IT資産管理とは?導入の必要性・実施の流れ・ツール選びのポイントを紹介

IT資産管理とは、ハードウェア、ソフトウェアまたはそれらにかかるライセンスを含めたITに関する資産を管理することです。

情報を一元管理して、状況を把握することによって過剰投資の防止やセキュリティの強化などを実現できます。

今回は、IT資産管理の概要や企業として資産管理を行う必要性や管理対象、具体的な管理方法や注意点を紹介します。

また、IT資産管理ツールの選び方やおすすめツールもあわせて解説しますので、あわせてご覧ください。

この記事を最後まで読めば、IT資産管理の基礎を把握でき、IT資産をきちんと管理するための行動に移せるようになります。

「IT資産管理の業務内容を把握したい」「IT資産の管理対象や資産管理の進め方を知りたい」「IT資産管理を効率的に進めるツールにはどのようなものがあるか知りたい」

上記に当てはまる方はぜひ参考にしてください。


IT資産管理はIT関連情報の状況の把握と管理を行うこと

IT資産管理とは、IT関連情報の状況を把握してそれらを維持・管理をすることです。

具体的には、ハードウェア、ソフトウェアまたはそれらにかかるライセンスを含めたITに関する資産を管理することを指します。

企業で管理する主なIT資産については、ハードウェアではPCや社用携帯、ソフトウェアではデバイスにインストールされたツールなどがあげられます。

IT資産管理は、企業の経営資源を守り適切に運用・管理するうえで、重要な役割を担う大切な業務です。

参考:IT資産管理とは?必要性とIT資産管理ツールの選定ポイントをご紹介|株式会社日立ソリューションズ
   IT資産管理ツールとは?導入目的・仕組みをわかりやすく紹介|アスピック


IT資産管理の必要性

IT資産管理の必要性は、主に3つに分けられます。

  • 管理状況の適切な把握による過剰投資の防止
  • 脆弱性や情報漏えい対策のためのセキュリティ強化
  • コンプライアンスの遵守

それぞれの概要と具体例について確認していきましょう。

管理状況の適切な把握による過剰投資の防止

管理状況の適切な把握によって過剰投資の防止ができ、TCOの削減が実現します。TCOとは、初期費用、維持費用、廃棄費用までを含めた総資産コストのことです。

IT資産の管理状況が確認できていないと、余っているライセンスを見落としたり使用していないデバイスを把握できなかったりする可能性があります。本来は使用可能なIT資産を見落として新たに購入してしまい、無駄な過剰投資が生まれてしまう危険性があるのです。

IT資産管理を行えば、企業のデバイス数やライセンス、OSなどを適切に管理することができ、コストを最適化することができます。

脆弱性や情報漏えい対策のためのセキュリティ強化

ソフトウェアやデバイスのOSの脆弱性や情報漏えい対策のためのセキュリティ強化が可能です。

継続的にIT資産管理を行うことによって、OSやバージョンのパッチを常に最新化できます。

そのため、ソフトウェアやデバイスのOSの脆弱性を防いだり、社員のソフトウェアの不正利用を防いで情報漏えいを防いだりすることが可能です。

また、セキュリティの強化には、可用性、機密性、完全性を意識したIT資産管理が効果的で、これらは情報管理の三大要素としても知られています。

外部からのサイバー攻撃や内部からの情報漏えいを防ぐためにも、適切な資産管理が必要とされます。

コンプライアンスの遵守

IT資産を管理することで、コンプライアンスの遵守が可能です。

IT資産管理における具体的項目としては、「使用許諾条件の遵守」「遵守状況の適時の把握」「約款の遵守」があります。

「使用許諾条件の遵守」について、ソフトフェアには、使用や複製、譲渡などの項目において契約事項や免責事項などが記された使用許諾条件事項があります。

これらは利用期間中に変更されることがあるため、ソフトウェアの稼働状況や稼働デバイス、利用者数などを把握することが必要です。

「遵守状況の適時の把握」については、ソフトウェアは、利用者がそれらを開封、インストールした時点で使用許諾条件の同意したことになります。

しかし、人事異動などで定められた場所以外にソフトウェアが移動されるなどといった場合には注意が必要です。

複製の禁止事項に抵触するなど、使用許諾条件を侵害する場合があるので取り扱いに注意しなければなりません。

これらは故意でなく行われてしまうため、適切な管理が必要となります。

「約款の遵守」については、クラウドサービスにおいても利用約款が存在するため遵守することが必要です。

ソフトフェアの使用許諾条件と同様に、利用者の利用期間中に通達なく変更されることがあります。

そのため、約款の情報を常に把握して、それらの遵守状況や変更に伴うサービス使用の影響を知る必要があります。

参考:IT資産管理とは?必要性とIT資産管理ツールの選定ポイントをご紹介|株式会社日立ソリューションズ
   いまさら聞けない!IT資産管理の基礎から最新トレンドまで分かりやすく解説|wiz LANSCOPE
   TCOを意識したIT資産管理で目に見えにくいコストを削減|アセット
   政府情報システムに係る IT 資産管理の必要性について|政府CIOポータル


IT資産の管理対象

IT資産の管理対象は、次の3種類です。

  • ハードウェア
  • ソフトウェア
  • ライセンスウェア

それぞれの詳細な管理項目を確認していきましょう。

ハードウェア

ハードウェアは、デバイスやその周辺機器のことです。具体的な管理対象は、デバイス(PC、スマートフォン、タブレット)、ネットワークやネットワーク機器、記憶装置(HDD,USB,SSD)、出力装置(モニター、プリンター)などがあります。

ソフトウェア

ソフトウェアは、ハードウェアに搭載されているプログラムのことです。具体的な管理対象は、アプリケーション、OS、ミドルウェアなどがあります。

ソフトウェアはアップデートが頻繁に行われるため、抜けのない徹底した管理が必要です。

都度更新しないと脆弱性が高まりセキュリティリスクが生じたりバグの修正が行われず不具合が起きたりする危険があるため、継続的な管理をしましょう。

ライセンスウェア

ライセンスウェアとは、ソフトウェアを使用できる権限のことです。

使用権限数には限りがあるため、使用可能なライセンス数を把握することが管理対象となります。

ライセンスウェアの管理を行わないと、使用権限数を超えてライセンス違反になることがあります。

また、余っているライセンスを見落として、新しいソフトを無駄に購入しないように注意しましょう。

参考:IT資産管理とは?必要性とIT資産管理ツールの選定ポイントをご紹介|株式会社日立ソリューションズ
   いまさら聞けない!IT資産管理の基礎から最新トレンドまで分かりやすく解説|wiz LANSCOPE


IT資産管理を行うメリット

IT資産管理を行うメリットは、以下の通りです。

  • 情報を一元管理できる
  • セキュリティに関する脆弱性対策の強化ができる
  • 資産の過剰投資が防止できる
  • 社員の不正行動の抑止力が強化できる

1つずつ確認していきましょう。

情報を一元管理できる

散乱している社内のIT資産の情報をまとめて一元管理できるため、迅速な情報把握や管理につながります。

例えばハードウェアの稼働状況やメンテナンスの必要性の把握、ソフトウェアの更新状況やその他問題の検出などを1つの場所でまとめて管理できます。

やるべき対応を把握してすぐに取り掛かることができるため、スムーズな業務遂行と効率的な運用が可能です。

セキュリティに関する脆弱性対策の強化ができる

IT資産を管理することで、セキュリティに関する脆弱性対策の強化ができます。

ソフトウェアは、常にアップデート状況を最新にして、プログラムの不具合などから起こる脆弱性をなくす必要があります。

IT資産管理を行えば、ソフトウェアの更新状況を素早く把握することが可能です。

アップデートの抜け漏れをなくすことができ、ソフトウェアの更新状況を最新に保つことができます。

参考:ソフトウェアの更新|総務省

資産の過剰投資が防止できる

IT資産が適切に使われているかについて状況の把握ができるため、状況を見落として過剰投資することを防げます。

例えば、ハードウェアの稼働状況を一元管理できるため、長期間にわたって未使用のものを検知することが可能です。

使用可能かどうか判断して、適切に活かしたり廃棄したりできます。

資源の無駄のない適切な使用につながるため、過剰投資を防止することができます。

社員の不正行動を抑止できる

IT資産情報について適切な管理を行うため内容の状況把握をしている旨を通知すれば、社員の不正行動の防止につながります。

IT資産を管理する旨を社員に通知すれば、一人一人がIT資産管理の必要性を見直すこととなるため、取り扱いが慎重になり、行動にも反映されるようになるからです。

実際にIT資産を管理することで、不正行動を抑止した事例を紹介します。

ある化粧品やサプリメントなどを製造・販売する企業は、内部からの情報漏えいを防ぐためのIT資産管理に注力することを決めました。

具体的にはIT資産管理ツールを導入しながら、社員に不正利用に関する社内ルールを徹底させることで、年々違反件数が減少したそうです。

IT資産管理を行うことは、社員が適切に資産を利用するための意識改革につながります。

参考:IT資産管理ソフトSS1の導入事例|株式会社ディー・オー・エス


IT資産管理の具体的な手順

IT資産管理の具体的な手順を紹介します。

  1. 現状の課題を見直して資産管理の目的を設定する
  2. IT資産の対象範囲を明確化する
  3. 台帳にIT資産情報を記帳する
  4. 台帳への記入内容とハードウェアの情報を紐づける

1.現状の課題を見直して資産管理の目的を設定する

最初に、資産管理にあたっての自社の課題を洗い出して現状を把握した後に、課題を解決するための資産管理の目的を設定しましょう。

目標を設定することにより、IT資産管理で特に注力すべき箇所を把握できるため、目的達成に向けてより適切な運用管理を行うことができます。

例えば、課題として社内で安全性が担保できないソフトウェアが無断でアップロードされた事例があったとしましょう。

これを受けて社内の不正利用をなくしたい場合は、目的を「コンプライアンスの強化」などと設定できます。

他にも、課題としてまだ使用できるデバイスの廃棄事例があり、資源を適切に利用したい場合は、目的を「コスト削減」などと設定が可能です。

2.IT資産の対象範囲を明確化する

次に、IT資産の棚卸を行ってIT資産の対象範囲を明らかにしましょう。

ハードウェア、ソフトウェア、ライセンスウェアの区分を整理した後、範囲を明確化して資産区分、利用区分を明確化してください。

3.台帳にIT資産情報を記帳する

画像説明

エクセルなどで管理台帳を用意し、IT資産情報を記帳します。

台帳には、メーカー名、OS、IPアドレスなど管理に必要な最低限の情報とともに自社の重視する管理目的に併せて必要な項目を追記していきましょう。

情報を集約して一元管理を行い、ハードウェアの稼働状況やソフトウェアの更新状況を記帳するなど、常にアップデートを忘れないようにしてください。

4.台帳への記入内容とハードウェアの情報を紐づける

画像説明

次に、台帳への記入内容とハードウェアの情報を紐づけます。これを行う理由は、棚卸を行う際に台帳とハードウェアの情報を一致させて、情報の管理をしやすくするためです。

ハードウェアにはそれぞれに固有のIDを付与したうえで台帳に情報を記載します。

そして、ハードウェア本体へは端末を識別するためのIDラベルなどを貼り付けておいてください。

参考:IT資産管理を行う方法は?効率的に運用するポイントを解説|ITトレンド
   IT資産管理の必要性とは?運用が煩雑になりがちだが管理ツールは必須なのか?|ITボランチ
   【PC管理】社内のIT資産を台帳管理するには?端末の効果的な管理方法|モノの管理のヒント


IT資産管理の2つの方法

次に、IT資産管理を行う具体的な方法には、「手作業で台帳に記入して管理する方法」と「IT資産管理ツールを使用して管理する方法」があります。

「台帳に記入して管理を行う方法」とは、手作業で管理データを記入していくものです。

具体的なやり方としては、デバイスやサーバーなどのハードウェア、ソフトウェアのバージョンや更新状況を台帳で一元管理します。

「IT資産管理ツールを使用する方法」とは、IT資産管理ツールを使用して資産情報を一元管理をするものです。

IT資産管理ツールは、作業時間を短縮でき、効率性に優れているのが特徴です。

2つの実施方法について、それぞれのメリット・デメリットをまとめますので参考にしてください。

IT資産管理の方法メリットデメリット
台帳に記入して管理を行う方法・コストが不要である
・システムの導入が不要である
・専門的な知識がなくても操作が扱いやすい
・記帳に時間がかかる
・IT資産が多いと、管理が煩雑になる
IT資産管理ツールを使用して管理する方法・IT資産管理の効率的な運用ができる
・管理するIT資産が多い分社員の業務負担を軽減できる
・強化したい部分に合わせたツールを選ぶことができるため、さまざまな課題を解消できる
・システムの導入や使用維持にあたり金銭的なコストがかかる
・導入や操作や管理方法を知るために一定の時間が必要となる

手作業への台帳記入とIT資産管理ツールでの管理方法のどちらを選ぶべきかの目安としては、従業員規模が100人を超える場合にはIT資産管理のツールの導入を検討しましょう。

2022年10月にキーマンズネットが行った「IT資産管理ツールの導入状況」に関する調査によると、従業員数の増加とツールの導入率の上昇には相関がありました。従業員数が100人を超えると導入率が過半数になるとのことで、目安として参考にしてみてください。

また他にも、ITの資産管理数が増えることによって過剰業務となり、台帳記入での管理が難しくなったタイミングでツールへの移行を検討するとよいでしょう。

参考:IT資産管理ツールの導入状況(2022年)/前編|キーマンズネット
   エクセル台帳で資産管理を行うメリット・デメリット|MONO達
   多くの企業で行われる「Excel(エクセル)による台帳管理」 課題や効率化のヒントとは?|ASTERIA Warp
   【PC管理】社内のIT資産を台帳管理するには?端末の効果的な管理方法|モノの管理のヒント


IT資産管理ツールの選び方

IT資産管理ツールの選び方について紹介します。

重要視したい項目は、以下の通りです。

  • 導入目的に応じた機能があるか
  • OS・デバイスの対応範囲が適合しているか
  • セキュリティポリシーに合った機能を搭載しているか

各項目を確認していきましょう。

導入目的に応じた機能があるか

IT資産管理ツールの選択では、まず導入目的に応じた機能が備わっているかを確認することが重要です。具体的な業務への機能活用可能性を検討する必要があります。

目的としては「社内のコンプライアンス強化」「業務負担の軽減」などさまざまです。実際に課題に感じている部分を深掘りすることで必要な機能が見えてきます。

例えば、「ソフトウェアの管理の効率化」を目的としており、特にソフトウェア配布業務を自動化したいと感じている場合は、ソフトウェア状況の配布状況の一元管理や自動配布機能があるツールを選びましょう。

ただし、多くのツールが似たような機能を提供しているので、独自機能もあわせて比較すると良いでしょう。

OS・デバイスの対応範囲が適合しているか

OS・デバイスの対応範囲が適合しているかを確認することは重要です。

OSには、MacやWindowsの両方に対応するものや、どちらか一方のみに対応するものなど多様な種類があり、対応OSによって実装されている機能も異なります。

PCだけでなく、スマートフォンやタブレットを含めて管理する場合、Android・iOSへの対応状況も確認する必要があります。特定のデバイスやOSのみに対応しているツールを選ぶ場合は、そのツールの特定の機能が必要な場合に限定されます。

できるだけ多くの種類のデバイスやOSに対応しているツールを選ぶことが望ましいです。

セキュリティポリシーに合った機能を搭載しているか

自社が設定するセキュリティポリシーに合った機能が搭載されているツールを選びましょう。

セキュリティポリシーに合わせたツール選びをすることで、規定の確実な遵守のために適切なIT資産の運用・管理が可能です。

例えば、セキュリティポリシーに、「企業で許可を受けた以外のUSBメモリーの使用禁止」という項目があるとします。

このとき、企業が定めた特定のUSBのみの利用を許可して、それ以外は使用を遮断できる機能があるツールを選ぶとよいです。

セキュリティポリシーに合わせた機能があるツールを選べば、遵守を手助けして、ポリシーに不適合な行動を自然に制御することができます。


IT資産管理のおすすめツール3選

IT資産管理のおすすめツールを紹介します。より多くのツールを比較したい場合は以下の記事をご確認ください。

参考:【2023年最新版】IT資産管理ツールおすすめ32選を比較!選び方も紹介│LISKUL

1.AssetView/株式会社ハンモック

AssetView
AssetView【IT資産管理ツール・情報資産管理ソフト】
多面的なセキュリティ対策が実現できる統合型IT運用管理ツールです。主に、外部からの脅威の侵入対策と内部からの情報漏えい対策が可能で幅広いリスク管理に適します。

外部からの脅威の侵入対策には、アクセス制限、マルウェア対策、セキュリティアップデートなどの機能が搭載されています。また、内部からの情報漏れ対策には、ログ取得、紛失時の対処、持ち出し制御などがあります。

主要機能・PC更新管理 マルウェア対策(エンドポイントセキュリティ)
・内部不正対策(VPNセキュア/PC操作ログ管理/メール監視・分析/デバイス制御/不正PC遮断/画面操作録画/Webフィルタリング/アーカイブ)
・データ流出対策(ファイル暗号化/個人情報検索) PC運用管理(IT資産管理/アプリケーション配布/リモートコンソール/モバイルデバイス管理)
タイプオンプレミス/クラウド
対応OSiOS/iPadOS/Windows/Android™
対応デバイスPC/スマートフォン/タブレット

2.MCore/住友電工情報システム株式会社

MCore
IT資産管理ソフト MCore | 住友電工情報システム

運用支援の段階から、資産管理、セキュリティ対策、コンプライアンス遵守までを総合的にカバーします。

1サーバーで1万台以上を管理できるため、大規模運用にも適しているのが特徴です。

ソフトウェア配布、バッチ管理、ソフトウェア資産管理、デバイス管理、不正接続検出など多彩な機能があります。

また、担当者の負担を軽減するサポート機能も充実しているため、操作性に不安のある方にも安心感があります。

主要機能・イベントリ管理(PC資産管理/ウイルス対策ソフト管理/資産管理)
・ソフトウェア配布(メッセージ配信/ソフトウェア分散配信機能)
・パッチ管理(セキュリティパッチ/ソフトウェア分散配信)
・ソフトウェア資産管理(インストールソフトウェア管理/ライセンス管理/ソフトウェア辞書)
・操作ログ管理(ログ管理/統合ログ管理ツール連携)など
タイプオンプレミス/クラウド
対応OSAndroid/iOS/Windows/MacOS
対応デバイスPC/スマホ/タブレット

3.SKYSEA Client View/Sky株式会社

SKYSEA Client View
SKYSEA Client View│ITセキュリティ対策とリスクの発見を支援

オンプレミスとクラウドから選択できる複数の運用形態が特徴です。ネットワーク機器の情報収集やIT機器の接続をアラートで通知するなど、セキュリティ対策の「資産管理機能」があります。

クライアントPCやハードウェア、ソフトウェア情報、プリンター、ルーターなどを24時間ごとに自動収集して1つの台帳で管理が可能で、操作性の高いUIが特徴です。

主要機能・資産管理
・ログ管理
・セキュリティ管理
・デバイス管理
・ITセキュリティ対策強化
・レポート
・メンテナンス
タイプオンプレミス/クラウド
対応OSiOS/iPadOS/Android/Windows/macOS/Linux OS
対応デバイスPC/スマホ/タブレット

IT資産管理でありがちな失敗例

ここでは、IT資産管理でありがちな失敗例について紹介します。

事前に確認しておくことで、運用が成功できるように事項を把握しておきましょう。

  • 管理ツールのバージョンが最新版ではない
  • 管理対象外の端末が多い
  • 管理台帳へのアクセス権限への過剰付与

それぞれの内容と失敗を防ぐ方法を解説します。

管理ツールのバージョンが最新版ではない

1つ目は、管理ツールの更新作業をしないことによって、最新版ではない状態で使用していることです。

管理ツールが最新状態になっていないと、バグや不具合が修正されなかったり、新しい機能が付与されなかったりして、円滑な使用ができなくなってしまいます。

また、セキュリティのリスクが高まり、外部からのサイバー攻撃に合う危険性も高まります。

特に、外部からの攻撃は、実際に起きてからの対応は困難を極めるため、定期的な管理を怠らないことは必須です。

また管理に必要な人手や作業時間が足りない場合は、IT資産管理ツールの自動アップデート機能や、更新を知らせるアラート機能を用いて、確実な更新作業を行いましょう。

管理対象外の端末が多い

2つ目は、IT資産管理ツールの管理対象外の端末が多く、社内で適切な管理が不可能になっていることです。

管理対象外の端末が増えてしまう主な理由としては、リモートワークの実施によって、社内ネットワークを使用しない場合のデバイスの使用があげられます。

社内ネットワークを使用しないデバイスは、ログ取得が難しく社員の正しい適切な利用を管理することが困難です。

この失敗例に対する対策としては、クラウド型のIT資産管理ツールを使用することで解決できます。

クラウド型ツールは、インターネットを経由しているデバイスであれば管理が可能となるため、社内サーバーの対象外の端末であっても適切な管理が可能です。

管理台帳へのアクセス権の過剰付与

3つ目は、管理台帳へのアクセス権の過剰付与によって、本来付与しなくてもよい社員も閲覧できてしまうことです。

情報漏えいのリスクが高まることとなり、社内のIT資産管理情報が外部に流失するリスクも高まる危険性があります。

管理台帳にアクセスできる人数が増えることは、一人一人の過剰業務が減るため、適切な運用管理につながるというメリットもあります。

一方で、このようなリスクについても理解したうえで、アクセス権を付与する範囲についてもよく検討したうで、適切な人数に付与するようにしてください。


まとめ

IT資産管理の概要や必要性、具体的な管理対象や管理方法や注意点から、IT資産管理ツールの選び方やおすすめツールを紹介しました。

IT資産管理とは、ハードウェア、ソフトウェアまたはそれらにかかるライセンスなどのIT関連情報の状況を把握して維持・管理をすることです。

IT資産管理を行う必要性は、以下の3種類です。

  • 管理状況の適切な把握による過剰投資の防止
  • 脆弱性や情報漏えい対策のためのセキュリティ強化
  • コンプライアンスの遵守

また、IT資産管理を行うメリットは、以下の通りです。

  • 情報を一元管理できる
  • セキュリティに関する脆弱性対策の強化ができる
  • 資産の過剰投資が防止できる
  • 社員の不正行動の抑止力が強化できる

一方で、IT資産管理を行う注意点は、以下の通りです。

  • デバイスの種類や数が増えると管理が煩雑になる
  • 従業員が不信感を抱く危険性がある
  • ソフトウェアの更新漏れにより起こる弊害を理解する

企業の経営資源を適切に運用するためにIT資産管理の方法を知っていただき、活用できる一助となれば幸いです。