広告代理店が知っておくべきネット選挙活動の注意事項と成功事例

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2013年4月にネット選挙が解禁され、選挙運動の期間中もホームページの更新やメールの配信、TwitterやFacebookなどのSNSで情報発信ができるようになりました。

それによって、候補者や政党は自分たちの声をより多くの有権者へ届けられるようになっています。さらに、有権者もインターネットを通じて候補者や政党を応援できるようになり、双方でのコミュニケーションが生まれています。

このようにインターネットを活用した選挙運動が高まっているなかで、実際に選挙運動に関わる場合はどのようなルールに気をつけなければならないのでしょうか。

本記事では、広告代理店が選挙関連の案件を受注した場合の注意事項や、インターネットを活用した選挙運動の成功事例を紹介していきます。

本記事のポイント3つ
  • インターネットを利用した選挙活動について知識が深まる
  • 広告代理店で選挙関連の業務を受注する時の注意点を解説
  • インターネットを利用した選挙活動の成功事例について紹介

この記事を読むと、ネット選挙についての知見が得られるだけでなく、実際の選挙運動に関する業務に役立てることができます。

※本記事は2021年9月30日現在の情報を基に執筆しています。法律の改正等で情報が変更されている可能性があります。

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広告代理店が選挙運動案件を受注する際の注意点

「選挙運動」の活動は選挙運動期間のみ

まず、最初に知っておくべきことは「選挙運動」の活動期間についてです。

選挙運動期間は「公示日(告示日)に立候補届が受理された時から投票日の前日まで」と定められています。

また、事前の選挙運動や、選挙日当日を含む選挙期間前後の「選挙運動は」禁止されていて、禁止事項の例には以下のようなものがあります。

  • 事前の投票依頼
  • 事前の挨拶回り
  • 投票日当日の投票の呼びかけ
  • 投票日当日の情報発信

選挙運動期間外で「選挙運動」を行うと罰則が課せられるので、実施期間に気をつけましょう。

18歳未満の選挙運動はできない

選挙運動では実施できる年齢にも制限があり、18歳未満の選挙運動は全て禁止されています。

満18歳以上になれば、電子メール以外のインターネットを活用した選挙運動が可能となります。

具体例としては、同じ高校3年生でも、17歳の人がSNSで「候補者の〇〇さんに投票して」と友人やフォロワーに呼びかけることなどはできません。この場合は、誕生日を迎え満18歳になれば実施可能になります。

参考:18歳選挙#国に届け|自由民主党

選挙に関わるデータを印刷して配ってはいけない

選挙運動では、選挙運動用のホームページや、候補者・政党からのメール、政党のビラやポスターなどを印刷して配布する・貼ることはできません。

ホームページはネット書面ではありませんが、文章や画像を印刷するとビラやポスターなどと同じ扱いとなります。ただし、スクリーンショットを撮ったりトリミングをしてFacebookやTwitterなどのSNSにアップすることはOKです。

逆にビラやポスターをデジカメやスキャナーでパソコンなどに取り込み、メールで送信することは問題ありません。

選挙運動期間中は政党等のみネット広告が掲載できる

まず前提として、選挙運動期間中にインターネット広告を掲載することは禁止されています。

しかし、改正公職選挙法によって政党等のみ選挙運動期間中に政治活動で使用しているバナー広告を掲載・配信することができます。配信の際に、クリック後のリンク先が政党の選挙運動用ホームページになっていれば問題ありません。

一方で、無所属の候補者は選挙運動期間中にインターネット広告を掲載することはできません。

【ネット選挙解禁で可能になる情報発信】
◯:対象者が情報発信可能
✖️:対象者が情報発信不可
△:事前に同意を得た一般有権者に限りメールの送信が可能

ネット選挙解禁で可能になる情報発信

参考:ネット選挙解禁Q&A|公明党

選挙活動へのインターネット広告を活用については、こちらで詳しく解説しています。
参考:インターネット広告を用いた選挙活動の実施可否、注意点、可能な媒体

バナー広告に候補者個人の掲載はできない

選挙運動期間中は政党等に限り政治活動のインターネット広告を掲載可能ですが、候補者個人の掲載は禁止されています。

そのため、選挙ポスターのような「〇〇候補に一票を」といった、投票を呼びかける文言や写真を使用した広告の掲載はできません。

ただし、公認候補が代表を務めている政党支部ごとに広告を掲載している際は「〇〇党△△支部×××支部長」といった広告を掲載することが可能です。

このような場合、政治活動の広告として掲載ていても実質的には候補者の個人名・写真を宣伝したことと同じ意味合いを持ちます。

このように、政党に所属している候補者は個人名を実質掲載したことになるやり方がありますが、無所属の候補者は政党等に該当しないためインターネット広告を掲載することはできません。

選挙運動用費用を超えると罰則がある

1回の選挙運動で使用可能な費用には限度(法定制限額)が設けられています。

ネットでの選挙運動が解禁されたことにより、選挙運動用ウェブサイトの作成費やネット監視業務費用なども、選挙運動費用として計上されることになります。

もし法定制限額を超えた場合は公職選挙法での罰則があり、最悪の場合は当選の無効と5年間の立候補制限が課せられます。

ただし、インターネット広告はあくまでも「政治活動」であるため、法定制限額の適用はされません。つまり、選挙運動期間中の政治活動に関するインターネット広告費には制限がなく、いくらでも訴求可能というわけです。

ここでの違いは「選挙運動」の費用には制限がありますが、「政治活動」の費用には制限がないということです。もし選挙関連の業務を請け負うことがあれば留意しておきましょう。

参考:公職選挙法施行令の一部を改正する政令等の施行について(通知)|総務省

業務の受注には「買収罪」該当に注意

広告代理店が選挙関連の広告業務を請け負う場合、「買収罪」に該当しないよう十分に注意する必要があります。

受注した業務が該当するか否かを自分たちで判断するのは非常にリスクが大きいです。そのため、必ず所轄の選挙管理委員会へ事前に問い合わせを行いましょう。

さて、広告代理店が「買収罪」に該当する事項としては、下記があります。

  • 候補者や政党から報酬を受け取った場合
  • 広告関係者が主体的に・裁量的に、企画や制作に携わった場合

「広告法規マニュアル第37号」では、広告代理店が選挙関連の業務を受注した際、買収罪に該当する可能性があるパターンをいくつか紹介しています。

これらの事例では、報酬を受け取っていたり主体的・裁量的に関わっていた場合に「買収罪」が適用となります。

①候補者等からの依頼により、広告関係者が報酬を得て候補者等の選挙運動用のビデオを 作成し、候補者等が選挙運動期間中に当該ビデオを動画投稿サイト等に掲載した場合

②候補者等からの依頼により、広告関係者がウェブサイト上での当該候補者等に対する 誹謗中傷を機械的に監視することなどに対し報酬を受領する場合

③候補者等からの依頼により、広告関係者が報酬を得て候補者等の選挙運動用ウェブサイ トを企画・制作する場合

④候補者等からの依頼により、広告関係者が報酬を得て選挙運動に関する助言(インター ネットを活用した選挙運動の方法などのコンサルタント業務)を行う場合

⑤候補者等からの依頼により、広告関係者を通じて、タレントが報酬を得て選挙運動用の ビデオに出演し、候補者等が選挙運動期間中に当該ビデオを動画投稿サイト等に掲載し た場合

引用:II.インターネット選挙運動解禁法(改正公選法)の概要 (7)買収罪の適用|広告法規マニュアル第37号|公益社団法人 東京広告協会


選挙運動にインターネットを利用する方法は2つ

まず、選挙運動時にインターネットを利用する方法は2つあります。1つ目はウェブサイト等を利用すること、2つ目は電子メールを利用することです。

候補者や政党等はウェブサイト等の利用・電子メールどちらも利用することができますが、有権者はウェブサイト等の利用のみで電子メールの利用は禁止されています。

ここからは、選挙運動でウェブサイトを利用する方法や、利用可能な媒体を紹介していきます。複数のインターネット媒体を利用することで、効果的な選挙運動を行なっていきたいですね。

ウェブサイト等を利用した選挙運動

改正公職選挙法により、政党や候補者だけでなく一般の有権者もウェブサイトを利用して特定の候補者の応援についての発信・呼びかけが可能となりました。

具体的にはホームページやSNS、動画など複数のインターネット媒体を利用することができます。ただし、ウェブサイト等の更新は選挙投票日の前日までと定められていますので、投稿や呼びかけを行う期間には気をつけましょう。

また、なりすましや氏名等を偽ること、誹謗中傷などは禁止されており、違反すると罰則を受けることとなります。

▼誹謗中傷・なりすまし等に関する刑罰の例

  • 候補者に関し虚偽の事項を公開しない
  • 氏名等を偽って通信しない
  • 悪質な誹謗中傷行為をしない
  • 候補者等のウェブサイトを改ざんしない

参考:インターネットを使った選挙運動が出来るようになりました。(PDF)|総務省

ホームページ・ブログ

日頃の活動や考えなどの政治活動に引き続き、選挙運動期間も発信することが可能となりました。

ホームページやブログで選挙運動を行う際は、電子メールアドレス等の発信者へ連絡することができる情報を記載することが必須となります。

掲載場所は原則としてトップページへ表示し、もしトップページへのリンクがないページである場合はページごとに、連絡先を表示する必要があります。

連絡先として認められている具体例としては、以下のようなものが挙げられています。

  • 直接連絡の取れる電子メールアドレス
  • 返信用フォームのURL
  • Twitterのユーザー名 など

例えば、自分が運営しているブログでハンドルネーム(ニックネーム)のみを掲載している場合は違反とみなされます。しかし、本人の連絡先情報が記載されたウェブサイトのURLやメールアドレスが提示されていれば違反となりません。

参考:インターネットを使った選挙運動が出来るようになりました。(PDF)|総務省

SNS(Facebook・Twitter・LINEなど)

ネット選挙解禁により、有権者は候補者や政党のSNSへリアクションしたり特定の候補者への投票を呼びかけることができるようになりました。

候補者や政党のSNSへのリアクションの具体的としては、候補者や政党への書き込みをシェアしたり、「いいね」をつけたりすることがあげられます。TwitterやFacebookなどでは、コメント・メッセージ機能を利用してユーザー間のやり取りもできるようになっています。

ウェブサイトへSNSのユーザーアカウントを表示することで、電信メールアドレス等の表示義務を果たしていることとなります。そのため、ウェブサイト上での選挙運動においてSNSのアカウント開設は効果的な手段の1つだといえます。

参考:インターネット選挙運用解禁(公職選挙法の一部を改正する法律)の概要|総務省

動画配信(YouTube・ニコニコ動画など)

YouTubeでは誤った選挙日を伝えることや、選挙について視聴者に誤解を与えることを目的としたコンテンツの配信が禁止されています。

また、Googleのリスティング広告同様に選挙運動のページへ直接リンクするものは掲載ができません。

ニコニコ動画では公職選挙法を遵守した上で動画を配信することが可能で、著作権・肖像権・プライバシーなどの侵害が脅かされる動画の投稿が禁止されています。また、視聴者に誤解を与えるようなコンテンツも配信禁止になっています。

参考:ニコニコ利用規約|ニコニコ規約
参考:インターネットを使った選挙運動について|ニコニコインフォ

YouTubeで禁止されていることは、下記のいずれかに該当するコンテンツの投稿が禁じられています。

・投票妨害
投票の時間、場所、方法、投票資格の要件について有権者を誤解させることを目的としたコンテンツ、または投票を著しく妨げる可能性のある虚偽の主張。

・候補者の適格性:
現在の選挙候補者の被選挙権の要件や、現職政府職員の法的な適格性の要件に関して誤った主張を助長させるコンテンツ。年齢、市民権、健康状態など、考慮される適格性要件は適用される国内法に基づきます。

・民主的な手続きへの妨害の扇動:
投票手続きを邪魔したり干渉したりするような、民主的な手続きに対する妨害行為を他者に促すコンテンツ。

・ハッキングされた素材の配布
公開されると民主的な手続きの妨げとなる可能性がある、ハッキングされた情報を含むコンテンツ。

・選挙の公正性:
過去に行われた特定の国政選挙の最終的な選挙結果が、広範な不正行為、エラー、不具合によって変えられたとする誤った主張を、結果が正式に認定された後に助長するコンテンツ。現在、このポリシーの適用対象となるのは以下のようなコンテンツです。
 ・過去の米国大統領選挙
 ・2021 年のドイツ連邦選挙
引用:選挙の誤った情報に関するポリシー|YouTubeヘルプ

ポリシーに違反すると場合によってはコンテンツが削除され、閲覧することができなくなります。そのため、誤った情報を配信しないよう複数の根拠やデータを収集し、十分な確認を行いましょう。

動画中継サイト(IBM Video Streaming・ニコニコ動画の生放送など)

街頭演説の動画をスマートフォンなどで撮影し、動画投稿サイトに投稿することが可能となり、動画中継サイトではUstreamやニコニコ動画の生放送などが利用可能です。

IBM Video Streamingは、2017年サービスが終了したUstreamの移行後のサービスで、ライブのストリーミング配信や、録画した動画の配信などを行うことが可能です。

利用するには有料プランに申し込む必要がありますが、リアルタイムでパフォーマンスの測定が可能です。

電子メールを利用した選挙運動

電子メールを利用した選挙運動は候補者と政党等のみ実施可能で、有権者が電子メールで選挙運動を行うことは禁じられています。

選挙運動用の電子メールを利用できる候補者・政党等は以下の図の通りです。

選挙の種類候補者政党等
衆議院(小選挙区選出)議員 ◯候補者 ◯候補者届出政党
衆議院(比例代表選出)議員 ◯衆議院名簿登載者 ◯衆議院名簿届出政党等
参議院(比例代表選出)議員 ◯参議院名簿登載者 ◯参議院名簿届出政党等
参議院(選挙区選出)議員 ◯候補者 ◯確認団体(当該選挙に所属候補者があるものに限る)
都道府県知事 ◯候補者 ◯確認団体
都道府県議会議員 ◯候補者 ◯確認団体
指定都市の市長 ◯候補者 ◯確認団体
指定都市の市議会議員 ◯候補者 ◯確認団体
指定都市以外の市の市長 ◯候補者 ◯確認団体
指定都市以外の議会議員 ◯候補者 ✖️
町村長 ◯候補者 ✖️
町村議会議員 ◯候補者 ✖️

引用:2.電子メールを利用する方法による選挙運動用文書図面の頒布解禁|総務省

また、有権者は電子メールを使用していなくても、SNSなどで不特定多数に向けて選挙運動用のホームページのURLや、QRコードを送信した場合は、メールを送信したとみなされる可能性もあります。

電子メールで選挙運動を行う際は、送信先に制限が設けられており、氏名・電子メールアドレス等の表示義務と一定の記録を保存する義務があります。

<送信先の制限>
○選挙運動用電子メールの送信先には、一定の制限があります(改正公職選挙法 第142条の4第2項)。

<記録保存義務>
○ 選挙運動用電子メール送信者には、一定の記録の保存が義務づけられます(改 正公職選挙法第142条の4第4項)。

<表示義務>
○ 選挙運動用電子メールで送信される文書図画には、送信者の氏名・名称や電子 メールアドレス等、一定の事項を表示することが義務づけられます(改正公職選挙 法第142条の4第6項)。
引用:2.電子メールを利用する方法による選挙運動用文書図面の頒布解禁(電子メールとは)|総務省

参考:インターネット選挙運動解禁(公職選挙法の一部を改正する法律)の概要

電子メール送信対象者

改正公職選挙法では、選挙運動用の電子メールは候補者と政党等のみ利用可能です。そして、メールを受信したくない人たちを考慮し、送信先について一定の制限を設けています。

もし規定を違反した場合は2年以下の禁錮または50万円以下の罰金が課せられ、選挙権と被選挙権が停止されます。

送信対象者と電子メールアドレスは下記の2つに分けられています。

(1)自らメールアドレスを通知した人
(2)政党や政治家からのメルマガ購読者で選挙用メールを拒否していない人

また、選挙運動用メールの送信拒否がされた場合は、該当のメールアドレスに選挙運動用のメールを送信することはできません。

メール送信時の求めや同意については事前に得ることができていれば、選挙ごとに得る必要はありません。また、「自ら通知」することについて、自らの意思で選挙運動メール送信者に対して、メールアドレスを伝えることをさします。

参考:2.電子メールを利用する方法による選挙運動用文書図面の頒布解禁(選挙運動用電子メールの送信先)|総務省


選挙運動にインターネットを活用した成功事例

実際に、選挙活動にインターネットを活用してうまくいった事例を3つご紹介します。

「SNS映え」戦略で有権者へ強烈なインパクトを与えた事例

2019年7月の第25回参議院議員通常選挙において、候補者の鈴木宗男氏は公示日前日にTwitterアカウントを開設しました。

その後、積極的に他のTwitterユーザーのツイートへコメントしており、ユーモアに富んでいることで話題となりました。

「#むねおったー」を使って情報拡散にも成功しており、SNS映えする遊説戦略をはじめ、個性的な応援弁士との遊説戦略でテレビやSNSで大きな話題を集めました。

このように、有権者の想像を遥かに超えたインパクトのある戦略を繰り出し続け、結果的に22万票の獲得に成功しています。

参考:SNS化、YouTube化した参院選2019|情報・知識&オピニオン imidas

ネット選挙で54万票を獲得した事例

同じく2019年の参議院選挙の山田太郎氏は、「オタク」向けのコンテンツの表現規制に反対する施策をネット選挙を通じて打ち出し、多くの支持を得ました。

また、3年前の自民党の比例候補者が獲得した52万票を超える53万票を目標として、ドラゴンボールのフリーザのセリフを用いて「私の戦闘力は53まんです」というキャッチを使用しました。このキャッチも多くの支持を広げるきっかけとなっています。

さらに、Twitter上では山田氏のトレードマークである「⋈」を支持者に使ってもらったほか、支持者に効果的に拡散を行ってもらうなど、支持者との連携プレーも多く行っていました。

このようなネットでの支持者との連帯感が結果を結び、最終的には目標を1万票超える54万票の獲得に成功しています。

参考:「私の戦闘力(得票)は53まんです」ネット選挙で当選を果たした山田太郎参議院議員の選挙戦略に迫る(山田太郎氏インタビュー全編)|選挙ドットコム

各SNSツールを活用、オンラインのみの選挙運動の事例

2020年の東京都知事選にて小池百合子氏は、新型コロナウイルスの感染拡大の中で、オンラインのみの選挙運動を行い366万票を獲得しました。活用したSNSはInstagramやFacebookライブ、Twitter、公式LINEなどで、有権者が主に利用しているSNS媒体が中心になっています。

小池氏のインスタライブでは、視聴者との距離を縮めることを目的としてアットホームさが感じられるように自宅から配信を行いました。また、ペットの犬が話題に上がりインスタライブにも出演したことで応援コメントも寄せられました。

加えて、Twitterでは批判的な質問も受けつけることも視野に入れた「小池百合子にものもの申す」として質問を募集し、トレンド入りするほど話題となりました。特に多く寄せられた質問は「公約達成ゼロ」「豊洲移転」などについてということがわかりました。

選挙翌日のインタビューでは、オンライン選挙で双方向でのやり取りができたことがでした、と話しています。

参考:各SNSツールを駆使し圧勝 小池都知事の“オンライン選挙”を担当記者が総括|FNNプライムオンライン


まとめ

ここまでネット選挙についての注意点や利用方法について解説してきました。

ネット選挙が解禁されたおかげで候補者や政党だけでなく有権者にも選挙運動を行うことができるようになり、その手段も幅広くなっています。

そのため、ルールも増えて複雑になっており、インターネットで選挙運動・選挙活動する上で規約の遵守が非常に重要となっています。

インターネットで選挙運動を行う際の気をつけるポイントは、以下の通りです。

  • 「選挙運動」は選挙運動期間のみ
  • 18歳未満の人は選挙運動はできない
  • 選挙に関するデータ(ホームページを含む)を印刷して配布することは禁止

また、広告代理店がインターネット広告を掲載する際に注意すべき点は以下の通りです。

  • 選挙運動期間中は政党等のみネット広告が掲載可能
  • バナー広告に候補者個人の掲載はできない
  • 選挙運動の上限費用を超えると罰則がある
  • 報酬を貰ったり、主体的に・裁量的に企画や制作に携わると「買収罪」になる

インターネット等を利用する方法は、ウェブサイト等を利用する方法と、電子メールを利用する方法の2種類あります。具体的には、以下のような方法があります。

  • ホームページ、ブログ
  • SNS(Facebook、Twitter、LINEなど)
  • 動画配信(YouTube、ニコニコ動画など)
  • 動画中継サイト(IBM Video Streaming、ニコニコ生放送)
  • 電子メール

広告代理店などで選挙関連の業務を受注する際は、公職選挙法の規約や各媒体のガイドラインに沿って受注内容を確認しましょう。

今からでもネット選挙の利用方法・規約について知見を深めたいと思っている方へ、本記事がお役に立てれば幸いです。