ディスプレイ広告は、リスティング広告ではリーチ出来ないユーザー層への接触が可能で、リスティング広告と併用する事で、Webプロモーションの成果を最大化する事が出来る広告です。
しかし、代理店に任せずに広告を運用している方の中には、ディスプレイ広告を試してみたいけれどそもそも何なのかよく分からなかったり、何から始めればよいか分からないという方も多いのではないでしょうか。
ディスプレイ広告を上手に活用するには、特性を理解して、目的に合った広告を選ぶ事が重要です。
私のWeb広告コンサルタントとしての経験をもとにした、手堅くディスプレイ広告を始める為の最初の3ステップをご紹介します。
目次
ステップ①|ディスプレイ広告を知ろう
▼ディスプレイ広告とは
簡単に言うと、サイト上に掲載される広告の事です。
Yahoo!やGoogleなど、媒体によって広告が配信されるサイトが異なります。
もともとは、サイト上の広告枠にテキストやバナーを掲載出来ると言うだけでしたが、最近では、配信対象のセグメントが細かく設定できたり、対応フォーマットが多様化した事でFlashを使った動画バナー広告の配信が出来たりと、出来る事がどんどん増えてきています。(参考:ディスプレイ広告運用自動化ツールの一覧 ≫)
▼リスティング広告との違い
最も大枠の違いとしては、リスティング広告は「今すぐ客」、ディスプレイ広告は「見込み客」と言うイメージで、広告を配信するユーザーが違います。
リスティング広告は、ユーザーが今まさに検索しているキーワードに対して広告を配信する為、ニーズが顕在的で成果に結び付きやすいですが、獲得出来るキーワードを網羅すると頭打ちになり易く、ディスプレイ広告に比べてリーチ出来るユーザー層が限られています。
ディスプレイ広告は、検索していないユーザーに閲覧サイト上で接触する為、ニーズが潜在的で直接コンバージョンに結び付きにくいですが、リスティング広告では接触できない潜在的ユーザー層に接触できる為、より広い層にリーチを広げられます。
▼ディスプレイ広告の掲載面
ディスプレイ広告の掲載面は媒体によって異なります。
分かり易い所で言うと、Yahoo!ではYahoo!トップページやヤフオクなど、Googleでは GmailやYoutubeなどに広告を配信する事ができます。
[掲載枠の例]
Yahoo!とGoogleが2大ネットワークですが、それとは別に、2010年頃から注目され始めた「DSP(=Demand Side Platform)」と言う配信ネットワークがあります。
広告を出したいユーザーに合わせて、広告主が掲載先のサイトをYahoo!・Googleなど媒体の際限なく選ぶ事が出来る配信方法です。
媒体以外のサーバー=第3者のサーバーを介して広告を配信するので、「第3者配信」とも呼ばれています。
▼「顕在層向け」と「潜在層向け」がある
ディスプレイ広告には大きく分けて、顕在層向けと潜在層向けの広告があります。
顕在層向けにはリターゲティング広告という広告があり、一度サイトに来たユーザーをリスト化し、リスト別に広告を配信する事が出来ます。
Googleは「リマーケティング」、Yahoo!は「サイトリターゲティング」と言う名前です。
潜在層向けには、サイトが持っているコンテンツをターゲティングしたり、「○○に興味がある人」などユーザーの興味関心をターゲティングする方法があります。
Googleでは「コンテンツターゲット」「インタレストカテゴリ」「トピックターゲット」、Yahoo!では「インタレストマッチ」「インタレストカテゴリ」「サイトカテゴリ」等があります。
▼テキスト広告、バナー広告、動画広告がある
ディスプレイ広告には色々なフォーマットがあり、近年の技術進化によって増え続けていますが、基本的には「テキスト広告」「バナー広告」「動画広告」の3種類です。
ディスプレイ広告の貢献度の分析には、広告効果測定ツールの利用も有効
ディスプレイ広告は新規顧客の開拓において非常に有効な手段である反面、購買行動への貢献度を正しく把握できていないと予算を無駄遣いしてしまう可能性があります。
しかし広告効果測定ツールを用いることで、ディスプレイ広告がどれほど購買に寄与しているのかを細かく把握できるようになります。
最近ではコンサルタントが分析をサポートしてくれるサービスも登場しているので、Web広告をフル活用した集客を行う際には検討してみると良いかもしれません。(参考:広告効果測定ツールの選び方 ≫)
ステップ②|ディスプレイ広告を始めてみよう
▼まずは顕在層向けの広告から始めよう
これからディスプレイ広告を始めるなら、見込み客を刈り取れるリターゲティング広告から始める事をお勧めします。
流入したユーザーがコンバージョンせずにサイトを離脱しても、そのユーザーを追いかけて広告を出す事が出来るので、見込みの高いユーザーに対して効率的に広告を掲載する事が出来ます。
自社商品が複数あるなら、コンバージョンしたユーザーを追いかけて別商品の広告を出すなど、別商品の販売促進を狙う事も出来ます。
バナーが用意できないなら、テキスト広告だけでも十分な表示回数が出るので、まずはテキスト広告だけで始めてみましょう。
▼潜在層向けの広告でリーチを広げよう
潜在層ユーザーにリーチを広げたいなら、コンテンツターゲティングやインタレストカテゴリなど、ユーザーが見ているサイトのコンテンツや、ユーザーの興味関心をターゲティングする方法が効果的です。
リスティング広告やリターゲティング広告に比べてニーズが顕在化していないユーザーが多いので、直接コンバージョンには至りにくいですが、リスティング広告やリターゲティング広告でリーチ出来ないユーザーに広告を配信できるので、リーチを広げたい場合はとても有効な方法です。
ステップ③|ディスプレイ広告の効果アップ施策
▼年齢、性別、地域を絞る
ディスプレイ広告では「年齢別」「性別」「地域別」の掲載データを見る事が出来ます。
このデータをもとに、コストばかり掛かっているユーザー層や獲得が少ないユーザー層を切り分けて、獲得が出来るユーザー層に絞って配信する事で効果アップを図れます。
例えば、リマーケティング広告で獲得が多い年齢や性別などの傾向を分析し、コンテンツターゲットやインタレストカテゴリなどを始める際に年齢や性別を絞り込むことで、最初からある程度効率的に掲載を始める事が出来ます。
▼獲得が出来るサイトを狙う
ディスプレイ広告では、広告が配信されたサイト別に掲載データを見る事が出来ます。
Googleのプレースメントターゲットは、サイト(=プレースメント)を個別にターゲティングする事が出来るので、配信先レポートをもとに獲得が出来るサイトだけを狙って広告を配信する事が出来ます。
Yahoo!にはプレースメントターゲットが無いですが、配信先レポートでサイト別の掲載データを見る事は出来るので、獲得が出来るサイトのコンテンツやカテゴリを分析する事で、インタレストマッチやサイトカテゴリ等を始める際の参考にする事が出来ます。
※2014年春頃にYahoo!でもプレースメントターゲティングを実装予定との事です。
まとめ
冒頭でも申し上げましたが、ディスプレイ広告はリスティング広告ではリーチ出来ないユーザー層への接触にとても有効な広告です。
リスティング広告と一緒に実施する事で、Webプロモーションの成果を更に上げる事が出来ます。
まずは、リターゲティング広告で見込みの高いユーザーの刈り取りから始めて、その後に潜在層へリーチを広げていき、成果の最大化を図りましょう。
ディスプレイ広告のプロダクト一覧
▼各広告メニューの名称と特徴
● コンテンツターゲット(GDN)
サイトのコンテンツをキーワードによってターゲティング
● トピックターゲット(GDN), サイトカテゴリターゲティング(YDN)
サイトの属性をターゲティング
● プレースメントターゲット(GDN)
配信先サイトをURLによってターゲティング
● デモグラフィックターゲティング(GDN/YDN)
年齢、性別などデモグラフィックをターゲティング
GDNは広告メニューとして存在しないがターゲティングは可能
● インタレストカテゴリ(GDN/YDN)
ユーザーの興味関心をターゲティング
● サーチターゲティング(YDN)
ユーザーの検索履歴をキーワードによってターゲティング、閲覧サイトに広告配信
● リマーケティング(GDN), サイトリターゲティング(YDN)
サイトに来訪したユーザーをリスト化してターゲティング
● 類似ユーザー(GDN)
リマーケティングリストの対象ユーザーと検索や閲覧などの行動履歴が類似しているユーザをターゲティング出来る機能
※近々Yahoo!も実装予定との事
ディスプレイ広告関連の参考サイト
一目でわかる!リスティング広告とディスプレイ広告の概念図
ディスプレイ ネットワークでの広告の掲載対象
ディスプレイネットワークで顧客獲得コストを半分にした具体的な3つの方法
日本の Google ディスプレイ広告活用事例
敬遠しがちなGoogle AdWordsディスプレイネットワークを効果的に使う方法
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