【OMO事例11選まとめ】事例から見えたOMO成功の3つのポイント

コロナによる影響も相まって、近年OMOに多くの注目が集まっています。実際にOMOを取り入れたいと考えているマーケ担当者の方も多いのではないでしょうか。

新たな施策を始めるにはリスクがつきものですが、できる限り失敗はさせたくないもの。過去OMOに取り組んだ企業の事例から、事前にOMOの勘所をおさえておくのが成功のための近道です。

今回は11個のOMOの事例をご紹介し、そこからわかった成功のポイントや失敗させないための注意点をまとめました。

こちらを読めば、OMO成功のポイントがわかり、プロジェクトを進められます。その結果、OMOを成功に導きやすくなります。


OMOの成功事例9選

OMOに取り組み、一定の成果を創出した9個の企業事例をご紹介します。

1.チェックインを活用して最適な接客を実施

アパレル大手の「ナノ・ユニバース」では、スマートフォンアプリのチェックイン機能を活用して、OMO施策を実施しています。お客様が事前に買いたいアイテム・店舗・日時を指定して来店後チェックインすると、事前に販売員が考えたコーディネートを試着できるという仕組みです。

販売員があらかじめお客様の好みを把握したうえで提案をすることで、お客様と販売員のコミュニケーションがスムーズにいくというメリットがあります。オンラインで商品を把握してもらい、オフラインではスタッフによる商品や着こなしの提案をするという、2つの価値をうまくつなげた設計です。

その結果お客様一人一人のニーズに合ったコミュニケーションがとれるようになり、顧客単価の上昇につなげています。

参考:顧客が自分らしく買い物を楽しめる店舗へ、ナノ・ユニバースがチェックイン機能で提案する体験とは

2.モバイルオーダーで行列解消

「マクドナルド」では、アプリを利用したモバイルオーダーの活用が増えてきています。モバイルオーダーは店舗到着前にオンライン上からでオーダーをしておくことで、店舗到着後すぐに商品が受け取れるという仕組みです。これにより待ち時間が減り、行列に並ぶフラストレーションも解消されます。

モバイルオーダーではメニュー選択後、席で受け取るボタンをタップしてテーブル番号を選択すると、できあがった商品をスタッフが届けてくれます。オンラインの仕組みをうまく活用して、オフラインのストレスを解消した事例です。

参考:【身近なOMO】モバイルオーダーに学ぶこれからの飲食店のかたち

3.グループを横断した送客で顧客をロイヤリティ化

セブン-イレブン、イトーヨーカドーなどを展開する「セブン&アイ・ホールディングス」では、グループを横断した送客を実施しています。

セブン&アイ・ホールディングスでは買い物でポイントが貯まるセブンマイルプログラムという仕組みがありますが、このプログラムを活用することで顧客の購買データや行動データを分析し、属性に応じたプロモーションを実施することが可能です。

例えばユーザーの購入店舗の変化から、顧客の転居をシステムが察知して最寄りの百貨店やスーパーを案内するようになります。このようにオフラインでの購買情報をオンラインで分析し、グループを横断した送客を実現しています。

その結果グループ全体で顧客にアプローチでき、グループ全体の売上アップに貢献しています。

参考:グループ横断のデジタル戦略として、 CRM を実現するロイヤリティプログラム・分析基盤を AWS 上に構築 「デジタル」の力で顧客エンゲージメントを強化

4.店舗のデータをECに連携し離脱率低下

メガネの販売をメイン事業とする「Zoff」では、オフラインの店舗だけでなく、オンラインのECサイトでの販売に力を入れています。メガネは視力を測る工程を、オフラインの店舗でする必要があります。そのためオンラインの販売に課題がありました。

そこでZoffはオフラインで測定した視力・メガネの度数データを、顧客IDに紐づけています。お客様はIDでECサイトにログインすれば、自分に合ったメガネをスムーズに購入できます。その結果ECサイトでの離脱率低下につながりました。

参考:「業務効率化」と「鮮度の高い情報の提供」を実現したZoffのオムニチャネル。お客様自身の視力度数も紐づけ。

5.アカウントを共有した無人決済店舗を展開

ECサイトを運営する「Amazon」は、無人決済店舗「Amazon GO」の店舗を増やしています。Amazon GOでは商品を手に取るとアプリに商品が追加され、ゲートを通るとAmazonアカウントから自動で清算がおこなわれます。

店内には複数台のカメラとマイクが設置されており、AIとシステムを連携させています。これにより完全無人で店舗を運営できるため、運営コストを下げた店舗展開が可能です。日本でも無人コンビニの設置が増えているので、今後はAmazon GOのような無人店舗が増えるかもしれません。

参考:【今さら聞けない】「Amazon Go」とは?……これで“世界”が変わるかもしれない

6.アプリを活用してスムーズな医療を実現

中国でアプリを活用したオンライン診療を実現しているのが「平安グッドドクター」です。平安グッドドクターではAIチャットを利用した問診がおこなわれ、テレビ電話などを使ってオンラインでの診察が受けられます。そして対面での診断が必要な場合、医療機関への予約も可能です。

医療分野でおこなわれているOMOの事例で、患者・病院どちらにとってもメリットがある仕組みです。

参考:診療における業務デジタル化、通院不要のオンライン診療の時代が到来?

7.オンラインとオフラインが融合したスーパーマーケット

中国の大手ECサイトを運営する「アリババ」は、スーパーマーケット「フーマーフレッシュ」を運営しています。フーマーフレッシュでは店頭で購入を決めた商品でも、すぐに必要ない場合は後で無料配送してもらうことが可能です。さらに購入した食材をその場で料理人に調理してもらえるという、オフラインならではの取り組みも実施しています。

アリババではフーマーフレッシュの成功を活かして、アパレルや家電などにも展開される可能性があります。

参考:アリババの最先端スーパー「フーマー」がスゴイ!新しい小売りとOMO戦略とは?

8.モバイルアプリをベースにした新たな顧客体験店舗

世界中で店舗展開する「スターバックス」は、中国でOMOを活用した「Starbucks Reserve Roastery(スターバックスリザーブロースタリー)」と「Starbucks Now(スターバックス ナウ)」という店舗を展開しています。

Starbucks Reserve Roasteryは焙煎所などの施設も兼ね備えた高級店で、2019年には日本にもオープンしています。Starbucks Reserve Roasteryの中国店ではアリペイでの支払いの場合、決済後コーヒーの準備が完了したら通知が受け取れます。従来のように注文後、列に並ぶ必要はありません。

Starbucks Nowでは店内にレジがなく、注文はアプリか店内に設置された端末からおこないます。支払いもすべてモバイル上で完結します。さらにデリバリーにも対応しています。座席数は少ないので、アプリ起点でのデリバリーを重視した店舗と言えるでしょう。

このようにスターバックスではOMOを活用した、コンセプトの違う店舗を展開しています。今後さまざまな飲食店で、このような店舗が増えるかもしれません。

参考:スタバが採った2つのOMO戦略。サードウェーブの先にあるカフェの形とは | Starbucks
   スタバ新型店舗「Starbucks Now」。中国発の3つの理由

9.さまざまな店舗でポイントが貯まるスマホアプリ

アメリカで広く利用されているスマホアプリ「shopkick」。shopkickではwalmart、forever21などさまざまな店舗で利用でき、買い物に応じてKICKというポイントが貯められます。従来までのポイントカードと違い、店舗を横断してポイントが貯められる点が特徴です。

またショッピングモールに行くと、店舗に自動チェックインされ、shopkickを導入している店舗からたくさんのクーポンが送られてきます。このように消費者にとってはポイントが貯まり、店舗にとっては宣伝ができるという、双方にメリットのあるアプリです。

参考:元小売&EC店長が体感した米国最大級ショッピングモール、スターバックス等の実店舗誘導アプリ


事例からわかるOMO成功のための3つのポイント

ここまでご紹介した事例から、OMOの勘所が見えてきます。

OMOを成功させるためには以下の3つのポイントをおさえておきましょう。

  • 顧客データベースを施策に反映させる
  • 一貫した顧客体験を提供する
  • ペインポイントから施策を考える

顧客データベースを施策に反映させる

主にオンラインの施策は、顧客情報を集めやすいというメリットがあります。そこで得た情報を顧客データベースにまとめて、オンライン・オフラインの施策に反映させましょう。

例えばセブン&アイ・ホールディングスでは、顧客がよく使うセブン-イレブンの情報から、引っ越しをしたかどうかを判別します。そして引っ越し先近隣の百貨店やスーパーを紹介するなどして、グループ全体の売上を高めています。

顧客データベースから顧客の購買行動・好みを把握し、それを提供できるような施策を考えます。その際には顧客目線で、その施策が本当に効果的なのかという意識を忘れないようにしましょう。

参考:初心者でも簡単にできる顧客データベースの作り方・管理の方法

一貫した顧客体験を提供する

OMOを実施する上では、オンライン・オフラインと一貫した顧客体験を提供することが大切です。

オンラインで獲得したデータをオフラインでも活用できるような仕組みを作り、変わらない顧客体験を提供する必要があります。

例えばオンライン店舗で明るい色の服を好んで購入する傾向がある顧客には、オフラインの店舗でも明るい色の服を勧めるといった具合です。

一貫した顧客体験を実施するためには、データベースの構築だけではなく、「データを有効活用するための仕組みづくり」が必要です。

ペインポイントから施策を考える

ペインポイント(顧客の悩みの種)は新たな施策を思いつくきっかけになるので、顧客のペインポイントを明確にしておくことは重要です。

例えばマクドナルドの場合、ファーストフードでありながら混雑時は行列ができるというペインポイントがありました。そのペインポイントを解消するためにマクドナルドはモバイルオーダーを開発し、お客様のペインポイントを解消しました。

ペインポイントを発見するためには、顧客にインタビューやアンケートをして、現状感じている不満を洗い出します。そのうえでその不満を解消すると、売上や顧客体験が向上するのかを考え、本当に解決すべきペインポイントを明確にします。そこからオンライン・オフラインでどのようにすればペインポイントを解消できるか、施策を考えていきます。


OMOの失敗事例2選

OMOには成功事例がある一方、失敗してしまう企業もたくさんあります。ここからはOMOの失敗事例を紹介していきます。

1.導入ハードルが高すぎて登録者が伸びずサービス終了

大手スーパーマーケットでは専用アプリをリリースしましたが、登録者数が伸びずサービスを終了しました。その後LINEアカウントを利用したところ登録者数が伸び、本来考えていたアプリの役割を果たしています。

アプリのダウンロード数が伸びなかった原因は、導入のハードルが高くなりすぎた点です。新しく専用アプリをダウンロードして使う人は、よほどロイヤリティーが高い顧客しかいませんでした。その後そもそも多くの人が使っているLINEを活用することで、登録者数を伸ばしています。

OMOの施策としてアプリやサイトへの会員登録を促すことは多いですが、それを顧客が手間なく導入できるかは事前にテストしましょう。導入ハードルが高ければ、既存のシステムやアプリを活用する方法もあります。

2.開発期間の短縮でシステム不備が相次ぎサービス停止

大手コンビニチェーンでは決済ができるアプリをリリースしましたが、不正利用が相次ぎわずか3カ月でクローズしました。

決済関係のシステムは個人情報を扱うデリケートなもので、そのシステムを作るには開発期間を短くしすぎたことが失敗の原因と言われています。OMO施策で新しいシステムが必要になるときには、システムの開発にかかる期間を適切に設定しましょう。


OMOを失敗させないための注意点

ここまで紹介した失敗事例からわかった、OMOを失敗させないために注意すべきポイントを解説します。

気を付けるべきポイントは以下の2点です。

  • 導入ハードルを低く見積もりすぎない
  • システム開発は時間をかけておこなう

導入ハードルを低く見積もりすぎない

ユーザーにとって新しいシステムやサービスを導入することは、企業が考えているより高いハードルです。

そのため「アプリを作ればダウンロードしてくれるだろう」と導入ハードルを低く見積もりすぎてしまうと、失敗する可能性が高くなってしまいます。

  • アプリのダウンロードから使い方まで詳しく説明する
  • 個人情報の登録は必要最低限にする
  • 既存システムが使えないか検討する

など導入ハードルを低くする工夫を考えてみましょう。

システム開発は時間をかけておこなう

OMO施策をするにあたって新しいシステムを開発する場合、開発にかかる時間には余裕をもっておきましょう。大手コンビニチェーンでは他社の開発に追いつくため、スケジュールを急ぎすぎたことが、失敗につながってしまいました。

どうしてもスケジュールが決まっている場合は、不要な機能を削るなどして対応しましょう。


まとめ

本記事ではOMOの成功事例と失敗事例をご紹介しました。

OMOを成功させるためには、以下のポイントをおさえることが重要です。

  • 顧客データベースを施策に反映させる
  • 一貫した顧客体験を提供する
  • ペインポイントから施策を考える

逆に以下の点を留意しておかないとOMOを失敗させる要因となりうるので注意が必要です。

  • 導入ハードルを低く見積もりすぎない
  • システム開発は時間をかけておこなう

コメント