
マーケティングは、特定の職種や業界だけに必要なものではなく、すべてのビジネスパーソンに求められるスキルです。
市場を理解し、戦略を立て、成果につなげる思考力は、どの仕事でも強力な武器になります。
今回は、複数の事業を展開しながら、マーケティング教育事業「マーケティングキャリアラボ」を手がける株式会社Wonderlaboの代表取締役CEO廣野さんにお話を伺いました。
実務に直結する思考力を磨き、キャリアアップ・転職を支援するマーケティングキャリアラボ
ご自身の経験をもとに、マーケティングの基盤となるロジカルシンキングや、その身につけ方、キャリアアップ設計に結び付けた考え方について教えていただいています。
マーケティングを「自分ごと」として捉え、どのようにキャリアや成長につなげていくかを考えるきっかけとして、ぜひ参考にしてみてください。
目次
※本記事は株式会社Wonderlabo提供によるスポンサード・コンテンツです。
Wonderlabo Holdings株式会社 代表取締役CEO
株式会社Wonderlabo 代表取締役CEO
株式会社ワークスアプリケーションズに入社。ECコンサルティング事業にて法人営業/開発/コンサルを経験。株式会社サイバーエージェントに転職し、Web/APPのプロモーション戦略運用及び新規クライアント開拓に従事。その後、新規事業開発会社にてマーケター育成事業の立ち上げを事業責任者として業界最大手まで牽引。同時に総合代理店から専門代理店など複数代理店のプロジェクトに参画し、デジタル広告における獲得からブランドコミュニケーション設計までを経験。その後スタートアップ企業のCMOに着任しマーケティング/インサイドセールス組織の立上げやリクルーティングを含む組織開発、システム自動化による業務改善など、広範囲に渡るマーケティング全般を統括。2022年2月代表取締役CEOとして株式会社Wonderlaboを設立し、広告代理店や事業会社/消費者/学校など幅広くマーケティング教育を展開。2024年2月Wonderlabo Holdings株式会社を設立し、代表取締役CEOに就任。
マーケティングはすべての仕事に必要な力。土台になるのはロジカルシンキング
ー マーケティングは、「特定の職種や業界だけに必要なものではない」とのことですが、廣野さんにとって、マーケティングとはどのようなものなのでしょうか?
廣野さん:私にとってマーケティングとは「どんな仕事にも役立つ、夢を叶えるための思考」です。
マーケティングというと、どうしても広告とか販促のイメージが強いかもしれませんが、僕はそれだけにとどまる話ではないと思っていて。むしろ、業界や職種を問わず、すべてのビジネスパーソンが身につけておくべき考え方だと考えています。
というのも、マーケティングの本質って「現状を正しく把握して、目的から逆算すること」なんですよね。
目の前の課題に対して、まず現状を把握して、理想から逆算をして、現状何が課題なのか?の仮説を立てる。最小リソースで最大効果になるようなアプローチを組み立てていく。この流れって、営業や人事、経営など、どんな仕事にも共通して求められるものじゃないでしょうか。
ー 目的達成や課題解決に向けて、戦略的に思考する力が求められるということですね。
廣野さん:そうなんです。マーケティングスキルを身につけるうえで、土台になるのが「ロジカルシンキング(論理的思考)」です。どれだけ熱意があっても、伝える内容が整理されていなければ相手には伝わりません。冷静に物事を捉えて、筋道立てて考える力は欠かせないなと感じています。
ただ、意外とこれができている人は少ない。
ロジカルシンキングができたつもりになっているまま役職が上がったり、経験年数が増えると、自己評価が高くなっていきがちですが、話を聞いていると基本が抜けているケースは本当に多いなと感じます。その一方でロジカルシンキングだけが強い方も、表現が柔軟ではない点で課題を持っていると思っています。
ケンブリッジ大学の経済学を教える教授、アルフレッド・マーシャルの有名な言葉に「cool head but warm heart(冷静な頭脳と温かい情熱)」というものがあります。情熱だけでも、論理だけでも人は動かない。両方をバランスよく持っていることが大切だなと思います。
ロジカルシンキングの一歩目は「心が動いた瞬間」を言語化すること
ーマーケティングの土台となる ロジカルシンキングを身につけるために、最初に取り組むべきことは何でしょうか?
廣野さん:最初は、特別なスキルや難しい知識を覚えるよりも、日常の中で「考えるクセ」をつけることが大切です。
マーケティングって、突き詰めると「人の心を動かすにはどうすればいいかを考えること」だと思っています。だからこそ、日々の生活で心が動いた瞬間を意識してみることをおすすめしたいです。
たとえば、SNSで流れてきた広告や、街中で目にしたポスターを見て「なんかこれ好きだな」と思ったとき。なんでそう感じたのか、言葉にして考えてみてほしいんです。
ー たしかに、なんとなく「いいな」と思って終わってしまうことって多い気がします。自分の感情の動きを分析するということでしょうか?
廣野さん:そうです。いいなで終わらせずに、もう一歩掘り下げてほしいんです。
「この言葉の使い方が響いた」「配色が印象的だった」「この人が出ているから目を引いた」とか。理由を考えていくと、自分がどんな価値観を持っているのかも見えてきます。
さらに、「これはどんな人をターゲットにした広告なんだろう?」とか「社内でどんな議論を経て、このコピーが決まったのかな?」なんて妄想を膨らませていくのも面白いですよ。
考える力がうまく働いていないと、情報をただ受け取るだけで終わってしまう。自分なりに「なぜ?」と問い続けて深掘りする癖をつけていくことが大事です。
ロジカルシンキングを身につけるカギは「量」と「質」
ー 日常で考える習慣が少しずつ身についてきたら、次に意識すべきことは何でしょうか?
廣野さん:次のステップは、とにかく「量をこなすこと」だと思っています。
ロジカルシンキングって、頭で理解しただけでは身につかないんですよね。実際に自分でやってみて、試行錯誤して、たくさんの経験を積んでいくことでようやく使える力になっていくものなので。
常に心の揺れ動きに意識を向けて思考を重ねていくことは、自分自身という人間の輪郭を捉えるプロセスであるとともに、論理的思考を鍛えるための十分な思考量を確保することにもつながると考えています。
ただし、やみくもに数をこなせばいいわけではなくて。適切なフィードバックがもらえる環境下においては「自分の中でのベストを尽くす」という質を担保する前提がとても大切です。
たとえばよくあるのが、とりあえず完成したという状態で提出してしまうケースです。「これで大丈夫かな……」と不安が残るまま上司や先輩に見せると、指摘されたとしても本質的な改善にはつながりにくい。
だからこそ、まずは「これが自分の100%だ」と胸を張れるものを出すことが大切だと思っています。
ー 「完璧な状態で出す」って難しいですよね…。廣野さん自身は、どのようにしてその意識を身につけたのでしょうか?
廣野さん:新卒で入社した株式会社ワークスアプリケーションズでの経験が大きいですね。
ある時、上司に「この資料、何パーセントの完成度?」と聞かれたんです。謙虚なつもりで「80%くらいです」と答えたら、「なんで俺が80%のものを見なきゃいけないの?」と指摘されました。
その時、自分の詰めの甘さと覚悟の甘さを痛感しましたね。上司の時間をいただくことのある種の加害者意識的な思考に近い、相手の時間に対するリスペクトの低さなどいろいろなことに気付かされた出来事でした。
それ以来、「とりあえず作って持っていく」のではなく、「一言一句直させないつもりで仕上げる」という意識を徹底するようになりました。
もちろん、どんなに考え抜いても完璧に仕上げるのは難しいです。
でも、「これが100%だ」と思って提出したものに指摘が入ると、自分の実力がよく分かります。全力を出し切っているからこそ、自責でフィードバックを受け止められるんです。
完成度99%で出した場合、1%の負い目があるので「忙しかったから」「もう少しやれたけど」などの言い訳が浮かびます。これが、成長を妨げてしまうんですよね。
だからこそ、しっかりとフィードバックがもらえる環境では、妥協せず質にこだわった提案をすることが大切だと思っています。
ロジカルシンキングが上手くできない理由は、論理の飛躍
ー 考え抜いたつもりでも、いざ上司に説明すると「うまく伝わらない」と感じることがあるのですが、そういう場合はどうすればいいでしょうか?
廣野さん:これは、論理が飛躍してしまっていることが原因なので、「なぜ伝わらなかったのか」を振り返ることが大切です。
自分の中では順序立てて説明しているつもりでも、前提がずれていたり、途中のつなぎが抜け落ちていたりすると、聞き手にはうまく伝わりません。その結果、「何を言っているのか分からない」「なんでこうなったの?」という指摘につながります。
そうした場合は、仲の良い友人や家族に実際に話してみて、伝わりにくかった部分を質問してください。前提条件や主張など「自分が論理飛躍している箇所」について、客観的に気づくことができます。
こうした方法で繰り返し練習することで、相手目線に立ったコミュニケーションができるようになると思います。
日常生活でのコミュニケーションでも、「なぜ伝わらなかったのか?」を意識してみると、ロジカルシンキングを鍛えるトレーニングになりますよ。
ロジカルに自分の現在地を把握して、「負けない戦い方」を構築する
ー ロジカルシンキングを鍛えることで、仕事の取り組み方や考え方にどんな変化が生まれるのでしょうか?
廣野さん:ロジカルシンキングを鍛えることは、「自分の現在地を正しく把握すること」につながっていくと思っています。
自分の成果やスキルについて、「なぜうまくいったのか」「なぜ課題が生じたのか」を言語化することで、思い込みや感覚に頼らず、再現性のあるナレッジとしてノウハウを蓄積できるんですよね。
こうした積み重ねがあると、いずれ教える立場になったときにも、主観に偏らず、客観的に伝えられるようになるはずです。
あわせて、社内で成果を上げている人や、思うようにいっていない人を観察し、「なぜそうなっているのか?」を言葉にして仮説を立ててみることで、自分の強みや足りない部分が、組織の中でどこにあるのかを把握しやすくなるのではないでしょうか。
ロジカルシンキングをもとに、自分の力を過信せず、何ができていて何が足りないのかを整理する。そして、そのうえで目的に対して何を補っていくべきなのかを考えることができるようになると思います。
客観的な自己評価とアンラーニングで磨く、自分の「負けない戦い方」
ー たしかに、自己評価って難しいですよね。自信がなさすぎても良くないし、かといって過信しても危ういというか……。
廣野さん:そのバランスは本当に難しいですよね。ひとつの基準として僕が意識しているのは、「負けない戦い方」をすることです。
これは『孫子の兵法』にある「彼を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉にも通じるのですが、相手や環境と自分自身をフラットな視点で理解し、どこで勝負できるのかを見極めておくことが重要だと思っています。
たとえば、僕が新卒で入社した株式会社ワークスアプリケーションズでは、上司から「◯月◯日◯〜◯時の間に、○○社の◯◯さんとのアポイントを取ってほしい」と細かく指示を受けることがありました。
当時は経営層自らがテレアポの基礎を丁寧にレクチャーしてくださっていて、「テレアポができる力が身につけば、世界中の誰とでもアポイントが取れるようになる」という言葉が今でも印象に残っています。
実際そのとおりで、テレアポは初めてご連絡するクライアントが相手であることが基本なので、「限られた時間の中で、どのようにすれば相手が他の予定を調整してでも会う価値を感じてくれるか」を考えるトレーニングでもありました。
相手の関心ごとやスケジュールを徹底的に調べた上で、自社の価値をどのように伝えれば魅力的に映るかを論理的に構築し、検証を繰り返すことが「負けない戦い方」につながっていたんです。
自分の状況(会社の持っているアセットなど含む)を正しく把握し、相手のことを調べたうえで仮説を立てて、検証をしていくことが、どんな仕事においても大切なんですよね。
ー とはいえ、これまでの経験や成功体験があると、つい「自分はできている」と思い込んでしまいそうです。
廣野さん:そうなんですよね。だからこそ、過去のやり方や成功体験に固執せず、「今の自分はどうか?」と問い続けることが大事なんです。
ビジネスの環境はどんどん変わりますし、時代や状況に合わせて常にアップデートしていく必要があります。そのために必要なのが「アンラーニング力」です。
「アンラーニング力」とは、今までの知識や経験を一度手放して、学び直す姿勢を持つこと。成功体験に縛られず、新しい情報を柔軟に吸収し続ける。この積み重ねが、結果的に自分の「負けない戦い方」を見つけることにつながっていくのだと思います。
ロジカルシンキングを基盤としたマーケティング力は、キャリア設計にも活かせる
ー ロジカルシンキングを鍛えて、マーケティングの考え方を身につけることは、キャリア設計にも役立つのでしょうか?
廣野さん:すごく役立つと思っています。というのも、キャリアを考えるうえで大切なのは、「自分が何を求めているのか」「そのために何を手放せて、何を手放せないのか」などを整理して、優先順位を決めることだからです。
それって、まさにマーケティングと同じ考え方なんですよね。目的を明確にして、限られたリソースの中でどこに力を注ぐのかを決める。無限に選択肢がある中で、どんな戦略を立てるか(やること/やらないことを明確化すること)が重要になります。
だからこそ、日頃からロジカルシンキングで物事を整理する力を鍛えておくことは、自分自身のキャリア設計にも確実に生きてくるはずです。
「やりたいことが分からない」「自分の強みが見えない」と悩む人も多いですが、そういう時こそ、少し立ち止まって自分の感情が動いた瞬間を考えるクセを身につけるといいと思います。
成長のカギは「行動」と「言語化」
ー これからロジカルシンキングを磨き、マーケティングの実践に取り組もうと考えている方へ。最後に、ぜひ背中を押すメッセージをお願いいたします。
廣野さん:まずは「この記事をなぜ読みたいと思ったのか」「どこが印象に残ったのか」を振り返ってみてほしいです。
きっと、気になった理由や心が動いた瞬間があったはずで、それを言語化することがマーケティングスキルの基盤となるロジカルシンキングの第一歩になります。
そのうえで大事なのは、考えるだけで終わらせず、実際に行動してみることです。
よく「向き不向きを考える前に、まず動いてみよう」と言いますが、本当にその通りだと思っています。やってみて初めて、自分に合っているかどうかが分かることも多いですから。
実際、2022年にイグノーベル賞の経済学賞を受賞した「成功と運と才能の因果関係について」という論文では、成功の要因は運であるという結論が示されています。
この視点に立つと、運そのものをコントロールすることはできませんが、運を引き当てるためにどれだけ行動できるかは自分次第です。だからこそ、考えるだけで満足せず、「手を動かして、試して、失敗して、また考える」というサイクルを粘り強く回し続けることこそが、成功への最も現実的な近道だと思っています。
完璧じゃなくても大丈夫です。身近なことからでも構いません。
「なぜ?」と「その結果何が得られるのか?」を考えてみる。自分の意見を言語化してみる。その小さな積み重ねが、気づいたときに大きな力になっているはずです。
ー廣野さんのお話を通じて、マーケティングスキルは戦略的に考え、相手に届けるための力なのだと実感しました。私自身も、日常の中で心が動いた瞬間を言語化することから始め、基礎であるロジカルシンキングを鍛えていきたいと思います。貴重なお話をありがとうございました。
まとめ
本記事では、株式会社Wonderlaboの廣野さんに、マーケティングの本質やロジカルシンキングの重要性、そして思考力を武器にするための実践的なアプローチについて伺いました。
マーケティングとは、特定の職種だけに必要なスキルではなく、戦略的に物事を考え、成果につなげるための思考法であり、すべてのビジネスパーソンに求められる力です。
そして、その土台となるロジカルシンキングは、相手に伝わる形で情報を整理し、自分自身の立ち位置や目的を見極めるために欠かせない力です。
ロジカルシンキングを鍛え、時にはアンラーニングを通して市場に合わせてアップデートし続けることこそが、本質的な成長につながります。
この記事が、「行動と内省を繰り返しながら、思考力を磨く」一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
全ての人に、マーケティングを。「株式会社Wonderlabo」【PR】
株式会社Wonderlaboは、「ワクワクを科学する」というミッションのもと、マーケティングを人や組織に実装し、世界をより良くすることを目指しています。
株式会社Wonderlaboが提供する、ロジカルシンキングも鍛えられるマーケティング特化スクール「マーケティングキャリアラボ」【PR】
「マーケティングキャリアラボ」は、株式会社Wonderlaboが運営するマーケティング特化型スクールです。
マーケティング未経験の方から経験者までを対象に、実践的なスキル習得やキャリアアップを支援しています。
特に、ロジカルシンキングを鍛える「教えない教育」を採用している点が特徴で、考える力や幅広い分野(経済学や心理学、人文学など)の基礎知識を重視したカリキュラムを提供しています。
Wonderlabo Holdingsのグループ会社として、受講生には実案件の紹介や転職支援も行っており、学びから実務、キャリア形成まで一貫したサポート体制を整えています。
「スクールに入るべきかどうか迷っている」「他のスクールと比較している」という方も、ぜひ一度ご相談ください。
実務に直結する思考力を磨き、キャリアアップ・転職を支援するマーケティングキャリアラボ
※本記事は株式会社Wonderlabo提供によるスポンサード・コンテンツです。
コメント