まず“相手の立場で考えること”。月間400万PVの福井県のアパレルECサイト「Dcollection」が大切にすることとは?

ECサイトを始めてみたものの、お客様が集まらない。そんなお悩みを持ちながらも、なかなか成功のポイントがわからないECサイト担当者様は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、月間400万PVの男性向けのファッションECサイト「Dcollection」を運営する福井県あわら市の株式会社ドラフト 代表取締役社長 伊藤佑樹さんに、お話を伺いました。


「オシャレが苦手な人が、オシャレになれる方法」を提供するファッションECサイト「Dcollection」

-ファッションECサイトはたくさんありますが、株式会社ドラフトが運営している「Dcollection」はどういった特徴があるのでしょうか?

伊藤さん:Dcollectionは「オシャレが苦手な人が、オシャレになれる方法」を提供するファッションECサイトです。
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僕らの会社は、数年前までは大手のショッピングモールを使って、大量の商品を仕入れて、セールで大量に売るという一般的なアパレルのネット販売をしていました。その頃、商品はめちゃくちゃ売れて、広告もバンバン出していました。しかし、商品自体は売れるものの、最終的な利益はほとんど残らなかったんです。

そこで、2年前に「どこかで方向転換をしないといけない」と気が付き、「お客さんに洋服を買う時に何に困っているか?」を1000人にアンケートをしました。その結果、第一位の悩みが「そもそも何を買っていいのか?がわからない」という回答。そこから、「そもそもオシャレのやり方を教えてあげれば、そんな悩みを持つ人達が喜ぶのでは?」と考え、おしゃれが苦手な人に向けたサービスをはじめました。

-そもそも、何を買っていいのかわからない」という悩みはとても共感します。具体的に、そういう悩みをお持ちの方に向けて、どういうことをしているのでしょうか?

伊藤さん:「わからないことを、教える」といえば、学校。ということで、「オシャレ予備校」というページを、商品を売っているECサイトの中に作りました。

そこにさまざまなオシャレに必要な情報を記事として載せています。その中でも、これだけを読めば大丈夫、という鉄板のコンテンツが「オシャレの教科書」です。僕らが売っている服やコーディネートも、オシャレの教科書の内容を実現できるようになっています。

draftclub2 「何を買えばいいか分からない」などオシャレに苦手意識がある方でも、読むだけで「自分でもおしゃれができるのではないか」と感じられるそうです。

基本的には、全てのコンテンツの作り手は社員です。なぜなら、商品のこともお客さんのことも、一番わかっているのは社内のスタッフだから。原則として社員全員が月に1本はメディアの記事を上げると決めています。社内に、こういったコンテンツを作った経験がある人はいなくて、全員がド素人からファッション雑誌を見ながら、コンテンツの作り方を勉強しました。

2014年ごろから力を入れた取り組みですが、お客さんの役に立つコンテンツづくりやSEOを学びながら作り、今では月間400万PVのメディアになり、多くの方が記事から僕らのサイトに来てくれます。

さらにオシャレの教科書を読んでも悩んでしまう人のために、LINEを使ってオシャレやコーディネートのアドバイスを無料でしています。
 
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ここでは、自分たちの売っている服だけではなく、他のブランドの服なども紹介したり、すでに持っている服の写真を送ってもらってコーディネートのアドバイスもしたり。

持っている服の全てを自分たちのブランドで統一してもらうのは、現実的ではありませんし、すでに持っている服もある。でも、それをどう組み合わせるとおしゃれなのか?をアドバイスすることで、結果的に僕らの商品を買ってもらっています。今は、1日に50人くらいから相談があり、社内では20人ほどのスタイリストが対応しています。

draftclub4 よく見ると、この写真では全員が同じ黒スキニーパンツを履いています。同じアイテムでも、いろいろなコーディネートの相談ができそうです。

アドバイスをする側のスタイリストも、商品の売上ではなく、相談後のお客様の相談に対する満足度のアンケートで評価をしているので、無理やり営業をすることもありません。LINEというチャットツールなのも、オシャレが苦手な人にとっては、いい距離感なんですよね。

アンケートの中でも、「おしゃれに自信がないから、普段店員から話しかけられると緊張するけど、チャットだと上手く相談できた」「これまでオシャレに興味がなかったけど、今はコーディネートを考えるのが楽しくなった」などの声も全国からいただき、このサービスが必要とされていることを、日々感じています。これを始めてから、売上も伸びました。


過去の失敗から学んだ「選択と集中」。そして、お客さんが望むことに力を注いでいく

-無料で相談ができる、というのは本当に画期的ですね。ここまで徹底的にやるのは大変だと思うのですが、事業をする上で何を大切にしているのでしょうか?

伊藤さん:僕らが大切にしていることは2つあります。1つ目は、“相手の立場に立つこと”です。一緒に働く仲間にも、お客さんにも、相手がしてほしいことをしよう、といつも考えています。

この原点には、会社がまだ10人くらいの時代の経験にあります。この頃、スタッフ同士が、悪い理由じゃなくて同じものを目指すが故にぶつかってしまうことがよくありました。それを解決するために、一人ずつを呼び出して、「相手の立場に立って、自分だったらどう思うかを考えるように」と伝えたんです。そうしたら、社内で陰口も喧嘩もなくなった。その経験から、社内だけでなく、常にお客さんに対しても、「相手の立場に立つこと」を大切にするようになりました。

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そして、2つ目が “選択と集中”です。例えば、僕たちのECサイトが取り扱っている商品は300商品以下。色の展開も、モノトーンとトレンドの色を合わせた4色までと決めています。

実は同規模のファッションECサイトだと、1000商品以上、10色以上のバリエーションがあるのが一般的です。でも、どんなにおしゃれな人でもワンシーズンに服を40着買うなんてことはありませんよね。それに商品があまりにたくさんあっても、お客さんは何を買っていいか?がわからなくなる。だから、「自分たちが自信をもって薦められる服だけを選択して、売ること」を意識しています。

ただ商品の数や色を絞る代わりに、サイズは幅広く揃えています。なぜなら、体型は人によって違うのでお客さんの要望が多いからです。商品数は減らしながらも、サイズという必要なことには集中をします。

幅広いことを選択せずにやれば、その分人手がかかる。そうすると社内の力が拡散して、自分たちが本当にやりたいことができなくなってしまいます。そのことを、大量の商品を安く売って失敗したショッピングモールの運営時代に学びました。

でも重要なものだけに絞ると、同じ人数で仕事をしていても「余力」ができるんです。そうするとお客さんの要望や、新しいアイデアの実現に力をかけられるのです。

-そういう余力ができた時の新しい企画は、いつも伊藤さんが考えるのですか?

伊藤さん:いえ、週に1回、企画会議があって、全社員で考えます。例えば、僕からはお題として、「リピーターを増やすにはどうすればいいのか?」を出す。そして、社員からアイデアがあがって、良い企画を実行していきます。

最近、実際にやった企画としては、日替わりの週刊連載をはじめました。月曜日から日曜日まで、毎日違ったテーマで記事を更新しています。例えば、月曜日は、スタッフを変身させる企画、木曜日はユニクロのおすすめアイテムを更新する連載などです。

draftclub6 ただ発信するだけではなく、読者からの人気投票もしているそう。面白い連載は盛り上げて、連載に関する意見を取り入れて人気がないと打ち切って新しい企画をはじめるというもの。書いている側も読者からの反応があるので、企画として盛り上がるそう。

社員がいいアイデアを出せるようにするために、月に1回、社員に僕らの戦略や大切にしている考え方をテストしています。質問の内容は、たとえば「僕らのお客さんってどういう人でしょう」とか「僕らの商品が売れる理由ってなに?」など。

もちろん、間違える人もいますが、繰り返し同じ問題を出したり、大切なことが浸透する仕組みを作っています。そうすると、会社の考え方が共有できるようになって、同じ目線に立ったアイデアが出てくるようになります。だから、売上を上げるためにセールしよう!なんて誰も言いません。

もちろん、失敗した企画も思い出せないくらい沢山あります。でも、何かやって上手くいかなかったらすぐにやめて、どんどん別のことに挑戦しています。


本当にオシャレに困っている人にサービスを届け、男性ファッション市場を広げたい

-これから取り組んでいきたいことを教えてください。

伊藤さん:男性ファッションの市場を広げることです。実は男性のファッション市場は、女性の半分しかありません。それくらいオシャレが苦手な人や興味がない人がまだまだいます。

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今、僕らが集客できているのは「おしゃれに興味があるとか知識がある人」です。そもそも、もっとオシャレがわからなくて困っている人は、どういう言葉で検索していいかわからなくて、まだ僕たちのサイトにもたどり着けていない。今後は、そういう人にどうやってリーチしていくか?が課題であり、挑戦したいことです。そういう人にもリーチできたら、もっと役に立てるでしょうね。

そのための集客方法として、Web広告を使ったり、動画の活用もはじめました。動画を始めてからは、今までとは違う層が来てくれるようになりました。

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youtubeにアップされた動画版の「オシャレ予備校 実践編」。伊藤さん自ら動画に出演して、オシャレ予備校で書いているコンテンツの内容の解説や、実際に服を着てみるという取り組みもしています。

こうやって選択と集中で、相手の立場に立った新しい企画を続けながら、男性ファッションの市場を広げていきたいです。

-ありがとうございました。Webの力で、そんなお悩みが解消できるといいですね!最後に、まだWebマーケティングをやってないけど、今後Webの活用に興味がある企業へ、メッセージをお願いいたします。 
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伊藤さん:まず、「自分たちの強み」や、「お客さんが自分たちの商品を買う理由」を強く発信することが大切です。

そのためには、まずそもそも、お客さんが自分たちの商品買う理由を、自分たちがわかっていないと、発信もできません。

僕たちのECサイトで買い物をすれば、「おしゃれが苦手な人が、おしゃれになれる」。そんなサポートをしてくれるサイトは他にありません。

もし品質が良い商品を扱っているならば、なぜ品質がいいのか?どう品質が良いのか?それを買うと、どういういいことがあるのか?など。

簡単に言うと、「自分たちが何屋なのか?を明らかにする」ことですね。それを整理して、しっかりと発信していけば、ECサイトでも実店舗でも、うまくいくと思います。

ただ、リアルな実店舗と違うWebのいいところは発信のしやすさです。もし、実店舗だったらそのエリアでしか販売ができないのに比べて、Webならば全国という大きな市場で販売ができる。

しっかりと発信をすることで、Webの良さを活かしてほしいですね。

-伊藤さん、貴重なお話をありがとうございました。


メンズファッションとメンズ服の通販サイト Dcollection

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たった2つのルールを知るだけで、驚くほど簡単にコーディネートができるようになります。 明日からどんな服を買えばいいのかがはっきりと分かります。オシャレの悩みを解決し、「メンズファッションを変えていく」事が私達の目標です。

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