リスティング広告は運用代行すべき?メリットや費用相場を詳しく解説

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リスティング広告やディスプレイ広告の運用における課題として、

  • 社内リソースがひっ迫している
  • 人材育成が進まず属人化している
  • 効果改善が思うようにできない

といったものをよく目にします。

このような課題をお感じの皆様は、このまま自社で運用を続けるべきなのか、外部の運用代行会社に委託するのかお悩みなのではないでしょうか。

筆者の結論は、外部の運用代行会社に委託することを検討すべきです。自社運用は、自社にリスティング広告に詳しい人がおり、かつ運用リソースが十分に確保できる場合に限り実行可能です。これを満たすケースは多くなく、ほとんどのケースで何かしら運用代行会社に委託する必要があります。

しかし、現場の現状と、会社としての優先度をしっかり見極めてからでないと、せっかく費用をかけて外部に依頼をしても、結果的に委託しないほうが良かったということも起こりえます。運用会社にしてほしいことは何か、また運用会社がそれを提供してくれるのかきちんと確認できていないと、委託先を選び直すか、結局また自分たちで運用することになります。

本記事では、50社以上の広告代理店・運用代行会社を支援してきた筆者の経験から、タイプ別の自社・外部運用の選択方法や、安心して任せられる運用代行会社の選び方までお伝えします。あなたに合ったリスティング広告の運用代行会社探しの参考にしてください。

この記事のご覧の方には代理店で二次代行を探している方もいるのではないでしょうか。
代理店であっても、運用やレポート、シミュレーション作成など、代行できるパートはあるので、積極的に活用し戦略立案・設計にリソースを寄せることをお勧めします。

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リスティング広告運用代行会社にお願いできること

運用業務を委託するかを判断する前に、リスティング広告の運用代行会社には何がお願いできるのかを把握しましょう。リスティング広告の運用には、主に以下の業務があります。

  • アカウント開設
  • 広告の目的、KGI・KPIの策定
  • アカウント構成の作成
  • 入稿
  • 入札
  • 予算、進捗管理
  • レポート作成
  • 改善提案

これら全て委託することが可能です。

ただし、「広告の目的、KGI・KPIの策定」は外部に丸投げするのではなく、委託先とすり合わせながら進めていくべきでしょう。

ターゲットユーザーや商材の強み・弱み、自社環境や外部環境などの貴方のビジネスの情報は、当然貴方の方が詳しいはずです。これらの情報を正しく委託先に伝えることで、認識の共有ができ、意思の疎通もスムーズに行うことができます。


【タイプ別】リスティング広告の自社運用・外部運用(委託)の選び方

何をリスティング広告運用代行会社にできるか把握できたところで、続いて自社運用・外部運用どちらを選択すべきか解説していきます。

リスティング広告を自社運用するか、外部運用(委託)するかを選択する上で、自社の状況把握と課題を整理し、何を自社で行い、何を外部に委託すべきか決めることが重要です。しかし、外部委託の経験が十分でないと、その整理や判断は難しいと思います。

そこで今回は、質問に「はい」or「いいえ」で答えるだけで、あなたが自社運用すべきか、外部委託すべきか判断できるチャート図をご用意しました。

まずはリスティング広告に詳しい人がいるのかいないのかで分岐します。
次に、社内にリスティング広告を運用するリソースが十分なのか足りないのかで分岐します。

たったこれだけです。あなたの会社にリスティング広告に詳しい人がおり、さらにその人を含めて運用リソースが十分に確保できる場合に限り、自社での運用をオススメします。

それ以外の場合には、何かしらの形で運用会社への委託をすべきです。

ではなぜそう言えるのか、外部委託のメリットから探っていきたいと思います。


運用代行会社にリスティング広告を委託するメリット

1. 広告運用担当者の作業が減り、他業務に時間を使える

運用代行会社にリスティング広告を委託することで、広告運用担当者の作業が減り、今まで作業に割かれていた時間を運用の改善リスティング広告以外の業務にあてることができます。

リスティング広告はアカウント構成や広告文の作成、入稿、レポート作成など様々な作業が発生するため、運用するアカウント数が多くなればなるほど広告運用担当者の作業負担が大きくなります。

作業負担が大きくなれば、改善提案などのコア業務に掛けられる時間が減り、顧客の満足度も下がってしまいます。

運用会社に移管する場合は、今まで行っていた作業の引継ぎやコミュニケーションフローを構築しておかないと、対応漏れなどがでてくる可能性もあるため、引継ぎ漏れがないよう気を付けましょう。

2.社内に広告運用の知見がなくても委託先で対応してもらえる

広告運用会社は運用経験が豊富な人材が多いので、運用を依頼する側がリスティング広告に詳しくない場合でも、意図を汲み取って対応してくれます。

リスティング広告の運用知識がない状態から始めることはかなりハードルが高いと言えます。

管理画面を見ながら設定したものの、規定を把握しておらず広告審査が通らなかったり、思っていた設定と違う配信をしてしまっていたりと、失敗した経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

広告運用会社は、審査規定をしっかり把握していますし、配信設定に問題がないか確認する体制も整っているため、安心して任せることができます。

運用会社に委託する場合は、対応領域に応じて費用が変わることもあるため、どこまで対応してもらえるのか、どういったことに費用がかかるのかは事前に確認しておくと良いでしょう。

3. 最新情報が得やすいため、最適な運用改善ができる

運用を委託する会社がYahoo!やGoogleなどの認定代理店である場合は、リスティング広告の最新の情報を常に入手できる環境にあるため、案件に応じて最適な運用方法を提案をしてもらうことができます。

ネット上にはリスティング広告の様々な記事がありますが、情報が古かったり、場合によっては内容が間違っているといったこともあり、最新の正しい情報を集めるにも労力がかかります。

しかし、認定代理店には媒体側から最新の情報が優先して伝えられるため、代理店を通じてその最新情報を得ることができます。


リスティング広告運用代行の費用・相場

一般的に、リスティング広告の手数料は広告費の20%、というのが相場になっています。この比率が代行会社によっては変動することがありますが、多くがこの費用体系となっています。

月額予算が30万円を下回るような少額予算の場合は、30%以上の率を設定されたり、月額固定方式にして実質的に比率を上げている場合もあります。

その他にも、運用代行会社によっては、初期費用固定費、○○円以上の場合は××といったレンジが設けられていることもあります。

また費用を確認する際には、契約期間も一緒に確認しましょう。

何かしら問題があり解約したいとなったときに、最低契約期間が6ヶ月なのですぐには解約できないということもあります。その場合、実質的に費用が多く掛かってしまいます。


運用代行会社選びでのチェックポイント

外部委託のメリットについて見てきました。外部委託のメリットが得られなくても大丈夫な場合、つまり運用リソースもノウハウも十分に自社にある場合のみ自社運用を選択すべきでしょう。

続いて本章では、それ以外の運用会社に委託するパターンの方向けに、運用代行会社選びのチェックポイントをお伝えします。

0. 自社の課題を整理し、自社と外部の役割分担を明確にする

まずは現状把握をすることが何よりも大切です。目標と課題を改めて整理し、自社内でやるべきことと、外部に委託しても問題ないことを切り分け、より効率的に目標達成できるようにしましょう。

役割分担を明確化していないと、誰が何をやるのかがあやふやになるため、「相手がやってくれていると思っていた」といったことが生じ、業務の漏れが発生する可能性があるので注意が必要です。

一般的に多い役割分担で切り分け方は下記のような内容になります。

■広告代理店の場合
社内:提案資料作成、シミュレーション作成、顧客への提案、顧客との定例会、運用指示
運用会社:アカウント開設、入稿、入札、予算管理、レポート作成など

■事業会社の場合
社内:社内報告、営業、マーケティング活動、広告運用方針確定など
運用会社:アカウント開設、入稿、入札、予算管理、レポート作成、改善提案など

1. Yahoo!認定パートナー(広告代理店の場合)を検討

Yahoo!認定パートナーとは、媒体が定めた基準をクリアした代理店だけがなることができるもので、出稿経験が豊富である代理店とも言えます。Yahoo!認定パートナーの代理店ならではのノウハウを活かし、様々な提案をすることが可能ですので、運用会社が認定パートナーであるかどうかを基準にするのも一つです。

ただし、広告出稿金額によっては対応してもらえない場合もあるので、事前に費用面はきちんと調べておくことをおすすめします。

参考:セールスパートナー 一覧|Yahoo!JAPANマーケティングソリューション

2. 運用会社のサイトやブログを見る

運用会社のサイトやブログでは、様々なことが情報発信されています。自社の強みは何なのか、どういったことを日々考えて運用しているのかなどを知ることができます。

運用依頼をする前に、まずはサイトやブログがあるかを確認し、自分が委託したい事項を対応してもらえそうか、考え方に相違はないかなどをチェックしておいたほうが、後から「思っていたのと違っていた」ということもなくせます。

3. 運用手数料、初期費用などの費用を確認

前章で述べた通り、リスティング広告の手数料は広告費の20%、というのが一般的な相場になっています。そのため、会社によって費用が大きく違ってくることは少ないです。

しかし少しでも利益を増やすために、初期費用や設定代行費など、別で費用を設定しているケースもあります。

また固定費のケースもあり、その場合は実質的に広告費の何%に相当するのかを計算して、他社と横の比較をしておくと良いでしょう。

もちろん決して価格が安いから良いというわけではないので、自分たちがやってもらいたいことをきちんと対応してもらえるのか、請求される金額が内容に見合っているかなどをきちんと見極める必要があります。

4. 運用会社からの報告や日々のコミュニケーション方法

実際に運用が始まると、運用会社とのコミュニケーションがかなり重要になってきます。

運用会社に任せたから大丈夫という気持ちでいると、「実は配信されていなかった」「間違った内容で配信してしまっていた」といったことが後から発覚することもあります。

月1回の定例会で共有するのみといった会社もありますが、都度共有してもらった方がよいことも多々ありますので、何をどのタイミングで報告、相談してもらえるのかはきちんと確認しておきましょう。

5. 配信レポートフォーマットや頻度

配信結果を確認する方法はレポートが主になります。運用会社はレポートがテンプレート化されていることもありますので、自分が把握したい情報をレポートで出してもらえるかを確認してください。レポートを提出してもらう頻度も希望があれば事前に伝えておきましょう。

6. LPやバナー制作の対応

運用会社によってはLPやバナーの制作も対応している会社があります。クリエイティブやLPを含めたトータルでの運用改善を行ってもらえる事はメリットです。

しかしクリエイティブは広告効果に直結する部分でもあるので、クオリティはどの程度か、どういった実績があるか、費用面についてなどを把握してから、依頼するかを決めてください。

7. 契約期間について

契約期間は運用会社によって様々です。1ヶ月~の場合もあれば、最低半年、1年という縛りが設けられている場合もあります。運用会社に委託する上で、自社として契約期間に問題ないかどうかを事前にしっかり確認しましょう。


まとめ

リスティング広告を運用していくにあたり、運用作業負荷と効果改善のに頭を抱える会社も多いはずです。壁にぶつかった時に、自社内ですべてを解決しようとするのではなく、広告運用のプロフェッショナルである運用会社に広告の運用を委託するというのも一つの手段です。

自社で運用する場合、外部に委託する場合、どちらもメリット・デメリットが存在します。自分たちの状況と抱えている問題を解決するには何が有効なのかをまずは整理してください。

運用を委託する場合は、適正な価格で対応してほしいことをきちんとやってもらえるのかを事前に確認し、問い合わせて疑問点はすべて払拭させましょう。広告運用における最良のパートナーが見つかれば、社内リソース削減だけではなく売上拡大にも繋がります。

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