「顧客に商品のお知らせをしたいけど、やり方がわからない」「顧客ともっとスピード感を持ったコミュニケーションをとりたい」「顧客のメッセージを管理できるようなコミュニケーションツールを導入したい」
といったことでお悩みの方も多いのではないでしょうか。
顧客とのコミュニケーション手段といえば、一昔前だとメールや電話などが主流でした。しかし、近年ではコミュニケーションの方法も多様になっています。目的に合わせて最適なツールがあるので、上手に使い分けることが売上の最大化やCS向上につながります。
例えば、レスポンスの速さが求められる顧客にはSMS、自社のファンに商品のお知らせをしたいならLINEといったように、ツールを使い分けることが大切です。
そこで、この記事では、目的別に顧客とのコミュニケーションを円滑に取れるツールをご紹介します。顧客とのコミュニケーションの取り方で悩んでいる方は参考にしてみてください。
目次
1.メール|どんな顧客とのコミュニケーションにも使える王道ツール
メールは馴染み深いコミュニケーションツールで、BtoB・BtoCに限らず幅広く利用できます。導入の手間もかからないので、コミュニケーションツールの王道です。
メールのメリット
メール全般におけるメリットを見てみましょう。
- 送受信の履歴が残る
- 文字数に制限がない
- 一斉送信できる
- コストを抑えやすい
送受信の履歴が残るということは、顧客との言った言わない問題を回避することにつながります。そのため、BtoBにおいては、重要なやりとりをメールでエビデンス(証拠)として残す方法がとられます。
また、メールはアドレスを入力すれば一斉送信も可能です。新年の挨拶や店舗のお知らせなどでは、相手に送った全員のアドレスを知らせないBCCを活用できます。
電話やハガキと違ってコストも抑えやすく、使用した経験のある方が多いため、最初に導入しやすいツールといえます。
メールのデメリット
メールには、以下のようなデメリットがあります。
- 緊急を要する時には向かない
- お詫びなどの場合は誠意が伝わりにくい
- 相手の反応が分かりづらい
- 迷惑メールと判別されて見てもらえない恐れがある
メールは「読めるときに読んでください」というツールです。相手の反応がただちに欲しいときには向いていません。BtoBであれば業務時間内にこまめなメールチェックをしますが、プライベートでは期待できません。
また、プライベートな消費者への発信の場合、件名を考え抜かなければ迷惑メールと思われて、開封すらされない恐れがあります。URLなどを添付しすぎると、迷惑メールフォルダに自動振り分けする機能もあります。
こんな人におすすめ
一般的な消費者相手のコミュニケーションであれば、サービスや店舗のホームページに「問い合わせフォーム」や「予約窓口」を設けた上で、メールを活用することがおすすめです。
個別に返信することで誠意を伝えやすくなり、また電話応対の手間を減らすことにもつながります。その他、年賀状代わりの画像や、領収書などのPDFを添付することも可能です。
また、メルマガの配信という手段もあります。これは5番目の項目として詳しく紹介します。
2.SMS|本人確認など、重要性の高いコミュニケーションに適したツール
SMSは、携帯電話番号へショートメッセージを送れる機能です。これも顧客とのコミュニケーションに活用できるツールです。
SMSのメリット
- 電話番号はメールアドレスよりも変更されにくいため、相手と連絡がつきやすい
- 携帯電話番号を持っている相手なら送信できる(特定のアプリに依存しない)
- 開封率が高い
メールの場合、アドレスを変更されてしまうと相手に連絡がつかなくなります。しかし、電話番号は頻繁には変わりません。そのため、電話番号で発信できるSMSは、長期的に連絡がつけられる手段といえます。
また、SMSを利用している企業は現状、そう多くないため、大量に流通しているメールと比べるとメールボックス内で埋もれる可能性が低いといえます。そのため、開封率はメールより高めです。
SMSのデメリット
SMSのデメリットは以下が代表的です。
- 文字数制限がある
- Eメールに比べるとコストが高い
- 使用する際に本人認証が必要な場合もある
- IP電話回線へは送信できない
SMSの文字数制限は2019年9月に拡大され、それまでの全角70文字から、最大670文字まで拡大されました。しかし、文字数に応じて料金がかかります。
1回あたり1~70文字であれば3円ですが、202~268文字では12円、604~670文字では30円となっています。短い文章におさめたとしても、数百人以上に送るとなれば高コストです。
こんな人におすすめ
SMSは確実に伝えたいことがあり、なおかつ高頻度ではない情報の発信、本人確認も同時に行いたい場合に向いています。
実際には以下のような形で利用するケースが多いです。
- 予約の確認
- 請求に関する案内・督促
- 顧客ごとに最適化したお知らせ(イベントなど)
- パスワード認証・本人認証の連絡
- コールセンターの代用
URLやメールアドレスを記載すれば、返信を別の窓口へ誘導することも可能です。
SMS送信サービスは国内直収接続のサービスを選ぼう
ビジネスでSMSを活用するのであればSMS送信サービスの利用が一般的ですが、接続方式を必ず確認しましょう。
接続方式は「国内直収接続」と「国際網接続」の2つがありますが、国内のユーザーに向けて発信するのであれば、「国内直収接続」を採用しているサービスを選びましょう。「国際網接続」の場合、スパムと判断されて、ユーザーが届く前にはじかれてしまう可能性があります。
3.LINE|集客を目的としたコミュニケーションに効果的
LINEは個人の顧客とのコミュニケーションを取りやすいツールです。また、個人向けの「LINE」ではなく企業向けの「LINE公式アカウント」を使うことで、ユーザーの反応を確認しやすくなります。
LINEのメリット
LINE・LINE公式アカウントでは、利用する目的やサービスの特徴が分かれます。まずはそれぞれが得意とするものを、それぞれ見てみましょう。
個人向けのLINEのメリットは次の通りです。
- 「既読」機能でメッセージを確認してもらったことがわかる
- チャット形式で気軽にやりとりしやすい
- グループ形式にすれば複数人でコミュニケーションがとれる
- タイムラインを活用して情報発信ができる
事業のためのLINEであっても、個人アカウントの場合はできることは個人用のLINEと同じです。接客業など、指名客の獲得やリピーターと親密度を高めるためには有効です。
あるいは、BtoBの営業マンが、先方と親密になるためにLINEを交換することもあります。とはいえ、これは事業用というよりはプライベートに近い使い方です。
一方、LINE公式アカウントは企業側からの、広告も含めた情報発信に向いています。メリットは次の通りです。
- 登録者へ広告やクーポンを一斉配信できる
- ユーザーの性別・年代・居住地などでセグメントが可能
- 画面下部に自社サイトへ誘導するリッチメニューを設定できる
- ポイントカードを作成・発行できるショップカード機能がある
- クーポン抽選機能がある
- メッセージの配信数・友達追加数・クリック数などのレポート機能がある
- チャット機能を使うことで電話対応の負担を軽減できる
- タイムラインを活用して情報発信ができる
LINE公式アカウントは大企業のイメージが強いかもしれませんが、実店舗を持つ個人店でも導入されています。飲食店のクーポン配信、小売店の入荷お知らせ、美容室の予約窓口などです。
LINEのデメリット
LINEのデメリットは次の項目が挙げられます。
- LINEを使っているユーザーに限られる
- LINEアカウントが乗っ取られる事件が発生している
- じっくり読んで欲しい内容には向かない
LINEは気軽かつ手軽なやりとりが好まれやすいツールです。伝えたい情報を、短い文章で端的に記載することが求められます。
なお、LINEアカウントの乗っ取りについては、基本的には個人用アカウントで起こる事件です。乗っ取られた人の友だちへ、電子マネーの購入をお願いするメッセージを送信されたりします。
こんな人におすすめ
ECサイトや実店舗への集客を狙う方に向いています。とくにクーポンの配信は好まれやすく、ユーザーが来店しやすくなる上、ユーザーが友だちに紹介することで、新規顧客獲得も可能です。
ただし、事業用の端末とプライベートの端末は、分けることをおすすめします。共用の端末で操作していると、プライベートの情報を事業用で記載してしまう、いわゆる「誤爆」が発生する恐れがあるからです。
実際、ある企業の公式アカウントで、事業に全く関係のない個人的な欲望を綴った文章を、一斉送信してしまった事例がありました。
4.チャット|顧客との素早いコミュニケーションが可能になる
チャットは近年多くの企業で導入されているコミュニケーションツールです。顧客とのやり取りもチャットを利用するケースが増えてきています。
チャットのメリット
- 顧客から企業へ連絡する心理的ハードルが下がる
- スピーディーにコミュニケーションがとれる
- 電話応対の負担を軽減できる
チャットのデメリット
- レスが遅いと不信感を顧客に与える可能性がある
- チャット機能をウェブサイトに導入すると、サイトが重くなる
こんな人におすすめ
顧客とのコミュニケーションの頻度が高い場合は、チャットの利用をおすすめします。ほかのコミュニケーション手法と連絡をとることの心理的ハードルを低くできます。
業務全体のコミュニケーションをチャットで、契約などエビデンスが必要なものだけメールや書面でやりとりを行うなど、状況に応じて使い分けると良いでしょう。
5.メルマガ|集客目的のコミュニケーションに最適
メルマガは、コミュニケーションツールではあるものの、広告に近いタイプです。では、メリットとデメリットを見ていきましょう。
メルマガのメリット
メルマガのメリットは次の項目が代表的です。
- 広告代わりに使えて、広告よりもコストが抑えられる
- 定期的に送ることで情報を知ってもらえる
- 「自分宛て」に見えるため、ユーザーの親近感を得やすい
- 他の広告との組み合わせが可能
- コミュニケーションツールとして廃れにくい
メルマガの最も特徴的なメリットは「自分宛て」に見せられる点です。顧客に特別感をもたせることで、売上アップにつながります。
また、流行が著しく変わるSNSとは違い、メールは廃れにくいコミュニケーションツールです。流行に左右されにくく、各サービスに登録が必要とされるため、多くの顧客がメールアドレスを持っています。
メルマガのデメリット
メルマガのデメリットは次の項目が代表的です。
- 必ず見てもらえるとは限らない
- 迷惑メールに分類される恐れがある
- 何度も読み返す顧客は少ない
メルマガの開封率は、それほど高くありません。また、ユーザーが求めない情報を送信し続けると、迷惑メールとして認知される恐れがあるため、注意が必要です。
たとえばECサイトで、洋服のみ購入している顧客に対し、通信機器のセール情報を送信しても興味を持たれる可能性は低いでしょう。未開封のまま放置されたり、頻度を間違えると配信を停止されます。
こんな人におすすめ
ECサイトの登録者情報や実店舗の会員など、顧客の連絡先をリストとして管理できている方に向いています。なお、全ての顧客に同じ情報を一斉送信するのではなく、カテゴリ化することが重要です。
年齢・性別・好み・来店時間帯など、顧客の情報をカテゴリに分けてリスト化することで、ユーザーが求める情報を発信しやすくなります。
また、件名や本文の冒頭で、顧客の心を掴むキャッチコピーや文章を執筆できる方に向いています。メルマガは一歩間違えると、興味を持たれないだけでなく不快な印象を与えかねないからです。
6.ビデオチャット|文章だけでは難しいサポートが可能になる
ビデオチャットは、ビデオ通話のように顔を見て話すこともできれば、パソコンなどの画面共有も可能なツールです。使いどころは限られますが、上手に扱えば顧客満足度の向上につながります。
ビデオチャットのメリット
ビデオチャットのメリットをまとめました。
- 顔を見てコミュニケーションがとれる
- 商品やサービスの詳細説明ができる
- 故障などのオンラインサポートの精度が上がる
ビデオチャットの最大のメリットは「動画でのコミュニケーションが可能になること」です。Face to Faceでのコミュニケーションが可能なので、音声よりも顧客からの信頼を勝ち取りやすいですし、上手に使えば好印象を与えることができます。
ビデオチャットツールは比較的BtoB界隈での利用が多いのですが、最近ではBtoCでも利用できるようなサービスも出てきています。
例えば「ビデオトーク」は一般ユーザーのサポートに特化したサービスです。
- 家電や自動車の故障時に具体的な状況を把握したうえでサポートしたい
- オンラインで物件のイメージなどをお客様に共有したい(不動産業)
など、さまざまな業界の課題解決につながりますので、興味がある方はぜひ確認してみてください。
参考:SMSのURLで簡単ビデオ通話「ビデオトーク」【PC to スマホの顧客対応を効率化】資料ダウンロード
参考:オンライン営業を導入すべき5つの理由と、成功に導くコツを時系列ごとに紹介
ビデオチャットのデメリット
ビデオチャットのデメリットは次の通りです。
- 選ぶツールや通信状況によっては途切れやすい
- 顧客がビデオチャットを利用できる環境とは限らない
- 画面共有や顔を出すことに抵抗がある顧客も少なくない
ビデオチャットは、互いの通信状況が良好でなければ成立しません。海外とビデオ通話をすると、途中で画面が止まったり、音声が割れたり途切れたりということはよくあります。
こんな人におすすめ
ビデオチャットが向いているのは、顧客側が、検索や電話応対ではわからないことを求められている場合です。オンラインで顧客にサービスを提供したり、使い方の説明を個別に教える場合などが挙げられます。
たとえば、カウンセリングやオンラインでの家庭教師、商品の使い方がよくわからない顧客に対し、個別にレクチャーする、などです。
あるいは、商品やサービスのモニターを募集し、ビデオチャットで話を聞くという方法もあります。顔が見える分、本心で言ってくれているのかが分かりやすい、というのが利点です。
まとめ
コミュニケーションツールの選択肢はさまざまですが、全てを導入すればよいというわけではありません。まず大切なことは、今抱えている課題が何かを明確に把握することです。
その上で、どのようなサービスで改善できるかを考え、その手段としてツールを選択しましょう。目的に応じて使い分ければ、業務の効率アップ・顧客満足度の向上・新規顧客の獲得につながります。