いまさら聞けないSNSマーケティングとは?4種のSNSそれぞれの効果

Web広告の特徴

Web広告が従来のマス広告よりも優れている点は、大きく以下の3つがあります。

  • 細かいターゲティングが可能
  • 効果を可視化できる
  • 配信しながら改善が出来る

細かいターゲティングが可能

Web広告では、配信するエリアや、性別、興味関心など細かいターゲティングが可能です。

テレビでも放送するエリアは絞れますし、番組の選び方次第では狙ったターゲットに放送することも可能でしょう。

しかしWeb広告ではさらに細かいターゲティングが可能です。

狙ったユーザーにだけ配信できるので、費用対効果が非常に高いです。

効果を可視化できる

Web広告は、配信してすぐに効果を確認することが可能です。

マス広告は実施し終わってから、調査を別で実施することでようやく効果を確認出来ますが、Web広告はリアルタイムで確認ができます。

また配信結果も細かく分析が可能で、どれくらい表示やクリック、その先のコンバージョンが、どういう経路で発生したかを分析出来ます。

配信しながら改善が出来る

効果を可視化するだけでなく、配信内容をすぐに変更が可能です。

こうした効果の確認⇒内容変更することを広告の運用といい、これらの広告を総称して運用型広告といいます。

出たとこ勝負のマス広告は、特に経営体力で劣る中小企業にはリスクが大きいですが、Web広告は最悪停止することもできるので、リスクを抑えつつ始めることができます。

費用、課金方式

Web広告の費用、課金方式について解説します。

広告プロダクトが増えるごとに課金方式も複雑化していますが、まずは代表的なものをおさえておきましょう。

保証型

純広告と呼ばれる、広告枠を買い取って配信する手法で用いられる方式です。

特定の期間掲載することを保証する期間保証型や、あらかじめ定めたインプレッション数やクリック数を保証するタイプがあります。

一定の配信ボリュームが保証されますが、それに見合った成果が得られるかは実施してみないと分からない部分があります。

また枠を独占できる分、それなりの予算が必要にはなります。

インプレッション課金

広告の表示回数に応じて課金が発生する方式です。主にディスプレイ広告やSNS広告で採用されます。

インプレッション1,000回ごとに課金されるのが一般的です。

どれだけ広告が表示されたか=インプレッション数をKPIとしている際に、どの程度の広告費用になるか想定しやすい方式です。

クリック課金

広告がクリックされると費用が発生する方式です。リスティング広告を中心に、幅広く採用されています。

広告が表示されるだけでは課金されず、ユーザーがクリックされた時点での課金となるので、費用対効果が高いと言われています。

ただし配信されるキーワードによっては1クリックで1,000円以上になることもあるので、クリックしたユーザーに購買してもらえるように、Webサイトをしっかり整備しておく必要があります。

動画視聴課金

動画広告がユーザーに視聴された際に課金される方式です。

動画が再生されたら費用が発生する方式(すぐにスキップされたら発生しない)や、最後まで再生されたら課金される方式があります。

表示ではなく視聴をベースに課金となるので、無駄な費用を抑えて配信することが可能です。

ただし動画の面白さ重視で、その先のユーザーアクションを想定していないと、視聴はされたがその後の購買につながらないということも有り得るので、ユーザーアクションを考慮に入れた動画づくりを心がけましょう。

参考:動画広告の5つの制作のポイントと主な制作方法2パターンを徹底解説


Web広告営業の手順 ①ヒアリング編

ここからは、実際にWeb広告の営業をする際の手順について、順番に解説します。

まずは顧客への「ヒアリング」から始めましょう。

ヒアリングなくして、営業は出来ないといっても過言ではないです。
いきなり営業を掛けても、先方が置かれている状況を無視した営業になってしまい、なかなかお話をさせていただくことも難しいでしょう。

私が実際に使用しているヒアリングシートは以下の通りです。

ヒアリングシート※筆者が実際に使用しているヒアリングシートの一例

顧客課題、プロモーションの目的

まずは何を目的として、何のためにWeb広告を実施したいのかを確認しましょう。

先方がどのような課題を抱えていて、それをどう解消しどのような成果につなげたいのかをヒアリングします。

提案前に事前にお伺いすることができれば、的外れな提案をしてしまうことがなくなります。

商談でお話して引き出してあげることも大切ですが、事前に考えていただければ提案もスムーズになるため重要です。

予算金額、掲載期間

仮にWeb広告を実施するとなった際に、どれだけのお金を使えて、どの程度の期間Web広告を活用していきたいのか、こちらもヒアリングをしていきましょう。

予算規模によって実施できる広告メニューも大きく変わってきます。

例えば月に20万円しかWeb広告に使えないということであれば、まずはリスティング広告で顕在層向けにアプローチし、効果が得られたら予算を増やしてディスプレイ広告などで潜在層向けにアプローチする、といった具合です。

逆に数百万円の予算があるのであれば、リスティング広告やリターゲティング広告で顕在層にアプローチしつつ、潜在層向けに認知拡大もあわせて行うことが可能になります。

また掲載期間も重要で、キャンペーンにあわせたスポットの配信なのか、年間の予算がすでに組まれているのかによって提案内容も変わってきます。

後者の場合は、年間のプランを提案時に用意する必要が出てきます。

広告のリンク先URL

ユーザーがWeb広告をクリックした際の、飛び先となるリンク先URLの確認も必須になります。

リンク先はどのような広告を配信するかによって変わってきます。特定の商材の宣伝をしたいなら、その商品のページや別に作ったLPへ誘導することになるでしょうし、自社の認知を拡大させるためにサイトトップに誘導することもあるでしょう。

どの商材を宣伝するために、どのページに誘導するかはセットで確認が必要になります。

確認ができたら事前にサイトを読み込んでおいて、どのようなターゲットにどのような訴求をすべきか事前に考えておきましょう。

商圏、ターゲティング

営業先のビジネスの商圏や、ユーザーの年代、性別、興味関心に合わせてWeb広告を展開することが理想なので、ヒアリングで確認をしましょう。

その際に、先方のWebサイトや決算資料、業界情報やニュースなどを見て先方のビジネスの状況を事前に把握し、その上で確認するのが良いでしょう。

ただ聞くのではなく「こういう方々がユーザーであると思われますが認識相違ありますでしょうか?」という質問の仕方のほうが、先方の印象は良いでしょう。

お客様のビジネスについて一番把握しているのはお客様ですが、意外と正しく市場を認識できていないこともありますので、プロとしてフラットな目線で意見を伝えることも良いでしょう。


Web広告営業の手順 ②プランニング編

ヒアリングした情報をもとに、プランニングをしましょう。

Web広告のプランニングとは、Web広告をどう活用してプロモーションを行っていくかを考えることです。

具体的には下記のステップを行います。

  1. KGIとKPIを決める
  2. ターゲットを決める
  3. 使用する媒体を決める
  4. 媒体ごとに予算・配信期間を決める

詳細は下記で詳しく解説しています。

参考:提案に欠かせないWeb広告プランニングのポイントと手順について解説します

1.KGIとKPIを決める

まずは、ヒアリングした顧客課題やプロモーションの目的、予算金額などを整理し、KGI・KPIを定めましょう。

ある商品の売上拡大を目的とした場合に、どの程度の売上増が為されたら目的達成とするのか、またその目的達成のために具体的にどういった指標を達成すれば良いのかを、事前に定める必要があります。

例えばその商品の売り上げを前年比50%アップすることをKGIとし、そのためにサイトへの流入数を5,000、CV(コンバージョン)を500増やすことをKPIとする、などです。

Web広告のメリットの一つは、配信結果をすぐに確認し分析が可能なことです。

やみくもに配信するのではなく、事前にKGI・KPIを定めたうえで、その指標に対してどうだったのかを確認し運用することが大切です。

参考:KPIとKGIの違いとは?目標達成のために覚えておきたい正しい設定方法

2.ターゲットを決める

続いて、どのようなターゲットに配信するかを決めましょう。

広告媒体によって、設定可能なターゲティングは異なります。

例えば富裕層向けに配信したい場合、Yahoo!ディスプレイ広告には富裕層向けというターゲティングは用意されていません。

一方Google広告では世帯収入というターゲティングが用意されていますし、Facebook広告でもユーザーの役職を基にターゲティングができるので、正確ではないですが富裕層向けに広告の配信が可能です。

先方からヒアリングした想定ターゲットに対し、そもそも配信が可能なのかも含めて、どういったターゲットに配信するかを決めましょう。

3.使用する媒体を決める

想定したターゲットに、どの広告媒体を用いてアプローチするかを決めましょう。

先述の通り、媒体によって設定可能なターゲティングが異なるため、ターゲットと媒体はセットで考えることになります。

下記は、主要な広告媒体の一覧表です。
こちらや下記の記事を参考に、どの媒体を用いるかを選定しましょう。

参考:ネット広告の種類全37種 課題別効果の出る手法一覧

4.媒体ごとに予算・配信期間を決める

ヒアリングした予算金額・配信期間をもとに、各媒体ごとに予算を割り振っていきましょう。

例えばGoogle広告・Yahoo!広告のリスティング広告とリターゲティングを実施すると決めた場合に、まずGoogleとYahoo!で均等に割り、それをリスティング広告とリターゲティングでまた割る、というのではダメです。

検索エンジンのシェアはGoogeの方がYahoo!よりも断然多く、当然リスティング広告の配信量もGoogleの方が多くなります。

そのため同じ予算金額にしてしまうと、Yahoo!の方がクリック単価がかなり高くなったり、そもそもその予算分の配信ができない可能性もあります。なので、Googleの方に予算を多く割り振るのがベターです。

またリターゲティングを実施するためにはターゲットリストが必要になりますが、Web広告を未実施の場合、まだサイトへの来訪者が少なく、リストが十分でないこともあります。
その場合にはまずはリスティング広告に多く予算を割り振って、サイトへの来訪者を増やすところから始めるべきです。

このように、先方の状況にあわせた予算の割り振りが求められます。

5.市場のデータをまとめる

こちらは、先方の状況によっては必ずしも必要なステップではありません。

すでにWeb広告を実施している方に、その必要性を今更伝える必要はありません。

まだWeb広告を実施したことのない、Web広告に対してマイナスの印象をお持ちの方に提案する際には、こうした市場データを一緒に提示してあげると、Web広告に対してより前向きに検討していただけるでしょう。



引用:通信利用動向調査資料|総務省

6.シミュレーションを作成する

上記のプランニング内容をベースに、実際に配信した際にどれくらいの効果が見込めるかをシミュレーションして提示します。

実施してみないと分かりませんでは、特に初めてトライする場合はなかなか着手しずらいでしょう。

事前にどの程度の結果になるのかを計算しましょう。

具体的な手順については、以下で詳しく解説しています。

参考:広告運用者必見!意外と簡単な広告シミュレーションの考え方・作り方

広告効果シュミレーションツール

業務が多く、シュミレーションを作成する時間がない場合や、営業先ですぐにシュミレーションを出したい場合には、シュミレーションツールを活用してみるといいでしょう。

シュミレーションツールの参考は以下からご覧いただけます。
参考:誰でも無料で使える広告効果シュミレーションツール

7.体制を決める

Web広告の運用体制を事前に決めておきましょう。

自社で運用をするのか、協業パートナーに依頼するのかを決めます。

Web広告に初めて取り組む際は、自社だけで運用するのではなく、協業パートナーの力を借りることをおすすめします。

Web広告の運用には一定の知識と経験が求められること、代理店に集まる最新情報を用いた運用が可能なことなどが理由として挙げられます。

詳細は下記をご参考にしてください。

参考:リスティング広告は運用代行すべき?メリットや費用相場を詳しく解説


Web広告営業の手順 ③提案資料の作成編

ここまでの内容を整理し、実際に提出する提案資料を作成しましょう。

重要なのは手順①ヒアリングと手順②プランニングであり、ここではその内容を分かりやすくまとめるステップになります。

本章では、ここまでご説明した内容とは他に、提案書に盛り込んだ方が良い内容について解説します。

与件の整理


まずは与件を整理し、課題や目標を明確にします。

最初に上記のようなまとめページを一つ挟んでおき、その上で個別の項目について説明していきます。

実際の提案相手以外の方が提案書を見た時にも、その内容を説明なしに理解できるようにする必要があります。

こうしたまとめページが、その一助となるでしょう。

実績、事例

多くの方が、同業種や競合他社での実績や事例を求めています。

営業提案先に近しい業種や業態の実績であればあるほど、先方が安心できる部分になります。

内容は具体的であればあるほど良いので、自社での過去の実績、協業先の過去の運用実績を確認して、なるべく記載するようにしましょう。

同業界での実績例

具体的な数字はもちろん、どのような施策を実施したのかをあわせてお伝えできると良いでしょう。

自社内に実績がない場合には、Web上に公開されている他社の事例を用意できると、具体的な実施のイメージが湧くので良いです。

想定質問や懸念点

事前に想定される質問や懸念点を、先回りして提案書に盛り込みましょう。

「言われる前に言う」が営業の基本としてありますが、提案資料の中に、この要素を抑えている方は少ないように思います。

Web広告は商材上、細かい部分やアップデートも多いので、あらかじめよくいただく質問や懸念点は提案資料内に記載をするようにしましょう。

そうすることで、営業先からも「この会社はうちのような会社との取引を経験している」と見てもらうことができます。

※筆者が担当するサービスのFAQページ。このような想定される質問と回答を用意する。


Web広告営業のコツ

最後に、筆者が考えるWeb広告営業のコツをお伝えします。

マージンの設定は臨機応変に

Web広告の世界では、広告費の20%をマージンとしていただくことが相場になっております。

参考:リスティング広告代理店の選び方と地雷を避けるチェックリスト

これまで慣習として多くの代理店で採用されていますが、昨今この仕組みの見直しがなされてきております。

マージンの対価となるサービスの提供価値に応じて、一律の20%等に固執することなく、自社にとって最適なマージンを設定されることを推奨します。

パッケージプランがオススメ

Web広告のプランをパッケージで提供することをおすすめしています。

例えば「SNS広告30万円パッケージ」と「SNS広告50万円パッケージ」という商品を作ったとします。

  • 30万円プラン:1媒体選択可能。広告出稿に必要なバナーまで〇個作成。
  • 50万円プラン:2媒体選択可能。広告出稿に必要なバナーまで〇個作成。

というようなものになります。

顧客に合わせたサービスの設計は大事ですが、その分工数が掛かることも事実です。
パッケージプランをあらかじめ設けることで、実施内容を都度設計する必要が無くなります。

規定したサービスを繰り返し提供するなかで、媒体の特徴の理解や業態の知見も溜まりやすく、品質の向上が見込めます。

その際には、どのようなサービスを提供するかを記したSLA(Service Level Agreement)を策定し、事前に合意することが大切です。

このSLAがないと、ここまでやるといったのにやってくれない、といった苦情を受けてトラブルに見舞われることになります。

媒体は自社のアセットも考慮に入れる

先ほどWeb広告の媒体の選定方法をお伝えしましたが、自社の保有するアセットもその判断材料に組み込むべきです。

例えば、自社の既存取引先に店舗系の企業が多く、それらの広告主側でLINEのアカウントを保有している、友達の獲得や再来訪の施策としてLINEを活用している、といったケースを考えます。

こうした場合に、提案先がLINEをまだ活用していないのであれば、LINEアカウントの開設などを含めた形で、LINE広告の実施を提案してあげると良いでしょう。
LINE公式アカウントの運用の流れと、成果アップにつなげるための12のポイント | LISKUL

あるいは、TVCMの動画素材を基にしたYoutube広告の実施をこれまでに行っているのであれば、そうした実績があることを伝えて提案すると良いでしょう。

このように、自社のアセット(資産、長所など)を活かした提案ができると、他社に対し優位性が生まれ提案が通りやすくなります。


まとめ

Web広告の営業をする際には、事前に最低限の知識を持つ必要があります。

また提案前のヒアリングとプランニングが、提案の成否を大きく左右します。

実際に筆者がWeb広告の業界に10年間身を置いて、ずっと営業畑で仕事をしてた経験より、この記事の執筆に至っております。

本記事を読んだ方が、世の中の潮流に遅れることなく、自らのWeb広告の営業方法を確立させて、新たな顧客の開拓の一助になれたら幸いです。