Web広告を活用して来店予約・試乗予約を増やしたいとお考えのカーディーラーは多いのではないのでしょうか?
一方で、Web広告は媒体やターゲティングの手法が多く、何から手掛ければ良いのか悩ましいところです。
カーディーラー向けのWeb広告は、検索連動型広告・リターゲティング広告・ディスプレイ広告(興味関心)という3つのメニューを宣伝したい車種に応じて組み合わせることをおすすめします。
筆者は広告代理店にて5年間広告運用業務に従事し、ディーラーを含む多様な店舗型のお客様を担当しておりました。その経験を基に、今回はこれらのメニューから何を選択すべきかを、状況別に分けて解説いたします。
初めてWeb広告を実施するディーラーが、「何のメニューをどのように配信すれば良いか」の正攻法を理解いただけるよう、本記事にて紹介していきます。
執筆者
江角 拓人(えすみ たくと)
SO Technologies株式会社 AG-Boost事業本部所属。web広告運用業務に6年間従事。月予算10万円から1,000万円超まで、またアパレル・サプリメント・店舗集客・学校系など、多様なご予算・業種のクライアントのweb広告コンサルタントとして伴走。その後は広告運用業務の知見を活かし、社内BPR/フロー改善活動・ノーコード開発・AG-Boostツール企画とシステムを駆使したweb広告提案・運用の仕組み化に携わる。(執筆記事一覧 )
目次
カーディーラーのWeb広告は「販売車種の認知度」で使い分ける
カーディーラーのWeb広告での来店戦略は販売する車種の認知度によって大きく変わってきます。「販売予定の車種がメジャーかマイナーか」を基準にWeb広告のメニューを調整してください。
既にメーカーでテレビCMが実施されていたりと充分に認知されているメジャーな車種の場合は、認知はメーカーに頼り、獲得に重きをおいたメニューを実施することが効果的です。
一方で、まだあまり認知のされていない車種を宣伝したい場合には、ディスプレイ広告で広く知ってもらう必要があります。
私の経験上、販売ランキングの上位50に入ってくるような車種はメジャーであると言えます。
ディーラーの保有する車種がメジャーな場合は検索連動型広告+リターゲティング広告
販売する車種の認知度が高い場合、検索連動型広告とリターゲティング広告を組み合わせて配信することをおすすめします。
車種がメジャーな場合は、比較検討や購入を検討しているユーザーを漏らさず獲得することが重要で、当メニューはそれにうってつけです。
広告予算の振り分けは【検索連動型広告:リターゲティング広告=5:5】からスタートが良いです。
検索連動型の方が低価格で予約獲得できるため、開始後に成果をみて1ヶ月に1度予算の差配をするイメージです。
なお、複数の車種をまとめて宣伝する場合においても、こちらのパターンで実施するのがベターです。
車種がマイナーな場合は検索連動型広告+ディスプレイ広告(興味関心)
車種がマイナーな場合は、認知施策が重要となってきます。
検索連動型広告とディスプレイ広告(興味関心)は【認知→興味→比較・検討→購入】のマーケティングファネルすべてに対応できるようなメニューセットとなります。
ディスプレイ広告で認知や興味を促し、検索連動型広告で比較・検討から購入まで導いてあげるようなイメージです。
一方で、リターゲティング広告は配信するユーザーリストが足りていないケースもあるため、配信をおすすめしません。
広告予算の振り分けは【検索連動型広告:ディスプレイ広告(興味関心)=3:7】からスタートが良いです。
検索連動型広告の方が低価格で予約獲得できますが、ユーザーの検索行動につなげるためにディスプレイ広告(興味・関心)の配信を充分に行う必要があります。開始後に成果をみて予算の差配をするイメージです。
検索連動型広告の実施ポイント
Yahoo! とGoogleの検索連動型広告の実施ポイントです。
検索連動型広告を実施する際には、クルマに興味を示しているユーザーに漏れなくアプローチすることが重要です。
以下の点を網羅するようにしてください。
1.ディーラー名を入れる
2.車種のキーワードを網羅する
3.車型のキーワードを入れる
4.商圏のみにエリア指定する
ポイント1.ディーラー名を入れる
ディーラーの固有名詞をフレーズ一致で登録してください。
・LISKULモーターズ 東京
・LISKULモーターズ 千代田
・LISKULモーターズ 有楽町
すぐに店舗に行きたいユーザーが検索するため、獲得の可能性が非常に高いです。
一方で、検索量は少ないため、配信の多くは他のキーワードに寄る傾向にあります。
ポイント2.車種 のキーワードを網羅する
車種の固有名詞をフレーズ一致で登録してください。
また、試乗や価格などのかけ合わせキーワードも有効なので併せて登録するとベターです。
・(車種)
・(車種) 試乗
・(車種) 価格
検索連動型広告を実施するときの、配信のメインとなります。
広告文にも車種名を入れることや、試乗を促す文言を入れることが有効です。
ポイント3.車型のキーワードを入れる
セダン、コンパクトカー、ミニバン、SUV、軽自動車 などの車型のキーワードをフレーズ一致で登録してください。
・セダン
・コンパクトカー
・ミニバン
ディーラー名、車種のキーワードを補足する役割にあたります。これらのキーワードと比較すると獲得は少ない傾向にあり、認知を補足するような役割となります。
ポイント4.商圏のみにエリア指定する
キーワードではないですが、必ずディーラーの商圏にエリア指定することを忘れないでください。設定を忘れてしまうとYahoo! とGoogleともに日本全国に配信されてしまうため、大幅な機会損失となります。
Yahoo! とGoogleは市区町村単位(場合によっては区単位)での指定が可能です。上の画像は実際の設定イメージです。
リターゲティング広告の実施ポイント
リターゲティング広告では「サイト来訪してからの日数」を意識することがポイントです。ユーザー、自動車価格、新車か中古車か、などさまざまな要因により、検討期間が大きく変わってきます。
広告媒体の設定項目に「サイト訪問から○○日まで」という設定ができるため、まずは30日・60日・90日とリストを分けて配信し、有効な日数を運用しながら見極めると良いです。
30日のリストでは来店予約があるが以降のリストで来店予約が無い場合は、60日・90日のリストは使用しないようにしていきます。90日のリストまで来店予約がつく場合は、180日までなど期間を延ばして検証をすすめてみましょう。
注意事項として、サイトを公開したての場合は、リターゲティングにあたるユーザーが少なく配信されない可能性があります。
配信されない場合の対処方法は、リストが溜まるまで待つか、検索広告で充分にサイト誘導することです。
Googleヘルプでは過去30日で100人以上のユーザーがサイトに来なければ配信されません。筆者の感覚としては1,000人程度の母数が集まれば安心です。
参考:オーディエンス マネージャーのオーディエンス セグメントについて – Google 広告 ヘルプ
ディスプレイ広告(興味関心)の実施ポイント
ディスプレイ広告(興味関心)の実施では、販促したい車のコンセプトに応じて、適切な興味関心項目を選ぶことが重要です。
・SUV → アウトドア、キャンプ、アクティビティ
・クラシックカー → インテリア好き、古着、アメカジファッション
上記のように、利用用途から連想ゲームのように、興味関心項目を選ぶと有効です。
キャンピングカーやオフロードカーのように用途が限定されている車種の場合は、一般的な「自動車」の項目よりも来店予約の効率が良い可能性があります。
設定時の注意事項として、必ず商圏のみにエリア指定を実施してください。忘れてしまうと、全国に配信されてしまうため、大きな機会損失となってしまいます。
まとめ
ディーラーがWeb広告を活用する際、プロモーションを行う車種の認知度によって取るべき施策が変わります。
メジャーな車種を販売する場合は「検索連動型広告+リターゲティング広告」の組み合わせが良いでしょう。一方マイナーな車種の場合は「検索連動型広告+ディスプレイ」の組み合わせがおすすめします。
検索連動型広告を実施する際はディーラー名を必ず入れましょう。また、車種・車型のキーワードも入れてください。
リターゲティング広告では「サイト来訪してからの日数」に分けて検証を進めていきます。ディスプレイ広告では車のコンセプトに応じて、適切な興味関心項目を選ぶことが大切です。
実施する広告メニューが決まったら、広告の配信と一緒に、Googleビジネスプロフィール対策(無料)をすることを強くお勧めします。
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