経費精算とは?無料・有料での実践方法・システム比較まで解説!

会社の業務には、交通費・ツール利用費など、さまざまな経費が発生します。コストがいくら発生しているのかを把握するため、経理担当者はこれらの経費の状況をまとめて管理する必要があります。その際に重要となるのが、経費精算です。

本記事では、これから経費精算を始める方やはじめて経理担当になった方に向けて、経費精算とはどのような業務なのか、どのように実践するのか、具体的な業務についてご紹介します。

すでに経費精算を実践されている方に向けても、より効率的に業務を推進できるシステムについてまとめています。有料版のシステムを、重要度を客観化するために経費精算システムを紹介している既存のサイト10個を調査し、出現頻度をスコアリングしました。出現頻度の高い順に掲載しているので、この記事を読めば効率よく良質な経費精算システムを見つけることができます。

10日かかった経費精算作業が1日で完了する「楽楽精算」


目次

経費精算とは

経費精算とは、会社の運営・業務上で必要となった経費を仕訳して、立て替えた社員に払い戻す、一連の経理業務のことです。経費とは、交通費・消耗品代など、業務を進めるのに必要な費用を指します。

では、実際に経費精算の具体的なやり方と注意点についてみてみましょう。


経費精算の流れと注意点

経費精算は具体的に何をするのか

経費精算の流れは、おおまかに以下のとおりです。

1.経費を支払った社員が領収証等を提出・報告する(経費申請)
2.経理担当が申請について問題がないかチェックする
3.経理担当から社員に対して、経費分の金額を払い戻す

領収証や申請書があれば何でも払い戻されるわけではなく、経理担当が会社の基準と照合した上で、経費となるかどうかが判断されます。経費精算はお金を扱う重要な業務なので、当然慎重におこなわなければなりません。

経費精算で用いる書類の種類

経費精算の際に、何にいくら支払ったのか把握するための書類を、経費精算書といいます。ここでは、経費精算書の中でも、特に使用頻度の高いものをご紹介します。

仮払経費申請書

仮払金とは、経費の金額が確定する前に、概算で渡すお金のことです。宿泊の伴う出張など、社員が全金額を立て替えるのが難しい場合に利用します。

この仮払金の出金に用いるのが、仮払経費申請書です。申請書には、「交通手段」「宿泊場所」「見込まれる金額」を詳細に記して提出することが一般的です。

仮払経費精算書

仮払経費精算書は、仮払経費申請書とセットで必要となる書類です。

仮払経費申請書に対して、実際はいくらの過不足があったのかを正確に記し、正しい金額が支払われることを目的とします。仮払金が不足している場合は立て替えた金額を払い戻し、逆に仮払金が余っている場合には余剰額を返金してもらいます。また、書類には領収証を添付してから提出します。

旅費精算書

旅費精算書は、営業業務・出張業務で必要となる交通費を申請する書類です。

旅費の精算には、「一泊〇万円まで」「グリーン車不可」など、会社ごとの規定も多くあります。規定を調べた上で申請して、トラブルを回避しましょう。

経費精算をするときの注意点

経費精算をする際は、なるべくミスやトラブルを避けるためにも、次の3つのような注意点や決めておくべきルールが存在します。

1. 立て替える期間や金額の規定を決める

社員が経費を立て替えるには、負担にならないように期間や金額の上限を決めておく必要があります。大きい金額を長い期間立て替え続けるのは、社員側の負担になるだけでなく、会社への不信感を募らせる原因にもなります。「領収証を提出した翌月までには返金する」「10万円を超える金額はすぐ返金する」などの規定を決めることが望ましいでしょう。

2.金額の証明に関する規定を決める

領収証やレシートなどがあれば、金額の証明ができます。しかし、公共交通機関の費用や、祝儀・香典の費用など、領収証がない経費も存在します。領収証がない場合に代用できる、出金伝票などの規定を用意しましょう。

3. 返金方法を決める

ミスが発生しにくく、効率的に返金できる方法を運用する必要があります。原則として、給与の振込時に経費の返金分を上乗せするのが一般的ですが、高額な立て替え時のフローを別途定めることが必要です。


経費精算システムの導入

人の手で経費精算をおこなうと、時間がかかりミスも発生しやすいため、あまり効率的とはいえません。そこでおすすめしたいのが、経費精算システムの導入です。

経費精算システムを導入すべき理由

経費精算システムを導入すれば、個人が入力した経費情報をもとに、経費精算を自動化できます。自動化による具体的なメリットをみてみましょう。

1.正確な経費精算が可能

書類などを参照し、手入力で精算をしようとすると、書類の提出漏れや、計算間違いなどの人的ミスが発生します。システムを導入すると、集計の自動化・書類の提出などのワークフローの管理が正確におこなえるので、ミスの防止につながります。

2.精算業務の効率アップ

経費精算システムの導入で、申請内容に問題ないかどうかのチェックが容易になります。移動手段の最短・最安ルートの検証はもちろん、ICカードの交通費精算に対応するシステムもあり、チェック作業を自動化できます。

3.情報の一元化を実現

全国に支店や営業所を持つ会社であれば、経費精算は支店ごとに管理される場合があります。クラウド式の経費精算システムを利用すれば、全国すべての情報を一元管理できます。管理方法を標準化できるだけでなく、本部からすぐに各支店の情報にアクセスできる体制が構築できるのです。

経費精算システムを選ぶ際の基準

経費精算システムにも、さまざまな種類があります。クラウド型のものやソフトウェア型のもの、備えている機能など、それぞれに特徴があるので、規模や目的に合ったものを選びましょう。どのシステムを選択するのか考える際の基準について、3つご紹介します。

1.自社にマッチした機能を備えているか

経費精算システムには、基本的に経費精算機能と申請承認するワークフロー機能が備わっています。他にもサービスによっては、以下のメリットがある場合もあります。自社にとってどのような機能が必要なのか見極めましょう。

  • 経費精算の申請をより手軽にできる
  • -交通系ICカード・クレジットカードの取り込み機能
    -スマホで写真を撮るだけで申請できる機能

  • どの経費項目のボリュームが大きいのか簡単に可視化できる
  • -プロジェクト別の経費配賦機能

2.他のバックオフィス効率化システムと連携可能か?

もし現在、すでに他のバックオフィス効率化システムを導入しているのであれば、そのシステムと連携できる経費精算システムを選ぶことが重要です。同じ内容を様々なシステムに何度も入力するのは、余計な手間がかかってしまい、せっかくのシステムを有効活用できません。経費精算システムに入力すれば、連携する他のシステムにも反映される環境が作れるようなものを採用しましょう。

3.実際に利用する人にとって無理なく使えるUIか?

どんなに便利な機能が揃っていても、実際に利用する人(経理担当者やチームメンバー)にとって使いにくいシステムであれば、導入の意味がありません。

経費精算システムには、無料で利用できる期間があります。選ぶ際には、まず無料版から試して、実際に使うチームメンバーが問題なく使いこなせるのか検証したのち、導入を進めましょう。


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勘定奉行シリーズなど様々な会計ソフトと連携可能な「楽楽精算/株式会社ラクス

楽楽精算

特徴

  • クレジットカード連携で利用明細をそのまま取り込み可能
  • 経費精算規定の自動チェック機能を搭載
  • 勘定奉行シリーズや弥生会計など、多数の会計ソフトと連携可能

外部システム連携

株式会社オービックビジネスコンサルタントの「勘定奉行シリーズ」、弥生株式会社の「弥生会計」、株式会社ワークスアプリケーションズの「COMPANY」など多数の会計ソフトと連携可能

価格

初期費用100,000円〜
月額30,000円〜
※利用人数、対応機能により変動

導入実績

毎日新聞社、Hamee株式会社など多数

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現在利用している会計ソフトと併用したい方

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経費精算システム5個を比較

ここで、経費精算システムを5個ご紹介します。それぞれの特徴を比較して、最適なものを探してみてください。

システム名特徴価格導入実績
MFクラウド経費レシート内容の自動読み取りなど、手入力の手間を削減一人当たり月額300円~900円中央フードサービス株式会社、株式会社ユーザベースなど
ジョブカン経費精算スマホからでも申請・承認が簡単に実行可能一人当たり月額400円タマホーム株式会社、JapanTaxi株式会社など
楽楽精算勘定奉行シリーズなど様々な会計ソフトと連携可能月額30,000円〜
初期費用あり
毎日新聞社、Hamee株式会社など
Concur Expense(コンカーエクスペンス)経費情報を分析・可視化するレポート機能を搭載月額30,000円〜コニカミノルタ株式会社、スマートニュース株式会社など
Dr.経費精算領収書等のスキャン・データ化代行可一人当たり月額980円ヤマヒロ株式会社、株式会社アウスタなど

1.マネーフォワード系サービス利用者におすすめの「MFクラウド経費

MFクラウド経費

特徴

  • レシート内容の自動読み取りなど、手入力の手間を削減
  • 仕訳データの自動登録、申請チェック機能など経理向け機能が充実
  • スマホアプリを使えば、経費の登録・申請・承認がスキマ時間に完了

外部システム連携

「MFクラウド会計」「MFクラウド請求書」など、マネーフォワードが提供する他のバックオフィス効率化ツールと連携可能

価格

一人当たり月額300円~900円
※利用人数、対応機能により変動

導入実績

中央フードサービス株式会社、株式会社ユーザベースなど多数

こんな人にオススメ

マネーフォワードのバックオフィス効率化ツールをすでにお使いの方

2.ジョブカンシリーズの利用者におすすめの「ジョブカン経費精算

ジョブカン経費精算

特徴

  • 乗り換え案内と連携し、交通費の計算の簡略化を実現
  • スマホからでも申請・承認が簡単に実行可能
  • 申請内容を元に仕訳データを自動作成

外部システム連携

「ジョブカンワークフロー」などのジョブカンシリーズ他ツール、ジョルダン株式会社の「乗り換え案内Biz」などと連携可能

価格

一人当たり月額400円
※他サービスとの併用により変動

導入実績

タマホーム株式会社、JapanTaxi株式会社など多数

こんな人にオススメ

ジョブカンシリーズのバックオフィス効率化ツールをすでにお使いの方

3.勘定奉行シリーズなど様々な会計ソフトと連携可能な「楽楽精算

楽楽精算

特徴

  • クレジットカード連携で利用明細をそのまま取り込み可能
  • 経費精算規定の自動チェック機能を搭載
  • 勘定奉行シリーズや弥生会計など、多数の会計ソフトと連携可能

外部システム連携

株式会社オービックビジネスコンサルタントの「勘定奉行シリーズ」、弥生株式会社の「弥生会計」、株式会社ワークスアプリケーションズの「COMPANY」など多数の会計ソフトと連携可能

価格

初期費用100,000円〜
月額30,000円〜
※利用人数、対応機能により変動

導入実績

毎日新聞社、Hamee株式会社など多数

こんな人にオススメ

現在利用している会計ソフトと併用したい方

4.経費情報を分析・可視化する「Concur Expense(コンカーエクスペンス)

Concur Expense(コンカーエクスペンス)

特徴

  • 領収書をスマホのカメラで撮影することで登録可能
  • 経費情報を分析・可視化するレポート機能を搭載
  • ISO 27001、SOC 1などに準拠したセキュリティでサービスを提供

外部システム連携

Suica、Pasmoなどの交通系ICカードやApple Payなどの電子決済サービスと連携可能

価格

月額30,000円〜
※利用人数、対応機能により変動

導入実績

コニカミノルタ株式会社、スマートニュース株式会社など多数

こんな人にオススメ

経費の情報分析を簡単におこないたい方

5.スキャン・データ化代行で手間を省ける「Dr.経費精算

Dr.経費精算

特徴

  • アプリ連携によって、駅名入力で交通費の自動計算可能
  • 領収書等のスキャン・データ化代行オプションあり
  • クレジットカードや電子マネーの明細から経費情報を自動で取得

外部システム連携

ヴァル研究所の「駅すぱあと」を内蔵、マネーフォワードの「MFクラウド会計」や弥生株式会社の「弥生会計」など多数の会計ソフトと連携可能

価格

一人当たり月額980円
※利用人数、対応機能により変動

導入実績

ヤマヒロ株式会社、株式会社アウスタなど多数

こんな人にオススメ

経費情報登録の手間も削減したい方


経費精算をまず無料で始めたいなら

これから経費精算を始める場合は、まず無料のやり方で試してみたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。代表的なやり方をご紹介します。

無料アプリを活用する

主に個人事業主の方向けに、無料の経費精算アプリも多数あります。無料の経費精算アプリを集めた紹介サイトもありますので、参考にしてみてください。

無料アプリのメリット・デメリットは次の通りです。

メリット

  • コストがかからず、導入が簡単
  • スマートフォンで外出先でも使える
  • UIがシンプルなものが多く、手軽で使いやすい

デメリット

  • カスタマイズできる要素が少ない
  • 高度な機能が必要な場合は有料となることがある
  • 複数人で利用するには向いていないものも多い

参考:【2018年】無料 経費精算(領収書・交通費精算) アプリランキング TOP10|Appliv

Excelテンプレートを活用する

アプリではなく、Excelのテンプレートを利用して精算を行うことも可能です。無料でテンプレートを配布しているサイトがあるので、参考にしてみてください。

メリット

  • 初期費用が安価で済む
  • システムの導入が必要なく、簡単に利用開始できる
  • フォーマットの変更に柔軟に対応しやすい

デメリット

  • 複雑な計算を効率化するにはある程度の知識が必要
  • Excelが苦手な人にとっては非効率
  • フォーマットを変更した際に、複数の形式で書類が提出される場合がある

参考:経費精算書テンプレート無料24選 | 書き方・必要項目・注意点・認められる経費を解説|ボクシルマガジン


まとめ

本記事では、経費精算そのものや経費精算を効率化するツールについてご紹介しました。お金を扱う業務である以上、効率的にミスなく処理したいものです。経費精算システムを導入することで、経理部門はもちろん、経費を申請する社員側も非常に楽になるでしょう。有料システムとして紹介したものでも、無料でトライアル可能ですので、状況や目的に合った経費精算システムを選び、一度使ってみてはいかがでしょうか。

おまけ:出現頻度が低かったサービス一覧

AXL経費(アクセル経費)
Bofi:経費精算
奉行クリック経費精算ワークフロー
BusinessNavitime交通費パッケージ
ClearWorks会計ワークス
ConcurTravel
desknet’sNEO(デスクネッツネオ)
DirectInputSystem
ECOAS経費旅費精算(エコーズ経費旅費精算)
eKeihi(イーケイヒ)
駅すぱあと旅費交通費精算Web
駅すぱあと通勤費管理Web
EnCollabo交通費精算
ExchangeUSE旅費経費精算ワークフロー

参考にしたサイト(一部)

経費精算システムとは?徹底比較【2018年最新版】クラウド|交通費精算|ボクシルマガジン
経費精算システムのクチコミ・比較・ランキング|ボクシル-法人向けITサービスの比較・検索・資料請求サイト
国内の経費精算システム39個を全て【完全比較】してみた!|経費の教科書
経費精算システムのランキング一覧|ITトレンド
経費精算システムの製品一覧|ITトレンド
【全44システム!】国内の経費精算システム徹底比較まとめ|Dr.経費精算
経費精算システム比較|Dr.経費精算
経費精算システムの選定ポイントとは-失敗しないために外してはいけないポイント4つ-|経理プラス
実務担当者が評価する経費精算システム|経理プラス