ファクタリングにかかる手数料の相場と、安く利用するための3つのコツ

ファクタリングの手数料がどのぐらいかかるのか気になる方も多いのではないでしょうか。

ファクタリングの手数料には業者の利益となる「基本手数料」とそれ以外の「別途手数料」の2種類に分けられます。

基本手数料はファクタリングのカテゴリによって大きく変動しますが、売掛金の0.25%~30%前後で見ておきましょう。別途手数料はかからない場合が多くありますが、交通費などを抜けば1万円前後が相場です。

この記事では、ファクタリングの契約方式や種類ごとの手数料の相場を詳細に解説しています。

ファクタリングの手数料の相場が明確になり、ファクタリング業者に依頼する際の参考になるでしょう。

参考:ファクタリングとは?仕組みや種類、注意点をわかりやすく解説

目次


ファクタリングの手数料の相場

ファクタリングは、契約方式によって手数料の相場が異なります。

具体的には、2社間ファクタリングの相場は8~30%で、3社間ファクタリングは1~9%になります。

2社間ファクタリングの相場は8~30%

契約の当事者が2社であるファクタリングの場合、手数料の相場は8~30%と、3社間に比べて少し高いです。その理由は、ファクタリング業者がリスクを引き受ける点にあります。

万が一売掛先が支払いをしなかった場合、ファクタリング業者は企業に対して金額を保証する必要があります。

そのリスクをファクタリング業者が保証する分、手数料も高く設定されることが多いです。

3社間ファクタリングの相場は1~9%

契約の当事者が3社であるファクタリングの場合、手数料の相場は1~9%と、2社間に比べて少し低いです。3社間ファクタリングの場合、売掛金の回収リスクは一部もしくは全てを企業が抱えることになります。

また、ファクタリング会社が売掛先に売掛金の存在を確認できるため、未回収リスクを防ぐことができます。

ファクタリング事業者にとってリスクが少ない分、2社間よりも手数料の相場が低く設定されていることが多いです。


ファクタリングの種類ごとの手数料の相場

ファクタリングは2つの契約方式によって相場は異なりますが、ファクタリングの種類によっても手数料の相場は変わってきます。

ジャンル手数料の相場
一括ファクタリング1~30%
診療報酬ファクタリング0.25~1%
調剤報酬ファクタリング0.25~1%
介護報酬ファクタリング1~3%
国際ファクタリング0.7~2.0%
商品在庫ファクタリング0〜数千円
家賃収入ファクタリング2社間:1~30%、3社間:1~5%
保証ファクタリング1~4%(保証料)

特に診察、調剤報酬ファクタリングなど医療に関わる特殊な場合は手数料1~3%と非常に安いです。審査や利用額によっては銀行ローンの金利よりも手数料が低くなります。

ただ、一般的に使われるファクタリングは一括ファクタリングであり、手数料は1%以上になります。相手企業や自社の信用度によっては手数料が30%近くとられる場合もありますが、ファクタリング業者によって上限が決められています。

一括ファクタリングの手数料は1~30%

種類手数料
一括ファクタリング2社間:1~30%
3社間:1~5%

診療報酬ファクタリングの手数料は0.25~1%

種類手数料
診療報酬ファクタリング0.25~1%

通常のファクタリングと異なり、取引対象の国保・社保が企業のように倒産するリスクはほぼないため、手数料は平均して0.25~1%とかなり低く設定されているのが特徴です。

医療機関や病院が、国民健康保険団体連合会(国保)や社会保険診療報酬支払基金(社保)に対し請求する診療債券報酬を、ファクタリング会社が買い取って取引を行う流れになっています。

調剤報酬ファクタリングの手数料は0.25~1%

種類手数料
調剤報酬ファクタリング0.25~1%

診療報酬ファクタリング同様に、取引先の国保・社保の倒産リスクがほぼないため手数料は0.25~1%と低く設定されています。

介護報酬ファクタリングの手数料は1~3%

種類手数料
介護報酬ファクタリング1~3%

介護報酬ファクタリングの手数料の相場は1~3%で、介護業者が国民健康保険団体連合会(国保)から受け取る介護報酬を事前にファクタリング業者に買い取ってもらい、後日ファクタリング業者が報酬を受け取ります。

診療・調剤報酬ファクタリングよりも少し高い手数料が設定されているのは、医療報酬よりも額や規模が小さいのが主な理由ですが、リスク自体は非常に小さいです。

国際ファクタリングの手数料は0.7~2.0%

種類手数料
国際ファクタリング0.7~2.0%

国際ファクタリングの手数料は従来からの信用状の保証利率に近い0.7~2.0%となっています。

現地のファクタリング業者から与信・引受の協力を得ているため、4社間ファクタリングともいえるのが特徴的です。

商品在庫ファクタリングの手数料は0円〜数千円

種類手数料
商品在庫ファクタリング0〜数千円

商品在庫ファクタリングの手数料は、買い取ってもらう在庫商品の買取価格からファクタリング業社に支払う手数料を差し引いた金額で買取してもらえます。手数料は商品によって大きく変化しますが、数千円ほどですんでしまうことがほとんどです。

服や家電などの小売業者が売れない商品の整理のために利用することが多く、換金性の低い商品を扱うため、基本的には小売価格の半分以下の価格で買い取られてしまいます。

家賃収入ファクタリングの手数料は1~30%

種類手数料
家賃収入ファクタリング(2社間)1~30%
家賃収入ファクタリング(3社間)1~5%

3社間での手数料は入居者個人の信用もあり1~5%と相場が低めですが、2社間はオーナーの信用も関わるため、通常のファクタリング同様に10~20%と割高です。

保証ファクタリング(取引信用保険)の手数料は1~4%

種類手数料
保証ファクタリング1~4%(保証料)

保証ファクタリングの手数料は売掛債権保有者が保証ファクタリング業者に保証を依頼します。業者が売掛先の与信を判断し、信頼性をもとに保証料が決めるため相場は1~4%ほどになります。


ファクタリングでかかる手数料の内訳

ファクタリングにかかる手数料の内訳の一覧は以下の通りです。

手数料相場
基本手数料売掛金の0.25~30%
別途手数料債権譲渡登記費用7,500円または15,000円
印紙代数百円~数千円(売掛金による)
振込手数料数百円程度(銀行による)
交通費ケースバイケース

では、それぞれの手数料について詳しく見ていきましょう。

ファクタリングの手数料①基本手数料

ファクタリング業者に売掛債権を買い取ってもらう場合、基本手数料がかかります。

基本手数料は0.25~30%が相場となっており、これがファクタリング業者の利益となります。

手数料は、ファクタリングの種類や、ファクタリング業者が民間企業か国のサービスかなどによって変わります。

企業の業種によっては利用できるファクタリングが違うため、手数料にばらつきがあります。

ファクタリングの手数料②別途手数料

基本手数料以外にファクタリングでかかる手数料について解説していきます。

これらの手数料は、業者によってかかる場合とかからない場合がありますので、業者を利用する前にしっかり確認しましょう。

ファクタリングは手数料以外に手続きにかかる費用を請求されます。以下は別途手数料になります。

種類概要費用
債権譲渡登記費用売掛債権の買い取りを証明する手続きにかかる費用7,500円または15,000円
印紙代契約時にかかる税金数百円~数千円(売掛金による)
振込手数料売掛債権の買取り代金を、所定口座に振り込む際の手数料数百円程度(銀行による)
交通費利用企業との面談時などにかかる交通費ケースバイケース

手数料だけではなく、これらの別途手数料を請求されることも頭に入れておきましょう。


ファクタリングの手数料が決まる要因

ファクタリングの手数料が決まる3つの要因は以下の通りです。

  • 売掛先の信用力
  • 利用者の信用度
  • 利用希望額の金額

基本的にはこれらの要因が影響して手数料が変わります。具体的には以下の表で解説します。

要因手数料が低い場合手数料が高い場合
売掛先の信用力高い低い
利用者の信用度高い低い
利用希望額の金額高い低い

ファクタリングの手数料の仕訳・勘定科目

ファクタリングの契約をした際は、資産計上している売掛金を貸方勘定に仕訳け、代わりに同額の未収金を資産計上します。後日ファクタリング会社から振り込まれた際は未収金を資産から外す必要があります。

手数料10%の取引であれば、未収金100万円に対し預金として90万円が振り込まれます。

手数料にあたる残りの10万円は売上債権売却損として費用計上しましょう。


ファクタリングの手数料の消費税

ファクタリングは売掛債権の譲渡取引であるため、国債や株などの取引同様に消費税は発生しません。

そのためファクタリング会社から消費税の支払いを求められたり、書類に消費税に関する記載があったりする場合は悪徳業者である可能性が高いため注意が必要です。


ファクタリングの手数料をより安くする3つのコツ

ファクタリングの手数料を安くするためには、次の3つのコツがあります。

  1. 信頼できる売掛債権で取引する
  2. 支払い日が近い売掛債権を選ぶ
  3. 毎回同じファクタリング会社を利用して信頼関係を築く

ではそれぞれのコツを詳しく紹介していきます。

1.信頼できる売掛債権で取引する

ファクタリングする売掛債権は、信用性が高いほどファクタリング会社の貸倒れリスクを減らせるので、手数料を安くできる可能性があります。

たとえば、国や地方知自体、大企業などの売掛債権は信用性が高くなります。また、中小企業であっても事業年数の長い企業であれば手数料が安くなる可能性があります。

これらの条件に当てはまる売掛債権を所持している際は、その信頼性をアピールするのがおすすめです。

2.支払い日が近い売掛債権を選ぶ

支払い日が近い売掛債権であれば、ファクタリング会社に資金が戻ってくるのも早いので手数料が安くなることがあります。

また、支払い日が遠すぎるとその間に売掛先が倒産してしまうリスクもあるため、ファクタリング会社のリスクが大きくなってしまいます。

そのため支払い日がなるべく近いものを選ぶことがポイントになります。

3.毎回同じファクタリング会社を利用して信頼関係を築く

毎回同じファクタリング会社に依頼することで、お互いに信頼関係が築くことができます。

以前利用したことがある企業であれば、審査のために必要な情報も収集できているうえ、信頼関係もあるため、ファクタリング会社は安心して買い取れると判断できます。

審査の負担も軽減されることから、継続利用する場合は手数料が安くなる傾向にあります。


ファクタリングに関するよくあるご質問

ファクタリングを検討中の方に役立つQ&Aをまとめています。

Q.ファクタリング手数料はいつ支払う必要がありますか?

A.通常、ファクタリング手数料はファクタリング契約が成立した後、売掛債権の買取時に差し引かれることが一般的です。

Q.ファクタリング手数料を抑えるための方法はありますか?

A.ファクタリング手数料を抑えるためには、売掛先の信用度を高めたり、複数のファクタリング会社から見積もりを取るなどの方法があります。

Q.ファクタリング手数料には上限がありますか?

A.ファクタリング手数料に法的な上限はありませんが、一般的には市場相場に基づいて設定されることが多いです。

Q.ファクタリング手数料が高くなるケースはありますか?

A.はい、売掛先の信用リスクが高い場合や、長期間にわたる売掛金の場合、ファクタリング手数料が高くなることがあります。


まとめ

今回はファクタリングの手数料について解説してきました。

ファクタリングには「基本手数料」と、債権譲渡登記費用や印紙代などの「別途手数料」の2つがあります。

手数料が決まる要因は、以下の3項目です。

  • 売掛先の信用力
  • 利用者の信用度
  • 利用希望額の金額

記事で紹介したように、手数料を下げるコツはありますので、できるだけ有利な条件でファクタリングできるよう、事前に対策をとっておくことが大切です。