「初めてインターネット広告の商談をすることになった。ヒアリングもしたこと無いが、どうしたらよいか」
という方に向けて、効果的なヒアリングのポイントとコツをご説明します。
本記事を読むことで、インターネット広告の効果的なヒアリングを実施することができます。
※本記事は、研修動画を基に作成・編集しております。
目次
効果的なヒアリングのポイントとコツ
ヒアリングの基礎的な考え方とネット広告に関するヒアリングのポイントコツをご紹介します。
ヒアリングの基礎知識
まずはヒアリングの基礎知識を、それぞれ説明いたします。
ヒアリングの役割
まずヒアリング役割というのは、本質的な課題を顕在化させることです。次に本質的な課題を整理することが大事ということを覚えておいてください。
お客様から出てくる情報からは、潜在的な課題は見えてないことが大半です。実は表面的な課題は2割ぐらいで本質的な課題が8割ということがよくあります。
ヒアリングスキルを身につけることによって、このような本質的な課題を引き出してあげる必要があります。
ヒアリングの重要性
なぜヒアリングが重要かというと、不十分なヒアリングで商談が進むと、課題自体が間違っているため、間違ったソリューションの実施をしてしまい、逆に業績が悪化する可能性があります。
逆に、正しいヒアリングさえできていれば、課題を正しく認識でき、正しいソリューションの実施が可能となるため、業績拡大が見込めます。
ヒアリング相手の前提
ご自分を思い出してもそうだと思いますが、話すのがうまい人は少ないのではないでしょうか。
お客様でも話すことや内容の整理が上手でない方はたくさんいます。あとは前提として、関係値がまだできていない広告代理店に対して積極的に情報を話したくはないですよね。
ただ、信頼できる人には聞かれたい。私は企業側の立場にいたこともありますが、何でこんなに聞いてくれないんだと感じていました。十分に聞かないヒアリングで何を提案しようというのでしょうか。
そもそもヒアリングとは?3つの「きく」
「きく」には漢字が3つあります。
「聞く」とは「音や声が耳に入る」
「聴く」とは「理解しようと進んで耳を傾ける」
「訊く」とは「ひとにものを尋ねる」
商談の場で重要なのは「聴く」と「訊く」の2つです。それぞれ具体的に説明していきます。
ヒアリングにとくに必要なスキルは「訊く力」です。こちらは「質問力」という言葉にも置き換えることができます。
ヒアリングしたいことを引き出すためには「質問力」が必要です。
次に「聴く力」です。こちらは「コミュニケーション能力」ということができます。相手が話しやすく、話したくなるようになるのに大切なスキルです。
訊いて整理することを繰り返し、顕在化している課題から本質的な課題まで導いていくことこそがヒアリングの仕事です。
ネット広告のヒアリングにおけるポイント
これまでの内容を前提として、次はネット広告特有のヒアリングにおけるポイントを見ていきましょう。
相手のリテラシーに合わせる
まず大切なのは相手のリテラシーに合わせることです。
まずは専門的な用語を使わないことです。ネット広告とかネット業界の常識は通用しませんので、理解していない前提で話を進めなければなりません。
また、わかりにくいところはなかったか、常に相手の状況を確認しながら商談を進めるのがいいでしょう。
相手の情報を鵜呑みにしない
次に、認識している課題が間違っていることもよくあります。設定している目標や認識している課題、お客様から出てきた情報を鵜呑みにせず、疑って掛かることが大切です。
情報の根拠やその背景まで深ぼることがネット業界のヒアリングのポイントのひとつです。
言葉の認識の統一
言葉の認識の統一が重要です。たとえば同じ言葉でも定義が違うことも少なくありません。
ネット広告の業界ができてからまだ20年ほどのため、過去の文献などと新しいもので定義が違うこともよくあります。
お客様によってはクリック単価のことをCPAと読んでいた、なんてこともあったりします。
言葉の認識を確認しながら統一して、商談を進めていくのが重要です。
具体的なヒアリング手法と例
具体的なヒアリングの手法についてご説明します。
相手のリテラシーに合わせて商談を行うのが大事ですが、「リテラシーはどれくらいですか?」なんて伺うわけにはいきませんよね。
ではどのように訊くのがいいのか、例をもとに紹介していきます。
リテラシーや今の取り組み状況を訊くポイント
さまざまな質問をぶつけていくことでお客様のリテラシーを探っていきます。たとえば次のようなものです。
・ネット広告関連の提案を受けた経験は?
・集客、接客を軸にして今の課題は?
・集客、接客の今の目標と実際の現状や対策は?
・ABテストなど今取り組んでいる検証は?
これらの質問を通して、お客様の状況を把握することが大切です。
予算を訊くポイント
次に予算を訊くポイントです。ただいきなり具体的な金額を訊いても教えてはもらえません。さまざまな方法で目安予算を訊き、その反応から探っていくのがいいでしょう。
・競合や業界平均の予算から目安予算を訊く
・年間の売上目標を聴きそこから逆算して目安予算を訊く
・マーケティング予算全体を聴きそこから逆算して目安予算を訊く
・件数目標を聴き想定CPAから逆算して目安予算を訊く
ネット広告運用状況の満足度を訊くポイント
もうひとつ大事なのが、ネット広告運用状況の満足度のヒアリングです。
・過去、今を含めた予算の達成状況を訊く
・過去、今を含めた実績の達成状況を訊く
・今の運用社の毎月の改善施策の状況を訊く
・今の成果の経営陣や社長の満足度を聴く
よくあるのが経営陣と現場で満足度が異なるケースです。
まとめ
商談の7-8割は訊く・聴くことです。自分が気持ちよくなってしまってはいけません。
今回ご紹介した基礎的な考えを、具体的に実践しながらポイントやコツを身に付けていただければ幸いです。
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