
リスティング広告の効果を上げるために日々試行錯誤しているものの、なかなか効果が良くならないと悩んでいませんか? 実は、最低限のポイントを抑えてアカウント構成を変更すれば、効果が劇的に改善するケースが非常に多いです。
私はこれまで9年間リスティング広告を運用してきました。その中で、多くのアカウント構成を変更して、確実に効果が改善するパターンが分かってきました。今回は事例を交えてそのポイントを解説していきます。
目次
1. 日予算のバランスを考慮してキャンペーン構成を変更!
獲得件数が4.5倍に!
まず、これだけはすぐに実践して頂きたい内容をお伝えします。
獲得が見込めるキーワードなのに、検索したときに広告が掲載されていないことがあります。
それは、コストを多く利用するキーワードと同じキャンペーン内にそのキーワードが登録されており、キャンペーン毎に設定している日予算が少ない場合です。
この状態だと、コストを多く利用するキーワードで1日の上限予算に達してしまい、獲得が見込めるキーワードでも全く表示されずに、広告費がかさむだけになってしまいます。
そのようなことが起きないように、コストを多く利用するキーワードは別キャンペーンを立てて日予算を別途設定することで機会損失を防ぐようにしましょう。
私は過去にこのようなアカウントの構成を変更し、獲得件数が変更前の4.5倍になり、獲得単価が70%近く下がりました。
これは、簡単で確実にすぐに効果が出るやり方です。
現在、自分のアカウントで日予算によるインプレッションシェア損失率が発生している場合は、このやり方を試してみると良いでしょう。
2. キーワード、タイトル・説明文、リンク先URLに
一貫性を持たせることで獲得件数1.7倍、獲得単価25%低下
アパレル通販アカウントの例をご紹介しましょう。そのアカウントは非常に商品が多かったため、数万キーワードを登録しておりました。
そのアカウント構成を変更したところ、変更前後で獲得件数が1.7倍、獲得単価は25%低下と大きく効果が改善しました。
変更する前のアカウントはキーワード、タイトル・説明文、リンク先URLに一貫性が乏しく、どのキーワードがどの広告グループに登録されているのか分かりにくい状況でした。
例えるなら、図1のような状態です。
図1)変更前のアカウント構成(イメージ)
このアカウント構成の問題点は、ワンピース・スカート・カーディガン・スーツ等様々なアイテムを検索したユーザに対して、同じ広告・同じリンク先URLが設定されていることです。
ワンピースを検索したユーザにはワンピースの広告、ワンピースのリンク先URLを設定しなくてはいけません。この設定を細かく出来るとリスティング広告の効果を劇的に改善させるポイントとなります。
このアカウントでは、アイテム毎の広告グループを作成し、各アイテムの広告、各アイテムのリンク先URLを設定しました。
それにより前述の獲得件数1.7倍、獲得単価25%低下を実現することが出来ました。
図2に変更後のアカウント構成イメージを示します。
図2)変更後のアカウント構成(イメージ)
この例を元に、キーワード、タイトル・説明文、リンク先URLの一貫性を持たせることを意識してアカウント構成を変更してみましょう!
アカウント構成の見直しとともにリンク先URLも見直したいという方は下記記事でリンク先URLのポイントをご紹介しておりますので、併せてご確認下さい。
【ランディングページで参考にすべき事例を元に4つの定石を解説】
3. マッチタイプを分けて登録⇒獲得単価が2/3に低下!
広告グループに一貫性を持たせた後は、キーワードのマッチタイプに注目してみましょう。
同じキーワードでもリスティング広告では、完全一致、フレーズ一致、絞り込み部分一致、部分一致と4つのマッチタイプが存在します。
このマッチタイプと上手く付き合っていくことが効果改善のカギになります。
私の過去の運用例で言うと、完全一致と部分一致を分けて登録したことで、同じキーワードでも変更前に比べて獲得単価が33%も低下したことがあります。
獲得が見込めるキーワード、表示回数が多いキーワードは完全一致と部分一致の広告グループを作成し、部分一致は完全一致のキーワードよりも低いクリック単価を設定しましょう。
さらなる効率化を目指すためにはフレーズ一致、絞り込み部分一致が必要となりますが、まずは完全一致と部分一致から始めるのが良いでしょう。
すると、同じキーワードでも完全一致と部分一致で費用対効果が大きく異なることが分かると思います。
部分一致は完全一致に比べて表示回数が非常に多いですが、登録したキーワードと関連性が低い場合に掲載されることで、獲得効率が完全一致に比べて悪くなる場合が多いのです。
そのため、最低でも完全一致と部分一致は広告グループを分けて登録し、部分一致のクリック単価は低く設定しておきましょう。
4. 完全一致以外の広告グループには除外キーワード!
獲得単価が60%以下に!
上記のマッチタイプを分けた後の話になりますが、完全一致以外の広告グループには関連性が低いキーワードの除外設定を出来る限り行いましょう。
先にも記した通り、部分一致は登録したキーワードと関連性が低い場合に掲載されることが多々あります。
そのような掲載は、広告をクリックされて課金されても獲得に繋がりにくいです。なので、あらかじめ除外キーワードを設定して防止しましょう。
この施策を行うと、広告の表示回数が大きく減少しますが、クリック数はそこまでは減少しないため、クリック率も改善し、今まで以上に安価なクリック単価での上位掲載が可能となります。
過去に除外キーワードを行ったことで、表示回数が1/6程度まで下がり、クリック数が20%ほど減少しました。
これによりクリック率が改善され、クリック単価が35%低下し、獲得単価が60%まで下がりました。
部分一致クエリレポートを抽出すれば、完全一致以外のキーワードでどのようなキーワードで検索したときに広告が表示されているか分かりますので、そちらを参考にして除外キーワード設定をしていけば確実に効果が良くなります。
また、部分一致クエリは日々変わってきますので、定期的に見直しましょう。
日別レポートを確認して、自分では入札等の変更を行っていないのに、表示回数が増加した、クリック率が低下した等の現象が起きたときは見直すタイミングと言えます。
3、4でご説明した内容を図でまとめると下記の通りです。
苺の通販サイトが「苺」というキーワードを登録した場合のイメージです。
図3)広告グループ変更前:「苺」というキーワードを部分一致で登録した場合
「苺」の部分一致で掲載される表示回数が大半となる
図4)広告グループを完全一致と部分一致で分けて部分一致のクリック単価を下げた場合
黒文字のキーワードで検索したときには広告が掲載されにくくなり、部分一致の表示回数が減少する(あくまでもイメージです)
図5)部分一致の広告グループに除外キーワード設定した場合
黒文字のキーワードで検索したときには広告が全く表示されず、部分一致の獲得効率が改善します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回お伝えしたポイントは出来る限り少ないリソースで大幅な効果を期待できる、最低限のポイントになります。
これ以上の更なる効果改善施策も実は数多くありますが、手間も時間がかかる施策になりますので、もしそのような施策をご希望される場合には是非ご相談下さい。
なお、リスティング広告初心者向けの無料ガイドブックでは、中小・ベンチャー企業でもリスティング広告で効果を出す方法について60ページに渡り丁寧に解説しています。
無料でダウンロードできますので、興味のある方は参考にしてみてください。