コンプライアンス対策で実施すべき12の項目を優先順位順に解説

「コンプライアンス対策が必要だとわかっていても、何をすれば良いかわからない」
「コンプライアンスの範囲が広すぎて、何から始めれば良いかわからない」

そんな悩みをお持ちではないでしょうか?

コンプライアンス対策には、緊急性が高く最優先で取り組まなければいけない課題と、それ以外の課題があります。

そこで今回、多岐にわたるコンプライアンス対策の手順と方法を緊急度と重要度で整理しました。あわせて、コンプライアンス対策を行った後、コンプライアンス対策を根付かせる方法や、万が一、違反が起きた際の対応法といった、安心して経営するためのポイントも解説します。

企業の担当者にとって、まず取り組むべき内容が分かるため、優先順位を決めてコンプライアンス対策に臨めます。

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※本記事は弁護士ドットコム株式会社提供によるスポンサード・コンテンツです。


コンプライアンス対策の優先順位の決め方

優先順位を決める際には、緊急度と重要度のどちらが高いのか、課題ごとに確認していくことが重要です。ここでは、その理由について解説します。

緊急性の高いものから優先的に対応する

緊急性がもっとも高い課題は、すでに法律違反となっているもの、もしくは、法律違反に近いものです。コンプライアンスは企業倫理や社会的規範もふくみますが、その基本は法令違反を防ぐことにあります。たとえば、次のような内容です。

  • 食品の産地偽装による対消費者への不正、不当行為
  • 下請けに対する不当な値引き強要による下請法違反
  • ソフトウェアの違反コピーによる著作権・特許権の侵害
  • 地方公共団体が定める条例や規則の違反

すでに是正勧告を受けているにもかかわらず、改善されていない事象は、優先順位を高くして対策を講じましょう。

また、是正勧告は受けていなかったとしても、法令違反が起きていれば優先順位は高くなります。たとえば、慢性的な残業により、労働基準法違反が起きてしまっている状況があれば、優先順位をあげて対策を講じます。

重要度が高いものは中長期的な目線で実施する

取り組みの優先順位は緊急度が高いものに準じて中・長期的に対策を講じます。

今すぐにコンプライアンス上の課題が「企業価値の損失」「実損害」につながらないとしても、無視して良いわけではありません。

重要度が高い課題に対して効果的な対策には、従業員の意識を変えることや、業務マニュアルの整備や行動規範、企業内の風土の見直しなどがあります。


最優先に取り組むべきコンプライアンス対策6項目

コンプライアンスのリスクには、現場レベルで起きるリスクと、管理監督の不徹底によるリスクがあります。さらに評価制度に不具合があると、リスクそのものを見落としてしまう可能性があり、取り組むべき対策は企業によって異なります。

ここでは、企業内のコンプライアンスに関する優先度の高いリスクを見つけ、早期に対応するための6項目を解説します。

1.業務プロセス上のリスクを洗い出す

業務プロセス上のリスクの洗い出しから始めましょう。コンプライアンス違反は日常の業務・社員の言動と密接に関係しているからです。

業務プロセスが不明瞭なままだと属人化がより強まることになり、手続きのミスや法令違反を引き起こします。

業務プロセスを明確にし、仕組化することでコンプライアンス違反を未然に防げるようになります。

1‐1.従業員へのヒアリングを行い業務上の無理を発見する

法令違反や法律違反が起きていないか確かめるために、従業員に対してヒアリングを実施します。

まずは法律と照らし合わせて遵守すべき項目をリストアップし、その中からヒアリング内容を考えましょう。

たとえばコンプライアンス推進で重視したい労務管理を例にとると、次のようなインタビュー内容が考えられます。

  • 残業がまん延していないか?
  • 残業代が支払われていないことはないか?
  • 入金は申し込みを社内承認した後にいただいているか?

また、ハラスメント対策としてプレッシャーをかけられている状況がないか、組織に対する不満がないかも、聞き取りたいポイントです。コンプライアンス違反の原因になりそうな状況を改善することで、違反の動機やきっかけを少なくできるでしょう。

コンプライアンス意識が高い社員を集め、コンプライアンス上のリスクを洗い出すワークショップを開催するのも手です。現場レベルで気を付けていることや、意識していることを共有しあい、業務上のリスクに気付きやすくなります

1‐2.重要な仕事の中で手書きや判断基準が明文化されていないものを見つける

重要な仕事であるにもかかわらず、手書きや口頭で説明されているもの、判断基準が明確ではない業務プロセスが見つかったら、知らずの内にコンプライアンスに違反している可能性があるので確認が必要です。

明文化されていないと個人の判断により業務をすすめることが多く、また客観的な管理も難しくなるためです。

1‐3.古い業務マニュアルや規定を見直す

マニュアルや規定が整備されていたとしても、業務の現状にそぐわない項目がないか確かめましょう。自社製品の仕様や業務で使用しているツールなどが変わっている場合があるためです。

また、古い業務マニュアルや規定を使い続けると、コンプライアンス上の抜け漏れが生じる原因にもなります。いつごろ制作された業務マニュアルや規定なのか、明らかにしておくことも大切です。

2.管理監督の不徹底を正す

業務マニュアルや規定類を整備しても、意図したとおりに運用されなくてはなりません。

業務マニュアルや規定は、コンプライアンス違反が起きないようにするためのルールです。

ルールがあっても守る人がいなければ、違反が起きてしまう可能性も高まるからです。

管理監督の不徹底を見つけ、正すための具体的な方法を2つご紹介します。

2‐1.属人化している業務を見直す

属人化している業務は、業務プロセスを明文化し、管理者にあたる上司や経営者が、違反の有無や業務プロセスからの逸脱がおきていないか、把握しやすいようにしましょう。後任の育成など、担当者だよりにならないようにすることも重要です。

業務が属人化している場合、上長でも管理しきれなくなります。結果として不正の温床となるリスクが高まります。改善を行っても業務状況を把握できる人が少なければ、評価が難しくなるでしょう。

属人化している業務の例として以下のようなものが挙げられます。

  • 担当者しか行えない職人技の業務
  • 担当者がやっていることを上司が把握していない業務
  • 長年担当者が1人しかいない業務

2‐2.ワークフローを見直す

事後承認や、権限のないものによる押印などがの不正が可能な状況である場合、ワークフローの見直しが必要です。

紙の書類で行われるワークフローは申請の流れがわかりにくいなどが原因で引継ぎがうまくいかないことが多く、結果として承認が停滞し、不正につながる可能性があります。

ワークフローが適切に回っていないという場合は、全体を可視化できるようツールやシステムなどでワークフローを電子化することをおすすめします。

3.コンプライアンスの基本方針(社内ルール)を作成する

業務プロセスや管理監督の不徹底によるリスクが判明したところで、基本方針(社内ルール)として固めます。重要なのは、以下のような具体的な内容を盛り込むことです。

自社内の問題は何か
問題が生じた際に行うべき対策は何か
対策を行う理由は何か
対策を行わなかった場合はどうなるか
ルールに違反した場合はどうなるのか

具体的な内容を定めることで、業界や社内の環境、企業そのものが置かれた状況、現在の問題に沿った規定を作れます。

この時、内容はもちろん、規定は社内で分かりやすく共有できる形で作成することが重要です。共有の形は、社内向けのパンフレットを作ったり、ガイドラインを定めたり、さまざまな方法が考えられます。

自社内で取り組みやすい内容を、検討してみましょう。

4.全社的なコンプライアンス教育を実施する

コンプライアンス教育は、定めた社内ルールを社員に徹底し、倫理観やモラルを構築するために重要な取り組みです。特に、社内全体で取り組むべきコンプライアンス教育の最低限のポイントは、次の2つです。

法令を含めた、世間一般の常識やルールの理解
社内で遵守すべきルールの共有

法令に関する知識不足で起こる不正や不当な行動は、事故やミスにも繋がりかねません。またコンプライアンス違反により、自らに起きる影響を知らないままだと、社内ルールを決めたとしても他人事のように受け止められてしまうこともあります。

注意したいのは、業務プロセスの明文化や、管理監督の不徹底のリスク検討が行われていないと、遵守すべきルールを明確に示せないことです。コンプライアンス教育の評価があいまいになり、達成したい目標の実現が難しくなります。

5.コンプライアンス相談窓口の設置

コンプライアンス相談窓口とは、コンプライアンス違反に気付いて相談する社員、つまり、内部通報者の相談先です。内部通報者の立場を守りながら問題の早期発見につながり、相談しやすい環境を整えることにもつながります。

公益通報者保護法のガイドラインによると、まず次の2点が法定対応事項とされています。

不利益取り扱いの禁止:公益通報を行っても雇止めや解雇など不利益な処分を行わない
是正措置の通知:相談後に通報対象事実の是正に必要な措置をとる、または、事実がなければその旨を通報者に対し遅滞なく通知する

参考:民間事業者の方へ|消費者庁

あわせてガイドラインでは、次の対応事項が定められています。

  • 通報・相談窓口の整備・運用
  • 通報に係る秘密保持、個人情報の保護
  • 通報者に対し不利益な扱いを行わない
  • 制度を継続的に客観評価し改善に努めていく

参考:民間事業者の方へ|消費者庁

たとえば、通報者が相談した情報が、人事など関係部署に共有されるのであれば、最初にその旨を伝えておく必要があります。社員側に「相談しても、逆に自分にリスクがある」と思われてしまうと、社員がコンプライアンス違反を知っても黙ったままにしてしまう恐れがあるからです。

6.文書と情報を適切に管理する

企業内で利用する文書の利用頻度や重要度は、さまざまです。日々の業務の中でも、滅多に使わない文書と、毎日使うような文書があるかと思います。効率のよいコンプライアンス対策のためにも、文書と情報の管理を、以下の観点で見直してみましょう。

  • ファイリングされていない
  • 電子化されていない
  • 誰でも手に取れる場所に保管されている
  • 書類の重要度に関わらず保管されている

もし上記の状態に当てはまるようなら、文書と情報管理にリスクがある状態といえます。ファイリングされていないことで、必要な書類がすぐに取り出せなかったり、紛失に伴う情報漏洩などが起こりかねません。

またファイリングされていても、誰にでも手に取れるような場所に顧客の個人情報などが管理されていれば、情報流出の恐れもあります。

電子化が進んでいなければ、まずはペーパーレス化を促進し、一元的にデータを管理できる仕組みを整えることが重要です。文書管理システムの導入を行うのも手です。

たとえば、電子契約サービス「クラウドサイン」を導入すれば紙の契約書をWeb上で管理し、改ざんの防止や手続きの透明化につながります。

もし紙の契約書を使っているのなら、印紙代や押印などのコストカットにもなるので、検討をおすすめします。

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準じて取り組むべきコンプライアンス対策3項目

業務マニュアルの整備や行動規範、社内の風土の見直しをあげました。これらの課題は緊急性は低くとも、重要度が高い課題です。緊急性のある課題に次いで進めていくべき対策3項目を解説します。

1.階層別にコンプライアンス教育を実施する

コンプライアンス教育の目的は、自らの関わる仕事にコンプライアンスのルールがどのように関わるか自覚してもらい、社員がそれぞれの立場でリスクマネジメントや仕事への意識の向上に繋げることにあります。

効果のあるコンプライアンス教育をおこなうためには、新人や若手、管理職、経営幹部など、組織内の役割に合わせ、階層別に分けて実施することが大切です。なぜなら、同じ社内で働いていても、業務上必要な法律の知識や、職務上の能力、責任の範囲は異なります。

そこで階層別にコンプライアンス教育を実施することで、個人のコンプライアンスに対する目標を定めやすくなり、社員ごとの改善点や評価も分かりやすくできます。

具体的には、次のような教育方法が挙げられます。

  • 社内講師による研修
  • ハンドブックやクレドの配布
  • eラーニングの活用
  • 実例を元にしたケーススタディ
  • 外部講師を招いての研修

次に解説する階層別の教育のポイントをおさえて、コンプライアンス教育をどのように進めていけばよいか、検討してみましょう。

1‐1.経営幹部への啓もうと経営責任の意識付け

どのような責任を経営幹部として持つべきか、感覚的な判断ではなく、公平に判断するための能力を培えるような教育が必要です。

コンプライアンスは、経営においても重要な項目です。階層別に分けた際、経営幹部に当たる社員はコンプライアンスの体制・仕組みづくり、そしてコンプライアンス責任の再確認が重要な目標となります。

経営幹部は必要に応じて、現状のコンプライアンス体制に改善点がないか見直し、さらにより良い体制・仕組みに変えていく役目が求められるためです。しかし、経営幹部のリーダーシップやコンプライアンスの理解度によっては、健全なコンプライアンス体制を築けない環境が継続する恐れがあります。

1‐2.管理職向けには問題解決力の育成

管理職向けには、現場の問題を見つけ出し、必要な対策や部下の指導ができるような教育が必要です。

管理職には、社内ルールの理解度を高めると共に、問題が生じた際に具体的にどのような対策を行うべきか、問題が生じないように備えるための仕組みづくりが求められます。

1‐3.一般社員向けにはリスク・問題発見力の育成

一般社員向けのコンプライアンス教育では、社内で作成したコンプライアンスのルールを理解してもらうための教育を行います。業務の範囲内のリスクや問題に自ら気づけるようになることが1つの目標です。コンプライアンス違反が企業や自分たちにどのような影響をあたえるか、正しく理解してもらうことがテーマとなります。

2.業務マニュアルと共通の業務ガイドラインを作成する

現在の業務に沿ったマニュアルがない場合は、現状に合わせたマニュアルに更新していく必要があります。業務の明文化によってリスク回避に繋がるだけでなく、ルールに沿わない従業員を注意する際、その根拠になるためです。

また、共通の業務ガイドラインを作成することで、社内全体で注意すべきルールも明確になります。お客様からの問い合わせ・クレームを元にして、社外から見た時の企業の問題を明確にし、ガイドラインへ盛り込むのもよいでしょう。

3.社内風土を見直す

コンプライアンス教育や業務マニュアルの改善を、実際の業務への活用につなげていくには、従業員意識の改革が重要です。

たとえば、社内で過剰な効率化や利益第一主義、無理を要するコスト削減の推進が蔓延していないでしょうか?成果を優先するあまりに、コンプライアンス徹底が妨げられてしまう場合があります。成果を出せていないと意見を述べにくい雰囲気も作られ、問題の先送りにつながります。
こうした社内風土を見直すためには、社員同士の背景の違いを重視しつつ、意見を伝えてもよい社内風土を目指すことが目標に挙げられます。

まず経営幹部をはじめ、トップから従業員に対し、現在の社内風土や不正発覚時の対応、ルールの徹底について、もう一度強く発信することが求められます。

そのうえで、一般社員や管理職に対し、社内に合う形式で従業員同士の理解やコミュニケーションを深めてもらうことで、社内風土の見直しを中長期的な目線で実施していくことが大切です。

たとえばディスカッション形式の研修でお互いの働く上でのルールの違いや心配事の認識をすすめ、さらにコミュニケーションやチーム力を磨く研修を実施していく方法が挙げられます。


最後に取り組むべきコンプライアンス対策3項目

緊急性と重要度の高いコンプライアンス対策に取り組んだうえで行いたいコンプライアンス対策は、3つあります。

  • 人事評価制度の見直し
  • コンプライアンス・オフィサーを配置する
  • 監視・内部監査の仕組みを整備する

他部署を巻き込んだ仕組みづくりであり、長期的に効果を発揮するものです。それぞれ、みていきましょう。

1.人事評価制度を見直す

人事評価制度自体が、社内風土をコンプライアンスに関わる内容が盛り込まれているか見直すことが挙げられます。

たとえば、評価項目が成果重視に偏っていると、そのプロセス上のルール違反や重大な欠点を見逃すことがあります。成果を出すまでのプロセスや問題の改善、社風への貢献なども評価に加えましょう。

また評価結果や評価根拠が明確になっていないと、面談などで改善点を指摘しようと思っても、社員に根拠のある説明が行えません。問題行動があった場合に、評価を行わないという選択肢もできなくなってしまいます。

2.コンプライアンス・オフィサーを設置する

コンプライアンスに関する専門的な知識を持つ専任者を配置します。緊急時に適切で迅速な対応が取れるようになり、日ごろから「誰に相談すべきか」も明確になります。

専任者に適任な社員の一例が、コンプライアンス・オフィサーの資格を持つ人です。コンプライアンス・オフィサーは、コンプライアンスの基本理念に対する知識を持ち、平時や緊急時の問題解決力、組織の課題分析力など、総合的な評価をもとに認定されます。

取得には、一般社団法人コンプライアンス推進機構が実施する試験3科目の合格と、実務経験3年以上が求められます。管理職やコンプライアンス統括部門の責任者、スタッフが取得することで、社内のコンプライアンス体制を万全に整えやすくなります。

3.監視・内部監査の仕組みを整備する

内部監査とは、経営上のリスクを早期に発見するために、監査計画を元に実行、課題を見つけ出すための仕組みです。すでに内部監査や監視がある場合は、監視する仕組みそのものが、不正を未然に防げているか確認しましょう。

具体的には、チェックリストをもとにコンプライアンス上のリスクを見つけ出します。チェックリストの参考として、たとえば公益社団法人日本監査役協会が提供する「監査業務支援ツール」が活用できます。

また、勤務中や業務プロセスを監視するシステムを導入するのも手です。

参考:平成26年度ドライブレコーダの導入効果に関する調査報告書


コンプライアンス対策の成功ポイント5つ

コンプライアンス対策を成功に導くには、以下の5つがポイントです。

  • 企業のトップが強い決意を持つ
  • 例外を認めない
  • 事業内容と法律の両方に詳しいコンプライアンス専任者を育てる
  • 新たな法律の制定や法改正にキャッチアップする
  • 定期的な研修・監査を行う

参考:よくわかる講座 :一般的なコンプライアンス対策 – 『日本の人事部』
参考:コンプライアンス違反事例15選から適切な対策と対処法を学ぶ
参考:「コンプライアンス・リスク管理に関する傾向と課題」の公表

1.企業のトップが強い決意を持つ

企業のトップがコンプライアンスの違反を許さない、起こさないという意思を示すことは、非常に重要です。なぜなら、トップの意識は社内風土に大きく影響を及ぼすだけでなく、内部統制の仕組み作りにも影響するからです。

たとえば、次のような状況があると、コンプライアンス違反に対する認識が低くなる可能性があります。

  • 企業のトップがコンプライアンス違反をしている
  • 相談窓口があっても情報が筒抜け
  • 企業のトップが成績重視のあまりコンプライアンス違反が正当化されてしまう

こうした状況を防ぐには、企業のトップが、常にコンプライアンスに関して、関心を持ち続けることも重要です。職員が意見交換を定期的に行ったり、新事業の収益面のみならず、新たなリスクも含めて検討したりする方法が挙げられます。

2.例外を認めない

業務プロセスやマニュアル、社内ルールには例外を認めず、決められた基準に基づく判断を、全社員で徹底することが重要です。例外を認めてしまうと、コンプライアンスを徹底する意味が薄れてしまいます。

また例外を作ると、自浄作用が働かなくなり、新たな問題が発生した際に公平な対応が難しくなるデメリットもあります。

3.事業内容と法律の両方に詳しいコンプライアンス専任者を育てる

将来の問題を予測し未然に防ぐためには、事業内容と法律の双方に詳しい担当者を社内で育てる必要があります。

しかし事業内容や係る法律の幅は、企業ごとに異なります。

もちろん第三者の目を通した強力なチェック機関を利用するのも手です。しかし、内部から違反を改善できる専任者を設けることで、継続してコンプライアンス活動を続けていくための機能を持つことができます。

担当者の育成方法には、次の2つがあります。

  • 社内ローテーションや勉強会参加で担当者を育成する
  • 外部の専門家にアサインしてもらう

3-1.社内ローテーションや勉強会参加で担当者を育成する

業務に長けた社員に、改めて法令知識を身につけてもらう方法です。たとえば、次のような育成方法があります。

  • 内部監査室に配属する
  • 外部の勉強会に参加させる

担当する人材は、可能であれば責任を負う各部署ごとに設置することが望ましいとされます。現場のルールに即した、より実効性のある担当者が育成されるためです。

3-2.外部の専門家にアサインしてもらう

外部の専門家は、弁護士やコンサルタント、社会保険労務士といった、法律や労務関連の専門家が挙げられます。緊急性のある問題が起きた際や、新たな企業内ルールを制定した際に、コンプライアンス違反がないことを専門家の視点から確認してもらうことが可能です。

4.新たな法律の制定や法改正にキャッチアップする

法令に関する最新情報を知ることは、コンプライアンス対策において、非常に重要なポイントです。新たな法律が制定される情報を早期につかめれば、コンプライアンス対策と不祥事の未然防止に取り組むことができます。

ただし、コンプライアンスの範囲は、IT化やグローバル化の進歩に伴い、非常に幅が広くなっています。社内の担当者や外部のチェック機関を活用し、法律の制定や法改正にキャッチアップできる体制を整えていきましょう。

5.定期的な研修・監査を行う

新たな法律の制定に伴い、それまでのコンプライアンスとは異なる視点が求められる場合には、定期的な研修が重要となります。また、一定期間、研修に取り組むだけでは、従業員の意識改革が進まない可能性もあるでしょう。

研修は定期的に継続するとともに、。

また、適切に業務プロセスや業務ガイドラインが活用されているか、監査を通じてチェックしていくことも重要です。この時、各部署からさらに問題と考えられる事例を報告してもらえるように、コンプライアンス専任者を決めておくことで、より現場に即したチェックが行えます。


コンプライアンス違反が起きてしまったときの対応方法

実際に対策を講じていても、コンプライアンス違反を完全にゼロにすることは困難です。コンプライアンス違反が明らかになった時のために、対応フローを検討しルール化しておく必要があります。

参考:コンプライアンス事例集|発生原因や企業がすべき正しい対処法

まずは事実確認を優先する

最初に取り組むことは、発生原因や動機、被害情報の確認です。コンプライアンス違反が起きたと思い込み、焦って対応してしまうと、正しくない対応を選んでしまいかねません。事実確認の結果、実際にはコンプライアンス違反が起きていない可能性もあります。

経営幹部やコンプライアンス担当者を中心に事実を早急に確認し、次の対応を検討しましょう。

弁護士と対応を協議する

続いてどのように対応すべきか、弁護士と協議を行います。弁護士と協議する理由は、コンプライアンス違反の内容によっては、裁判や示談の用意、取引先への謝罪などが必要なためです。

合わせて、コンプライアンス違反の当事者や関係者のしかるべき処分も相談する必要があります。

社内への報告と現場レベルでの再教育を行う

コンプライアンス違反があった場合も、事実確認によりコンプライアンス違反がないと分かった場合も、社内へ報告を行いましょう。何が起きたのか、企業としてどのように対応したのかを社員へ伝えることで、安心とその後の対策につながります。

また、コンプライアンス違反の情報の共有は、社員間のコンプライアンス意識を高めることにも繋がります。同時に研修を実施し、コンプライアンス再教育を行うのも手です。

当事者・関係者の処分は慎重に行う

コンプライアンス違反の当事者や関係者の処分は、慎重に決めることが重要です。法的責任以外に、社内外に与える影響が大きいためです。したがって、問題の原因が判明し、その他の対処が完了してから最後に取り組むことが望ましいとされます。

たとえば大きな不祥事の場合、経営幹部の退陣や報酬減額により、企業のイメージ回復に努める必要があります。一方で法的な対応で株主や世間が納得することもあり、状況を見極めて対処することが大切です。

また、関与した関係者(社員など)に企業を辞めてもらうのであれば「懲戒処分」を行う必要があります。社員が納得できなければ、新たな紛争が起き、さらに他の社員に「企業は社員を守ってくれない」というイメージが持たれてしまいます。

弁護士をはじめとする第三者の専門家を招き、慎重に対応しましょう。

対応フローを用意しておくことが重要

コンプライアンスに関する重大な問題が起きた万が一のことを想定し、対応フローを用意しておきましょう。対応に時間がかかるだけでなく、現場や当事者の勝手な判断と行動をまねく可能性があります。すると最初は社内のみだった被害が拡大し、より一層、状況が困難になるかもしれません。

コンプライアンス違反による企業の倒産は、株式会社帝国データバンクの調査によると、2019年4月から2020年3月で、225件と発表されています。コンプライアンス違反の被害が拡大すると、最終的に企業の倒産を招く恐れもあり、事前の用意が非常に重要です。

ポイントとなるのは、コンプライアンスにおいて重要な「何をすべきか」と、反対に「何をすべきではないのか」が明確になっている対応フローであることです。

参考:コンプライアンス違反企業の倒産動向調査(2019年度)


まとめ

コンプライアンス対策は、緊急性が高く最優先で取り組まなければいけない課題と、それ以外の課題にわかれると、理解していただけたかと思います。

コンプライアンスの範囲はIT化やグローバル化が進むに従い、さらに広くなっているのが現状です。社内でコンプライアンスが守られているかチェックする仕組みを作り、コンプライアンスを保持しやすい社内風土を作っていくことも重要となります。

まずは社内の課題を洗い出すために、業務プロセス上のリスクの洗い出しから始めましょう。優先順位を決めて、コンプライアンス対策に取り組んでみてください。

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行政も「脱ハンコ」を推進する中、電子契約を導入する企業は今後も増えていくはずです。

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