Facebook広告を運用して成果を出すための18のコツ・ノウハウまとめ

Facebookを通じて広告を出していきたいが、どうやって運用すればいいかわからないという人も多いのではないでしょうか。

Facebook広告の運用にはコツがあります。絶対におさえておくべき基本的な考え方はもちろん、予算設定やターゲティング、クリエイティブ作成など1つ1つの項目にそれぞれ多くのコツが存在し、それらを実施しているかどうかで成果に大きな差が生まれます。

Facebook広告運用の実践ガイド

本記事では、Facebook広告の運用方法とポイントをわかりやすくまとめました。

「なんとなく運用を始めたけれど、正直何から手を付けたらいいかわからない」「全然成果が出ていない」という方は是非読んでみてください。


目次

Facebook広告の運用において絶対におさえておくべき基礎

Facebook広告を運用する際に、最低限意識しなければいけないポイントは以下の3つです。

  • そのうち客の悩みにフォーカスする
  • 高額な商品は、リスト獲得を目標にする
  • 広告の目的にあわせてフォーマットを選択する

Facebook広告の特徴に合わせた運用がポイントとなります。。これから解説する基礎を意識した上で、広告の設定・ターゲティング・予算・クリエイティブを工夫していきましょう。

Facebook広告を始めるにあたってFacebook広告の基礎知識から、メリット・デメリットまでを押さえたい方は、以下をご参考ください。

Facebook広告とは?始めるために知っておくべき全知識を解説

そのうち客の悩みにフォーカスする

Facebook広告を運用するにあたっては、いますぐ客にフォーカスするのではなく、そのうち客の悩みに焦点をあてるのがポイントです。

Facebook広告は、FacebookやInstagramのタイムライン上に流れるため、暇つぶしなどで何となく画面を見ているユーザーが大多数です。「そういえばそんな悩みがあった」「この商品・サービスが何となく気になる」といった「そのうち客」へアプローチするのに適しています。

そこで、そのうち客が何となく心の中で感じていた「潜在的な悩み」にフォーカスするのが大事になります。

たとえば、「ラーメンを食べたいと思っている人」よりも「おいしいランチを食べたいと思っている人」に向けた広告の方が、より多くの母数を獲得できます。

Facebook広告ではそのうち客の悩みにフォーカスし、広告の目的や訴求を立てるようにしましょう。

参考:おさえておこう!Facebook広告とリスティング広告の違い

高額な商品は、リスト獲得を目標にする

車や不動産などの高額商品の場合、まずはリスト獲得を目標に、リード獲得広告を活用しましょう。

高額商品は1クリックで売れるわけではないため、先にユーザー情報を獲得し、ユーザーの潜在ニーズやデータを活用したいからです。

Facebookのリード獲得広告は、LPに遷移することなくフォームを立ち上げることができるので、離脱を防ぐのにも有効です。Facebookに登録している情報はフォーム上に自動入力されるので、最短2クリックで送信完了とユーザーの手間を省けます。

このように、ユーザーにとってストレスが非常に少ないため、リード獲得広告は効果が期待できます。

リード獲得広告の手段は、セミナー参加や資料ダウンロード、商品やギフト券のプレゼントなど、さまざまな形で運用できます。自社に合った方法で活用しましょう。

高額な商品・サービスを扱う場合は、リスト獲得から始め、興味・関心層のユーザーを逃さないことが大切です。
参考:リード獲得広告を正式リリース
参考:Facebookリード獲得広告とは|リード獲得導線はもっと効率化できる! | PINTO! by PLAN-B

広告の目的にあわせてフォーマットを選択する

Facebook広告のフォーマットには、画像・動画・カルーセル・コレクションの4つがあり、広告それぞれの目的に合わせて選択する必要があります。フォーマットによって得られる効果が異なり、伝える内容に向き不向きがあるためです。

フォーマットの特徴を広告の目的別にまとめると、以下のとおりです。

フォーマットの種類目的
画像認知度向上、商品やサービスの紹介
動画ブランドの世界観を共有、多くの情報提供
カルーセル複数の商品紹介、ストーリー形式のサービス紹介
コレクション商品紹介、利用方法の紹介

表の通り、画像広告は1枚の画像とテキストを用いて、商品やサービスの特徴を宣伝する効果があります。言葉だけでは伝わらない商品の魅力を視覚的に訴えかけられるので、認知度も向上しやすくなります。

動画広告は1つの動画を用いることで、画像よりも多くの情報を提供することが可能です。また、動きがある広告はストーリー性を持たせることができるので、ブランドの世界観もユーザーに共有することができます。

カルーセル広告は最大10枚まで画像を載せることができるので、複数の商品紹介やストーリー性を持たせたサービス紹介が可能です。

コレクション広告はメインビジュアルに画像や動画を載せ、その下に商品画像を表示できる2部構成のフォーマットです。メインビジュアルで商品紹介や利用紹介などを行い、そこで気になった商品はすぐに詳細を調べることができます。

このように、フォーマット毎に向いている目的も異なります。目的に合わせて広告フォーマットを選びましょう。

ただし、利用できる広告の目的はフォーマットごとに限られているので、注意が必要です。例えば、コレクション広告の場合、キャンペーンの目的はトラフィックとコンバージョンしか設定できません。

フォーマットごとの特徴を抑えつつ、フォーマットによって得意な訴求点と効果を見極めましょう。
参考:Available Ad Placements for Facebook Marketing Objectives


勝ちパターンを見つけるために必須の広告設定5つのコツ

Facebook広告を成果につなげるためには、配信の設定を目的に合わせて最適化する必要があります。

本来必要な設定を見落としてしまうことによって、広告の成果が測れず、パフォーマンスも最大限にできないためです。

広告の設定には以下の5つを意識しましょう。

  • LPクリックなどのアクションを計測できるようにする
  • 1広告セットあたり1広告(クリエイティブ)を守る
  • 「自動配置」でもっともパフォーマンスの良い配信枠を見つける
  • 広告の目的は基本的に「コンバージョン」を選ぶ
  • 気軽に実行できるコンバージョンポイントにする

Facebook広告では効果を最大化するために設定機能が充実しています。また、細かな設定も可能です。大事なのは、狙った効果を発揮するために必要なポイントを押さえることです。

1.LPクリックなどのアクションを計測できるようにする

Facebook広告にはピクセルコードという機能があります。ピクセルコードとは、遷移先のサイトに埋め込むことで、Facebook広告の成果を計測できるコードです。

Facebook広告から別のWebサイトに遷移した後のコンバージョン成果を計測できたり、コンバージョンい近いユーザーをFacebookが感知して広告配信をチューニングしてくれたりします。

例えば、EC上の購入完了ページにピクセルコードを埋め込んでおくと、商品を購入したユーザーと類似するユーザーへFacebookが広告の配信を調整してくれます。購入する可能性の高いユーザーへのリーチを増やせるのです。

ピクセルコードは、LPへの遷移やカートへの追加などのアクションを計測します。コンバージョンを計測するほかに、リターゲティング、購入を期待できるユーザーへの広告配信にも役立ちます。

ピクセルコードを活用して、ユーザーアクションの計測を広告の成果につなげていきましょう。

ピクセルコードの埋め込みや設定の方法については、下記をご参考ください。
参考:知識0でもできる!Facebookピクセルの設定方法を徹底解説

2.1広告セットあたり1広告(クリエイティブ)を守る

「1つの広告セットには1つの広告クリエイティブを入稿する」、このことを守って運営しましょう。広告運営で欠かせないA/Bテストを正確に行うようにするためです。

Facebook広告の入稿画面は、3階層の構造になっています。1階層目は、広告の目的を設定する「キャンペーン」です。その下位層に、広告の定義を決める「広告セット」があり、さらにその下に個別のクリエイティブを入稿する「広告」という項目があります。

1つの広告セットに広告Aと広告Bといった複数のクリエイティブを入稿してしまうと、正確なA/Bテストが行えません。

Facebookは、最初にコンバージョンが立て続けに入った広告クリエイティブのパフォーマンスを評価し、予算を集中させるためです。広告Bにも予算を配分しなければ、広告Bの効果が測れません。

1つの広告セットに1広告ずつはめるのは手間ですが、この作業を省いてしまうと十分なテストが行えないので注意が必要です。

1広告セットあたり1広告を守り、広告のパフォーマンスを正確に測れるようにしましょう。
参考:Facebook広告でコンバージョンを獲得するためのアカウント設計ガイド|アナグラム株式会社

3.「自動配置」で、もっともパフォーマンスの良い配信枠を見つける

運営開始時は、自動配置の機能を活用して、入稿したクリエイティブが最大パフォーマンスができる配信枠を見つけましょう。

Facebookでは広告が表示される場所を配置と表します。配置は手動で行えるほか、広告の設定時に自動配置を選択できます。

Facebook広告の配信先は、Facebook・Instagram・Audience Network・Messengerの4ヶ所あり、手動で適切な配置場所を探すには時間と予算が必要です。自動配置を選択すると、Facebookのアルゴリズムにより広告の配置が最適化されます。

入稿した広告のパフォーマンスが高くなりやすい配置を、最低限の予算で見つけてくれるのです。

自動配置を続けていくと、配置先によってパフォーマンスに差が出てきます。たとえば、Facebookに流した広告は、リーチの数に対してコンバージョンが多い。Messengerに流れた広告は、コンバージョン率が低い、といった成果がグラフで見られます。

リーチやコンバージョンが少ない配信先は、パフォーマンスが低いといえます。データを見ながら、効果が得られていない配信先はクリエイティブを変更したり、停止してもいいでしょう。

参考:Why We Recommend Automatic Placements
参考:2021年最新版!Facebook広告の種類|何ができるのかを改めて解説 | PINTO! by PLAN-B

4.広告の目的は基本的に「コンバージョン」を選ぶ

広告の目的を選択する際は、基本的にコンバージョンを選ぶようにしましょう。購買意欲やエンゲージメントを向上するなら、広告でなくオーガニック投稿でできるからです。

例えば、ブランドの印象を高めるエンゲージメント広告は出しておいても損はありませんが、費用対効果が見えづらいでしょう。広告運営の効果を計測するためには、コンバージョンを選択するのがおすすめです。

参考:Facebook広告キャンペーンの目的の重要性について解説
参考:Facebook広告「月1億円」と「月10万円」運用者の違い。1000件以上の広告マネージャーを見て気づいたこと。|ゆう@ステラー(SNS広告)|note

5.気軽に実行できるコンバージョンポイントにする

Facebook広告では、クリックしてLPに遷移するなどのアクション(コンバージョン)をユーザーに促します。このとき、コンバージョンの地点は、ユーザーが気軽に実行できるアクションに設定するのが大事です。

Facebookユーザーの多くは隙間時間にながら見していることが多いからです。売り上げを狙うあまりハードルの高いコンバージョンポイントを設定してしまっては、成果につながりません。

購入ボタンや申し込みフォームではなく、中間地点となるプレゼントやwebセミナー、ホワイトペーパーなどのダウンロードを設けるといいでしょう。

かといってハードルが低すぎても良質なリードが獲得できないため、適切なコンバージョンポイントを設けることをおすすめします。

参考:もしかしてこれが原因?Facebook広告の成果を落とす8つの誤り|アナグラム株式会社


成果を出すための予算設定3つのコツ

広告を運営するうえで、予算設定は重要なポイントです。1コンバージョンを獲得するために必要な単価(CPA=顧客獲得単価)があるためです。

成果を出すためには、一定量以上のリーチが必要となります。目標に応じて必要な予算をかけ、広告を出稿しなければなりません。Facebook広告は1日100円から出稿可能ではありますが、目標から逆算して予算を決めましょう。

予算の設定には3つのポイントがあります。

  • 広告セットあたりの予算を1日3,000円以上にする
  • 設定した日ごとの予算を1日で使い切るようにする
  • 30万円以上/月を予算として使う

具体的にどの程度の予算を設定すればいいのか、詳しく解説します。

1.1日の広告セット当たりを3,000円以上に設定する

Facebook広告におけるCPAは、1日あたり3,000円以上を投下するのがおすすめです。一定数以上のコンバージョンを獲得するのであれば、ある程度の予算が必要なためです。

近年、Facebook広告を活用する企業が増えていることもあり、CPAは上昇傾向にあります。

業種や商品・サービスによっても異なりますが、リストの獲得単価は平均して2,000~3,000円に落ち着くことがほとんどです。

1日3,000円の広告予算は、1日1件リストを取れるかどうかの目安となります。1日あたりの予算が3,000円以下だということは、リスト獲得0の日が続く可能性があるということです。

1日1件以上のコンバージョンが取れていれば、費用対効果が得られます。そのため、広告セットの予算は1日あたり3,000円以上に設定しましょう。

参考:【CPA全公開】2,000万円BtoBのFacebook広告に投資してわかったこと|MarTechLab(マーテックラボ)

2.日ごとの予算を1日で使い切る

予算の設定は、必ず「1日の予算」に設定してください。1日あたりの予算は、その日中にすべて消化するようにしたいからです。

予算設定には、「1日の予算」と「通算予算」の2種類があります。ここで「1日の予算」を選択すると、入力した金額を1日で消化してもらえます。

「通算予算」を選択してしまうと、設定した期間内で上限をいくら使うかを指定したことになります。Facebookでは広告が最適化されるので、パフォーマンスが低いと判断されるとその日の配信は止まります。次にいつ、どこで予算が消化されるのか読めません。

つまり、予算が消化されないということは、広告が流れていないということなのです。そのため、「1日の予算」に設定することで、日ごと予算をその日中に消化してもらうようにしましょう。

参考:About Daily Budgets

3.30万円以上/月を予算として使う

最終的な申し込みや成約までを考慮すると、30万円以上/月の予算を確保しなければいけません。Facebook広告でのコンバージョン率は、平均的に1~2%になることが多いためです。

例えば、CPAが3,000円である場合、月30万円の予算を使えば100件の中間コンバージョン(クリックなど)を獲得できます。コンバージョン率が1~2%のとき、100件のうち制約に至るのは1~2件の計算です。月に1件以上の成約を達成するためには、30万円以上の予算が必要になります。

実際には、扱う商材によってもコンバージョン率は変動します。しかし、30万円未満の予算では広告の効率が落ちると考えておきましょう。

単価の低いtoC商材でも、広告で大きな成果を出したいのであれば、30万円/月を投下し傾向を掴むのがおすすめです。

参考:Facebook広告は月額30万円以上かけないと効果が出ない!?


成果の出るターゲティング5つのコツ

Facebook広告では、カスタムオーディエンス・類似オーディエンス・コアオーディエンスといった3つのターゲティング手法があります。

それぞれの機能を有効活用することで、ターゲティングの効果を高めることが可能です。
また、これらの機能で成果を出すためには、以下の5つのコツが存在します。

  • 年齢や地域は広めに取り、趣味・関心などでは絞らない
  • カスタムオーディエンスで顕在層にアプローチする
  • 類似オーディエンスを活用し、コンバージョン率の良いターゲットに集中投下する
  • リターゲティングは、サイトなどの滞在時間の長いオーディエンスに絞る
  • オーディエンスはダブりのないように設定する

とくに最初のうちは予算を無駄にしないように、ターゲットを細く設定することがあるかもしれません。しかし、ターゲットは広めにとる方がリードが増え、効果の出るターゲット層を見つけやすくなります。

成果につながるターゲティングのコツをそれぞれ解説していきます。

1.年齢や地域は広めに取り、趣味・関心などでは絞らない

Facebook広告では、オーディエンス(ターゲティング)を狭めすぎず、広めに取ることがおすすめです。設定を広くとった方が、コンバージョンに繋がる可能性がある潜在客にもアプローチできるためです。

広告を出してみなければ、どのような年齢層や地域の人に商材が響くかわかりません。例えば、30代男性をターゲットに想定していた商材が、実際は40代女性にヒットした事例があります。

オーディエンスを広く取っておくことで、新たな顧客層を開拓できる可能性があるということです。

もちろん、オーディエンスを広めに取ると、パフォーマンスの低いターゲット層も出てきます。傾向が見えてきたらターゲットを絞りましょう。

Facebook広告では、年齢や地域はもちろん、ユーザーの興味・関心などによる細かいターゲティングが行えます。ただし、オーディエンスは広めに取って、リード獲得を増やすことを意識しましょう。

参考:成果を増大させるFacebook広告のターゲティング秘策3つ

2.カスタムオーディエンスで顕在層にアプローチする

カスタムオーディエンス機能を活用し、興味関心や認知のある顕在層にアプローチしましょう。カスタムオーディエンスとは、すでに自社と接点がある接点があるユーザーへ、広告を配信できる機能です。

自社商材と何らかの接点をもつユーザーへアプローチすることで、購入・申し込みなどのより効率的な獲得につながります。例えば、自社のFacebook広告へ「いいね!」をしてくれたユーザーや、webサイトへの訪問したユーザーに対して、広告を配信することができるというわけです。

また、カスタムオーディエンスの機能をうまく活用すると、見込み客の引き上げや申し込み促進、カート落ちユーザーへのリターゲティングもできます。

自社の商品やサービスに興味や関心があるユーザーへアプローチするため、カスタムオーディエンスを活用はコンバージョンに繋げる手法として有効です。

参考:About Custom Audiences

3.類似オーディエンスを活用し、コンバージョン率の良いターゲットに集中投下する

コンバージョンの精度を向上させるため、類似オーディエンスを活用しましょう。類似オーディエンスとは、既存顧客と似た傾向をもつFacebookユーザーを洗い出し、広告を配信できる機能です。

Facebookは実名登録を原則としているため、プロフィールや行動情報のより深いデータが集まっています。自社ビジネスに興味関心を示す可能性が高いユーザーに絞って広告を配信できるので、コンバージョン率の向上が期待できます。

類似オーディエンスの設定方法は、広告マネージャから「オーディエンス」→「オーディエンスの作成」→「類似オーディエンス」で設定可能です。

次に、作成済みカスタムオーディエンス・コンバージョントラッキングピクセル・Facebookのファンの3種類からソースオーディエンスを指定しましょう。

ソースオーディエンスの指定後は、国・オーディエンスサイズを選択し、「オーディエンスの作成」をクリックしたら設定完了です。

詳しくはこちらもご参考ください。
参考:類似オーディエンスを作成する

コンバージョンの期待できるユーザー層にターゲティングできる類似オーディエンスの機能を、ぜひ活用していきましょう。

4.リターゲティングはサイトなどの滞在時間が長いオーディエンスに絞る

リターゲティングを行う際は、Facebook広告に対する反応を参考にします。動画やLPの滞在時間が長い傾向にあるユーザーをオーディエンスに設定しましょう。

行動傾向によってオーディエンスを絞ることで、エンゲージメントの高いユーザーにアプローチし、広告効果を向上できるためです。

たとえば、動画を全体の25%まで視聴したユーザーより、50%以上を視聴したユーザーの方が購買意欲が高いといえます。そのため、動画を50%以上視聴したユーザーに絞ってアプローチした方がおすすめです。

行動傾向によるオーディエンスの絞り込みは、簡単に設定できます。設定方法は、以下の通りです。

ビジネスマネージャの「オーディエンス」をクリックした後、「オーディエンスを作成」から「カスタムオーディエンス」を選択しましょう。サイトの滞在時間で設定するならば「ウェブサイトトラフィック」、動画なら「エンゲージメント」を選択してください。

それぞれ「カスタムオーディエンスの作成」が表示されるので、サイトなら「ウェブサイトに滞在した時間別のビジター」で絞りましょう。動画も同様に、「動画」を選択し、「エンゲージメント」から絞ることができます。

5.オーディエンスはダブりのないように設定する

複数の広告を出稿する場合、オーディエンスが重複しないように設定しましょう。
オーディエンスが重複した場合、広告が競合し合うことにより、パフォーマンスが低いと判断された広告は表示されなくなるためです。

これは、Facebook広告は広告が競合し合うことで、コスト向上や予算の消化ができなくなる事態を避けるために、表示させないようにしています。

コスト面や効率よくターゲティングするためにも、オーディエンスの重複には注意を払って設定しましょう。

類似オーディエンスを複数作るときは、類似度の幅(サイズ)にも注意します。類似オーディエンスのサイズの設定は、例えば「1%」「1~2%」「2~3%」のように分散してください。

これを「1%」「~2%」「~3%」としてしまうと、「~2%」には「~1%」のオーディエンスが、「~3%」には「~2%」のオーディエンスが重複してしまいます。どのオーディエンスにもっとも広告が響くのか、正確なデータが取れなくなってしまいます。

ターゲットごとのパフォーマンスを正確に捉えるためには、オーディエンスをダブらないように気をつけましょう。

参考:Facebook広告のターゲティングの種類と使い方|デジタルマーケティングラボ
参考:Facebook広告で効果が出ない…【重複率】にヒントがあるかも?


目を引くクリエイティブを作る5つのコツ

Facebook広告の効果を高めるクリエイティブ制作には、5つのコツがあります。ここからは、以下のコツを5つ解説していきます。

  • パッと見で手を止めてしまう画像を使う
  • 訴求ポイントを明確にする
  • ターゲットに合わせた配色やデザインにする
  • 動画は開始0.2秒で心をつかむ
  • 訴求メッセージは複数を用意してテストする

コツを押さえて、ターゲットの目を引くクリエイティブを作成しましょう。

1.パッと見で手を止めてしまう画像を使う

クリエイティブに使用する画像は、思わず手を止めてしまうものを吟味する必要があります。ユーザーの多くは、すきま時間にFacebookを「ながら見」していることが多いためです。素早いスクロールの中で印象に残る画像を選べば、スクロールする手は止まり、広告を見てもらえるチャンスに繋がります。

印象に残る画像を選定するには、年齢や性別など、ターゲットに合わせた画像を使うことが大切です。

たとえば、マイホームの購入を検討している30代の夫婦をターゲットとした、住宅の広告を出稿するとします。

その際に使用する画像は、家族が笑顔で居間に集まっている画像や、食事をしている画像などがイメージしやすいでしょう。これは、購入後の幸せな暮らしをユーザーに想像してもらい、購買意欲を掻き立てるためです。

広告はオーディエンスの目に入らなければ成果にも繋がりません。そのための重要な作業が、印象に残る画像を使用することです。

ターゲットを絞ったうえでペルソナを設定し、ペルソナとイメージの近い人物画像などを使用するといいでしょう。
参考:Facebook広告で効果的な画像と運用のコツ

2.訴求ポイントを明確にする

クリエイティブ制作で重要なのは、訴求ポイントを明確にしてすることです。ターゲットのどんな悩みや関心ごとに、どうアプローチするのかによって成果が変わるためです。

ターゲットが「自分のことだ」と思えるような訴求ポイントを明らかにしましょう。悩みと言っても必ずしもネガティブな事柄に限りません。日ごろから気になっていたことや、興味・関心に触れることで、自分事だと思ってもらいやすくなります。

その上で、伝えたい情報には優先順位をつけましょう。とくに訴求すべき内容(メインコピー)と、感情を動かすような一文(サブコピー)を分け、メッセージに強弱をつけます。

もし画像を際立たせたい場合は、サブコピーは画像内に入れず、テキスト内に書くか小さな装飾に留めるなどの工夫が必要です。

このように、パッと見て印象の残るクリエイティブにするためには、ターゲットの視点に立ち訴求ポイントを明確にすることが重要です。

3.ターゲットに合わせた配色やデザインにする

ターゲットに合わせた配色やデザインにすることで、目に止まるクリエイティブが作れます。年齢や性別で好む色やデザインがあることが、調査により明らかになっています。

例えば、20代前半の女性の共感を得るクリエイティブなら、淡い色合いに手書き風の文字を使うと良いでしょう。50代男性経営者がターゲットならば、紺の落ち着いた色合いにコントラストの強い画像を使うかもしれません。

あるいは、ターゲットと同年代の人物が写っている写真を使うだけでも、目を引くクリエイティブになります。

デザインや配色をターゲットの嗜好に合わせることで、目を止め、クリックを誘導できる広告クリエイティブに仕上げましょう。
参考:年齢による色の人気!子供と大人の色彩嗜好

4.動画は開始0.2秒で心をつかむ

動画の場合、開始0.2秒でターゲットの心をつめるように工夫しましょう。ユーザーがフィードをスクロールする際の秒数は、約0.2秒といわれています。そのため、開始0.2秒で心を掴めなければ、離脱する可能性が高いからです。

0.2秒で心をつかむポイントは、ターゲットコールやパワーワードを入れることです。ターゲットコールは「~にお困りの人へ」といった、誰に向けた広告なのかを呼びかける手法です。パワーワードは「~がすごい!」「こんなに~だった!」といった、心を動かされるフレーズをさします。

動画を作成する際は、以上のポイントやコツを抑えつつ、0.2秒でユーザーを引き込む工夫をしてみましょう。
参考:Facebook / Instagram広告代理店・運用代行

5.訴求メッセージは複数を用意してテストする

訴求メッセージは5~6つ用意してテストをします。どのメッセージが効果的なのかは、広告を出してみないとわからないためです。

ターゲットコールやパワーワードを変えただけでも、広告の成果は変わります。訴求メッセージはいくつか用意し、広告セットにわけて入行し効果をテストしてみましょう。効果の高い訴求メッセージがわかったら、その広告セットに予算を集中していきます。

訴求メッセージは1つに決め打ちするのではなく、可能性のあるメッセージを複数用意して効果を確かめましょう。


効率良くFacebook広告のテストを行うためのポイント

Facebook広告で成果に繋げるには、効率よくテストを行う必要があります。広告は出稿してユーザーの反響を得ないと、何が効果的な広告であるかわからない、と前述しました。

しかし、予算や時間が限られている中で、数々のテストを闇雲に行えません。ここからは、テストを行う際のポイント5つを解説します。

  • 比較のポイントを明確にする
  • 訴求メッセージは5~6つ、クリエイティブは2~3つテストする
  • 大きな変更をしたら1週間以上は結果を待つ
  • Facebook広告とLPの関連性を見直す
  • コンバージョン単価を見て、広告の成果を判断する

1.比較のポイントを明確にする

テストを正確に行うためには、比較のポイントを明確にして、A/Bテストにする必要があります。比較したいポイントを明確にしないままでは、成果の差が比較できないためです。

A/Bテストでは、効果を検証したい箇所を1ヶ所だけ変えて結果を観察します。たとえば、クリエイティブに使用する画像を広告A:女性と広告B:男性でわける、といった形です。

このとき、変数は画像のみなので、広告Aの方が効果が高ければ、「女性の写真を使った方が効果が高まる」と判断できます。

もし、テストする要素が2つ以上になってしまうと、成果につながった要因を判断できません。広告A:女性の画像と訴求メッセージ「○○のあなたへ!」、広告B:男性の画像と訴求メッセージ「~がすごい!」で、それぞれの広告をテスト配信したとします。

広告Aの効果が高くなったとして、画像と訴求メッセージのどちらがパフォーマンスに寄与したのかが分かりません。

画像の効果をテストする、訴求メッセージの反響の違いをテストする、クリエイティブの配色による効果をテストする、のように、結果を比較したいポイントを明確にしましょう。

2.訴求メッセージは5~6つ、クリエイティブは2~3つテストする

もっともパフォーマンスのよい広告を見つけるまで、訴求メッセージは5~6つ、クリエイティブは2~3つをテストする必要があります。もっともパフォーマンスの良くなる広告は、出稿してみなければ分からないためです。

広告の成果が左右するのが、訴求メッセージ(メインコピー)とクリエイティブです。それぞれ、5~6つ、2~3つテストして、もっともパフォーマンスのよい訴求点を見つけましょう。

参考:Facebook 広告でリード獲得単価を半分以下にした事例をご紹介
参考:【必読!】Facebook広告運用で押さえておくべきポイントとは? この記事では

3.大きな変更をしたら1週間以上は結果を待つ

画像やテキストを差し替えたり、変更した場合は1週間ほど結果を待ちましょう。その理由は2つあります。

1つ目は、日によってコンバージョン率やリード獲得数にバラつきが出るためです。2、3日出稿しただけでは結果が思わしくなくても、1週間経つと平均して成果が出ている場合があります。すぐに結果を知りたい気持ちはわかりますが、正確な結果を知るためには1週間待ちましょう。

2つ目の理由は、大幅な変更を短期間で頻繁にしていると、広告の成果が落ちる可能性があるためです。Facebook広告は、広告を表示する最適なターゲットや最適な配信時間などを、収集したデータを元に学習し、パフォーマンスを向上させていきます。

そのため、短い期間に変更が相次ぐと、必要な学習期間が得られずに、広告の成果も落ちやすくなるのです。すでに出稿した広告に変更を加えるときは、慎重に検討しましょう。

もし、反響を確認するために他のクリエイティブをテストしたいのであれば、広告セットを別に作成してください。

画像やテキストの差し替えなど大きな変更をした場合は、1週間を目安に経過を待ちましょう。
参考:What are best practices for Facebook A/B Tests?
参考:もしかしてこれが原因?Facebook広告の成果を落とす8つの誤り|アナグラム株式会社

4.Facebook広告とLPの関連性を見直す

Facebook広告の改善を行ってもコンバージョン率が改善しないときは、Facebook広告とLPの関係性を見直しましょう。Facebook広告をクリックした先にあるLPが離脱の原因になっていることが、よくあるためです。

LPの改善で意識する点は、Facebook広告との一貫性です。Facebook広告で謳っていることがLPで謳われていなかったり、Facebook広告とLPのデザインが異なったりすると、ユーザーの離脱を招きます。

たとえば、広告には「Facebookで楽に集客する方法」と書かれているのに、LPでは「セールスで成功する方法」と書かれているといったことがあります。どちらも、売り上げを立てる方法を提供していますが、訴求メッセージが異なるので違った商材を取り扱っているように見えてしまいます。

Facebook広告とLPとの関連性を見直すことは大切です。色味やデザイン、訴求メッセージなどがFacebook広告とLPで一貫されているかを意識してみてください。

参考:【完全版】初めて取り組む方必見!Facebook広告のノウハウ | ホームページ制作の外注・下請け専門 | RunLand株式会社

5.コンバージョン単価を見て、広告の成果を判断する

広告の成果を判断するには、コンバージョン単価を参考にすると良いでしょう。コンバージョン単価がもっとも本質的であり、簡単な判断指標だからです。

Facebook広告では、表示回数をはじめとするさまざまな指標を確認できます。しかし、表示回数が多くてもクリックが得られていなければ、広告のパフォーマンスは高いといえません。1つひとつの指標を細かくチェックしても、本当の広告パフォーマンスは測れないのです。

そこで、1件のコンバージョンをいくらで取れたかで、広告の費用対効果を判断していくのがおすすめです。

いくつか広告をテストしていくと、その商材におけるCPAが見えてきます。たとえば、ある商材のCPA平均が2,000円に収まった場合、その金額を超えてしまった広告は配信を止めるか広告の改善をするといった判断が可能になります。

成果につながる広告のパターンを最短で見つけるなら、コンバージョン単価をもとに広告の成果を判断しましょう。


まとめ

Facebook広告を運用で成果に繋げるには、Facebook広告の基礎知識・広告設定・予算設定・ターゲティング・クリエイティブ、のコツを押さえることが大切です。

これらのコツを押さえることで、初めての人でも失敗のない効率的な広告運営が行えます。
例えば、Facebook広告では1日100円から出稿が可能ですが、成果を出すためにはCPAの向上に伴い3,000円以上がいいと解説しました。

こういった設定はなるべく失敗を出したくないので、どのくらいの金額が妥当か分からないことも多いでしょう。

予算設定だけでなく、これだけの広告運用で大切な知識を1からつけるには膨大な時間を要します。Facebook広告に限らず、広告は出してみて初めてわかることばかりです。そのため、玄人の方が成果が出やすい傾向もあります。

しかし、こうしたコツを最初のうちにつかんでおくと、成果に繋がる時間を短縮できる可能性があります。

本記事を参考に、スムーズなFacebook広告の運用にお役立てください。

Facebook広告運用の実践ガイド【EC向け】