閉域網(クローズドネットワーク)入門編!種類やセキュリティメリットをご紹介

閉域網とは

閉域網とは、特定の組織やグループが独自に管理するプライベートな通信ネットワークです。

このネットワークは外部のインターネットとは隔離されており、許可されたユーザーまたはデバイスからしかアクセスできないため、閉域網を利用することにより重要な情報が外部に漏れるリスクを低減させることができます。

しかし閉域網にはいくつかの種類があるため、それぞれの特徴や、どれが自社に合っているのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、閉域網の基礎から、その種類やセキュリティメリット、さらには主なセキュリティリスクと対策、閉域網導入の流れについて一挙に解説します。

閉域網の利用をご検討中の方は、ぜひご一読ください。

いまさら聞けない「インターネット」と「セキュリティ」の関係

目次

※本記事はソニービズネットワークス株式会社提供によるスポンサード・コンテンツです。


閉域網(クローズドネットワーク)とは、利用者が限定されたプライベートネットワークのこと

閉域網(クローズドネットワーク)とは、特定の組織やグループが独自に管理するプライベートな通信ネットワークです。

このネットワークは、外部のインターネットとは隔離されており、許可されたユーザーまたはデバイスのみアクセスすることができます。

閉域網の目的は、拠点間で安全な通信を行うことにあります。

閉域網を用いることで、企業や組織は、重要な情報が外部に漏れるリスクを効果的に低減させることができます。

閉域網を利用することで、機密情報を不正アクセスやサイバー攻撃から保護できる

閉域網は、主にセキュリティを重視する企業や組織の内部ネットワークで利用されることが多いです。

たとえば、政府機関、医療機関、金融機関といった、顧客データや、患者情報、財務情報など、機密性が高く、保護が必要な情報を日常的に取り扱う企業や組織が該当します。

従業員間のメッセージやファイル共有、アプリケーションへのアクセスなど、日々の業務における情報のやりとりを安全に管理し、不正アクセスやサイバー攻撃から保護することが可能になります。

参考:いまさら聞けない「インターネット」と「セキュリティ」の関係


閉域網とインターネットの違い

次に、閉域網とインターネットの違いについて説明します。

閉域網とインターネットは、アクセス制御、セキュリティ対策、使用目的、接続範囲、そして通信の安定性において大きく異なります。

閉域網は選択されたユーザーやデバイスのみがアクセス可能なセキュアなネットワークであり、高度なセキュリティと通信の安定性を提供します。

これに対し、インターネットは全世界の誰もがアクセスできるオープンなネットワークで、利用目的は情報共有からエンターテイメントまで多岐にわたります。

閉域網は企業や組織が機密情報を安全に管理し、内部通信を保護するために使用されるのに対して、インターネットは広範囲にわたるアクセスとコミュニケーションを可能にします。

特徴閉域網(クローズドネットワーク)インターネット
アクセス制御限定されたユーザー/デバイスのみ公開(誰でもアクセス可能)
セキュリティレベル高い(厳格なセキュリティ対策)変動する(使用するサービスに依存)
使用目的組織内部の通信、機密データの保護情報の共有、一般的なコミュニケーション
接続範囲プライベート(組織内部)公開(世界中どこからでも)
通信の安定性高い(専用のネットワークリソース)変動する(ネットワークの混雑状況に依存)

このように、閉域網はその厳格なアクセス制御と専用のネットワークによって、特にセキュリティが重視される場面での利用に適しています。

一方で、インターネットのオープン性は、世界中の情報と人々とのつながりを強化しますが、セキュリティレベル確保は利用者の責任で行う必要があり、通信の安定性は使用するサービスや現在のネットワーク状況に依存します。


閉域網3つのメリット

次に、閉域網の代表的なメリットを4つご紹介します。

1.セキュリティが向上する

閉域網は、アクセスを制限することにより、外部の脅威からネットワークを保護します

これにより、不正アクセス、サイバー攻撃、データ漏洩のリスクが大幅に低下します。

企業の機密情報や個人データを扱う際には、この高度なセキュリティが重要な役割を果たし、情報の不正利用や盗難から保護します。

2.通信の安定性が向上する

専用のネットワークリソースを使用することで、閉域網内の通信は外部のネットワークトラフィックの影響を受けにくく、データ転送がより安定します。

安定性が向上することは、日々の業務に必要な情報の伝達を効率化できるため、生産性向上にも直結します。

3.機密情報を保護できる

閉域網は、特に機密性の高いデータの通信を行う医療や金融などの業界で価値を発揮します。

患者の健康情報や顧客の財務情報など、敏感なデータを外部の目から守りながら、必要な場所に確実に届けることができます。

これにより、法規制の遵守はもちろん、顧客や患者の信頼を維持することが可能になります。


閉域網2つのデメリット

前述のとおり、閉域網には多くのメリットが存在しますが、一方でデメリットもあります。

ここでは、代表的なデメリットを3つご紹介します。

1.コストが高い

閉域網の構築には、物理的なインフラからセキュリティシステムの実装に至るまで、多額の初期投資が必要です。

また、専門知識を持つスタッフの雇用や維持管理のための継続的な費用も発生します。

これらのコストは特に中小企業にとって大きな負担となり得ます。

2.外部サービスとの統合が難しくなる

閉域網は、設計上外部のサービスや技術との統合が難しいため、新しい技術の迅速な導入に障壁があります。

市場の変化に対する組織の反応速度を遅らせ、競争力の低下を招く可能性があります。


閉域網の種類と特徴

閉域網には、専用線、広域イーサネット、IP-VPNなどの種類があり、それぞれに特有の特徴と利用シーンが存在します。

一方で、閉域網とは異なりますが、拠点や企業内データの共有のために使用されるネットワークとして、エントリーVPNやインターネットVPNがあります。

これらのVPNは、閉域網とは違い、一般的なインターネット接続を利用して、仮想的な「プライベートネットワーク」を構築するものです。

エントリーVPNやインターネットVPNは、閉域網とは異なるものの、特定の目的や状況において有効な選択肢となります。

これらの選択肢は、企業や組織の通信ニーズに応じて、セキュリティ、コスト、拡張性などの面で選択されます。

特徴セキュリティコスト設定の柔軟性主な用途
専用線非常に高い非常に高い低い高速で安定した企業間通信
広域イーサネット高い中〜高い複数拠点間の高速接続
IP-VPN高い高い遠隔地の拠点間セキュア通信
エントリーVPN低い非常に高い小規模事業者のセキュア通信
インターネットVPN中〜高い低い非常に高いリモートアクセス向けセキュア通信

1.専用線

専用線とは、2点間の通信を専用の回線で結ぶ閉域網の一種です。

高いセキュリティと信頼性が求められるビジネス用途に適しており、データセンター間の接続や企業の本社と支社間の通信に利用されます。

高速で安定した通信が可能ですが、コストが高いのが特徴です。

2. 広域イーサネット

広域イーサネットは、イーサネット技術を用いて広範囲にわたるネットワークを構築する方法です。

企業の複数拠点を高速で結ぶことが可能で、専用線に比べてコストパフォーマンスに優れています。柔軟な帯域幅の調整が可能で、中規模から大規模な組織に適しています。

3.IP-VPN

IP-VPNは、インターネット上に仮想的なプライベートネットワークを構築する技術です。

公共のインターネットインフラを利用しながら、データの暗号化によりセキュリティを確保します。

比較的低コストで導入が可能で、遠隔地の拠点同士を安全に接続することができます。

4.エントリーVPN

エントリーVPNは、中小企業やリモートワークの普及に伴い注目されるようになったVPNの形態です。

専用のVPNデバイスを使用せず、ソフトウェアベースで簡単に設定・運用できることが特徴です。

小規模ながらセキュリティの確保が必要な通信に適しています。

5.インターネットVPN

インターネットVPNは、インターネットを介してプライベートな通信を行うための技術です。

IP-VPNと同様にデータの暗号化を行い、より手軽にセキュリティを確保した通信が可能です。

コスト効率が良く、特に中小企業やスタートアップに適しています。

例えば、法人向け高速インターネット回線「 NUROアクセス」は、インターネットVPNを採用しています。

自社で必要なセキュリティ対策を回線と合わせて契約するだけで良いので、工数をかけることなくセキュリティ対策が完了します。

ぜひこの機会にインターネット回線の見直しから検討してみてください。


閉域網の主なセキュリティリスク3つ

次に、閉域網のセキュリティリスクを3つご紹介します。

閉域網は高度なセキュリティとプライバシーを提供するものの、完全にリスクがないわけではありません。

主なセキュリティリスクには、内部からの脅威、技術的脆弱性、物理的なセキュリティの欠如が含まれます。

1.内部からの脅威

閉域網の最大のリスクの一つは、信頼できると思われる内部ユーザーやシステムからの脅威です。

不正行為を働く従業員や、悪意のあるソフトウェアに感染した内部デバイスが、重要なデータを漏洩させる原因となることがあります。

2.ソフトやハードの脆弱性

ソフトウェアやハードウェアの脆弱性は、外部の攻撃者が閉域網に侵入するための窓口となることがあります。

定期的なパッチの適用や、セキュリティ対策の更新が遅れることで、これらの脆弱性が悪用されるリスクが高まります。

3.物理的なセキュリティの欠如

閉域網の物理的なコンポーネント(サーバー、スイッチ、ルーターなど)が不正アクセスや盗難に晒されることも、セキュリティリスクを生じさせます。

適切な物理的セキュリティ対策が施されていない場合、重要な機器が破壊されたり、機密情報が漏洩する恐れがあります。


閉域網のセキュリティ対策5つ

閉域網のセキュリティを確保するためには、いくつかの対策が必要です。

主要なセキュリティ対策には、認証システムの実装、エンドポイント保護の強化、定期的なセキュリティ監査、物理的セキュリティの確保、従業員教育が含まれます。

1.認証システムを実装する

アクセス制御は閉域網のセキュリティの基本です。

多要素認証(MFA)の導入により、ユーザー名とパスワードだけではなく、追加の認証手段を要求することで、不正アクセスのリスクを大幅に低減させることができます。

2.エンドポイント保護を強化する

閉域網に接続されるデバイスのセキュリティを確保することが不可欠です。

アンチウイルスソフトウェアの導入、定期的なパッチ管理、不正侵入検知システム(IDS)の利用により、脅威からネットワークを保護します。

3.定期的なセキュリティ監査を行う

セキュリティの脆弱性を特定し、対策を講じるためには、定期的なセキュリティ監査も重要です。

外部のセキュリティ専門家による監査を行うことで、客観的な評価と改善策の提案を得ることができます。

4.物理的セキュリティを確保する

ネットワーク機器やサーバーへの物理的なアクセスを制限し、盗難や破壊から保護することも、セキュリティ対策の一環です。

適切な施錠、監視カメラの設置、アクセスログの管理が効果的です。

5.従業員のセキュリティ意識を向上する

セキュリティの弱点は往々にして人的要因にあります。

従業員に対する定期的なセキュリティ意識向上トレーニングを実施することで、フィッシング詐欺やマルウェアに関する知識を高め、リスクを減らすことが可能です。


閉域網導入の流れ6ステップ

最後に、閉域網の導入の流れを6つのステップに分けて紹介します。

1.要件や予算を踏まえて計画を立てる

閉域網を導入する前に、組織の通信ニーズを明確にし、セキュリティ要件、予算、目的に基づいた計画を立てます。

どのデータが保護されるべきか、どのような通信が必要かを特定し、目標を定めましょう。

2.閉域網の種類の選択する

次に、専用線、広域イーサネット、IP-VPN、エントリーVPN、インターネットVPNなど、利用可能な閉域網の種類を比較検討します。

それぞれのメリットとデメリットを考慮し、組織のニーズに最適なものを選択しましょう。

3.ネットワークの設計とハード・ソフトの導入

選択した閉域網の種類に基づいて、ネットワークの設計を行い、必要なハードウェアやソフトウェアの導入しましょう。

4.セキュリティ対策を施す

導入が完了したら、認証システム、エンドポイントの保護、物理的セキュリティの確保など、多角的なセキュリティ対策を実装します。

5.テストを行う

閉域網が正しく機能するかを確認するために、広範囲にわたるテストを実施します。

セキュリティの脆弱性もこの段階で特定し、必要に応じて追加の対策を講じましょう。

6.定期的なメンテナンスや更新を行う

閉域網が稼働した後も、定期的な監視、メンテナンス、セキュリティ更新が必要です。

また、新しい脅威に対応するために、セキュリティ対策の見直しと更新を継続的に行いましょう。


まとめ

閉域網は、その高度なセキュリティと通信の安定性により、機密情報を保持する企業や組織にとって重要な通信手段です。

本記事で解説したように、閉域網には複数の種類があり、各々が異なる特徴を持ちます。

企業や組織は、自身のニーズに合わせて最適な閉域網を選択することが可能です。

しかし、閉域網導入にはセキュリティリスクも伴います。

内部からの脅威、技術的脆弱性、物理的なセキュリティの欠如など、様々なリスクに対処するための対策を講じることが不可欠です。

閉域網を効果的に運用するためには、認証システム、エンドポイント保護、定期的なセキュリティ監査、物理的セキュリティの確保、従業員教育など、多角的なセキュリティ対策が求められます。

これらに注意して閉域網を導入することで、企業のセキュリティレベルを向上することができるので、機密情報の保護や、その他サイバーリスクへの対策を行いたい方は、ぜひご検討ください。

そして検討の際には、本記事で紹介した情報が一助となれば幸いです。

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