マーケティングオートメーション(MA)は近年、世界中でますます利用されるようになっています。本記事では、マーケティングオートメーション導入の検討材料を探している方に向けて、日本と海外、それぞれにおける市場規模とツールのシェア状況を解説します。
今後の展望もあわせて解説しますので、ぜひマーケティングオートメーション導入の参考にしてください。
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目次
マーケティングオートメーションの市場規模
まずは、日本と海外、それぞれにおけるマーケティングオートメーションの市場規模について説明します。
日本における市場規模
矢野経済研究所は、2017年8月から10月にかけて、デジタルマーケティングベンダーなどを対象とした、国内マーケティングオートメーション(MA)サービス市場の調査をおこないました。調査報告の中で同研究所は、MAサービスの2016年における市場規模が約245億円であり、2017年には301億超(前年比23%増)の見込みと発表しています。
今後はAIの活用によってデータ分析が速くなり、情報の鮮度が高まります。加えて、分析の精度も向上するため、マーケティングオートメーションサービスの利便性が高まると期待されています。このような背景によって、市場の拡大がいっそう進むものと見られています。
また、デジタルマーケティングのコンサルティングを手がけるNexal社は、2017年5月に国内33万社余りの企業サイトを対象として、Webサイトのクローリングによるマーケティングオートメーションツールの導入割合を調査しました。その結果、国内企業のMA導入率は0.5%、上場企業に限ると4.3%であるとの調査結果をまとめています。
導入の割合が高い業種は「情報通信・広告・マスコミ」「製造・機械」「卸売、小売業」が上位3グループとなり、この三者のみで全体の6割ほどを占めています。
参考:DMP(データマネジメントプラットフォーム)サービス市場/MA(マーケティングオートメーション)サービス市場に関する調査を実施(2017年) | 矢野経済研究所
2017年上期 国内33.3万社のMAツール実装調査 | Nexal
海外における市場規模
アメリカでは、マーケティングオートメーション(MA)システムの普及が、主にBtoB事業者の間で始まり、2000年代から本格的な広がりを見せています。
市場調査報告書を発行しているアメリカのコンサルティング会社であるMarketsandMarketsは、2014年10月にマーケティングオートメーションソフトの市場予測を発表しました。その中でアメリカにおける当該ソフトの市場規模は、2014年の約36億ドルから2019年には55億ドルにまで成長し、CAGR(年平均成長率)は8.55%に上昇すると予測しています。
また地域別では、北米地域が規模として最大の市場であり続け、あわせてラテンアメリカ地域で市場規模が拡大するであろうと予想しています。
2013年6月のAdobe社による約6億ドルでのNeolane社買収や、Marketo社による約2,000万ドルでのInsightera社買収などに見られるように、マーケティングオートメーションソフトベンダーは周辺のビジネス領域を取り込みながら、提供サービスと事業規模を広げています。
参考:Marketing Automation Software Market worth $5.5 Billion by 2019 | MarketsandMarkets(英語)
B2B Marketing Automation Platforms 2015:A Marketer’s Guide|digitalmarketingdepot.com(英語)
マーケティングオートメーションツールのシェア状況
ここでは、日本市場と海外市場のそれぞれにおいて、導入実績が多いツールを3種類ずつピックアップして紹介します。
日本のシェア状況
Nexal社による2017年の調査によると、日本国内で導入されているマーケティングオートメーションシステムの導入実績上位3製品は、以下のとおりです。
List Finder
株式会社イノベーションが提供する、BtoB企業への導入実績No.1をうたうマーケティングオートメーションツールで、月額料金は3万円台からと導入しやすい価格に設定されています。安心・安全なセキュリティ体制が特徴です。
Pardot
株式会社セールスフォース・ドットコムが提供するマーケティングオートメーションツールです。CRM(顧客管理)システムであるSales Cloudなど、同社が提供する他のシステムとの連携や、多面的な情報分析・顧客アプローチが可能です。月額料金は15万円からとなっています。
Marketo
アドビ株式会社が提供するマーケティングオートメーションツールで、BtoB・BtoCを問わず、世界39ヶ国6,000社以上の企業が導入しています。スコアリングやCRM連携にも対応しており、サポートが充実している点に定評があります。料金は利用するサービスにより変動するため、問い合わせが必要です。
Marketoでできることが知りたい方は以下の資料を参考にするとよいでしょう。
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参考:2017年上期 国内33.3万社のMAツール実装調査 | Nexal
海外のシェア状況
アメリカのデータ提供会社Datanyzeの調査によると、2019年2月時点で世界的に大きなシェアをもつマーケティングオートメーションツール3製品は、以下のとおりです。
Oracle Marketing Cloud
米国オラクル社が提供するマーケティングオートメーションツールです。2012年にマーケティングオートメーションシステムを業界に先駆けて開発していたEloqua社を、データベースの活用で実績のあるOracle社が買収したことによって誕生しました。
市場占有率は17%余りであり、世界でもっとも採用されているマーケティングオートメーションツールのひとつです。DMPとの連携によりデータをマーケティングに活用できることを強みとしています。
HubSpot
米国HubSpot社が提供するマーケティングオートメーションツールで、市場占有率は第1位のオラクル社にせまる16%余りとなっています。同社のサービスを利用してビジネスをおこなっている企業は、世界で56,500社もあります。フリープランが用意されているので、無料で各種ツールを試すことができます。
Adobe Marketing Cloud
AcrobatやPhotoshopなどのアプリケーションを展開するAdobe社提供のマーケティングオートメーションツールです。市場占有率は12%強で、AIとマシンラーニングを活用したAdobe Senseiによる顧客行動の動的な比較などを強みとしています。
参考:Marketing Automation Market Share Report | Datanyze(英語)
日本におけるマーケティングオートメーションの今後の展望
従来の日本の企業では、営業といえば飛び込み営業や電話を使ったスタイルが主流でした。しかし、インターネットが普及した近年では、日本でもマーケティングオートメーションの活用が進んでおり、海外製のみならず、日本製ツールの利用も増えています。
矢野経済研究所が2017年におこなった調査によると、データマネジメントプラットフォーム(DMP)/マーケティングオートメーション(MA)市場の規模は2017年の時点で301億円余りであるのに対し、2022年には530億円ほどと、5年で1.7倍以上に拡大すると見られています。
企業が、顧客ニーズをより的確に把握して応えていくためには、顧客行動を予測する優れたシステムが不可欠です。今後、マーケティングオートメーションサービスのさらなる支持拡大にはAIの積極活用が有用であると、同所のレポートは指摘しています。
AIの発展は、迅速なデータ分析で情報の鮮度を高めると同時に分析の精度も向上させます。これらの利点を活かすことで、マーケティングオートメーションサービスは顧客行動予測の精度を高められるようになり、今後はビッグデータの活用とあわせて、マーケティングオートメーション市場を拡大させる原動力になるものと見込まれます。
参考:2017年版 DMP/MA市場 ~デジタルマーケティング市場の現状とビジネス展望 | 矢野経済研究所
マーケティングオートメーションの継続率は96.7%
LISKUL編集部が200人にMAツールの調査を実施したところ、ツール継続率は96.7%、ツールを導入した90%が満足しているという結果が得られました。
MAツールにマーケティング活動の効率化や見込み顧客リードの獲得の高い期待値が寄せられる一方で、導入率は30%にとどまっています。(参考:マーケティングオートメーションに関する調査)
継続利用が前提のストック型のサービスであり、まだまだ導入の余地がある企業が多く残っており、市場の伸びしろがあります。
マーケティングオートメーションの市場規模やシェアに関するよくあるご質問
マーケティングオートメーションを検討中の方に役立つQ&Aをまとめています。
Q. マーケティングオートメーションの導入率はどのくらいですか?
A.マーケティングオートメーションの導入率は、企業の規模や業種により異なりますが、特にB2B企業での導入率が高い傾向があります。導入率は今後も増加する見込みです。
Q. マーケティングオートメーション市場の成長要因は何ですか?
A.市場の成長要因には、デジタルマーケティングの普及、顧客体験の重視、データ分析の重要性の増加などが挙げられます。これらの要因が市場を牽引していると考えられます。
Q. マーケティングオートメーション市場の課題は何ですか?
A.市場の課題には、ツールの複雑さ、導入コスト、社内リソースの不足などが含まれます。また、ROIを正確に測定する難しさも課題とされています。
まとめ
日本国内、海外ともにマーケティングオートメーションサービスは年々市場規模を拡大させており、日本国内では2014年から2016年までの2年間で1.46倍ほどになっています。そして現在は、海外製ツールだけではなく、日本語で操作ができる国産ツールのシェアが伸びつつあります。
ビッグデータやAIの活用によって正確な顧客行動予測が可能となり、これからマーケティングオートメーションが果たす役割は、さらに大きくなっていくことでしょう。
このような流れの中で、マーケティングオートメーションツールの導入は、ますます重要性を増しています。ぜひ本記事を参考に、マーケティングオートメーションへの理解を深め、自社の解決したい課題に合ったツールの導入を検討してみてください。
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参考にしたサイト(一部)
DMP(データマネジメントプラットフォーム)サービス市場/MA(マーケティングオートメーション)サービス市場に関する調査を実施(2017年) | 矢野経済研究所
2017年上期 国内33.3万社のMAツール実装調査 | Nexal
Marketing Automation Software Market worth $5.5 Billion by 2019 | MarketsandMarkets
B2B Marketing Automation Platforms 2015:A Marketer’s Guide|digitalmarketingdepot.com
2017年上期 国内33.3万社のMAツール実装調査 | Nexal
Marketing Automation Market Share Report | Datanyze
2017年版 DMP/MA市場 ~デジタルマーケティング市場の現状とビジネス展望 | 矢野経済研究所
マーケティングオートメーション(MA)の市場規模は2022年、530億円へ | パワー・インタラクティブ
【国内版】BtoBマーケティングオートメーション市場の規模とシェア | List Finder