建前として地方創生を語る企業ではなく地域愛があふれる本音の8社

「地方創生に取り組む特色ある企業を知りたい!」と思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

しかしながら、地方創生を「補助金目当て」で掲げる企業や、「採用戦略」として理想のみを掲げる企業があるのも現状です。

今回の記事では6年間地方創生に取り組んできた筆者が、地方創生に取り組む企業の中から、「この企業のことだけは絶対に知っておいて欲しい」と思う企業を、厳選して8社ご紹介いたします。

ぜひ皆さんもこの記事を参考に、心からすごいと思える地方創生企業を見つけましょう。


目次

1.林業をアップデートし高付加価値化!限界集落に10%以上の移住者を呼び込む~エーゼロ株式会社~

「エーゼロ株式会社」は、人口約1500人,森林比率が95%以上の岡山県西粟倉村で、地方の起業家を育てる「ローカルベンチャー支援事業」と、原木の調達から加工・販売までを一貫して行う「自然資本事業」に取り組む企業です。

「原木を調達して販売する林業」から、「生産・加工・販売まで一貫した高付加価値の林業」へ。エーゼロ株式会社の事業は、今までの林業のモデルをアップデートし、自社で木材の加工を行い、地域資源に付加価値をつけて事業を行っている点が特徴的です。

林業っていうのは、そもそも長期的に地域を安定させる資産なのに、林業だけで地域経済を回しますってやっぱりバランスがおかしい。どんなに森林が大切でも、森林だけで地域の経済を作り出すことはできません。そんなそのごくあたりまえなことを認めようって思いました。
(中略)
つまり、森林と林業の未来を諦めないためにも、森林と林業に関連する儲かるビジネスを育てていかないといけないっていうことなんです。諦めないために、「短期的なビジネスとしての林業」は積極的に諦めるっていう。

(引用元)人づくりを起点に地域経済をリノベする新会社が誕生

(引用元)西粟倉村ホームページ

西粟倉村は「百年の森構想」というビジョンを掲げる町です。エーゼロ株式会社は、村役場、森林所有者、森林組合などと連携することにより、森林管理と森林利用の新たな仕組みも実現しています。

また、村役場と連携した「ローカルベンチャー支援事業」では、新規事業者の起業支援を行っています。結果として、岡山県西粟倉村という人口約1500人の町に、100人以上の移住者が訪れるようになり、30以上総額15億円ものローカルビジネスが生まれました。


「本物」の地方創生企業を見分ける3つのポイント

ご紹介した事例の「エーゼロ株式会社」のように、地方創生を掲げ、本気で取り組み成果を上げている会社には共通点があります。

1:独自の切り口・新規性…地域の課題解決に、独自の切り口やいままでに無い新規性がある

エーゼロ株式会社の取り組みは「林業のアップデート」と呼ばれており、これまでにない独自の視点があります。例えば、原木をそのまま輸出するだけではなく、自社で加工・販売まで手掛けることで、大きく付加価値を高めています。

このように、既存の枠組みにとらわれない、新規性・独自性が地方の停滞を打破する突破口になっているのです。

2:地域へのリスペクト…地域資源や文化に対する敬意がある。

エーゼロ株式会社は、ビジネスとして森林資源を利用するだけではありません。地方の自然や文化に対するリスペクトがあります。森林資源の保全や新規事業者のサポートを行っており、地元の団体からも受け入れられています。

このように、地方に対するリスペクトの姿勢が、地元の団体と連携して事業を進めていく上で、欠かせない要素になっているのです。

3:業績インパクト…儲かっている、持続性がある。

エーゼロ株式会社の事業は、補助金頼みの一過性の取り組みではなく、継続出来る収益性を持っています。西粟倉村では、持続的な経営を行っているエーゼロ株式会社が、新規事業者をサポートすることで、移住者が増え、更にエーゼロ株式会社も発展するという循環が起きています。

このように、事業を継続させることが、新規事業者の参入に繋がり、地方も事業も発展していく突破口となります。


こんな地方創生企業には要注意!3つのポイント

一方で、「地方創生を掲げ、本気で取り組み成果を上げている企業」と「地方創生を掲げるだけの企業」は何が違うのでしょうか?大きく分けて、3つの相違点があります。

1:国の補助金目当ての企業

例≫国から地方創生事業の採択を受けコンサルティングを行ったが、地方にネットワークがないため成果がイマイチでなかった。補助金が切れた途端に撤退してしまった。

→地元の団体から理解が得られず、事業としての収益性も足りていない事例です。

2:採用戦略として掲げているだけの企業

例≫人材採用のために地方創生を掲げているが、実際の業務は地方創生とは関わりのない内容ばかり。

→地域課題に対する独自の切り口がなく、地元の団体からも理解が得られていない事例です。

3:拠点を持っているだけの企業

例≫エリアパートナープログラムなど行っているが、全国に拠点があるだけで、実際に地方で働く人の支援などを行っているわけではない。

→地域課題に対する独自の切り口がなく、地元の団体からも理解が得られていない事例です。

この3つのポイントをチェックすれば、「地方創生を掲げるだけの企業」かどうかを見分けることが出来るので、ぜひ押さえておきましょう。


【厳選】紹介企業一覧

本章では、「地方創生を掲げ、本気で取り組み成果を上げている企業」の条件を満たし、かつ、「要注意のポイント」に当てはまらない、本当に心から応援したくなる地方創生企業をご紹介します。どれも独自の魅力に溢れた、最高の会社ばかりですので、ぜひご覧ください。

企業名事業内容特徴
1エーゼロ株式会社ローカルベンチャー育成事業、自然資本事業生産・加工・販売まで一貫した高付加価値の林業
2有限会社ひよこカンパニー養鶏業、飲食業、宿泊業付加価値を追求する養鶏スタイル
3株式会社いろどり農業「葉っぱ」をビジネスに活用し、新たな地場産業を創出
4株式会社風と土と地域づくり事業、人材育成事業離島の暮らしの中で学ぶ研修
5株式会社木楽舎情報・通信業人と人の関係性を繋ぎ「コト」を起こすメディア
6サツドラホールディングス株式会社ドラッグストア事業、地域マーケティング事業地域内のプラットフォームとなるドラッグストア
7株式会社CAMPFIREクラウドファンディング事業想いに共感した個人からお金が集まる仕組み
8ソウルドアウト株式会社Webマーケティング支援事業地方の中小ベンチャー企業に対面で向き合う広告代理店

以下の章では、残りの7社をご紹介します。


2.年間35万人が訪れる名所に!1個100円の卵が飛ぶように売れる~有限会社ひよこカンパニー~

「有限会社ひよこカンパニー」は、鳥取県八頭町で1個100円の卵「天美卵」を生産・販売している企業です。プリンなどの加工品開発やレストラン「大江の里自然牧場」の経営を行っており、2019年から農家民泊「OOE VALEY STAY」もオープンしています。

【独自の切り口・新規性】1個100円の卵をこだわり生産!養鶏場で育てないスタイルを確立

量産する養鶏スタイルから、付加価値を追求する養鶏スタイルへ。有限会社ひよこカンパニーは、ストレスのない環境でニワトリを育てる「平飼い」の方法で、飼料にも工夫することにより1個100円の高付加価値の卵「天美卵」を生産しています。

ケージの狭い仕切りの中に並んだ鶏が体をつつき合い、羽がぼろぼろになりながら卵を産み続ける姿に「工業製品のようだ」と失望した。転職した兵庫のひな鶏販売会社の営業先で、楽しそうに養鶏に取り組む農家との出会いが転機になった。飼料にこだわり愛情を持って仕事をする姿を見て再挑戦を決めた。

(引用元)毎日新聞山陰・この人/平飼い卵“本物”に自信/鳥取

自然豊かで広い土地がある地方ならではの強みを活かして、高付加価値の養鶏業を行っている点が特徴的です。

【地域へのリスペクト】豊かな自然を活かし、とことん良い卵を作る

鶏にとって最高の環境は、豊かな自然。大江ノ自然牧場の店舗をガラス張りにしている点や「多くの人に訪れてもらいたい」と観光客を呼び込んでいる背景には、八頭町大江地域に対するリスペクトがあります。

「私たち大江ノ郷自然牧場では、八頭の山々の美しさを再発見してもらうために、建物を全てガラス張りにして、緑豊かな中で食事ができるスペースがあります。街の中では絶対にできないことですし、この八頭という自然豊かなところだからこそ、できたことじゃないかなと思っています」

(引用元)「これからは地方の時代だと本当に思っています」 鳥取・八頭町で自然牧場を営む小原利一郎社長の「頭の中」

地方創生を掲げることはしない。豊かな自然に感謝するからこそ、とことん品質の良いものを作ることにこだわりを持ち、観光で訪れる方に喜んでもらうことを第一にした考え方が有限会社ひよこカンパニーにはあります。

【業績・インパクト】観光客ゼロの町から、年間35万人が訪れるまちへ

1994年創業のひよこカンパニーは、養鶏業から事業を開始。10年前は観光客0人だった八頭町大江地域が、今では年間35万人の観光客が訪れる地域になっています。


3.葉っぱの活用で年間2億5千万円の売上に!料亭専門のつまを生産する~株式会社いろどり~

「株式会社いろどり」は、徳島県勝浦郡上勝町で料亭などの料理に彩りを添える葉っぱ「つま物」を生産している企業。1999年から全国に先駆けて、つま物の生産管理にITを活用。地元のお年寄りが、スマホやタブレットを活用して、商品の受注などをしています。

【独自の切り口・新規性】葉っぱをビジネスに!ITを駆使して市場を創造

地方に当たり前にある「葉っぱ」をビジネスに活用。「つま物」の需要が伸びている点にいち早く着目し、市場に求められている葉っぱを効率的に販売できるようにITを用いて生産管理の仕組みを作った点が特徴的な点です。

「コンビニ店のシステムを参考にしました。個々の品目に付加価値をつけて、市場に求められる物を売っていくことを目指しました」「安い時に出してもダメなんです。必要なところに、必要なだけ、必要なときに出荷することが一番大切です」

(引用元)脚光をあびた“葉っぱビジネス”の今!

いち早く需要の情報をキャッチし、需要にピッタリ合う「つま物」を生産することで、他地域よりも高い単価で販売することが出来るようになりました。

【地域へのリスペクト】地元のおばあちゃんたちの力が、葉っぱビジネスの根底に

 葉っぱビジネスが成り立つのは、地元のおばあちゃんたちの力が大きいです。そして「株式会社いろどり」は、イキイキとおばあちゃんたちが働ける工夫をしています。生産者には品目別や生産者別、月別のデータも共有しています。

8時になったら、すぐに注文ボタンをクリック! 旬の人気商品は単価が高い分、狙っている人も多い。「早いもの勝ち」と言っても、ほとんどみんな、同時なんじゃないかしら。成功すると画面に大きく丸印と「成功」の文字が出るんですが、これが本当に嬉しくて。ドキドキしつつ、楽しみながらやっています。

(引用元)80歳でパソコン・タブレットを使いこなす「葉っぱビジネス」の達人おばあちゃん「100歳まで仕事を続けたい!」

楽しみながら「生きがいのように」働いている地元のおばあちゃんたちがいて、会社もそれに応えようと工夫する関係性が、葉っぱビジネスの根底にあります。

【業績・インパクト】年間2億5千万円の売上に!葉っぱビジネスが町の代表的な産業になっている

1986年にスタートした「葉っぱビジネス」の取り組みは、年間約2億5千万円の売上になっています。

「彩ビジネスがなく、上勝町が市町村合併をしていたら、今ごろ自治体として存続できていなかったかもしれません」

(引用元)脚光をあびた“葉っぱビジネス”の今!

葉っぱビジネスの存在が、自治体の存続にも大きなインパクトを与えている点もご紹介したいポイントです。


4.島根県海士町で、島を丸ごと使った教育事業に取り組む~株式会社 風と土と~

「株式会社 風と土と(旧巡りの輪)」は、地域×教育というテーマで地方創生の事例に上がることも多い島根県海士町で、島を丸ごと使った企業研修などを行っている企業です。海士町の自治体と連携し、「地域づくり事業」や「メディア事業」も行っています。

【独自の切り口・新規性】離島ならではの生活体験を、企業研修に応用

「株式会社 風と土と」が行う企業研修は、会議室で知識を詰め込むような研修ではありません。離島のありのままの暮らしの中で、その土地で農業や漁業、福祉事業などを営む生活者と接しながら、自分の大切にしたい価値観などを考える研修を行っています。

達成したい状態や成果があるからこそ、仕事は続けられます。自分と仕事と社会がどう関係しているかが分からず、自分と仕事が「切れている」状態だと仕事へのモチベーションがわかない、もしくは自己満足に終わってしまいます。
その点、海士町は規模が小さいので全体を捉えやすい。自分と仕事と社会の関係性がすぐ分かります。私自身も巡の環の仕事を通じて、自分のやる気や力の発揮につながっています。

(引用元)「地方再生」のモデルと注目を浴びた島根の島

自治体の規模が小さいことは、社会の全体像を捉えやすいという強みでもあります。大企業の視点と、田舎の視点を、両方持っているからこそ実現できる研修のカタチが海士町にはあります。

【地域へのリスペクト】覚悟を決めて移住、とことん地域に入り込む

地域に根差した上で外部の人を受け入れられる背景には、「株式会社風と土と」が10年前に海士町を訪れた時から大切にしている地域への関わり方があります。

私は海士町のことを知るために、移住して2年間は「外に出ない」と決めていました。島の外に出ない、外を見ない、メディアに出ない。半年間は隣の西ノ島さえ行かずに、ずっと海士町の人と毎晩のように飲みながらさまざまな話を聞かせてもらいました。祭りに参加したり、この地域に伝わる民謡や神楽を習ったりもしました。それが現在、地域イベントの運営や補助といった地域づくり事業につながってます。

(引用元)「地方再生」のモデルと注目を浴びた島根の島

まずは覚悟を決めて地域に関わり、徹底的に地域のことを知る。その上で、地元の方々が求めていることを担い、外部の人を繋げていく。地域の方々の考え方を第一に考え、とことん地域に入り込む姿勢があります。

【業績・インパクト】UIターン移住者が20%以上を占める地域へ

2008年に事業を立ち上げてから12年が経過、活動の結果として、Uターン(帰郷者)・Iターン(移住者)が増加しており、現在では2004年からのUIターン者が島の全人口の20%以上を占める地域になっています。


5.月10万部を売り上げる地方発地方メディア「ソトコト」を20年以上運営~株式会社木楽舎~

「株式会社木楽舎」は、「社会や環境がよくなって、そしておもしろい」をテーマにしたソーシャル&エコ・マガジン『ソトコト』を出版する企業です。スローライフ、ロハス、ソーシャル、ローカルなど、常に独自の視点とスタンスで社会を一歩リードするキーワードを発信しています。

【独自の切り口・新規性】地方発地方!関係性を繋ぐツールとしてのメディア

新しい情報を届けるだけの情報誌から、人と人の関係性を繋ぎ「コト」を起こすメディアへ。「ソトコト」は、地方で挑戦する人たちと繋がり続けることによって、これから起きる「面白そうな取り組み」を知ることが出来る点が特徴的です。

僕は編集者をやりながら編集者を辞めたと言っています。編集者が取材した時「また来ますね」と言っても実際は行かないですよね。だってもう終わったコンテンツですから。売るだけを考えたら、常に新しいものを取材対象にしなくてはいけない。でもそれは空々しいと思っていました。それよりも、こういういい町があって、そういう場所を探している人に届いてほしい、そこから何か生まれてほしいという価値観で記事を作りたい。だから僕はもう情報誌を作る編集者はやめて、関係を紡ぐ伝達者になろうと思いました。

(引用元)JIA Bulletin 2017年5月号/覗いてみました他人の流儀

創刊当時は「ロハス」を主なテーマとしていましたが、2011年の東日本大震災をきっかけに「ローカル」を中心的なテーマとしています。情報を伝えるだけでなく、人と人が繋がるきっかけを作るという視点が、特にオススメしたいポイントです。

【地域へのリスペクト】週5日を地方で暮らし、地方に繋がり続ける

ソトコトが地方の情報をいち早くキャッチし伝えられる背景には、徹底して現場を訪れる姿勢があります。

意識的に東京にいない生活にシフトしました。今は週に2日くらいしか東京にいません。残りは日本のローカルと言われる場所に行き、そこでたくさんの人と会って対話しています。

(引用元)JIA Bulletin 2017年5月号/覗いてみました他人の流儀

取材の時に地方を訪れるのではなく、普段から地方を訪れているからこそ、見つけられる「面白さ」がある。ソトコトが発信する情報の根底には、地方に徹底的に寄り添う姿勢があります。

【業績・インパクト】20年以上継続、月10万部を売り上げる雑誌へ

ソトコトは、1999年から20年以上読み続けられています。月間の発行部数は、約10万部となっています。また、社会の新しいトレンドとなるキーワードを生み出しており、「ロハス」や「ローカル」、「関係人口」といった言葉が浸透することによるインパクトもあります。


6.会員数180万人のポイントカード「EZOCA」で地域内コラボを生み出す~サツドラホールディングス株式会社~

「サツドラホールディングス株式会社」は、北海道でNo.2のシェアを誇るドラッグストア。道内に200店舗以上ある「ドラッグストア事業」や、道内限定ポイントカードEZOCAを活用した「地域マーケティング事業」などに取り組む企業です。

【独自の切り口・新規性】地域密着型ドラッグストアの強みを再定義!データ活用による地域マーケティング事業を展開

商品を販売するだけではなく、ドラッグストアだからこそ得られる「データ」を活用している点が、サツドラホールディングス株式会社の独自の切り口です。

「小売店の役割を考えた時に、地域ならではの良さを活かすためにどうしたら良いのかという発想から入りました。(一般的な)お店づくりの価値とは違う部分に目を向けた時に、必然的に、人、企業、自治体とあらゆるものが“つながる”ということを考えました。」

(引用元)【前編】北海道の「地域の価値」創出へ、スポーツの影響力も実感――リージョナルマーケティング代表取締役 富山浩樹氏

2014年に道内限定で使えるポイントカード「EZOCA」を導入し、現在会員登録者数は180万人以上、100社以上の企業が提携企業になっています。ドラッグストア事業だけでなく、データを活用した「地域マーケティング事業」や、連携企業とコラボした取り組みが特徴的です。

【地域へのリスペクト】道内の人と企業を繋ぐプラットフォームへ

「EZOCA」は単にポイントカードとしてお得に買い物できる価値を提供するものではありません。北海道の世帯普及率は約60%、180万人超にリーチするプラットフォームとなった特徴を活かし、道内のコミュニティや企業が繋がる際のプラットフォームになっています。

例えば、ママ友コミュニティがイベントを行いたいがスペースがない場合、そのスペースを提供できる企業とのマッチングを行い、コミュニティの活動を応援していくなどがあります。

「(EZOCAという)ポイントカードはあくまでも道具で、地域、企業、人をつなげていく機能をどんどんやっていこうとしています。コミュニティマネージャーの働きや手間がお金を生み出すわけではなく、地域での取り組みです」

(引用元)【前編】北海道の「地域の価値」創出へ、スポーツの影響力も実感――リージョナルマーケティング代表取締役 富山浩樹氏

「EZOCA」の事業を通じて、地方のコミュニティや企業が共に発展していくことを目指している点も、ご紹介したいポイントです。

【業績・インパクト】国内外200店舗以上のドラッグストアへ!

1972年にスーパーマーケットの一角にわずか15坪の小さな薬店として始まったサツドラホールディングス株式会社は、現在国内外に200店舗以上を出店する企業となっています。2020年3月地点での売上高は、約677億円。事業承継をした2代目社長の富山浩樹氏による挑戦が今も行われています。


7.110地域2700件以上のプロジェクトを支援する「FAAVO」を運営!~株式会社CAMPFIRE~

「株式会社CAMPFIRE」は、インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達するクラウドファンディング事業を行う企業です。2018年に「CAMPFIRE×Local」と地域密着型クラウドファンディング「FAAVO」が事業統合し、「FAAVO by CAMPFIRE」を運営しています。

【独自の切り口・新規性】想いにお金が集まる!新しい金融の形を提案

銀行やベンチャーキャピタルからお金を借りるしかないという既存の形を変え、想いさえあれば個人からお金が集まるという仕組みをつくった点が特徴的です。

地域に足をつけて生きる方々の、個々の「小さな物語」の集積こそが、地方創生の本質なのではないか。本当に大事なものは、実はすぐそばにあるのではないか。「小さな物語」を僕らはたくさん作っていきたい。

(引用元)「FAAVO by CAMPFIRE」開始に寄せて

「融資を受けるほどのリスクは取れないが、なんとか挑戦してみたい!」という方々の背中を押す仕組みとして、クラウドファンディングの事業はとても魅力的です。

【地域へのリスペクト】地域に特化するエリアオーナー制度

「FAAVO by CAMPFIRE」は、各都道府県にエリアオーナー制度を設けています。地域に根差している団体が顔を合わせて現地で相談に乗るため、エリア毎の課題にも向き合うことが出来ます。

起案者のすぐそばで相談できること、地域の魅力をより熱量高く表現できることを重視して、その土地にオーナーを置く「エリアオーナー制」を展開していきました。結果として、創業から1年の間に8つのエリアでオーナーが立ち上がってくれて、少しずつ地域に根ざしたプロジェクトが集まるようになっていきました。

(引用元)競合企業との共創を選んだ「FAAVO by CAMPFIRE」が考える真のユーザーファーストとは

これまで、自腹を切ってまちづくりを行っていた人や、アイディアはあるけれども、数万でも自腹で出すのはキツくて頓挫してしまっている人、そのような方々の問題を解消していくのが、クラウドファンディング業界におけるFAAVOの役割だと思っています。

(引用元)【エリアオーナー×行政】連携が大絶賛増加中!

地方の課題に最前線で向き合うプレイヤーたちを支援したいからこそ、現地で顔を合わせて相談に乗るという考え方が、エリアオーナー制度の根底にあります。

【業績・インパクト】110地域2700件以上のプロジェクトを支援

「FAAVO by CAMPFIRE」を使って、110地域でプロジェクトが生まれています。累計の流通額は約15億円。本当に資金が必要とされているプロジェクトに必要な資金が集まり、2700件以上のプロジェクトが立ち上がっています。


8.全国21拠点、対面で中小・ベンチャー企業のWebマーケ支援を行う~ソウルドアウト株式会社~

最後に手前味噌ではありますが、本記事を掲載しているWebマーケティングの情報メディア「LISKUL(リスクル)」を運営するソウルドアウト株式会社についてもご紹介します。「ソウルドアウト株式会社」は、地方の中小・ベンチャー企業のデジタルマーケティング支援を行っている企業です。北海道から九州まで21箇所の地方拠点を持ち、「対面」で中小・ベンチャー企業の課題解決に向き合っています。

【独自の切り口・新規性】大手・都市圏への集中が定石の広告代理ビジネスにおける「逆張り」

一般的に利益率の高い「大企業・都市圏」に集中することが定石と言われているWebの広告代理店業界で、「地方」の「中小ベンチャー企業」に「対面」で向き合うことを重視しています。

【地域へのリスペクト】対面・地域に溶け込むことを重視

地方は、都市部に比べて「最新の情報が届きにくい」という構造的な課題があります。ソウルドアウト株式会社は、地方の中小・ベンチャー企業と「対面」で向き合い、関係性を築いた上で、本当に求められている情報を伝えている点が特徴的です。

地方拠点の一つである、新潟県の営業所ではこんなエピソードがありました。

お客さんと一緒に畑行って、お風呂入って泊まって…みたいな。白菜とったり、収穫祭という催事を見て、「今年もたくさん実ってくれてありがとう」みたいなことに参加する・・・。こんな経験、ネット広告代理店の一社員ではなかなかできないと思って、楽しんで参加していました。

(中略)

Webについてお客さんと一緒に考えていると、「ああ、こんなことができるんですね」とわかってもらえて。そんな体験をして貰えると、お客さんがWeb自体を楽しめて、ドンドンWebに興味が湧いてきます。そうすると「こんなことできないの?」って返ってくるんですよ。例えば不動産会社からは、乗換案内のページに広告出せないの?と、逆に提案をもらったり。

(引用元)活躍しているからこそ、地方へ。新卒3年目が1人で新潟営業所を作りました | ソウルドアウト

専門的な知識を伝えるよりも先に、対面で向き合うことや地域に溶け込むことを重視しています。

【業績・インパクト】創業以来、10期連続で黒字経営かつ売上成長を実現

「ソウルドアウト株式会社」は、10期連続で黒字経営。2019年に東証一部に上場しています。「中小・ベンチャー企業向けの広告代理ビジネスは、儲かりにくい」という通説を打ち破り、成長を続けている点も特徴的です。

コロナウイルスによる環境変化にもいち早く対応し、フルリモート・フルフレックスの働き方を取り入れています。

「フルフレックスタイム制度」と「フルリモートワーク制度」を導入いたします。また、この制度の導入により、今後、高まっていくとみられる「地方や郊外に暮らしながらフルリモートで仕事をしたい」というニーズに対して、志願者の職種および専門性次第で応えていくことが可能となります。

(引用元)ソウルドアウトグループ、「フルフレックスタイム制度」および 上限日数を定めない「フルリモートワーク制度」を導入

「地方の中小・ベンチャー企業を本気で支えたい」と思う方大募集中!自社の採用ホームページもありますので、関心ある方はぜひアクセスしてみてください。
>>(PR)ソウルドアウト株式会社の採用ページはこちら


まとめ

今回は、筆者が絶対に知っておいてほしいと考えている「地方創生企業」を厳選して8社ご紹介いたしました。

地方創生に対する切り口はそれぞれ異なりますが、前提として地域に対するリスペクトがあり、独自性・新規性のあるビジネスモデルで収益性のある事業を行っている点は共通しています。ぜひ参考にしてみてください。

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