ウェビナーアンケートを取る方法と、回答率を100%に近づける4つのコツ

「ウェビナーでアンケートを取る方法が知りたい」「あまり回答が来なかったらどうしよう」とお悩みの方へ。

ウェビナーを開催する企業は増えています。しかし「アンケートをまだ取れていない」「反応が悪く、商談へなかなかつなげられない」と悩む企業も少なくありません。

ウェビナーアンケートは、質問内容によって基本情報のほかに見込み客を見つけたりセミナー内容のブラッシュアップにつなげたりするために、とても重要です。この記事では、ウェビナーアンケートを取る方法や質問例、注意点を解説します。


ウェビナーでアンケートを実施する2つの方法

ウェビナーでアンケートを実施する場合、以下の2つの方法があります。

・ウェビナーツールに搭載されたアンケート機能を使う
・外部のアンケートツールを使う

上記2つにはそれぞれ以下のメリットとデメリットがあります。

 ウェビナーツールのアンケート機能外部のアンケートツールを使う
メリット・操作に慣れたツールで使いやすい
・属人化しにくい
・初心者も始めやすい
・質問文や回答形式の種類が増える
・条件分岐など高度なアンケートも可能
・無料ツールならコストがかからない
デメリット・アンケートや回答方法に制限がある
・あまり複雑なアンケートは設定できない
・オプション費用が発生する場合がある
・初心者には向かない
・使うツールが増えて操作が複雑化する
・属人化しやすい

2つの手順の特長、メリットやデメリットは次で順番に解説します。それぞれの特性を知ったうえで、自社に合ったものを選ぶようにしましょう。

ウェビナーツールのアンケート機能

多くのウェビナーツールにはアンケート機能があります。質問文は企業が自由に決められるものが多く、アンケート形式もラジオボタンや複数選択形式など種類も増えてきました。

例えばウェビナーツールとしてメジャーとなったZoomでは、2020年8月からアンケート機能が追加されています。また今使っているウェビナーツールがあるなら機能をチェックして、アンケート機能があるか、またどのようなアンケートが取れるかを確認してみましょう。

メリット

一覧表でご紹介した通り、ウェビナーツールでアンケートを設定するメリットは使いやすくて属人化しにくい点があります。すでに利用しているウェビナーツールですから、別のツールでアンケートを設定して連携するよりも操作が簡単です。1つのツールで完結するので覚えやすく、属人化するリスクも大きくありません。

デメリット

ウェビナーツールのアンケート機能を使うデメリットは、アンケート形式に制限があり、別途費用が発生する可能性がある点です。

ウェビナーツールのメインはあくまでもウェビナーであり、アンケートはオプションといった扱いです。そのため回答方法に制限があったり条件分岐ができなかったりと、外部ツールに比べると多少の制限があります。

また、ウェビナーツールのアンケート機能は別途費用が発生する点も注意が必要です。

例えば前述した通りZoomではアンケート機能が追加され、自動集計もできます。しかしホストユーザーは、有料会員でなければアンケートを取るための「投票」という機能が利用できません。(Zoomの有料プランおよび料金は複数あります)また2021年6月時点で自由記述はできませんので、「○文字以内で自由に感想やご要望をお聞かせください」といった質問は不可となります。

外部のアンケート機能を使う

ウェビナーツールでセミナーを配信しておき、アンケートは外部ツールで別に準備して連携させることもできます。すでに利用しているウェビナーツールにアンケート機能がなかったり無料プランのまま使いたかったりする場合は、外部ツールを活用する方法がおすすめです。

外部ツールは有料に限らず、無料のものもあります。例えばGoogleフォームやMicrosoft Formsなら無料で利用でき、ウェビナーツールよりも詳細な質問設定が行えます。次でメリットとデメリットを解説しますので、ウェビナーツールのアンケート機能とどちらがいいかぜひ比較してください。

メリット

外部ツールを使うメリットは、ウェビナーツールのアンケート機能よりも豊富な質問文・回答方法を選べる点です。また回答した内容によって次の質問を変える条件分岐など、より高度なアンケートを行えます。

ウェビナー後のアンケートは、リードの発掘や潜在ニーズの深堀などにつながる貴重な情報源です。新たな商談のためにアンケートにこだわる企業も多く、高度な設定ができる外部ツールを好む企業も少なくありません。

デメリット

外部ツールを使うデメリットは、ウェビナーツールと連携させるために操作が複雑化する点です。

ツールにもよりますが、アンケートツールと外部ツールの2つを使いこなす必要があり、あまり初心者向きとはいえません。運用できる担当者が少なくなると、属人化するリスクもあります。

例えばZoomと外部アンケートツールを連携させる場合、まず外部ツールでアンケートフォームを作成します。

そしてそのアンケートフォームのコードをZoomの管理ページに埋め込む、という手順が必要です。ウェビナーツールとアンケートツールを行き来するため、必然的に覚えることも増えてしまいます。

しかしアンケートツールのコードは自動配信メールに添付したり、セミナーのチャット画面に貼り付けたりして回答を促すこともできます。ウェビナー導入を機に複数の担当者が操作方法を覚えておけば、別のアンケート調査で使うなど活用範囲が広がるでしょう。


ウェビナーアンケートで必要な準備

ウェビナーアンケートは、事前に以下のような準備が必要です。

  • 質問文を決める
  • 配信設定する
  • アンケート回答を促す方法について決めておく

質問文を決める

まずはどのような事を回答者に質問するか、その文章を決めておきます。しかし「とりあえず一般的なことを聞いておこう」と、当たり障りのないアンケートを取ることはおすすめしません。

見込み客を発掘したい・集客を強化したいなど目標を明確にし、その目標を達成するための質問文を設定しなくてはいけません。後ほど目的別の具体的な質問内容をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

配信設定する

ウェビナーツールでアンケートを取る場合も外部ツールと連携させる場合も、セミナー配信前にアンケートの配信設定を行っておきます。

基本的にウェビナーツールの管理画面で設定していきますが、もちろんツールごとに仕様が異なります。配信担当者は、事前に配信設定の手順を確認しておきましょう。

アンケート回答を促す方法について決めておく

ウェビナーのアンケートはただ配信するだけではなく、回答を促すことが大事です。セミナーを配信する前に、どのような方法で回答を促すか社内で決めておきましょう。回答を促すために、例えば以下のような方法があります。

  • ウェビナーの終盤で講師がアンケート回答をお願いする
  • チャット画面にてアンケート回答を促す
  • 配信後のお礼メールにアンケートフォームのURLを添付する

ウェビナーのアンケートは非対面のため信頼関係を築きにくく、アンケート回収率が低くなりがちです。回答率を上げるためには、上記のように回答を促すような工夫が必要となります。

ウェビナーでチャットの利用率が高いなら、チャット画面でアンケート回答をお願いすることで多くの人が気づいてくれるでしょう。セミナーの序盤や中盤は見落とされやすいので、終盤でのアナウンスがおすすめです。回答率を上げるためには、アンケートの存在や目的についていかに参加者に気づいてもらうかが重要となります。


【目的別】ウェビナーアンケートで設定したい質問事項

目的別に、ウェビナーアンケートで設定したい質問事例をご紹介します。長々と質問を設けると回答者に大きな負担をかけますので、必要な設問だけにして手短に終わるよう配慮が必要です。

ウェビナーアンケートでは、多くの企業が「どんな事を質問しよう?」と悩むものです。しかし質問を考える前に、まずはアンケートを取る目的をはっきりしなくてはいけません。「見込み客を見つけて商談へつなげたい」「集客に活かしたい」などの目的を明確にしておくと、回答しやすいシンプルなアンケートフォームが作成できますよ。

基本情報は必須項目

回答者の基本的な情報は必ず質問しましょう。具体的には、以下の項目が挙げられます。

  • 会社名
  • 部署名
  • 担当者の名前
  • 連絡先(電話番号・メールアドレス)

アンケート回答で優良な見込み客と判断したら、この基本情報を元に連絡することになります。連絡先も忘れずに設問項目に盛り込みましょう。

目的別の質問事項

ウェビナーアンケートでの質問事項について、目的別にそのまま使える質問例をご紹介します。目的は以下の4つに分けています。

  • 見込み客を発掘したい場合
  • 集客に活かしたい場合
  • セミナー内容をブラッシュアップしたい場合
  • 講師のスキルアップをしたい場合

順番にご紹介します。

見込み客を発掘したい場合

  • (製品名やサービス名)について知っていましたか?
  • (製品名やサービス名)に興味がありますか?
  • (製品名やサービス名)の導入予定はありますか?
  • (製品名やサービス名)について知りたい事はありますか?

リード獲得や商談につなげたいなら、上記の質問を盛り込んでみましょう。あくまでも、上記の「(製品名やサービス名)」はセミナー内で触れているものに限ります。セミナーに関係のない製品やサービス名について聞くと不自然になるので注意が必要です。

アンケートで製品やサービスについて「興味を持ってる」と回答したり、「知りたい事がある」と回答したりする人は優良な見込み客です。また、「すでに導入予定がある」と回答した人にもフォローが必要です。基本情報で回答した電話番号やメールアドレスになるべく早く連絡して、商談へとつなげましょう。

集客に活かしたい場合

  • セミナーを知ったきっかけを教えてください
  • セミナーに参加した動機を教えてください
  • 現在持っているお悩みを教えてください

実際にウェビナーに参加した回答者がどの媒体でウェビナーを知ったか把握すれば、次回の集客に活かすことができます。回答者がスムーズに答えられるように、SNS(Twitter、Instagram)、メルマガ、広告、公式HPなどチェックボックスを設定しておくといいでしょう。

意外とお金をかけた広告よりも、SNSやメルマガでウェビナーを知ったという人が多いかもしれません。セミナーを知ったきっかけを掴むことで、予算や時間の掛け方を最適化できるのです。

またウェビナー参加のきっかけや悩みを知ることも有益です。回答によってウェビナー参加者のターゲット像が明らかになり、次回の集客に活かせます。

セミナー内容をブラッシュアップしたい場合

  • ウェビナーで1番参考になった部分はどこですか?
  • 資料はわかりやすかったですか?
  • 他に聞きたいことはなかったですか?

ウェビナーの品質向上のためにも、内容についての質問はアンケートに盛り込みたいものです。参考になったと感じる部分を聞けば、次回のセミナー内容に活かすことができます。

回答者の声をもとにブラッシュアップできれば、より相手のニーズに合わせることができます。

講師のスキルアップをしたい場合

  • 講師が話すスピードや声の大きさは適切でしたか?
  • 専門用語やわかりにくい点はなかったですか?

講師のスキルアップに注力したいなら、上記の質問を盛り込んでみましょう。講師もウェビナーに不慣れな場合、話すスピードや声の大きさに改善が必要なこともあります。ぜひ回答者に直接聞き、素直な感想を得たいものです。


ウェビナーアンケートの回収率を100%に近づけるためのコツ

ただアンケートフォームを送るだけでは、ウェビナーアンケートはなかなか集まりません。回収率を100%に近づけるためには、以下の事を試してみましょう。

  • ノベルティなどインセンティブを提示する
  • セミナー資料・動画との交換条件にする
  • アンケートの目的を理解してもらう
  • アンケートの回答数や目安の所要時間を事前に伝える

特に顔が見えないウェビナーでは、アンケートの回収率が低いといわれています。回答率を上げるポイントは、回答者と開催側がWin-Winの状態にすることです。次で順番に解説します。

ノベルティなどインセンティブを提示する

企業ノベルティやギフト券といった特典の配布は、回答者のモチベーションに直結するため有効です。対面形式のアンケートと同じく、ノベルティを提示するとウェビナーアンケートでも回答を得やすくなります。

ただ企業ノベルティを新たに制作したりギフト券を準備したりすることは、当然ながらコストがかかります。予算やインセンティブの詳細、配布方法については、事前に社内での話し合いが必要です。

セミナー資料・動画との交換条件にする

当日のセミナー資料や動画も、アンケート回答者にとっては大きなインセンティブとなります。

そのためこれらを無条件に配布するのではなく、アンケート回答との交換条件にする方法もおすすめです。セミナー資料や動画であれば、ノベルティやギフト券に比べて大きなコストがかかりません。

当日セミナーで使用した資料を回答者のみ無料で配布するようにしておき、その旨をメルマガやウェビナー内でアナウンスしておきます。

「セミナーの資料だけは手元に置いておきたい」「後日ゆっくり動画を見直したい」と思う人は多いものです。そこでセミナー自体をアンケート回答のインセンティブにするのです。

セミナー資料のデータであれば、わざわざ郵送する必要もありません。ウェビナー受講後のお礼メールに添付しておけば自動送付されるので、メールを送る手間も省けます。

アンケートの目的を理解してもらう

ウェビナーアンケートへの回答をお願いするなら、アンケートを取る目的も明確に伝えておきましょう。回答者が目的を理解するとアンケート結果がどのように活用されるかわかるため、安心して回答できるようになります。

アンケートを開催する主な目的としては、「ウェビナー品質向上のため」「サービスや製品の品質向上のため」が挙げられます。

アンケート目的とは別に、電話番号や名前といった個人情報を収集する際はプライバシーポリシーを提示しなければいけません。プライバシーポリシーについては、後ほど解説します。

アンケートの回答数や目安の所要時間を事前に伝える

アンケート回答を促す時に、「質問は全部で○項目あり、およそ○分で終わります」など、回答数や目安となる所要時間を明確に伝えます。

それだけでも回答者は不安感が無くなり、「回答に時間がかかるのは面倒だ」と避けられることを防げるのです。

企業によっては、「たくさんの情報が欲しい」と長々とアンケートで質問してしまうことも少なくありません。

質問数が何十個もあれば当然回答に時間がかかり、回答者は嫌になってしまうのです。

そこで事前に「10問程度のアンケートで、5分程度で終わります」など回答数や所要時間を伝えておけば、「回答にどれくらい時間がかかるだろう」と心配する必要がありません。

それに加えてインセンティブがあれば、多くの人がアンケートに協力してくれるでしょう。


ウェビナーアンケートを配信する時の注意点

ウェビナーでアンケートを配信する時は、以下の3つの注意にしましょう。

  • プライバシーポリシーを提示して安心してもらう
  • アンケート結果は次回セミナーに活かす
  • 高評価を誘導するような内容は避ける

上記のポイントを押さえることで、アンケート回答率が上がったり有益なアンケート回答を得たりといった効果が期待できます。順番に解説します。

プライバシーポリシーを提示して安心してもらう

ウェビナーアンケートを取る際は、最初に個人情報の利用目的やその情報を使う範囲を「プライバシーポリシー」として明らかにしておきましょう。

プライバシーポリシーの下に「同意する」というボタンを設置すれば、相手の同意を得てからアンケートを始められます。

企業はどのようなシーンでも、個人情報を収集する時に利用目的を本人に伝えなくてはいけません。

ウェビナーアンケートでは名前や連絡先、メールアドレスといった個人情報を収集しますから、プライバシーポリシーの明記も必要です。

企業のモラルとして必要なことではありますが、提示することで相手に安心感を与えることにもつながります。

アンケート結果は次回セミナーに活かす

ウェビナーアンケートで得た結果は、できるだけ次回のセミナーに活かしましょう。アンケートによる顧客の声をくみ取ることでよりニーズを満たすことができ、顧客の満足度は高まるのです。

反対にデータを収集するだけでセミナー内容が改善しなければ、顧客の満足感は下がります。

アンケートで改善要望をずっと送っているのに変化がない状況が続けば、顧客離れが起きかねません。

さらに「単なるデータ集めでアンケートを取っているのではないか」「アンケートは形式的なもので、担当者は目を通していないのではないか」と不安を抱けば、企業への印象が悪くなるリスクもあります。

大事なことは、アンケート結果を無視しないことです。しかし無理な改善要望や相反する意見があれば、すべてに対応することはできません。

そんな時は、次回のセミナーや企業サイト、SNSの公式アカウントでアンケート結果の一部を公表しましょう。顧客は「自分の意見も届いているんだ」と感じることで、満足度や安心感につながります。

高評価を誘導するような内容は避ける

「毎回満足度が90%を超える当セミナーですが、満足度は何%でしたか?」など高評価を誘導するような質問は避けましょう。顧客は「操られている」と不信感を抱き、正確なアンケート結果を得られません。

ウェビナーアンケートは、顔が見えない顧客から忌憚のない意見を聞く大事な機会でもあります。このウェビナーアンケートでウェビナーの品質を高めるのはもちろん、顧客の潜在的なニーズを探ったり、企業へ期待していることを知ったりすることもあるのです。

だからこそ、企業はウェビナーアンケートで「率直な意見を聞かせてほしい」という姿勢が必要となります。高評価を誘導するような質問は避け、顧客の素直な意見に耳を傾けるようにしましょう。


まとめ

ウェビナーでアンケートを取りたい担当者に向けて、その方法と注意点、具体的な質問文をご紹介しました。この記事のポイントは以下の通りです。

  • ウェビナーアンケートには、ウェビナーツールを使う方法と外部ツールを使う方法の2つがある
  • 質問内容は目的を持って設定することが重要である
  • 個人情報を収集するならプライバシーポリシーの明記が必要である

昨今の事情からウェビナーを開催する企業は増えています。自社のウェビナーをよりよいものにして商談へつなげるためには、やはり顧客の意見が欠かせません。

ウェビナーアンケートを取って見込み客を発掘したり集客に活かしたりと、ぜひ業績アップのために活用してみましょう。