デジタルサイネージとは?3つの目的別導入事例や価格、活用方法まで紹介

デジタルサイネージとは、直訳すると「電子看板」という意味で、街中や店頭に置かれているディスプレイのことです。自社の宣伝や施設の案内に利用できないかとお考えの方もいるのではないでしょうか?

この記事では、デジタルサイネージについての基本的な知識や活用方法だけでなく、実際の活用例、実際にかかる費用などをご紹介しています。広告として、または運営している施設についてデジタルサイネージの導入を検討している方は、ぜひ読んでみてください。


デジタルサイネージとは

デジタルサイネージとは、街頭の大型ビジョンや電車内に設置されたディスプレイのように、公共の空間や交通機関などで、広告や利用者に向けた案内を、看板や張り紙ではなくディスプレイに映して伝える方法です。

それぞれのメリット・デメリットを比較すると以下のとおりです。

種類 メリット デメリット
ポスター・看板など ・制作コストが低い ・一定期間(1週間~1ヶ月)同じコンテンツ
・貼り換えの手間がかかる
・音声なしの静止画像でインパクトが弱い
デジタルサイネージ ・いつでもタイムリーな情報を配信できる
・情報を動画で配信できる
・音声と動きがあり、インパクトがある
・利用者へ必要な情報を提供できる
・屋外型は高価な商品が多い
・動画制作コストがかかる
・壊れやすい
・電気代などのランニングコストがかかる

海外では、デジタルサイネージの表示をユーザーに合わせて変える、という先進的な取り組みがおこなわれています。ドイツでの具体的な活用事例を1つ見てみましょう。
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Astraビールの販促のために作られたデジタルサイネージ型自販機で、16歳以上の女性にのみ、ビールをすすめています。顔認識カメラにより年齢と性別を識別し、それに合わせたコンテンツを表示しています。

日本でも、年齢や性別を識別し、商品をすすめてくれる自販機が登場しているようです。Astraビールの自販機のようなエンターテイメント感にあふれたデジタルサイネージが、数年以内に街角に現れることでしょう。

参考:Astra: The girl detection billboard|Youtube


デジタルサイネージの活用方法

デジタルサイネージの利用には、大きく分けて、以下3つの方法があります。

  • マーケティングに活用する方法
  • 情報表示に活用する方法
  • 空間演出に活用する方法

それぞれについての具体的な活用方法をご紹介します。

マーケティングに活用

導入方法 導入例 特徴
販促表示 百貨店 ・店舗の雰囲気に合った動画で、店舗のイメージをアピール
・動きのある映像で顧客をひきつけ、店内に誘導する
・店舗で実際に販売されている商品の質感や色みを鮮明に伝えられる
広告表示 ・多数の広告配信を一括管理すれば、運用コスト削減できる
・交通情報・天気予報などタイムリーな情報が流せる

販促表示としての活用

店舗前に設置し、自社用の広告として活用します。店舗前に設置することで、入店しようか迷っている人を引きこむ効果があります。

ポスターなどの場合には、1箇所で1つの商材しか扱えませんが、デジタルサイネージを使用すれば、表示画面を自由に切り替えられます。店舗のイメージに合った動画で、顧客にインパクトを与え、店舗内への誘導につなぎます。

広告表示としての活用

大通りや駅の広告枠を使った広告で、商品等の認知・ブランディングを目的として活用されます。1つの枠を複数の商材の広告に使えるので、多くの情報を発信できます。

また、駅には多数のディスプレイが設置されており、列車の遅れや運休を表示する案内表示に切り替えることもできます。表示内容を柔軟に変えられる点が大きなメリットといえます。

情報表示に活用

導入方法 導入例 特徴
情報表示 店舗・施設 ・顧客の必要とする情報を的確なタイミング・場所で提供できる
・案内対応の人件費を削減できる
・印刷物の貼り替え業務を減らすことができ、業務負担を軽減できる
・ペーパーレス化を進め、環境保全に貢献できる

店舗での情報表示として、施設を訪れた人に必要な案内を、適切なタイミングで提供できます。

例えば、飲食店での待ち時間の表示や、待合室での呼び出しなど、様々な活用方法があります。従来のように人が案内するよりも作業工数を減らせるのと、顧客側からみても、より分かりやすい表示が可能となります。

空間演出に活用

導入方法 導入例 特徴
空間演出 テーマパーク ・イメージの向上につながる空間演出
・空間としての価値を高めることによる集客増

空間演出として、施設を訪れた人にインパクトを与える映像を流すこともデジタルサイネージで実現できます。

例えば、テーマパークなどにおいて、デジタルサイネージの強みである建物のデザイン・内装と調和した映像演出を使用することで、話題性や新しい楽しみ方を訴求できます。


デジタルサイネージの種類とは?

デジタルサイネージは大きく分けて3種類あります。

種類1.スタンドアロン型

パソコンで作成したコンテンツをUSBメモリ・SDカードに保存し、接続するだけで使用できるタイプのデジタルサイネージです。インターネット接続が不要なので、電源さえあれば気軽に始められます。コンテンツは自作可能です。コンテンツ変更の少ない、小規模店舗などにおすすめします。

種類2.ネットワーク型

インターネットに接続することで、使用できるタイプのデジタルサイネージです。管理用パソコンでコンテンツを作成し、サーバーに保存することで利用できます。オンラインで使用できるので複数台のディスプレイを一箇所でまとめて管理できます。コンテンツ変更が多く、他箇所にディスプレイを設置したいチェーン店などにおすすめします。

インタラクティブ型

タッチパネル式のディスプレイを利用すれば、利用者が操作することで、表示されるコンテンツを変化させることができます。インターネット接続については、オンライン・オフライン共に利用できますが、タッチパネル機能が付加されることで、コストはかかります。観光案内・ホテルのロビー・大型商業施設での案内板などで、利用者が自由に操作できるシステムとしておすすめします。


マーケティングを目的とした導入事例

実際にマーケティングを目的としてデジタルサイネージが使用された例についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

アインズ&トルペの大型デジタルサイネージ(販促表示)

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2015年7月に新宿にオープンしたアインズ&トルペでは、大型のデジタルサイネージを店頭に設置しています。大型のデジタルサイネージですが、顔認証の機能がついており、タッチするとクーポンが発行されるようになっています。不特定多数へのPRと、顔認証による個人へのPRを同時に行う、デジタルサイネージならではの使用方法です。

参考:早坂香須子監修のデジタルサイネージに注目! アインズ&トルペ新宿東口店がオープン | Numero TOKYO

成田空港のバーチャルマネキン(広告表示)

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成田空港では、海外からの渡航者への「おもてなし」のプログラムとして、バーチャルマネキンを導入しました。特殊なスクリーンに映し出された、制服姿のマネキンが、空港に訪れた人を接客するというものです。ナレーションに合わせてキャラクターが動くので、歩いている人の注意を引くことができます。他の技術と組み合わせれば、人の動作に対応して反応を返すことなどもできるようになります。

参考:成田空港に等身大CGのバーチャルマネキン登場。海外旅客に「おもてなし」 | マイナビニュース


情報表示を目的とした導入事例

ここでは、情報表示を目的として導入された例について導入背景・活用方法・成果を詳しくご紹介します。

苫小牧港開発株式会社

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導入背景

デジタルサイネージを導入する前は、張り紙を用いて情報提供をおこなっていました。しかし、顧客へ提供すべき情報が多くなると、壁面が張り紙でいっぱいになり、煩雑で内容を理解しにくく、結果的に顧客からの質問が多くなってしまい、対応も大変でした。

活用方法

ターミナルの既存の柱にデジタルサイネージを設置する形で導入しています。

フェリーのPR動画やターミナル内についての案内、到着後のバスについての案内などを行い、さらに、事業展開や社会貢献活動についての紹介もしています。

加えて、緊急時に発信するための情報もあらかじめ用意し、津波などの災害に備えるようにしました。

成果

ターミナルの景観を守ったまま、利用者に必要な情報を提供することができるようになりました。従来のポスターだけでは、利用者へ十分に伝わっていなかった部分も伝わるようになり、案内業務の軽減につながっています。

配信するための映像は、PowerPointを使用して作成しています。映像の作成は、特定の人が行うのではなく、社内の人であれば簡単に作成することができるようになっています。

また、速やかに情報を発信できる機能を利用し、緊急時などの対応も整いました。紙での処理の量が減ったことで、社内の業務効率化にも役立っています。

参考:映像表示システム – 苫小牧西港フェリーターミナル


空間演出を目的とした導入事例

ここでは、空間演出を目的として導入された例について導入背景・活用方法・成果を詳しくご紹介します。

酒田米菓株式会社

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導入背景

デジタルサイネージを導入する前では、工場見学の際、一番興味深い「生地工程」を見せられる時間が限られていました。そこで、見学客が来た時にいつでもこの工程を見てもらえるように、デジタルサイネージを導入しました。

活用方法

「バーチャル工場見学」として、ディスプレイで360度のパノラマ画像を表示することで、せんべい作りの魅力を紹介しています。日本語だけでなく、英語・中国語などの5カ国語に対応しているので、海外からの観光客にも製造の様子を紹介できます。

成果

これまで見せられる時間が限られていた生地工程を、見学客へ見せられるようになりました。

また、360度の映像を使用することで、生産ラインの近くで工場見学をしているかのように見てもらえるようになりました。

参考:お客様事例(酒田米菓株式会社 様)| リコー


デジタルサイネージを利用するための費用は

デジタルサイネージに必要な費用について紹介します。

広告として利用する場合の費用

ここでは、具体的にJR車両や駅構内でのデジタルサイネージに必要な費用についてご紹介します。

JR車両の場合

路線 時間 期間 費用
セット(9路線ほど) 15秒 7日 250-450万円
30秒 26週間 710-1,370万円
1路線あたり 15秒 7日 20-110万円
(路線により変動)
15秒 26週間 280-1,550万円
(路線により変動)

上記は一例で、60秒の広告と組み合わせるものや、女性専用車限定などもあります。

JR駅構内の場合

掲示駅 時間 日数 費用
JR6社ネットワークセット
(36駅53エリア)
596面 15秒 7日 432-442万円
東名阪ネットワークセット
(25駅39エリア)
508面 15秒 7日 339-349万円
新宿駅東口改札外 8面
(70インチ)
15秒 1カ月 40万円
新宿駅東口改札外 8面
(70インチ)
15秒 7日 20万円

上記は一例で、30秒の広告のものがあるほか、各駅についての料金や、1クールあたりの時間などが公開されています。

参考:デジタルサイネージ料金表一覧(駅構内)|オリコム

施設に導入する場合の費用

施設に導入する場合の費用についてご紹介します。

スタンドアローン型の費用

導入方法 サイズ 費用
レンタル 43インチ 2,160円/日
レンタル 55インチ 5,400円/日
購入 32~42インチ 40~80万円
購入 43~55インチ 10~40万円

参考:ディスプレイ・デジタルサイネージショップ|レンタル商品
デジタルサイネージの導入費用はどれくらい?価格をリサーチ! | ワンストップのデジタルサイネージ【サイネージ・リレーション】

ネットワーク型の費用

導入方法 サイズ 費用
レンタル 43インチ 7,800円/月~
レンタル 55インチ 9,800円/月~
購入 40インチ 270,000円~
購入 55インチ 275,800円~

参考:デジタルサイネージ:価格、セット内容

インタラクティブ型の費用

導入方法 サイズ 費用
レンタル 40インチ 40,000円/日~
レンタル 50インチ 55,000円/日~
購入 55インチ 86万円~
購入 マルチタクション1面 720万円~

参考:価格表|日本レンタルサイネージ
KDDI Interactive Display | IoTソリューション | au 法人・ビジネス向け | KDDI株式会社
タッチパネルディスプレイ レンタル | 映像・音響機器レンタル 株式会社タケナカ

ディスプレイ以外の費用

デジタルサイネージには、ディスプレイ以外にも映像を流すための費用がかかります。

用途 目的 費用
STB 映像を流すための装置 1-10万円
※ディスプレイに内蔵されている場合には不要
CMS マネージメントシステム
(スケジュールを作成・配信の管理)
4,000-10,000円/月
※クラウドサービスを利用したものが主流
電気代 例)300-350カンデラ 600-700円/15時間
700カンデラ 2,600-3,000円/15時間

参考:デジタルサイネージの導入費用はどれくらい?価格をリサーチ!|サイネージ・リレーション


まとめ

ここまで、デジタルサイネージの活用の方法や具体例、費用などについてご紹介してきました。

デジタルサイネージならではの長所を生かして、さまざまな用途に活用されていることをおわかりいただけたと思います。販売の促進につなげるためには、運用上の工夫も必要です。

うまく活用することができれば、見た人に強く印象を残す広告を作成できたり、人件費の削減につなげたりすることができます。

自社の商材の販売促進やPR、施設の案内などにデジタルサイネージの活用を検討してみてはいかがでしょうか?

参考にしたサイト

Astra: The girl detection billboard|Youtube
早坂香須子監修のデジタルサイネージに注目! アインズ&トルペ新宿東口店がオープン | Numero TOKYO
成田空港に等身大CGのバーチャルマネキン登場。海外旅客に「おもてなし」 | マイナビニュース
映像表示システム – 苫小牧西港フェリーターミナル
お客様事例(酒田米菓株式会社 様)| リコー
デジタルサイネージとは | 一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアム
デジタルサイネージとは?入門知識から展望まで基本をおさらい! | ワンストップのデジタルサイネージ【サイネージ・リレーション】
店頭や屋外での営業支援:シャープ|店舗・ショールーム向けデジタルサイネージ(電子看板)の活用事例
デジタルサイネージ導入事例~効果やメリットを事例から学ぶ | リコー
デジタルサイネージ料金表一覧 | 料金表一覧 | 交通広告 | 株式会社オリコム ORICOM CO.LTD.