Webマーケティング予算の決め方とその評価方法

広告主からよく相談を受けることのひとつに、「Webマーケティングの予算をいくら用意すればいいのか」があります。

いきなり予算と言われても、どんなふうに考えて決めるかわからない人も多いのではないでしょうか。また決めた予算が適切だったのか、自分で評価することも難しいです。

本記事は、Webマーケティング予算の決め方とその評価、についてご説明します。


最適予算の考え方

Webマーケティングにおいて、予算はいくらが適切でしょうか。わたしたちは、適切な予算のことを「最適予算」と呼んでいます。

最適予算とは、Webマーケティングにおいて「目的を達成するのに必要な費用」です。

例えば、達成するのに10万円必要なのであれば10万円が最適です。100万円必要であれば100万円が適切です。

そのため、最適予算は多い少ないではなく、何がしたいかによって変わります。まずは成し遂げたいこと何なのか、何を目的としてWebマーケティングを実施していくかを明確に定めていく必要があります。

Webマーケティングの5つの目的

Webマーケティングの目的はおもに次の5つに分けられます。

分類内容
1. コンテンツ課金一度の「会員登録」で継続的に課金される
2. 購買商品等をサイト上で「購買」する
3. 販売促進「資料請求」や「見積もり」により、その後の購買につなげる
4. 来店誘導「サイトの閲覧」をきっかけに、実店舗等へ誘導する
5. ブランディング「サイトの閲覧」をきっかけに、ブランド名を覚えてもらう

1.コンテンツ課金

会員登録やアプリのインストールが該当します。たとえば、無料のアプリインストール後にコンテンツを購入・閲覧するためにアプリ内で課金するようなモデルです。

その他にも月額会員などがあります。月額1,000円で動画や音楽が視聴し放題という、いわゆるサブスクリプションサービスとよばれるものも該当します。

2.購買

楽天やAmazon、Yahoo!ショッピングに代表される、ECサイトによる購買が該当します。

3.販売促進

資料請求や見積もりなど、実際の販売を促進するための行動を促すのが目的です。

例えばウェブ上で資料請求をしてもらい、店舗に訪問頂き契約をいただくようなモデルが該当します。その他は、キャンペーンの実施をお知らせするようなものもありますよね。

4.来店誘導

サイト訪問やアプリ利用をきっかけに実店舗へ誘導することが目的になっています。

5.ブランディング

広告を見てもらうことによって、ブランドの名前を覚えてもらい認知度を上げることを目的としています。

このように、広告を行う目的はこれらの5つのどれかに該当します。

何を目的とするかによって、設定すべき指標や予算は大きく変わってきます。まずはどの目的を成し遂げたいかを、きちんと押さえておきましょう。


目的に合わせた広告効果の指標

目的に合わせて、広告をはじめとしたWebマーティングに取り組んでいきます。その際に重要なのが、広告効果の指標です。

目的に合わせて設定していく指標を、それぞれみていきましょう。

インプレッション効果

いわゆる認知を獲得するため、たくさんの人に見てもらって知ってもらうことが目標です。そのため見ていく指標は表示回数やCPM(広告表示1,000回あたりの費用)を設定します。

トラフィック効果

Webサイトへの誘導が目的です。実際にどれくらいの数を誘導したかが重要になります。そのため見ていくべき指標は、クリック数やCPC(クリック単価、1回のクリックあたりの費用)が該当します。

レスポンス効果

例えば商品の購入や資料請求、申し込みなどのいわゆるコンバージョン数や、CPA(コンバージョン1件あたりの費用)が見るべき指標です。

広告効果に何を求めるかによって見るべき指標が変わってきます。また、予算の設定の仕方も広告に期待する効果によって変わりますので見ていきましょう。


広告効果に合わせた予算設定

まずはインプレッション効果からみていきましょう。

インプレッション効果を目的とした場合の費用

実際にどのぐらい広告を表示させたいのかがベースになります。どれくらい表示させるかによって得られる効果も変わってきます。

ブランディングだから単純に広告が出ればいいという曖昧な考えではなく、数値感を出すのがおすすめです。

目標表示回数にCPMを掛けることで費用が算出できます。(CPMは1,000回の広告表示に対して支払う費用のため、1,000で割ります。)

トラフィック効果を目的とした場合の費用

こちらも同じように、どれぐらい誘導させたいのかを明確にしないといけません。

合わせてクリック1回あたりの単価を掛け合わせることで費用が算出できます。CPCの算出には各媒体の見積もりツールを使用すると、ある程度の目安値を知ることができます。

代表的な見積もりツールは、Google広告のキーワードプランナーと、Yahoo!広告のキーワードアドバイスツールです。どちらもアカウントを取得すれば、誰でも使うことができます。

参考:キーワードプランナー|Google広告
   もう悩まない!キーワード選びはキーワードアドバイスツールにおまかせ!|Yahoo!広告

レスポンス効果を目的とした場合の費用

最終ゴールにどのくらい導きたいかの数、コンバージョン数(獲得数)を明確にしていきます。そのため、コンバージョン測定を実施する必要があります。

また、CPA(コンバージョン1件あたりの費用)を目標とするコンバージョン数に掛け算することで予算が算出できます。

このように求める効果によって指標が変わり、それに対していくらかけられるかで費用が定まります。


CPAの算出方法

それでは次に、CPAの算出方法について説明していきます。

今回は二つのビジネスモデルに着目し、CPAの算出方法をしっかり学んでいきましょう。

購買モデルのCPA算出方法

1つの商品の販売単価の内訳がどうなっているのか、大きく三つに分類していきます。

まずは「原価」です。仕入れや製造にかかるような費用です。

次が「販売管理費」です。サーバー代などが含まれていきます。

最後に表の一番上にあるのが「利益」です。実際にはCPAはこの「販売管理費」の中に広告費として含まれています。

目標CPA=販売単価-原価-広告費を除く販売管理費-残したい利益

つまり通販の場合にはきちんと利益を残すために、目標CPAは商品の価格構造から導き出す必要があります。

販売促進モデルのCPA算出方法

次に、販売促進モデルでのCPA算出方法をみていきましょう。

最終ゴールから逆算して考える必要があります。たとえば、最終的に月に15件の受注を獲得したいとなると、営業成約率から考えて月に30件の商談数が必要です。その商談数を得るためには、商談率から逆算して月に100県の資料請求が必要となります。さらに、資料請求のコンバージョン率から逆算すると必要なWebサイトへの訪問者数が算出できます。

また、CPAに関しても同様の考え方で、最終的なゴールから算出ができます。1件受注するのにCPA10万円での獲得が必要であれば、資料請求はCPA1.5万円以内で獲得する必要があるといった具合です。

商談率などが明確に分からない場合などは、先月や過去の数字を参考に仮でもいいので定めておきましょう。ここを定めておかないと、どこの数字が悪いのか、見誤っていたのか検証ができなくなってしまいます。

今回ご紹介した購買モデルと販売促進モデル、代表的なこの2つのCPAの求め方をしっかり理解して、実際のCPAがいくらかなのか計算していきましょう。


Webマーケティング実施時の注意点

CPAの算出方法をみてきましたが、1つだけ注意していただきたいと思います。

それは「目先のCPAに執着しない」ということです。

目標CPAに執着しすぎた悪い例をいくつかみていきましょう。

目標CPAに固執しすぎた悪い例1

クリック数が100、CPC120円で、1万2000円のコストがかかっており、1件のコンバージョンをCPA1万2000円獲得しています。こちらも目標CPAを超えるために停止をしてしまいました。

ただ、もしもう1件コンバージョン出たら、CPAは半額の6000円なります。

目標CPAに固執しすぎた悪い例2

こちらのケースでは、目標CPAが10,000円に対し15,000円の費用が掛かってしまったため、広告を停止しています。このケースの問題点は、クリック数がまだ少ない状況で検証の余地があるにも関わらず広告停止に至ってることです。

仮に1件でもコンバージョンが獲得できればコンバージョン率は2%です。初期にそれぐらいの見積もりが立てられていたのであれば、CPCが高いことがコストが高くなっている要因かもしれません。改善の余地があるかは検証する必要があります。

母数がまだ少ないのに判断してしまっていないか、考える必要がありますよね。

両方の例に共通するのは、改善を前提とした場合には「ある程度の母数が必要」ということです。目先のCPAにとらわれすぎてすぐ停止してしまうと検証がまったくできません。

検証できなければ改善もありません。ネット広告のいいところは、すぐに結果が出ることです。そのため、改善を前提として進めていく必要があります。

目標CPAに基づき停止の判断を上手くできた例

50クリックで300円で1万5000円かけてコンバージョンが出ていない状態でした。その後配信を継続し、300クリックを獲得することができました。ただ、コンバージョンが出たとしてもコンバージョン率は0.3%未満と非常に低く、それでも成果に繋がらないことが検証できて、はじめて停止することができます。

しっかりと母数を担保したうえで、改善しながら進められていないのであれば、それはまだ検証の余地があるということになります。

ではどのくらいの母数が必要なのか、各指標の目安値の考え方をご紹介します。

クリック数であればCVRから逆算して考えていきます。単純に1%と想定したのであれば、必要なクリックは100最低必要になります。2%であれば最低50クリックは必要ですね。0.5%であれば200クリックです。

検証に必要な母数がたまるまでは辛抱してください。CV数であれば数十件、最低でも10件ぐらいは必要でしょう。

このように予算を決めて検証をしていきますが、ある程度母数が必要になりますので、必要な母数を集め、検証した上でしっかり運用していただきたいと考えています。


まとめ

今回は、Webマーケティングの予算の決め方と、その評価という話をさせていただきました。予算は絶対的な正解はありませんが、ある程度ロジックを持って決めていただきたいと考えています。

それぞれ検証する術をしっかり持っていただき、目安とする。

そして、どんどん改善をしていき、どんどん予算を使ってしっかり売上を上げられるようになってもらえたら、すごく嬉しいです。