メンターシップとは 導入のメリットと 実施ステップまとめ

メンターシップとは、専門的な知識や経験が豊富な個人(メンター)が、別の個人(メンティー)の成長や課題解決を支援する関係性や制度を指します。

メンターシップを行うことで、メンティーの成長を促したり、課題を効率的に解決できるようになったりします。

しかし、具体的には何を支援すればよいのか、どのように進めたらよいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、メンターシップの基礎、メリット・デメリット、進め方、注意点などの情報を一挙に解説します。メンターシップの実施を検討中の方は、ぜひご一読ください。

目次


メンターシップとは、一般的にはベテランが若手にアドバイスを提供する関係のこと

メンターシップとは、経験豊富な個人(メンター)が、別の個人(メンティー)に対して、業務に関する専門知識や、社会的なスキル、キャリアなど指導やアドバイスを提供する関係のことです。

メンターシップを行うことでメンティーは自身の能力を効率的に向上したり、アドバイスを参考に意思決定を行うことが可能になります。

また、メンターにとっても、自身の知識や経験を共有することは、自身の成長や後続の育成による達成感をもたらします。

メンターシップの関係性に決まりはない

このプロセスは、メンティーの個人的および専門的成長を促進することを目的としていますが、個々のニーズや目的に合わせてカスタマイズされるため、両者の関係性はユニークであり、短期的なサポートから長期的な成長や発展に焦点を置くものが含まれます。

メンターシップは、知識を伝えるだけのものではなく、メンティーの自己認識を高めたり、長期的なキャリアパスを構築するための信頼関係に基づいたパートナーシップです。


メンターとメンティー

次にメンターシップのメンターとメンティーについて説明します。

メンターシップは、前述のとおり一般的には経験豊富なベテランが経験の浅い若手に技術などを伝えることが多いですが、経験値が同等の人同士で行うこともある柔軟性の高いプロセスです。

メンターとは

メンターとは、特定の分野において豊富な経験と知識を持ち、その専門性を活用してメンティーの成長をサポートする人のことです。

メンターは、メンティーに対して指導するだけでなく、アドバイスやサポートを提供したり、ともに目的や課題に向き合うことで信頼関係を築きながらメンティーのキャリアや個人的な発展を促進したりします。

メンターの主な種類と活動内容

メンターとメンティーの関係性は常にユニークですが、一般的には以下3種のカテゴリに分類することができます。

この分類は、あくまでも役割ベースの便宜上の分類であり、現実では2つ以上の役割を兼ねることも多々あります。

項目キャリアメンターライフメンターピアメンター
定義職業的発展やキャリアパスに関する支援を行う人個人的な成長や、生活の質向上に関する支援を行う人メンティーと年齢、経験、地位などが似ている人
活動内容スキル開発、キャリア指導、ネットワーキングの支援など個人的な発展、問題解決のサポート、ワークライフバランスに関するアドバイスなど相互学習、経験の共有、モチベーションの向上、共感と理解など
期間一般的に中~長期(キャリアに応じた持続的な関係)一般的に短~長期(個人のニーズや目標に応じて調整)一般的に短~中期(相互のニーズや状況次第)

キャリアメンター:キャリアの支援を行う人

キャリアメンターとは、メンティーの業務面での成長やキャリアパスに焦点を当てるメンターシップを構築する人のことです。

キャリアメンターは、業界や職にまつわる専門的な知識の共有や、スキル開発、ネットワーク構築の機会提供などを行います。

ライフメンター:個人の成長や生活の質向上を支援する人

ライフメンターとは、メンティーの個人的な成長や、生活の質や幸福感の向上に関するサポートを行う人のことです。

ライフメンターは、業務に限らない人生を豊かにするためのガイダンスや意思決定のサポートを提供します。

ピアメンター:相互学習を行う年齢や地位が似ている人

ピアメンターとは、ベテランが若手を支援するその他のメンターシップとは異なり、類似した年齢や経験、地位の人で相互サポートを行う人のことです。

ピアメンターシップでは、同じ環境や課題や経験に対する共感や、自身の成功体験に基づく実践的なアドバイスを互いに共有することで、

メンティーとは

メンティーとは、キャリアの発展や個人的な成長のために新たなスキルを習得したいと考えていたり、日常的な生活の質向上や特定の課題を克服したいと考えていたりする個人のことです。

メンターシップはメンティーにとって、新たな視点を得たり、キャリアの選択肢を広げる機会となります。

メンティーはメンターからの指導、アドバイス、サポートなどを積極的に受け入れることで、各々の目的達成に近づくことができます。

メンターシップの成功は、メンターとメンティーの相互作用とコミュニケーションに大きく依存しており、メンターシップの成功にはメンター側の理解だけでなく、両者の認識や期待の一致や、メンティー側の努力が必要不可欠です。


メンターシップ8つのメリット

メンターシップのメリットからご紹介します。

1.専門スキルと知識の獲得

知識や経験が豊富なメンターからの直接的な指導により、メンティーはスキルや知識を効率的に習得することができます。

2.キャリア成長の促進

メンティーは、キャリア形成に関するアドバイスを得ることで、キャリアの成長を加速させることができます。

3.ネットワークの拡大

メンティーは、新たな職業的機会や業界内のつながりを得ることができます。

4.自己認識の向上

メンティーは、客観的なフィードバックを得ることで自己認識を高められます。

5.問題解決能力の向上

メンティーは、メンターと共に課題に向き合うことで、効果的かつ効率的な解決策を見つけることができます。

6.モチベーションや自信の向上

メンティーは、メンターと課題を解決していくことで、モチベーションを高めたり、自信を得ることができます。

7.リーダーシップの開発

メンティーは、メンターシップの中から課題解決やアドバイスなどの若手支援の方法を学ぶことで、将来的なリーダーとしての資質を高めることができます。

8.キャリアの方向性の指針獲得

メンティーは、メンターシップを通じてキャリアの方向性を検討したり、長期的な計画を立てることができます。


メンターシップ4つのデメリット

メンターシップのデメリットについて紹介します。
メリットが多いメンターシップですが、適切なマッチングが成立しないと反発や依存といった思わぬ悪影響が出ることもあります。

1.期待や目標が一致しないとストレスを生む可能性がある

メンターとメンティーの期待や目標が一致しない場合には、メンターシップによってストレスを生んでしまう可能性があります。

2.メンターのリソースを消費する

メンターは基本的に自身の業務と並行してメンタリングを行うため、少なからず時間やエネルギーを消費します。

3.過度に依存する可能性がある

コミュニケーションを間違えると、過度の依存や、自立性の欠如を引き起こす可能性があります。

4.個人的な相性の不一致によるストレスを生む可能性がある

メンターとメンティーの個人的相性が悪いという場合には、メンターシップの関係が機能せず互いのストレスとなる可能性があります。


メンターシップの進め方8ステップ

次に、メンターシップの進め方について8ステップに分けて解説します。
メンターシップの進め方

1.目的と目標の設定

まずは、メンターシップの目的や、個別の目標を明確に設定しましょう。

この工程は、互いの期待をすり合わせるうえで非常に重要で、怠るとメンターシップが効果的に機能しません。

目標を設定する際には、代表的なフレームワーク「SMART」を用いるなどしてできるだけ具体的にしましょう。

SMARTとは

目標は、具体的で(Specific)、測定可能であり(Measurable)、達成可能であり(Achievable)、関連性があり(Relevant)、時間枠が定められた(Time-bound)ものを設定すべきであるというフレームワーク。

2.コミュニケーションと信頼関係の構築

目的と目標の設定が完了したら、定期的なミーティングを設定しましょう。

このミーティングの中で計画の策定や、進捗確認、評価、再調整などを継続的に行っていきます。

現場課題の解決策や、キャリア形成に関する関心事、その他生活面での相談など目的に応じたコミュニケーションを交わし、互いの信頼関係を構築しましょう。

3.具体的な計画の策定

次に、目標達成に向けた具体的な計画や行動項目を作成していきます。

計画を策定する際には、中長期で目標を達成するための大きな道筋だけでなく、中間のゴールを設定したり、具体的なネクストアクションを考えます。

このとき漠然とした方向性や道筋を設定するだけに留まってしまうと、メンティーがどのように動けばよいのか分からなくなってしまうこともあるので、必ず具体的な短期的アクションプランまで落とし込みましょう。

4.実施とフォローアップ

計画を策定したら、計画に基づいて活動を実施し、定期的なフォローアップを行いましょう。

基本的にはメンティー主導による学習や実践に対してフォローを行うことを心掛け、過度な教育を押し付けるようなことは控えましょう。

5.進捗評価とフィードバック

実施が開始したら、定期的に進捗を評価します。

予定より進んでいるのか、遅れているのか。また、その原因は何だと考えられるのか。もっと良くするにはどのようにすればよいと思うかなどのフィードバックを提供しましょう。

6.目標や計画の調整

次に、進捗や、目標、ニーズなどの変更に基づき、必要に応じて目標や計画を調整します。

進捗が予定よりも早いペースで進んでいる際にも、新たな学びや挑戦を取り入れるなど、計画を再考することで、よりより結果や、さらなる成長の加速につながります。

7.終了と次ステップへの移行

目標の達成が確認出来たらメンターシップの成果を振り返り、終了しましょう。

終了時にメンティーは、メンターシップから得た学びをもとに、次のステップを検討しましょう。

8.継続的なサポート

メンターシップという関係性が終了しても、個人間の関係が絶たれるわけではありません。

メンティーは必要に応じてメンターに相談したり、メンターはアドバイスを提供することで継続的に良好な関係性を築いていきましょう。


メンターシップを実施する際の2つの注意点

最後にメンターシップを実施する際の注意点を2つご紹介します。

これらの注意点は、メンターシップのメリットを打ち消しかねないものなので、失敗しないために必ずおさえておきましょう。

1.誤解や期待の不一致に注意する

メンターシップを行う際のコミュニケーションでは、誤解を生んだり、期待の不一致を起こさないように注意しましょう。

メンターシップにおける明確な目的と目標を設計できていないままにコミュニケーションをとると、誤解や期待の不一致を引き起こす可能性があります。

メンターとメンティーは、メンターシップの初期段階で互いの期待値を明確にし、合意した目標に基づいてサポートを実施することが重要です。

両者で定期的に進捗を確認したり、フィードバックを行ったり、課題や成功体験を共有することで、互いの理解を深めながら進めましょう。

2.プライバシーに配慮する

メンターシップを行う際には、メンティーのプライバシーに十分配慮しましょう。

メンターシップは、しばしばプライベートな話題やキャリアに関するデリケートな問題に触れるため、プライバシーへの配慮が不可欠です。

メンターとメンティーは、お互いの目的や求めるものを明確にするだけでなく、プライバシーの尊重や互いの境界線を明確にする必要があります。

具体的には、個人情報の取り扱い、話題の選択、そして相談内容の秘密保持などの点に留意し、信頼関係を築きながらオープンな対話を心掛けましょう。


まとめ

本記事では、メンターシップの基礎から、メリット・デメリット、進め方、注意点などについてご紹介しました。

メンターシップとは、経験豊富な個人(メンター)が、別の個人(メンティー)のキャリアや自己成長を支援する関係性のことです。

メンティーは、メンタリングを受けることにより効果的な課題解決方法を身に着けたり、効率的に成長することが期待できます。

メンターシップのメリットは、専門知識や技術の獲得だけでなく、モチベーションの向上や、自己認識の向上など多岐にわたります。

反面、マッチングや目標設定に不備があったりすると互いのストレスを生むような結果になることもあります。

メンターシップを行う際には、誤解や機体の不一致が起きないよう丁寧に目標を設定したり、個人情報を扱うのでプライバシーに配慮することを心掛けましょう。