店舗経営において欠かせないもののひとつが店舗分析です。
近年はコロナ禍の影響で顧客のニーズが変化しており、店舗もその変化に合ったマーケティング活動をすることが求められています。
マーケティング活動をする上で重要なのは、現状の顧客のニーズや店舗の課題を把握することです。
しかし、店舗分析といっても種類はさまざまで、店舗分析を実行したいけど具体的にどのようにすればいいかわからないという方も多いのではないでしょうか。
たしかに店舗分析といってもケースによって活用する手法は異なりますが、店舗分析の選び方や具体的な方法は決まっています。
店舗に適した分析を取り入れてマーケティング活動に活かすことができれば、店舗の課題が解決されて売上アップを目指すことができます。
この記事では、すぐに課題を可視化したい店舗の担当者の方向けに、店舗分析の具体的な種類や方法、店舗マーケティング活動に直結させるためのポイントについてご紹介しています。
目次
店舗分析とは、店舗を客観的に見てマーケティング活動に活かすことを目的としたもの
店舗分析とは、店舗を客観的に観察して得た情報をもとに、今後のマーケティング活動に活かすことです。
なぜ店舗分析が必要かというと、分析によって売上減少の要因を特定することができますし、マーケティング施策をするために必要な情報も得ることができるからです。
従業員の勘だけでマーケティング活動を行うよりも、店舗分析で得られた精度の高い情報を活用するほうが売上アップを目指せます。
店舗ビジネスを成功させたいのであれば、必ず店舗分析は取り入れましょう。
参考:【やさしく解説】ビッグデータの分析手法、成功事例、必要な前準備|LISKUL
店舗分析の結果をマーケティング活動に反映するために、どんなマーケティング施策を行いたいのか検討しておくと良いでしょう。
参考:店舗集客のための手法10選!今すぐ実践できる無料施策も解説
店舗分析の流れ
店舗分析は大まかな流れが決まっています。
どのように店舗分析を進めれば良いか、フロー図をもとに説明いたします。
目的の言語化
具体的な分析に入る前に、なぜ店舗分析をしたいのか目的を言語化する必要があります。
その理由は、目的によって分析対象や具体的な手法が変わってくるからです。
もし「顧客のニーズを知りたい」という目的であれば、店舗の商品情報をもとに分析するよりもアンケート調査などで顧客と接点を持つ方が適しています。
ただ何となく売上を上げるために分析を行おうとしても、どういう分析がいいかが見えてきません。
スムーズに店舗分析をするため、まずは店舗分析の目的を明確にしておきましょう。
参考:データ分析は「目的設定」が9割|中小企業のデータ分析・活用支援ならKUROCO
仮説立案
店舗分析の目的を言語化したあとに、店舗の課題や分析結果の仮説立てを行います。
「店舗の売上が悪い原因は〇〇ではないか」という自分なりの答えを出しておくことで、それを裏付けるための分析手法がわかりやすくなります。
たとえば、売上が悪い要因が販促と仮定した場合、商品の陳列方法や接客方法などに絞って分析を行えます。
仮説が間違っていたとしても、別の仮説立てにうつって分析を行うなど、時間をかけて要因を特定しましょう。
分析手法の選択
仮説立案をもとに、最適な分析手法を選択します。
分析手法によって必要なデータの種類や量が変わってくるため、分析を行う前に必ず決めておかなければいけません。
店舗が持っているデータを把握し、仮説と比較してどの分析方法が使えそうか確認してみてください。
必要なデータの収集
分析手法を選択したら、分析をするために必要なデータを収集します。
まずはPOSレジなど、すぐに確認できそうな情報から収集します。
分析内容によっては、顧客の声や評価などの定性的な情報が必要となるため、アンケート調査で収集します。
また、集計データは短すぎると結果に偏りが出るため、最低でも一か月以上は期間を取りましょう。
分析の実践、課題・改善点を明確化
必要なデータが集まったら分析を行い、分析が完了したら課題や改善点を明確化します。
もし分析データから課題や改善点を得ることができなければ、データ期間の範囲を広げてもう一度分析しなおします。
それでも結果が変わらなければ課題や改善点は別の部分にあるというになります。
その場合は改めて仮説を立て直し、他の手法で分析を行いましょう。
課題に対応した施策立案・実施
分析で課題や改善点を見つけられた場合、分析結果を店舗内・社内にフィードバックし、施策を考えて実行します。
店舗分析でよくあるのが、分析をして終わってしまうというケースです。
店舗分析=目的ではなく、あくまで効果的なマーケティング施策を行うために必要な手段です。
最初に言語化した目的を忘れず、分析後はすぐに施策の実行に進みましょう。
店舗分析は3種類に分けられる
店舗分析といっても手法はさまざまですが、対象が「顧客(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の3Cに分けられます。
「3C分析」というマーケティングフレームがありますが、店舗分析でもこの3Cに分けて考えられます。
顧客、競合、自社という3つの視点に分けて分析を行うことで、マーケティング戦略の土台を整理することができます。
参考:新規事業開発のステップごとに活用したい30のフレームワーク|LISKUL
顧客分析
顧客分析とは、顧客の価値観、消費行動、消費人口など、顧客のニーズを理解することを目的とした分析です。
顧客分析を行うことで、ターゲットとするべき顧客の特定ができたり、自社商品と顧客のニーズにズレが生じていないか確認をすることができます。
もし店舗の商品が売れないという課題があった場合、顧客視点で考える必要があります。
そのため店舗分析を行うのであれば、まずは顧客のニーズや行動が見える分析から行いましょう。
参考:VOC分析とは?期待できる分析効果と導入までの4ステップ|LISKUL
競合分析
競合分析とは、同じ市場で顧客獲得を狙っている他店舗の強み・弱みを知り、自社のマーケティングに活かすことを目的とした分析です。
分析をすることで競合の強みにどう対抗するべきか、競合の弱みに対してどう差別化をはかっていくか戦略を立てることができます。
競合調査をする場合、競合店舗の商品や顧客の属性(年齢・性別)、価格、販促活動などを確かめる必要があります。
現地に足を運ばなくてはいけないため情報収集に時間はかかりますが、いかに自店舗に優位性を持たせるかを可視化することができます。
参考:飲食・小売店の「競合分析」に必要なデータは、たったの2種類|Airレジ マガジン
自社(自店舗)分析
自社分析とは、自社(自店舗)の商品や価格、流通、プロモーションなどの要素から問題を見つけて改善することを目的とした分析です。
売上を作るためのあらゆる要素の中で、一番どこに課題があるのかを確かめます。
必要な情報はすでに自社の中にあるため、顧客・競合分析よりは比較的すぐに分析がしやすいです。
短期間で分析をしたいなら顧客・自店舗分析から始めるべき
できるだけ手間をかけずに早く店舗の改善点を見つけたいという場合は、顧客・自社(自店舗)の分析から始めるのがおすすめです。
顧客・競合・自社(自店舗)の3つ全て分析するためには情報収集に時間がかかります。
とくに競合分析は、他店舗の業績や経営資源を把握する必要があるため、情報収集するのにコストがかかりがちです。
また、自店舗の評価や改善点が定まっていない状態で競合分析を行っても、自店舗と競合の差は何か特定することが難しいです。
顧客と自社(自店舗)の場合、顧客情報や購買履歴、各アイテムの販売数など、基本的に店舗内にある情報だけで分析をすることができます。
まずは、短期間で情報収集ができて改善点を見つけやすい顧客・自社(自店舗)の分析から始めてみましょう。
顧客・自店舗2つの評価ができる「商品分析」から行うべき
これから店舗分析を始めるという場合、顧客・自店舗の2つの評価ができる「商品分析」という店舗分析から着手してみるのがおすすめです。
商品分析とは、店舗の商品の購買データを分析し、その商品が市場(顧客)や商品カテゴリーの中で「どのような位置づけにあるのか」を明らかにする手法です。
この分析を行うことで“顧客視点”の商品の評価、顧客のニーズどちらの情報も得ることができます。
また商品分析に必要なデータは、基本的にPOSレジに蓄積されている情報を使うため、0からデータ収集するという手間も省けます。
まずは商品分析からスタートし、少しでもマーケティング戦略に活かせそうな改善点を見つけましょう。
参考:商品分析の手法7選!マーケティングに生かせる知識を学ぼう | レシート活用ソリューション
すぐに実践できる店舗分析の方法3つを紹介
店舗にある情報だけで始められる店舗分析の方法3つをご紹介いたします。
以下の3つは店舗分析のひとつである商品分析にカテゴライズされますので、商品関連の情報を活用して分析していきます。
参考:蓄積した情報を売上につなげる「データ分析」の代表的な手法10選|LISKUL
マーケティングをまるごとフレームワーク化!押さえるべき8つの枠組み|LISKUL
ABC分析
ABC分析とは、多くの指標の中から重視するポイントを基準に、全商品のランク付けを行う手法です。
たとえば、売上高、売上利益など、店舗にとって重要度が高い順に商品を並べて、その情報をもとに販促活動や在庫管理を改善していきます。
分析で得られること
商品のランク付けを行うことで、売上に効果的な商品管理を行うことができます。
売れ高順に商品のランク付けを行った場合、
- A=売上の影響度が高い、売れ筋商品
- B=売上の影響度が、準主力商品
- C=売上の影響度が低い、死に筋商品
と評価することが可能です。
ランクがわかれば、Aランクの商品は在庫を常に切らさずに意識し、逆にCランクの商品は発注を抑えるなどの発注調整ができます。
また、発注調整だけではなく、店内の陳列やECサイトのラインナップの内容を決める際にも役立ちます。
商品のランクを知るだけで、販促活動全般に活かすことができる情報を得られます。
具体的な分析の方法
商品の重要となる指標をもとに、累積割合を出してランク付けを行います。
品目・売上高の数値を出す
売上高を重要指標とした場合、品目と売上高のデータを作ります。
まずはExcelに商品ナンバーを並べ、横の列に売上高を記載します。
この状態だと売上順にはなっていないため、売上高の列(B列)を全てを選択したあとに「並べ替えとフィルター」をクリックして売上が高い順に並べます。
累積売上高を出す
次は売上高をもとに、累積売上高の数値を出していきます。
累積売上高はSUM関数を使えば簡単に求められます。
まずは最初のセルに関数を入力し、それ以降のセルにオートフィルを使えばすぐに累積売上高を出せます。
累積売上割合を出す
累積売上高を出すことができれば、次は累積売上割合の数値を出していきます。
累積売上割合とは、累積売上高が全体の売上高に占める割合のことを指します。
累積売上割合は、それぞれの累積売上高を最下部の累積売上高で割る数式を入力すれば求められます。
この場合の最下部はC11(6557434)に該当するため、=C2/$C$11で累積売上割合を出します。
最初のセルの累積売上割合を出せたら、オートフィルを使って11列までの数値を出します。
累積売上割合に合わせてA、B、Cとランク付けする
累積売上割合が出たら、それに合わせてA、B、Cとランクを付けます。
A、B、Cの基準についてはとくに固定されていませんが、以下の累積売上割合の数値を目安にするのがおすすめです。
- 累積売上割合が70%までの商品=A
- 累積売上割合が71〜95%までの商品=B
- 累積売上割合が96~100%までの商品=C
実際にランク付けをする際、Excel内に各条件を記載しておくとわかりやすいです。
データが多くて計算するのに時間がかかりそうであれば、vloolup関数を使用するのがおすすめです。
=vlookup(D2, $G$2:$J$4, 4, TRUE)をE2セルに入力すると、条件に合わせてランクが付けられます。
オートフィルで11列目まで入力をすれば、全ての商品のランク付けをすることができます。
各商品のランク付けに合わせて、現在の販促活動で問題がないか、改善できるポイントがないか見直しをします。
たとえば、ランクがAの商品なのに在庫が切れていたり、目立つ陳列をしていなければ機会損失が生まれている可能性が高いです。
そのため、各ランクの商品に対して、適切な管理ができているか注意してみる必要があります。
参考:ABC分析とは?エクセルのやり方を覚えれば在庫管理が楽になる|Udemy メディア
分析の活用事例
ABC分析で各メニューの課題を明確化し、販売戦略を強化させることができた居酒屋の事例があります。
その居酒屋では、各メニューの売上高と販売数を洗い出し、売れている順にA、B、Cに分類してランクを明確にしました。
その結果、AとBのメニューは、商品のクオリティ向上や在庫強化によってさらなる売上アップをはかり、Cのメニューはクーポン配布などの工夫によって改善をはかるべき、という課題が明確化されました。
参考:ABC分析とは?手法が3分でわかる | 業務分析・マーケティング用語|BOXIL
アソシエーション分析
アソシエーション分析とは、大量のデータをもとに顧客の購買履歴やパターンを分析する手法です。
商品同士の関連性や同時性を見つける際に活用されることが多いです。
アソシエーション分析と似たような手法で「バスケット分析」というものが分析方法があり、よく同一の手法として分類されることがあります。
バスケット分析は顧客の購入履歴を調べることで、消費活動の法則性を見出そうとする考え方です。
一方、アソシエーション分析は顧客の検索履歴、属性データなどのあらゆるデータを用いて顧客の傾向を掘り下げていく手法です。
そのためアソシエーション分析は扱うデータが多いですが、そのぶん様々な発見を見つけることができます。
参考:アソシエーション分析の活用方法|オムツとビールがセットで売れる?|起業ログ
分析で得られること
データから商品の関連性を見つけることで、商品の購買率が上がるような売り場づくりができます。
「A商品が売れるときはB商品も売れる傾向にある」のような発見ができれば、陳列を変えるだけで購買率が上がる可能性が高くなります。
店内のレイアウトや陳列、ECサイトの商品ラインナップを見直したいという方はぜひ押さえておきたい分析手法です。
具体的な分析の方法
アソシエーション分析は以下の4つの指標を使います。
- 支持度(Support)
- 期待信頼度(expected confidence)
- 信頼度(Confidence)
- リフト値(Lift)
こちらの4つの指標をもとにしてアソシエーション分析を行っていきます。
商品AとBそれぞれを購入した顧客IDの表を例にあげて分析していきます。
支持度の計算
支持度とは、全データの中で「商品Aを買う時に、商品Bも一緒に買う」というルールが出現する割合です。
「支持度=商品Aと商品Bを購入した顧客数÷全体顧客数」という式で数値を求めます。
- 全体の顧客数=10人
- AとBを同時に購入した人=4人
表を確認すると上記2つの情報が読み取れたので、実際に計算を行います。
支持度(A⇒B)=4/10=0.4
以上から、AとBを同時に購入する人の割合は、全体のうち4割という結果になりました。
扱っている商品数が多い場合、支持度が4割という数値は大きいと見られるため、AとBが同時に買われる確率が高いと言えます。
期待信頼度の計算
期待信頼度とは、全データの中で商品Bが買われる確率のことを指します。
期待信頼度だけの分析はとくに意味をなしませんが、リフト値を調べるにあたって必要な情報となります。
「期待信頼度(B)=(Bのデータ数) /全データ数」という式で数値を求めます。
- 全体の顧客数=10人
- 商品Bを購入した人=5人
表を確認すると上記2つの情報が読み取れたので、実際に計算を行います。
期待信頼度(B)=5/10=0.5
以上からBを購入する人の割合は、全体のうち5割という結果になりました。
信頼度の計算
信頼度とは、全データの中で「商品Aを購入した人が商品Bも購入する」割合を示す指標です。
この指標の数値が高いほどAとBの関連性も高いことがわかります。
「信頼度=商品Aと商品Bを購入した顧客数÷商品Aを購入した顧客数」という式で数値を求めます。
- 商品Aと商品Bを購入した顧客数=4人
- 商品Aを購入した顧客数=7人
表を確認すると上記2つの情報が読み取れたので、実際に計算を行います。
信頼度(A⇒B)=4/7=0.57
計算から、商品Aが買われた中で商品Bも一緒に買われた割合がおよそ6割ということがわかりました。
6割ということはとても高い数値とは言えませんが、5割を超えているということで関連性はやや高いとわかります。
リフト値の計算
リフト値とは、「商品Aと商品Bを購入した人の割合」が「商品Bを購入した人の割合」よりどれほど多いかを倍率で示したものです。
もしもリフト値が低ければ、商品Bは商品Aとは関係のない理由で売れているということが考えられます。
「リフト値=信頼度(A⇒B) /期待信頼度(B)」という式で数値を求めます。
これまでの計算式より、信頼度と期待信頼度の数値はすでにでています。
- 信頼度(A⇒B)=4/7(0.57)
- 期待信頼度(B)=5/10(0.5)
上記の数値をもとに、実際に計算を行います。
リフト値=(4/7)/(5/10)=1.14
一般的にはリフト値は1以上の場合は、「商品Bは商品Aと関連性がある」可能性が高いということになります。
この場合、リフト値が1以上を超えているため、商品AとBは関連性が高いということになります。
分析で成功した事例
アソシエーション分析で、商品の陳列を変えて売上が伸びた米国の大手スーパーマーケットの事例があります。
スーパーマーケットでPOSデータを分析した結果、紙おむつとビールが一緒に買われていることが判明しました。
検証の結果、子供を持つ父親が紙おむつを買うついでに缶ビールも一緒に買う傾向が強いとわかりました。
そこで紙おむつと缶ビールを並べて陳列したところ、この2つの商品を買う顧客が増え、結果売上を伸ばすことができました。
参考:第2回:アソシエーション分析~「使ってみたくなる統計」シリーズ ~
クロス集計
クロス集計とは、2つ以上の項目をかけ合わせて分析することで、単体の項目だけではわかりづらい傾向を明らかにする手法です。
たとえば、各商品がどの属性(年代・性別)の方に購入されているか、平日と休日で売れる商品の数は変わるかなど、販促活動をするために必要な情報を得ることができます。
結果がわかりやすく可視化されやすいため、細かい計算や統計調査が苦手な方でもすぐに分析することができます。
参考:クロス集計表とは?基礎知識と賢い活用法| リサーチコラム | GMOリサーチ
分析で得られること
クロス集計で2つ以上の項目を掛け合わせることで、あらゆるトレンドを発見することができます。
たとえば、「購買客の年代」と「商品」を掛け合わせれば、年代ごとに評価されている商品を把握することができます。
もし特定の商品が20代の層から支持があるとわかった場合、20代の方が来店された際にその商品をおすすめするなど、接客方法に活かすことが可能です。
参考:飲食店・小売店で有効なSWOT分析とクロス分析のやり方|Airレジ マガジン
具体的な分析の方法
POSレジにある商品に関連する情報をExcelにまとめて分析します。
必要な情報をExcelにまとめる。
POSレジにある下記のデータをExcelにまとめます。
- 注文番号
- 注文月
- 商品ID
- 商品名
- 商品カテゴリ
- 値段
- 個数
- 商品売上
- 性別
- 年齢
ピボットテーブルの作成
データを全選択した後に、メニューから「挿入」→「ピボットテーブル」をクリックします。
OKボタンを押すと、新しいシートに項目が未選択状態のピボットテーブルが登場します。
掛け合わせたい項目の選択
右画面にピボットテーブルのフィールドが出てくるため、掛け合わせたい項目を選択します。
今回は「各商品の売上推移を確認する」ケースにもとづいて集計を行います。
その場合、右にあるフィルターで下記項目にチェックを入力すれば表を作成することができます。
- 注文月
- 商品名
- 商品カテゴリ
- 商品売上
表を作成できた場合、数値に偏りがないか確認を行います。
上記の表を確認すると、
- スイーツ=4月に売れやすい
- 魚料理=5月に売れやすい
- 肉料理=2月に売れやすい
という傾向を確認することができました。
参考:クロス集計とは?エクセルのピボットテーブルを使った作り方も解説|中小企業のデータ分析・活用支援ならKUROCO
分析で成功した事例
クロス集計で商品の購入意欲が高いユーザー層を割り出して販売戦略に活かしたことで、新商品のヒットにつなげることができた企業の事例があります。
スマートフォンのアクセサリーを扱う企業では、販売したものから中々ヒット商品がでないことが悩みでした。
そこでアンケートを実施して新商品に対する購入意欲を聞き出し、クロス集計したことで購入意欲の高い層を割り出すことができました。
その結果、新発売の特定のスマートフォンを保有する層の購入意欲が強いことがわかり、その層にターゲットを絞って販売したことで新商品のヒットにつなげることができました。
効果を最大化させるための店舗分析のポイント
店舗分析の効果を最大化させるためのポイントを3つご紹介します。
ただ分析を行うだけでは、そのあとのマーケティング活動の成果が出ない場合があるため、あらかじめポイントを押さえておきましょう。
目的に合わせて分析手法を選ぶ
店舗分析を始める際は、目的を明確にしてから分析の手法を選ぶことがポイントです。
様々な店舗分析の手法の中から、最適な分析を選ぶためには目的が重要となります。
ただ店舗の課題を見つけるためというざっくりとした目的では、分析手法の選択からつまずいてしまいます。
店舗分析の過程で重要なのは分析手法の選択であるため、まずは目的をしっかり決めましょう。
単発ではなく、定期的に分析する機会をもうける
店舗分析を定期的に実践することで、常に効果の高いマーケティング活動を行うことができます。
最初に分析を行っても、社会情勢や環境の変化によって結果が変わる可能性が十分にあります。
たとえば30~40代の顧客層が多かった店舗でも、近くに学校ができたことによって10代の顧客が増えたというケースがあります。
しかしそのような変化に気づかずに店舗運営をすれば、機会損失につながる可能性が高いです。
店舗にとって最新のデータはマーケティング活動をするにおいて重要なため、一か月に一回は分析を行う機会をもうけましょう。
分析結果は店舗内のスタッフにも共有する
店舗分析はマーケティング活動に関わることなので、店舗運営に関わるメンバーには分析結果を共有しましょう。
分析データを使えば、「今、店舗にはこういう課題があって、こういうマーケティング活動をするべき」ということが伝えられるため、現場のスタッフに協力的になってもらうことができます。
また、協力してもらった後に改めて分析を行って変化を報告することで、店舗スタッフのモチベーションにつなげることもできます。
店舗全体で改善をはかるためにも、分析のデータを店舗全体に報告しましょう。
まとめ
本記事では、店舗の課題を可視化してマーケティング活動に活かすための店舗分析の方法についてご紹介しました。
そもそも店舗分析とは、店舗を客観的に見てマーケティング活動に活かすことを目的としたものです。
分析を行うことで運営者側からは見えなかった店舗の課題を発見でき、改善をしていくことが重要です。
店舗分析の効果を最大化させる上で重要なのが、まずは目的を明確化した上で分析の手法を選択することです。
また、そのときの社会情勢や環境の変化によって、データは古くなるため、定期的に分析を行う必要があります。
隠れていた課題を少しでも早く発見できるよう、少しでも早く店舗分析を実践してみてはいかがでしょうか。