PDCAという言葉はよく耳にしますが実際にPDCAを理解して、業務を改善できているビジネスパーソンは多くはありません。
PDCAの目的は「業務の改善」です。PDCAを正しく実践して業務を改善できるように、本記事では改めてPDCAの成功事例と失敗事例を通してPDCAの回し方を紹介します。
目次
そもそもPDCAとは?
そもそも「PDCA」とは「業務管理」や「業務の改善」をおこなうためのフレームワークです。知っている人も多いと思いますが、この章では改めて各部分を簡単に説明させていただきます。
「PLAN」
まずは目標設定です。ここがなければ何も始まりません。そして、その目標を達成するための行動計画作成を行います。
「DO」
設定した目標を実行するために行動していきます。業務を進めていくうちに計画案と違う内容もあると思います。計画が全てではないので大丈夫です。
「CHECK」
成果の測定、行動を実施した際の問題点や課題を上げましょう。失敗した部分は何故上手くいかなかったのか、成功した部分には何故上手くいったのかをここで分析します。
「ACTION」
CHECKで出た問題点や課題を元に改善案を作成して業務の改善を行います。常に改善を重ねて変化させていく事で日々業務の改善がされていきます。
上記の内容を続ける事で業務管理、改善をおこなうことができます。次の章では具体的な事例を紹介していきます。
効率的にPDCAを回す3つのポイント
では皆さんにPDCAの3つのポイントを簡単に紹介させていただきます。この3つのポイントを押さえるだけでPDCAの効果が大きく変わります。
1.計画は具体的に
PDCAが回らない一番の原因は計画を立てる段階に問題があることが多いです。計画、目標は具体的で明確な内容でないと計画とは言えません。「営業成績を戻そう」というよりも、「50件獲得件数を上げるために電話営業の時間を変えて30件電話しよう」の方が、目標と計画が具体的になっているので次の行動に移しやすく効率的に業務を進めることができます。
計画を立てる際には、現状分析をしてから達成するべき目標を明確(数字など)にして決めましょう。また、後で振り返った時に目標を達成しているか、していないか曖昧にならないように、期限を決めておくと具体的な目標設定ができます。
2.根本的な原因を探す
上手くいかなかったときには必ず原因があります。根本的な原因を見つけて改善を掛けなければ成果上げることができません。
そこでトヨタが行っている原因追究の方法を紹介します。方法はいたって簡単です。「WHYを5回繰り返す」ことです。WHYを5回繰り返すことで根本的な原因を発見できるため、活用している社員がたくさんいます。
3.改善案は定量的に
せっかく根本的な原因を見つけることができても改善案に反映されなければその労力も無駄になってしまいます。「明日はもっと営業電話をかけよう」と改善案を出してもどれくらい頑張れば良いのかわかりませんし、施策の効果を測ることもできません。
しかし「営業電話を10回増やそう」と定量的な改善案であれば何をどれくらいやれば良いのか、実際に実行した時にどれくらい行えば効果が出るのかを知ることができます。
上記の3つのPOINTをしっかりと押さえることでPDCAの効果が上がってきます、皆さんも早速使ってみましょう。
PDCAを回すと「業務改善」の効果がある
皆さんが一番気になる部分は実際に「どんな効果があるのか?」だと思います。PDCAには「業務改善」の効果があります。日々PDCAを回すことで同じミスを繰り返すことが無くなり、業務はどんどん改善されるので効率良く業務を行えるようになります。その結果、業績はどんどん伸びていきます。
逆にPDCAをまわせなければ同じミスを繰り返したり、業務が改善されずに業績が悪化していきます。デキるビジネスマンは自然と日々PDCAをまわして結果を残していきます。
「よし、PDCAをまわそう!」と思った人も多いと思うので、より効率的にPDCAをまわせるようにPDCAの注意点を3点記載しておきます。
PDCAを回すときの2つの注意点
1度のだけのPDCAを回しても効果は出ない
PDCAは1度回したのでは効果は出ません。何度も繰り返しおこなうことで徐々に「業務の改善」が行われていき効果が出てきます。日々の積み重ねが最終的に大きな成果につながっていきます。
悪かったことだけでなく、良かったことにも目を向ける
PDCAで悪かったことばかりが気になってきますが、PDCAは業務改善の手段です。ですので成功要因も大きなPOINTになってきます、悪いところを改善するのは大前提ですが良かったところを継続し、より伸ばしていくのも重要です。
当てはまる人は要注意!PDCAの失敗事例
失敗事例でポイントになってくる2点を先に説明しておきます。
1.計画を具体的に作れていない
2.上手くいかなかった根本的な原因を探れていない
主に上記のポイントが守れていないために、失敗となった事例を見ていきましょう。
営業3年目のAさんは月間営業件数が最近下がってきたので、PDCAを活用して営業成績を立て直すことにしました。まずは計画です。営業件数が下がっていたので下がる前の目標に戻せばいいと思い「営業件数を頑張って戻そう」と計画を立てました。
次は実行です。とりあえずAさんは営業件数を戻すために残業をしていつもより営業電話をしてみました。しかしなかなか上手くいきません。
その後、本日の振り返りを行いました。「何で計画が上手くいかなったのだろう?」Aさんはそう思いながら、今日できなかった部分を考え直しました。「まだ電話の件数が足りなかったのか」とAさんは思いました。
そこでAさんはもっと明日は改善をしようと思い、明日は今日よりもたくさん電話営業を掛けることにしました。この後、Aさんはなかなか営業件数が伸びませんでした。どうすれば効果的にPDCAを回せたのでしょうか。Aさんが失敗した理由を少し見ていきましょう。
Aさんが失敗した理由
まず、AさんのPLANには大きな問題点があります。計画を立てなかったことです。「営業件数を頑張って戻そう」と言って営業電話をよりかけるように残業をしただけでした。本来ならば期限を決め、「今月は先月よりも20件営業件数を増やそう」などと明確に目標を立て、そのためのスケジュールを組むべきでした。
また、その日の業務を改善しようと思った時に「何故上手くいかなったのか」をAさんは考えていませんでした。これでは原因がわからないままで改善することができないままです。では次に成功事例を見て修正しましょう。
参考:すぐ実践できる!テレアポで毎月1億円稼ぐ男が教えるテレアポのコツ
ポイントをおさえてまねしてみよう!PDCAの成功事例
是非、失敗事例との違いを探しながら見てみて下さい。有名企業トヨタのPDCAを元に作った内容です。
特にこの成功事例のポイントは2点あります。
1.計画が具体的に立てられている
2.上手くいかなかった原因を追究して改善をかける
上記が成功事例のポイントです。主にそこに注意しながら見てみましょう。
営業3年目のBさんは月間営業件数が下がってきたので、PDCAを活用して営業成績を立て直すことにしました。まずは計画です。計画を立てる前には現状の確認を行ました。件数が下がり始めたのは資料作成の仕事が増えたので電話営業の時間を夕方からに変えた時期からでした。
原因は電話を掛ける時間が悪いと気付いたので電話営業をする時間を昼に変えて30件の電話営業をしようと思い、計画と目標を具体的に作成し始めました。
BさんはPLANの作成が終わり、次は実行し始めました。計画通りに電話営業をお昼頃に集中して電話を30件掛けることにしました。今まではその時間に資料作成をしていたので資料作成を夕方にずらしました。Bさんはその日の業務終了後に振り返りを行いました。原因を追求するためにWHYを5回繰り返し次はどうすれば良いのか考えました。するとあることに気づきます。
前回より電話営業は上手くいきましたが、お昼頃なので、飲食業界は忙しくなかなか電話ができないと感じました。明日は飲食業界のクライアントには夕方に10件の営業電話をすることにしました。日々PDCAをまわしてしていくことで、その後Bさんは営業件数が改善されていきました。
何故Bさんは営業件数を改善することができたのでしょうか。Bさんの成功要因を少し見ていきましょう。
成功事例と失敗事例の違い
AさんとBさんの大きな違いはPLANです。BさんのPLANには現在の問題点はどこにあるのかしっかりと明確にした後に具体的な計画を作成していました。Aさんがただ営業電話を増やし残業したのに対し、Bさんは営業電話をするのが夕方になったことに原因があると考え、昼に30件電話しようと計画しました。
また、CHECKの部分でしっかりと業務を振り返るために「WHYを5回繰り返し」原因を突き止めた後に改善するために具体的な行動に落とし込んでいました。AさんとBさんの小さな行動の差が結果的に大きな差に繋がりました。
他にも失敗事例、成功事例を見ていただき、2つの事例の違いで気付いたことが多くあったと思います。他にもPDCAで成功した企業の成功事例を載せているので是非、ご覧ください。
参考:新人OLひなたと学ぶ どんな会社でも評価されるトヨタのPDCA 著:原 マサヒコ|amazon
PDCAに関するよくあるご質問
PDCAの回し方に役立つQ&Aをまとめています。
Q.PDCAを回す際に計画を具体的に立てるにはどうすれば良いですか?
A.計画を立てる際には、現状分析を行い、目標を具体的に設定することが重要です。たとえば「50件の成約を達成するために、毎日30件の電話をかける」などの行動計画を立てることが効果的です。
Q.PDCAを実施する際、改善策を定量的にするにはどうすれば良いですか?
A.改善策を定量化するためには、数値目標を設定することが重要です。たとえば「営業電話を10件増やす」といった具体的な指標を設けることで、進捗を評価しやすくなります。
Q.PDCAの失敗事例から学べることは何ですか?
A.失敗の原因としては、計画が具体的でないことや、根本的な原因分析が不足していることが多いです。明確な目標設定と問題原因の追究が成功の鍵です。
Q.PDCAを効率的に回すための注意点は何ですか?
A.PDCAは繰り返し実行することで効果が出やすいです。また、成功事例にも目を向け、改善点を見つけて伸ばすことが重要です。
Q.PDCAを複数回実施するメリットは何ですか?
A.PDCAを繰り返し実施することで、継続的な業務改善が期待できます。複数回行うことで、問題点が明確になりやすくなります。
まとめ
冒頭でも話しましたが、PDCAを実際に使えているビジネスマンは多くありません。なのでPDCAを上手く使いこなすだけでも周りのビジネスマンより大きく差別化することができます。
「業務の改善」のために計画は具体的に立ててActionで根本的な原因を探し、改善案を定量的に作ることできっとあなたの業務は日々改善していくと思います。また、一度で終わらずにPDCAを回すことも忘れないようにしてください。続けることで、振り返った時に大きな成長を感じるでしょう。