Instagram広告を運用していても効果が出ない、予算が限られているからこそコツをあらかじめ知っておきたい、などの悩みから、この記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
Instagram広告の運用では、クリエイティブの改善や機械学習の最適化を促進させ、より広告に反応してくれる配信先を見つけ出すことが、広告効果を上げるために重要です。
そこで、本記事ではInstagram広告を運用の4つのコツや、勝ちクリエイティブを見つけるための4つのコツを解説します。また、審査落ちを防ぐための5つのポイントを解説します。
この記事を読むことで、自社でできる効果的な運用の改善策を検討するための考え方が身につくでしょう。
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目次
Instagram広告を出稿する手順
おさらいとして、Instagram広告を出稿する手順を解説します。まず事前準備として、Facebookページの用意と、自社のインスタアカウントを取得してください。
自社のインスタアカウントが必要なのは、広告に触れたユーザーと双方向コミュニケーションをとりやすくするためです。
実際、Instagram広告出稿そのものは、自社のインスタアカウントがなくても可能です。ただし、広告についたコメントへの対応など、いくつかのインスタユーザーとのコミュニケーションがとれない点に注意しましょう。
それぞれのアカウントやページの設定を完了次第、広告マネージャなどを使って広告を出稿します。
- Facebookページとインスタアカウントをリンクする
- 広告マネージャの場合:広告作成から制作
- パワーエディタの場合:広告を管理から制作
より詳しい手順を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。出稿時に気をつけたい注意点や、ターゲティングの特徴も合わせて解説しています。
参考:5分でわかるInstagram広告とは?広告の特徴と出稿の流れ
Instagram広告の運用で心がけるべき4つの鉄則
Instagram広告の運用を始める際に、以下の4つの「鉄則」を覚えておきましょう。
- Instagram広告の運用と制作は1人でPDCAを回す
- Instagram広告の配信先を20代~30代だけに絞らない
- 勝ちクリエイティブはなく継続して効果を検証し、改善していくことを前提に運用する
- 機械学習の最適化のために1週間で最低でも50件以上のデータを取得できる予算を設定する
ここでは、成果を上げるために運用者が知識として蓄えておくコツを4つ紹介しますので、参考にしてください。
Instagram広告の運用と制作は1人でPDCAを回す
Instagram広告の運用と制作の担当者を1人、または、より小人数に絞ることで、情報共有がスピーディーに進みます。
たとえば画像を利用した広告を出稿する際、変更を行うにあたり、クリエイティブを制作する人と広告成果を確認する人、予算管理をする人など、複数人が関わって運用していたとします。
一見、作業を分担することで、効率が増すように思われます。しかし、運用型広告では、次のようなPDCAを回して内容を改善しながら運用することが大切です。
- 目標を決める
- Instagram広告を出稿する
- 出稿後に目標を達成できたか確認する
- 改善策や新たな目標を立てる
- 改善したInstagram広告を出稿する
運用に関わる人数が多くなりすぎると、情報共有や数値を元にした改善策の検討に時間がかかり、改善に時間がかかってしまいます。ですので、運用を分散させず、広告管理はプロジェクト事に1人でPDCAを回しましょう。その結果、広告効果を高めやすくなります。
Instagram広告の配信先を20代〜30代にだけに絞らない
広告の配信先を設定する際に20~30代にターゲットを絞ると、他のニーズのあるユーザーを拾い切れず、機会損失を生んでしまう可能性があります。
実際のInstagram広告運用の事例でも、想定していた配信先とは異なる年齢層にもリーチできていた、という事例があります。この事例では、オーダースーツのプロモーションのために、インスタを利用している20代から30代をターゲットとして、広告出稿を行いました。
24時間だけ閲覧できるストーリーズという機能を利用した広告では、狙った通り、20代から30代のインスタ利用者より、CVを多く獲得することに成功しました。
しかし、通常の投稿であるフィードへの広告配信では、ターゲット外であった40代から50代の方がCVを多く獲得できていた、という事例もあるのです。
実際、Instagramの年齢層の分布は、20代から30代が多いものの、10代や40代以上のユーザーも少なからずいます。
このように、ターゲティングに年齢層を用いる際は、「インスタは若い人が使っていそう」「40代や50代は使っていないかも」といったイメージだけで設定しないことが大切です。
勝ちクリエイティブを見つけ継続して効果検証、改善していくことを前提に運用する
Instagram広告の運用においては、勝ちクリエイティブをいかに見つけ出し、より改善していける環境を整えることが重要です。
勝ちクリエイティブとは、Instagram広告において「ユーザーからの反応が良いクリエイティブ(画像や動画)」のことを指します。
改善を前提に運用する理由は、1度は効果のあったInstagram広告でも、ユーザーが飽きてしまったり、インスタの人気のある投稿内容に合わなくなったりする恐れがあるからです。
Instagram広告をすでに運用している場合や、これから運用を開始する場合、次のような運用状況にならないように見直してみましょう。
- 1人の判断ではクリエイティブを差し替えられない
- 効果のあったクリエイティブをずっと使っている
- 勝ちクリエイティブにこだわり過ぎている
- クリエイティブを修正していない
これからInstagram広告を運用する場合は、クリエイティブを変更しやすく、修正を行いやすい環境を念頭に置きながら、検討していくことが大切です。
機械学習の最適化のために1週間で最低でも50件以上のデータを取得できる予算を設定する
Instagram広告の運用に当たり、広告費の予算の設定はとても重要です。Instagram広告では、広告のターゲティングを機械学習で行っています。
しかし、すぐに機械学習によるターゲティング精度が上がるわけではありません。実際に広告を運用し、ユーザーに広告をクリックしてもらう、サイトにアクセスしてもらうなど、成果をあげる必要があります。
この機械学習に必要なデータの蓄積は、1つの広告セットあたり、1週間あたり最低でも50件です。よりスピーディーに学習してもらうためには、広告セット1つにつき、1日あたりのデータ取得は15件必要とされます。
たとえば、特定のサイトでの資料申し込みを目的(CV)に運用するとします。1週間に50件のデータを蓄積するには、広告費は1週間あたり目標とするCPAの50倍は必要です。
すでに運用を始めている場合は、予算が少なくなりすぎていないか検討してみましょう。これから運用を始めていく場合は、ユーザー1人を獲得するのに必要な費用を逆算し、1週間で50件のデータ収集を目的に、広告予算を設定しましょう。
また、ひとまずお試しで運用する方法もあります。Instagram広告は1日に数百円程度でも出稿可能だからです。しかし、実際に成果をあげるには、1日あたりの広告費を少なくし過ぎると、機械学習がなかなか進まず、CVに繋がるインスタ利用者に広告が配信されにくくなってしまいます。
適切な予算を設定できれば、機械学習による、さらに詳細なターゲティングも可能となります。予算の設定を行う際は、機械学習の効率も踏まえて検討しましょう。
Instagram広告の運用で効果の出やすいクリエイティブを作成する4つのコツ
効果の出やすいクリエイティブを生み出すためのコツを、実際のInstagram広告運用で活用されている方法から4つ紹介します。紹介するコツの一覧は以下の通りです。
- 伝えたい情報量が多いなら動画、少ないなら画像でクリエイティブを作成する
- 効果検証のために複数のパターンの広告クリエイティブを作成する
- 画像を使用する場合は撮影する対象に人を選ばない
- UGCを活用し、ユーザーのリアルな口コミをクリエイティブに使用する
伝えたい情報量が多いなら動画、少ないなら画像でクリエイティブを作成する
商材の魅力を伝えるために必要な情報量が多ければ動画、少ないのなら画像でクリエイティブを制作するのがおすすめです。
動画は画像に比べ、450倍もの情報を伝えられるといわれています。動画を利用したクリエイティブに向いているのは、BtoB商材や機能性が売りの電化製品などです。
こうした商材は、詳しい説明を聞かないと内容が分かりづらいという側面があります。
動画で多くの情報を伝えることで、不信感の払しょくにも繋がり、さらに効率よい広告配信が行えるでしょう。
一方で画像は動画に比べ、1画像に商材のメリットを1つ取り上げて提示する、といった簡潔な情報提供に向いています。したがって、画像に向いているのはアパレルやインテリアといった、デザイン性が重視される商材です。
たとえば、カラーバリエーションが豊富なことがメリットとなるカバンがあるとします。1枚の画像にすべてのカラーバリエーションを入れれば、ユーザーに広告を見てもらうだけで、一度でそのかばんを選ぶメリットを掴んでもらえます。
もし、どちらがよいか決めかねる場合は、双方のパターンを試してみましょう。動画と画像、両方のバージョンを試すことで、さらに効果のあるクリエイティブを見つけられる可能性があるからです。
効果検証のために複数のパターンの広告クリエイティブを作成する
広告クリエイティブを複数パターン作成し、効果検証を行いましょう。より数値の高いクリエイティブを見つけられるだけでなく、広告で伝えたい内容をユーザーが受け取るには、どのような組み合わせが最適解となるのか判断できるからです。
たとえば、次のような組み合わせの変え方が挙げられます。
- コピーは同じで動画と画像を変更する
- 広告コピーを変えて複数の画像を用意する
- 動画内の説明文をハッシュタグ風にする
ストーリーズ広告とフィード広告で使用する画像を変えたり、組み合わせはさまざまです。
また、広告コピーや画像・動画に用いる文章も重要です。説明文を変えるだけでも、与える印象は大きく異なります。
画像を使用する場合は撮影する対象に人を選ばない方が効果的な場合がある
利用者目線で商品を箱から取り出し、色や形をチェックしたり、化粧品なら色味を腕に乗せてみたりする画像や動画の方が、ユーザーにクリックされやすい傾向にあります。
その理由としては、ユーザー目線に近く、利用している時のイメージが付きやすいからです。
また、撮影とする対象に人を選んでしまうと、後ほど解説するFacebookの広告ポリシーに違反してしまう可能性もあります。広告ポリシーに違反すると審査落ちとなり、広告の修正などで配信に遅れがでてしまうため、注意が必要です。
UGCを活用し、ユーザーのリアルな口コミをクリエイティブに使用する
UGCをインスタに投稿した画像や動画を、自社のアカウントで紹介したり、クリエイティブに活用したりすることで、「この商材を購入すると、自分の生活にどのような変化があるか」を具体的にイメージしてもらいやすくなります。
UGCを自社アカウントでシェアしたり、実際の使用例の画像や動画が得られるため、次のようなメリットがあります。
- クリエイティブの作成に手間がかからない
- 第三者の口コミのため説得力がある
- ユーザーから自社アカウントをより身近に感じてもらえる
- 広告感が消えるため受け入れてもらいやすい
- 商品を扱う側にはない視点を得られる
- 高品質なインスタ映えの動画や画像の参考になる
このようにメリットが多いUGCですが、注意点もあります。それはUGCの投稿者は商品を実際に購入してくれたユーザーである、ということです。次の注意点を守り、お互いにコミュニケーションをとって、クリエイティブに活用しましょう。
- 投稿者にメッセージでリポスト許可を取る
- 元の投稿者が分かるようにする(リポスト機能)
- キャプション(説明文)にお礼の言葉や投稿者の紹介文を述べる
- 「#repost」などリポストであることを示すハッシュタグをいれておく
UCGを発見する際は、収集用のハッシュタグを設け、ユーザーの投稿を集めやすくしておくこともおすすめです。連動してキャンペーンを用意しておくと、さらにクオリティの高いUCGも集まりやすくなるでしょう。
Instagramで効果の出やすいクリエイティブについてご紹介しましたが、ユーザーがInstagramを使用する本質的な目的を理解したり、Instagramのアルゴリズムに基づいて運用したりしないと、運用の改善にはつながりにくいと言えます。
そのような場合に、Instagramに特化した運用代行会社を活用することも選択肢の一つです。
例えば「SAKIYOMI」は、各ジャンルに特化した専門のアカウントディレクターが、最適なInstagram運用をご提案するサービスです。
平均4.2か月で10,000フォロワー達成させるSAKIYOMIのサービス概要資料をご用意したので、ぜひダウンロードしてみてください。
Instagram広告を運用で気をつけたい審査落ちを防ぐための5つのポイント
Instagram広告は、広告を出稿してから24時間以内にFacebook側が審査を行います。しかし、広告ポリシーに準拠していないと判断されてしまうと、審査落ちが生じてしまいます。審査落ちとは、広告が承認されず、広告が掲載されないことです。
運用時に審査落ちを避けるには、Facebook広告の広告ポリシーをしっかりと理解することが重要となります。まずは、重視したいポイントを絞ってみていきましょう。
- Instagramのコミュニティ規定に違反している
- 情報を故意に隠している
- 30個ある「禁止コンテンツ」のいずれか該当している
- 性別や人種などに基づく差別的な内容が含まれている
- 成人向けコンテンツに該当する
- 商標や著作権侵害が起きている
- 暴力的・衝撃的な内容が含まれる
- 13個ある制限事項に抵触している
- 動画が過度に目立ちすぎる
より詳細に広告ポリシーについて知りたい方は、以下のFacebookの公式サイトを確認してください。
参考:広告ポリシー
画像クリエイティブにテキストが20%以上含まれていないか
画像クリエイティブに、ロゴを含めたテキストが20%以上含まれていることで、広告効果が低くなる場合があります。
そもそも、少し前までは画像のクリエイティブに20%以上テキストがあると広告を出稿できませんでした。しかし、そのルールが改定され、テキストを自由に挿入できるようになったのです。
そのため、20%以上をテキストが占めていても問題はありません。ただ、Facebookではこのように表記されています。
画像内のテキストを20%未満に抑えると、パフォーマンスが高くなることがわかっています。これを踏まえ、メッセージが効果的に伝わるように明確で簡潔な短いテキストを使うことをおすすめします。
参考:広告画像のテキストについて:Facebook for Business|ビジネスヘルプセンター
Facebookの調査によれば、広告の画像内にあるロゴを含めたテキストが20%未満の広告の方が、広告成果が高くなることが分かっています。
しかし、Instagram広告において、画像内テキスト量が多いクリエイティブを利用している企業もあるため、テキストが20%未満だからと言って、必ずしも成果が上がるとは限りません。
ですので、まずは自由にテキストを含め、ロゴの大きさや文字のサイズ、フォントが、ユーザーの目にどのように映るのか効果検証を行いましょう。その上で、画像テキスト20%以内の場合の効果を比較すると良いでしょう。
また、より多くの内容を説明したいときは、説明文の欄を活用するのもおすすめです。フィード広告なら125文字まで、省略されずに広告に表示されます。
文章内容にも注意が必要です。入力した文に、個人の特徴を明らかにするような内容や、不快感を覚えるような言葉、虚偽に繋がるような内容が含まれていると、審査落ちに繋がります。出稿前には、必ず広告の品質に関わるテキストも見直してみましょう。
クリエイティブに人物を利用している場合は肌を露出しすぎていないか
使用感などを伝えるために、クリエイティブに人物を利用する際は、肌の露出度やポーズに注意しましょう。
Facebookの広告ポリシーでは、性的な意味合いはなくとも、上記のようなヌードの暗示、肌や胸の谷間、腹部や臀部など体の個別の部位を大きく表示する内容の掲載が禁じられているためです。
また、性的に挑発するポーズもポリシー違反に当たり審査落ちしてしまう可能性があります。人物をクリエイティブに起用する際は、体の個別の部位を強調するようなポーズになっていないか、肌の露出度が高すぎていないか、チェックした上で使用しましょう。
効果を誇張するような表現や画像を使用していないか
引用:広告の品質とパフォーマンスを高めるために避けるべき広告の特徴:Facebook for Business|ビジネスヘルプセンター
広告に誤解を招くような主張を含めることは、広告ポリシーに違反し、審査落ちしてしまう可能性があります。
- これを飲めば一カ月で髪が生えます!
- 10キロ必ず痩せます!
- 必ず病気が治る!
また、クリエイティブに上記のような誤解を招く表現を含めることも禁止です。たとえば、サイズの合わないズボンを痩せた人がはいている画像は、ダイエットによる減量を暗示していると判断されます。つまり、ビフォーアフターを活用した広告はInstagram広告では利用できません。
広告のリンク先とクリエイティブの内容が一致しているか
クリエイティブの内容と、クリック後に到達する自社サイトやLPなど、リンク先の内容が一致していない場合も、審査落ちに繋がる可能性があります。
Facebook広告のポリシーにおいて、誤解を招くような表示がある広告は違反にあたるためです。
たとえば、極端な例ではありますが、クリエイティブでは化粧水の宣伝、クリック先のLPはサプリメントの販売ページ、という違いがあると審査落ちする可能性が高いです。ユーザーが広告に期待する内容が、クリック先のページで得られるように心がけましょう。
また、広告をクリックするとアンケートが始まるような広告や、アプリのダウンロードページへ移動する広告も注意が必要です。広告にクリックした後、ユーザーの誤解に繋がる可能性があると考えられます。リンク先に設定する場合は、広告に合わせたリンク先を指定するようにしましょう。
広告のリンク先のページにエラー表示が出ていないか
広告のリンク先に設定するランディングページは、その内容も含めて審査の対象となります。したがって、リンク先のページにエラーが起きたり、内容が未完成だったりすると、広告の品質が低いと判断され、審査に落ちる可能性があります。
広告のリンク先にランディングページや自社サイトを設定する際には、次の5つのポイントをもう一度確認してみましょう。
- コンテンツがほとんど登録されていない
- オリジナルコンテンツがない
- 宣伝の内容しか表示されていない
- リンク先の内容をすべて読むために何回もクリックを要求する
- 誤解を招く表現が含まれる
まとめ
Instagram広告の運用を行う際は、PDCAをスピーディーに回し、クリエイティブの効果を継続的に検証・改善しつつ、機械学習の最適化のためにできるだけ早くデータを蓄積させることが重要です。
成果のあがるクリエイティブを作るには、組み合わせを数パターン作成したり、UCGを活用してクリエイティブを投稿風にしたり、さまざまな方法があります。また、Facebookの広告ポリシーに抵触していないか、しっかり確認することも重要です。
今回紹介したInstagram広告の運用の見直しに活かせる考え方や、効果の出やすいクリエイティブのコツ、審査落ちを防ぐ5つのポイントを参考に、Instagram広告の運用成果をあげていきましょう。
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