LINE公式アカウントは無料で月1,000通のメッセージ配信が可能です。
そのほかにも新規顧客の獲得やリピーターの獲得に活用できる様々な機能を無料で使うことができます。
本記事では、LINE公式アカウントは無料でどんな機能が使えるのか、有料と無料の違いを解説します。
目次
- 無料プランでも使えるLINE公式アカウントの機能
- LINE公式アカウントの無料活用事例16選
- 友だちの属性で絞り込めるセグメント配信
- 効果の比較を行えるA/Bテストメッセージ
- 配信数通指定でメッセージの配信数を調整
- LINE VOOM投稿は無制限に利用可能
- 1対1でコミュニケーションがとれるチャット機能は無制限に利用可能
- 自動でメッセージを返信してくれる自動応答/スマートチャットも完全無料
- 画像や動画を組み合わせたリッチメッセージも無料で利用可能
- カードタイプメッセージで複数の情報を分かりやすく配信可能
- 動画によって多くの情報を一度に伝えられるリッチビデオメッセージ
- LINE@では有料だったトーク画面下部に表示されるリッチメニューも完全無料
- LINE公式アカウント上でクーポンを発行
- ショップカードは無料で枚数の制限なく発行可能
- プロフィールに掲載する項目を無料で選択可能
- アンケートや投票をユーザーに依頼できるリサーチ機能も利用可能
- 無料でもさまざまな数値を分析可能
- LINEコールで、テキストでは伝わりにくい説明を口頭で説明可能
- LINE公式アカウントの有料プランと無料プランの違い
- アカウント種別によっても選べるプランは同じ
- まとめ
無料プランでも使えるLINE公式アカウントの機能
アカウントの開設する際の初期費用は無料で、月々のプランには次の3種類があります。無料プランでは、月1,000通のメッセージ配信が可能です。
- フリープラン:無料
- ライトプラン:月5,000円
- スタンダードプラン:月15,000円
ここでは、無料のプランでも使える機能やおすすめの便利機能、申し込み後に使えるオプションの機能をご紹介します。もちろん、これらの機能は無料プラン以外でも利用可能な機能です。
無料のプランでも使える基本機能と便利機能
無料のプランでも使うことができる機能は次の通りです。
【基本機能】
- メッセージ配信
- セグメント配信
- A/Bテストメッセージ
【便利機能】
- 配信数通指定
- タイムライン投稿
- チャット機能
- 自動応答/スマートチャット
- リッチメッセージ
- カードタイプメッセージ
- リッチビデオメッセージ
- リッチメニュー
- クーポン
- ショップカード
- プロフィール
- リサーチ
- 分析
- LINEコール
紹介した機能のうち、以下の5つの機能はPCブラウザ版の「LINE Official Account Manager」のみ利用可能です。スマホアプリ版では利用ができないので注意してください。
- リサーチ機能
- リッチメニュー
- リッチメッセージ
- リッチビデオメッセージ
- カードタイプメッセージ
基本機能と便利機能は全てのプランで利用可能ですが、オプション機能はどのプランを選んだとしても別途申し込みが必要です。また、オプション機能には有料のものもあります。自社で行いたい施策や予算を確認し、必要に応じて導入してみてください。
LINE公式アカウントの無料活用事例16選
それでは、無料プランでも使える機能を具体的にビジネスにどう活用するのか16の例を解説していきます。
ここで紹介する使い方は、すべて無料で使用できます。それぞれの機能を無料で効率的に使うためのコツも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
友だちの属性で絞り込めるセグメント配信
セグメント配信は、友だちの属性で絞り込みをしてメッセージを配信できる機能です。必要のないメッセージを送ることを避け、メッセージ配信数の節約にもなるセグメント配信は、LINE公式アカウントを無料で使う上で役に立ちます。
例えば、絞り込み配信によって、友だちにとって関係のない情報を送ることを避けられるので、ブロックの回避に役立つというメリットがあります。
絞り込みの属性は、友だち期間、性別、年齢、利用しているOS(iOS、Androidなど)、エリアの5つです。例えば、案内したい内容によって「30代 × 男性 × 関東地方」のみにメッセージを送ることができます。このように、メッセージの配信数を抑えられるでしょう。
セグメント配信については以下の記事に詳しくまとめています。
参考:LINE公式アカウント運用に欠かせないセグメント配信とは?活用のメリットと流れを解説
効果の比較を行えるA/Bテストメッセージ
A/Bテストメッセージとは、複数のメッセージ内容を作成し、特定の割合のユーザーに配信し効果の比較を行うものです。分析結果を確認し、最もパフォーマンスが良かったメッセージを残りのユーザーに配信することも可能です。
ただし、A/Bテストメッセージを作成するにはターゲットリーチが5,000人以上必要です。
参考:A/Bテストメッセージ|LINE for Business
配信数通指定でメッセージの配信数を調整
メッセージの配信先を「すべての友だち」か「属性の絞り込み」で選択し、予算に合わせて配信メッセージ数を指定できる機能です。配信先はランダムで選ばれます。
配信数通指定の機能を積極的に活用することで、メッセージの配信数を調整することができます。ただし、配信先「属性の絞り込み」では50通以下の通数指定はできません。
LINE VOOM投稿は無制限に利用可能
LINE公式アカウントのLINE VOOM(旧:タイムライン)に文章や画像などを投稿できる機能です。無料プランでも追加料金なしで無制限に投稿することができます。
友だちになっていないユーザーも投稿を見ることができるため、広く企業・店舗の情報を知ってもらうチャンスが期待できます。
1対1でコミュニケーションがとれるチャット機能は無制限に利用可能
チャット機能(LINEチャット)は、友だちになっているユーザーと1対1で個別にコミュニケーションが取れる機能です。無料プランでの月1,000通のメッセージ配信数にはカウントされないので、無料で無制限に利用することができます。
また、LINEチャットでのやりとりは、無料でユーザーと密なコミュニケーションが取れるため、新規顧客やリピーターの獲得、顧客満足度の向上が期待できます。
注意点は、企業・店舗側から先にメッセージを送ることはできず、ユーザーから先にメッセージを送ってもらう必要があることです。LINEチャットを受け付けていることをタイムラインやメッセージ配信で上手く周知し、気軽にユーザーに問い合わせをしてもらえるよう工夫してみましょう。
自動でメッセージを返信してくれる自動応答/スマートチャットも完全無料
友だちから送られてきたメッセージに対して、自動でメッセージを返信してくれる機能です。課金対象としてカウントされないメッセージなので、完全無料で利用できます。
自動応答には、「応答メッセージ」と「AI応答メッセージ」があります。応答メッセージとは、ユーザーから送られたメッセージに含まれる、ある「キーワード」に対し、どのような内容を返信するかをあらかじめ管理画面上で設定し自動応答するものです。
一方のAI応答メッセージでは、ユーザーからのメッセージの内容を、AIが判別して適切なメッセージを返信します。
さらに、「スマートチャット」と呼ばれる機能では、AI応答メッセージと手動応答を併用することで、難しい内容のメッセージには手動でメッセージを返信できます。それぞれの特徴を把握できたら、それぞれを使い分けみてください。
画像や動画を組み合わせたリッチメッセージも無料で利用可能
リッチメッセージとは、メッセージに画像や動画を組み合わせる機能です。テキストのみのメッセージよりインパクトがあるので、ユーザーにより効果的に情報を伝えられます。以前のLINE@では有料プランでしか使用できませんでしたが、現在のLINE公式アカウントでは無料プランでも利用可能となっています。
リッチメッセージは、下の画像のように1つのエリアを最大6分割することができ、それぞれのエリアに対して画像とURLを一つずつ設定できます。
1つのリッチメッセージの中で複数の情報を見やすく配信することができるので、メッセージ配信数の節約も可能です。
カードタイプメッセージで複数の情報を分かりやすく配信可能
ユーザーがスワイプすることで複数の画像を入れ替えて表示させることができる「カルーセル形式」で複数枚のカードを配信できるメッセージです。
以下の4種類のカードタイプに情報を入力するだけで簡単にカードタイプメッセージを作成することができます。
- プロダクト(製品の紹介に適したタイプ)
- ロケーション(店舗や物件の紹介に適したタイプ)
- パーソン(人物の紹介に適したタイプ)
- イメージ(画像の訴求に適したタイプ)
リッチメッセージと同様、1つのメッセージの中で複数の情報を分かりやすく配信することができるので、メッセージ配信数を節約することにも役立ちます。
動画によって多くの情報を一度に伝えられるリッチビデオメッセージ
自動再生される動画をメッセージとして配信する機能です。リンク先を設定し、動画を見終わったユーザーを外部サイトへ誘導することもできます。配信する動画は、自社で作成するほか、制作会社へ依頼することも可能です。
このリッチビデオメッセージは、動画によってより多くの情報を一度に伝えることができるので、うまく活用すればメッセージ配信数の節約にも役立つでしょう。
LINE@では有料だったトーク画面下部に表示されるリッチメニューも完全無料
リッチメニューとは、ユーザーがLINE公式アカウントのトーク画面を開いた際に、画面下部に大きく開いて表示されるメニューのことです。画面上での面積が大きく、ユーザーの注意をひくことが期待できます。
リッチメニューも以前のLINE@の無料プランでは利用できませんでした。しかし、現在のLINE公式アカウントでは無料プランでも利用可能で、有料プランとの機能差もありません。
リッチメニューはトークの画面内に常に表示されるため、定期的にメニューの内容を見直してみましょう。期間限定のクーポンやショップカードを掲載するなど活用方法はさまざまなので、ユーザーのニーズに合わせてメニューを設定してみてください。
LINE公式アカウント上でクーポンを発行
LINE公式アカウント上でクーポンを発行できる機能です。来店促進につながるほか、クーポンを開封した人数、クーポンを利用した人数、年代、性別、居住地などの属性を分析することも可能です。また、分析した結果は、よりニーズに応えられるようなクーポンを作る際の参考にもなります。
ショップカードは無料で枚数の制限なく発行可能
LINEアカウント上でショップカードを作成・発⾏できる機能です。紙のショップカードの場合、ユーザーが紛失したり忘れたりすることがあります。LINE公式アカウントではアカウント上にショップカードを作ることができるため、ユーザーにとっても便利な機能でしょう。
また、無料で枚数の制限なくショップカードを発行することができるので、紙のショップカードを作成する費用も節約することができます。
さらに、ショップカードを活用すると、店頭でのショップカード作成をきっかけにLINE公式アカウントの友だち追加をしてもらうことができます。そのため、友だちの人数を増やすことにも役立つはずです。
プロフィールに掲載する項目を無料で選択可能
LINE公式アカウントのプロフィールページには、企業・店舗の営業時間や電話番号などの基本情報以外にも、お店の写真やクーポンなど、さまざまな情報を載せることができます。また、2020年4月からは、デリバリーやテイクアウトの情報も記載できるようになりました。
プロフィールの内容を充実させると、来店促進のほか、ユーザーが問い合わせをしやすくなるなどのメリットがあるので、ぜひ活用してみてください。
アンケートや投票をユーザーに依頼できるリサーチ機能も利用可能
LINE公式アカウントのリサーチ機能は、ユーザーへアンケートや投票を依頼することでユーザーの生の声や意見を集めることができる機能です。例えば、人気メニュー投票や満足度のアンケートなどを実施し、結果をサービス向上に役立てることができます。
なお、リサーチ機能のうち「LINEリサーチ」は別のサービスとなります。LINEリサーチは、友だち以外の一般的なLINEユーザーがリサーチ対象で、金額は9,800円〜となります。それに対し、LINE公式アカウントのリサーチ機能は、無料プランで利用可能です。
参考:LINEリサーチ|LINE for Business
LINE公式アカウントの新機能「リサーチ」をリリース!インタラクティブなコンテンツが配信可能に!|LINE for Business
アカウント満足度調査の結果を運用計画に活かす
リサーチ機能の一部に、アカウントに対する友だちの満足度を無料で調査する「アカウント満足度調査」という機能があります。満足度は「NPS®」というスコアを使って測定可能です。
測定した結果を、次のメッセージの内容やキャンペーンなどの運用計画に活かすと良いでしょう。
NPS®とは「Net Promoter Score®(ネットプロモータースコア)」の略で、顧客ロイヤルティを測る指標です。
「あなたはこのLINE公式アカウントを友人や同僚に薦める可能性は、どのくらいありますか?」という質問に対し、0~10の評価をつけてもらうことで測定されます。
無料でもさまざまな数値を分析可能
友だちの追加数やブロック数、メッセージの開封率、タイムライン投稿のインプレッション数、クリック数などさまざまな数値を確認できる機能が「分析」です。
例えば、メッセージの開封率やクリック数のデータから、メッセージの配信時間や内容は適切だったかを分析し、見直すことによりメッセージ配信の効果を高めることができます。他にも、タイムラインのインプレッション数を確認し、どのような投稿がユーザに見られているのかなど、ユーザーのニーズを把握することも可能です。
より効果的にLINE公式アカウントの運用していくために、定期的にさまざまな数値を分析すると良いでしょう。
LINEコールで、テキストでは伝わりにくい説明を口頭で説明可能
LINEコールは、LINE公式アカウントの無料通話機能です。ユーザーがLINE公式アカウントに無料でLINE電話をかけることができます。チャットでのやりとりだけでは伝わりにくいことを口頭で説明することができるため、よりスムーズなコミュニケーションが可能です。
LINEコールは無料プランでも利用できますが、LINEコールの着信を店舗の電話に転送できる機能は有料プラン(ライトプラン/スタンダードプラン)でのみ利用可能となっています。
LINE公式アカウントの有料プランと無料プランの違い
有料プランと無料プランの違いはメッセージ配信数です。課金対象としてカウントされるメッセージの種類なども解説します。
有料プランでも無料プランでも使える機能は同じ
料金プランによる機能差はありません。無料プラン(フリープラン)を選んだ場合でも、有料プランであるライトプラン・スタンダードプランと同じ機能を使えます。
有料プランと無料プランの違いはメッセージの配信数
有料プランと無料プランの違いは、1ヶ月に送ることができる「メッセージの配信数」です。ただし、月単位での料金プラン変更も可能なため、配信数によってこまめにプランを変更することで費用も抑えることも可能です。
次に、各プランのメッセージ配信数について紹介します。
有料プランと無料プランのメッセージ数の違い
無料プランでは、月1,000通のメッセージ配信が可能です。
有料プランとの違いは2つあり、追加メッセージを送ることができないことと、配信メッセージ数が余ったとしても月をまたいで持ち越すことができないことです。したがって、1ヶ月に1,001通以上のメッセージを送るには、有料プランに切り替える必要があります。
また、2つの有料プランでは、無料配信分(ライトプランは15,000通、スタンダードプランは45,000通)を超えた場合、有料で追加のメッセージ配信が可能です。
追加メッセージの料金は、ライトプランは1通5円の固定、スタンダードプランは追加配信数が多ければ多いほど1通あたりの単価が下がる料金体系になっていて、1通あたりの上限は3円です。
課金対象となるメッセージは2種類
LINE公式アカウントにはさまざまなメッセージ機能がありますが、課金対象としてカウントされるメッセージは以下の通りです。
- メッセージ配信
- Messaging APIの「Push API」「Multicast API」「Broadcast API」
ちなみに、メッセージ配信については、3吹き出しまでを1メッセージとカウントします。吹き出しを上手く活用し、1メッセージの中に伝えたい情報を盛り込むとメッセージの配信回数を節約できます。
なお、以下のメッセージは課金対象としてカウントされないため無料で活用できます。
- LINEチャット
- 応答メッセージ
- AI応答メッセージ
- あいさつメッセージ
- Messaging APIの「Reply API」
参考:【公式】LINE公式アカウントの運用費用は?料金プランを解説!
アカウント種別によっても選べるプランは同じ
LINE公式アカウントには、「認証済アカウント」と「未認証アカウント」があります。アカウントの種別にかかわらず選べるプランは同じです。
「認証済アカウント」とは、LINEの審査を通過したアカウントで、「未認証アカウント」とは、個人法人を問わず、審査なしで作成できるアカウントです。なお、認証済アカウントの申請、審査は無料です。
ここでは、認証済アカウントの運用による数多くのメリットを紹介します。
認証済アカウントにするメリット
認証済アカウントに変わると、以下のようなメリットがあります。
- 認証済アカウントのバッジ(青色)が付与される
- LINEアプリ内のアカウント(友だち)検索結果に表示される
- 販促用ポスターデータが無料でダウンロードできる
- POPなど、友だち集めに有効なノベルティが発注できる
- 支払い方法として、クレジットカードに加えて請求書決済が選択可能になる
- 有料で「友だち追加広告」が出稿できる
友だちの数を増やすために効果的な機能が多いので、友だちを増やしていきたい場合は認証済アカウントへの変更を申請することをおすすめします。
参考:【公式】LINE認証済アカウントの開設方法|特徴や機能、未認証アカウントとの違い
まとめ
LINE公式アカウントは、無料プランでも有料プランでも使える機能に差がありません。無料プランと有料プランの違いは1ヶ月に送ることのできるメッセージの配信数で、無料プランは1ヶ月に1,000通までのメッセージを送ることが可能です。
また、さまざまな機能を効率よく使えば、メッセージ配信数の調整や、限られたメッセージ配信数で効果的にメッセージを送ることも可能です。
無料で利用可能な数多くの機能を積極的に活用すれば、無料プランでも集客アップや顧客満足度の向上は十分期待できます。本記事を参考に、セグメント配信を利用したり、リッチメッセージなどを使い複数の情報を1つのメッセージにまとめたりして、自社のLINE公式アカウントを効果的に運用してみてください。