オンライン商談でフィールドセールス以上の成果を上げるために実施したい14のコツ

「オンライン商談で結果が出なくて困っていませんか?」
最近では、コロナの影響により、得意先までリモート対応になり、オンラインでの商談が営業のコミュニケーションツールとなっています。

オンライン商談は、従来のフィールドセールスとちがい、移動時間や交通費などのコストを最小限におさえながら商談数を増やして成果を最大限に上げられるのです。費用対効果の高いオンライン商談は、コツさえつかんでしまえば、コロナ前の売上まで巻き返えせます。オンライン商談で成果を出すためには、事前準備が重要になるでしょう。

この記事を読むことにより、営業担当者はオンライン商談の成約率を上げて、フィールドセールスに引けをとらない売上達成できるようになります。この記事では、オンライン商談の「絶対的な14のコツ」に分けて紹介しているので、ぜひ役立ててみてください。


オンライン商談における最も重要なコツ

オンライン商談による最も重要なコツを3つ、紹介します。

  1. 商談に使う資料をわかりやすく作る
  2. 商談前にヒアリングで相手の状況を把握しておく
  3. 商談前のカメラ映りの事前確認

最も重要視しておくべき3つのコツを実際に取り入れていくことにより、いままで成果が上がらなかったオンライン商談に変化があらわれることでしょう。

商談に使う資料をわかりやすくシンプルにつくる

オンライン商談のコツは、商談に使う資料を相手にわかりやすくシンプルにつくることです。わかりやすい資料を使うことで、オンライン商談の質を上げられます。

オンライン商談では、資料による訴求が成約につながる大きな要因となるでしょう。資料のわかりやすさにより、営業担当の説明にかかる負担を減らします。営業担当の業務負担を軽くすることにより、商談時間の超過防止にもなるのです。

わかりやすい資料をつくるためには、1ページの情報量を多くしないことと、「1スライド1メッセージ」でビジュアルをメインにつくることが大事です。オンライン商談では、1ページに情報量をつめ込みすぎると、相手の理解をさまたげます。

商談前にヒアリングで相手の現状を理解する

商談前にヒアリングを取り入れることも重要です。商談前にヒアリングに取り入れることは、相手の状況を知るためのデータ収集となります。

オンライン商談は、意思疎通がしにくいリモート環境です。その仕組みゆえに、相手の温度感やふるまいなどを察知できません。オンライン商談は相手の反応を理解しにくいため、営業トークが一方的になる可能性があります。営業トークが一方的になると、商談相手を退屈にさせることになります。

商談相手を退屈にしないために、オンライン商談には事前ヒアリングが必要です。相手の現状を知ることにより、同じ温度感で商談をすすめられます。事前ヒアリングにより、商談相手のニーズや悩みを知れば、相手が必要とする解決策で訴求ができるでしょう。

カメラ映りの事前確認

カメラ映りの事前確認も重要です。カメラ映りの事前確認をしないで商談本番を迎えた場合、逆光で表情がわかりにくかったり、照明が暗かったり、相手へのイメージを悪くする要因となります。カメラ映りの確認では、「自分のふるまいを見て、商談相手がどのように反応するか?」と判断基準をもって自分のカメラ映りを確認することです。

カメラ映りの事前確認では、カメラに映った自分のふるまいを確認して、オンラインを介した接触でも相手に好印象になる意識を持ちましょう。常に「相手がどのように思うか」という意識で先回りすることは、オンライン商談を有利に運ぶことにつながります。

オンライン商談での相手が受ける第一印象は、すべてカメラに映る姿です。企業の営業担当の顔つき、視線、態度は、商談への「前向きさ」「期待感」などへ影響します。

商談の第一印象をよくするためには、事前に「自分がどのように映っているか?」できるだけ客観的に確認しておくことです。事前にヒアリングで入手したデータをもとにして、商談相手の属性に合った視点で背景を用意することも、安心感と共感を与える効果となります。


フェーズごとにコツを取り入れる

オンライン商談で最も重要なコツを実際に取り入れていくには、段階(フェーズ)ごとに活用することが必要です。4つのフェーズごとに分けることができます。

  • アポ獲得時
  • 商談事前準備
  • 商談時
  • アフターフォロー

参考:オンライン営業を導入すべき5つの理由と、成功に導くコツを時系列ごとに紹介

アポ獲得時のコツ

具体的なオンライン商談のコツをフェーズごとに紹介しましょう。アポ獲得時からです。アポ獲得は、商談本番に大きく影響します。オンライン商談は、アポ獲得段階からコツを取り入れていくことが重要です。

  • 柔軟な対応で断る理由をなくす
  • 緊急連絡先を交換する
  • リマインドメールでリスケ防止

なぜ、電話(メール)をしたのか?明確に伝える

アポ取りの際は、「なぜ、電話(メール)をしたのか?」相手に明確な理由を伝えることがコツになります。なにも前ぶれのない突然のアポ取りは、相手が警戒心ばかりの状態です。電話やメールの最初の段階で「連絡した理由」を明確にしましょう。連絡した理由が顧客の利益につながる内容であれば、フロントトークにおいて興味関心を持ってもらえるからです。

相手に合わせた柔軟な対応で断る理由をなくす

アポ獲得時は、相手に合わせて柔軟な対応で断る理由をなくすことが必要です。断る理由をなくすには、連絡手段や通信デバイス環境、商談日時の設定において、柔軟に対応しましょう。オンライン商談は、相手先まで出向かない営業スタイルだからです。

オンライン商談は、スケジュールが組みやすいため、アポ取りから打ち合わせまでスムーズに運ぶことでしょう。ただしスムーズに運んだとしても、アポ段階で商品やサービスの紹介はしないで、打ち合わせの日程決めを優先しましょう。

アポ段階では、相手の悩みや課題のヒアリングを優先して、相手の興味をかき立てることも必要です。ヒアリングの際は、くわしい商談内容を打ち合わせまで明確にしないことも興味をかき立てるコツとなります。

緊急連絡先を交換する

アポ段階において、念のため相手と共有しておくべきコツが緊急連絡先を交わすことです。オンライン商談では、商談直前に緊急事態が発生したり、デバイスの通信トラブルなどにより切断されたりすることも考えられます。

オンライン商談は、アポ段階で連絡先(メール・電話番号など)を複数共有しておくことで商談の機会を損なわなくなるでしょう。

リマインドメールを送ってリスケ防止する

オンライン商談は、打ち合わせの移動時間がないため、スケジュールを組みやすいことがメリットになります。スケジュールが組みやすい反面、オンライン商談ではリスケジュール(キャンセル)もされやすいのです。

リスケ防止のための対策として、先回りのリマインドメールを送りましょう。アポ段階から、事前確認メールを送ることを組み込み、相手とのコミュニケーションをとることが必要です。

商談事前準備のコツ

次のフェーズは、商談に向けた事前準備になります。事前準備の期間は、アポ取りができて、商談までの段階です。

  • 商談前の資料共有
  • 相手の通信環境を確認しておく
  • 事前にカメラオンでの商談を打診

商談前に資料を共有する

事前準備段階では、商談前に必ず資料を共有しましょう。オンライン商談は、相手との対話を一方的にしないためです。事前に資料を用意しておくことにより、相手からの質問も受けやすくなります。

相手からの質問が出てくる状況をつくることにより、相手の興味を高める効果になるでしょう。 

相手の通信環境を確認する

オンライン商談では、相手の通信環境のトラブルにより思わぬ時間超過になるリスクがあります。事前準備段階では、自分の通信環境だけではなく事前に相手の通信環境も確認しましょう。

「商談開始」という段階で思わぬ通信トラブルを相手先が発生させる可能性も少なくありません。商談時間の大半を通信トラブルからの復旧にあててしまったり、商談の中止になったりしないように、相手先の通信環境(回線・デバイス端末・OS・使用ブラウザなど)をメールで確認しておくことが必要です。

事前にカメラをオンでの商談を打診する

オンライン商談の特徴として、人間関係の構築しにくい点をおぎなうために、双方ともカメラをオンでの商談が必要です。事前に相手のカメラをオンにしての商談になるように打診しましょう。

オンラインでは、カメラ越しにお互いの顔が見えると商談の質が向上します。相手にしても自分にしてもカメラがオフの状態だと警戒心はなくせません。相手の顔色(表情)を確認できないと、お互いにすり寄れず、距離感が生まれてきます。
 
オンライン商談では、フィールドセールスのような名刺交換がありません。名刺交換がないため、画面共有ができないことは、距離感があるままで商談をはじめることになります。
画面共有ができないことは、その場の空気を読んだ臨機応変な対応ができないことです。

画面共有を打診するには、相手の接続環境を確認するときに「通信環境は大丈夫ですね、念のため、カメラをオンにした状態でもう一度通信できるか確認してみます。」などさりげなく、カメラを起動するように促してみましょう。

商談時のコツ

いよいよ商談本番です。商談時の段階では、効果を上げるための具体的なコツを紹介していきます。

  • 商談時間30分をメドにする
  • 商談開始から2分前後を相手が安心できる環境づくりに
  • 相手の反応を確認しながら進行する

商談時間30分をメドにする

オンライン商談の時間は、訪問営業の半分程度の時間で終わらせることを意識しましょう。大体30分前後が目安です。

オンライン商談の場合は事前の資料共有が前提で、商談前にざっと目を通してもらっているケースが多いです。そのため資料になぞらえて営業する必要はありません。資料を中心とした営業では、いたずらに商談相手を疲れさせてしまう原因にもなります。

資料については要点をピックアップしてお伝えし、商談相手へのヒアリングや質疑応答に時間を割きましょう。

商談開始から2分前後を相手が安心できる場づくりにあてる

訪問営業に比べて、相手の温度差をくみ取りにくいのがオンライン商談の特徴です。オンライン商談では、相手が安心できる環境づくりを目指します。相手が安心する環境をつくるためには、商談開始から2分前後を人間関係の構築に使うのです。2分間の人間関係の構築では、次の点を意識して相手に接しましょう。

  • 共通の話題・相手が感謝する情報の提供で安心させる
  • 「相手のことを理解している」というアピールで安心してもらう
  • 相手の興味関心をひくネタで共感してもらう
  • 時事情報と今回の商談内容との接点で相手にとっての需要を喚起する

相手の反応を確認しながら進行する

オンライン商談は、画面越しのためリアル商談とくらべて相手との距離感が生まれます。距離感を埋めるために、オンライン商談では相手の反応を確認しながら商談を進行することが必要です。

商談は、相手との対話によってコミュニケーションをとります。売上重視により、営業トークで商品の説明ばかりしていたら、相手の共感を得ることはむずかしいでしょう。

具体的に、相手の反応を確認しながらの進行は次のように問いかけます。
「ここまではよろしいでしょうか?」、「○○までの資料に対してご不明な点はございますか?」などです。オンライン商談では、相手も参加している商談という認識と、相手の理解度を確認することも忘れないようにしましょう。

アフターフォローのコツ

オンライン商談は、商談が終われば終わりではありません。商談後の一手間により効果を上げるアフターフォローのコツを紹介しましょう。

  • 商談後のお礼メールやデータを送る
  • 宿題や持ち帰り課題は迅速に回答する

商談後のお礼メールと追加参考データを送る

アフターフォローのコツとして、商談後のお礼メールを送ることがあげられます。オンライン商談後のお礼メールを送ることは、商談での記憶が新鮮のうち(できれば当日中)に印象度を強くできるでしょう。印象度を強くした後、商談後のお礼メールは、商談内容の反復効果も期待できます。具体的に商談後のお礼メールの内容を紹介しましょう。

  • 商談内容を簡単にまとめた議事録
  • 今後のアクションプラン
  • 商談で提案した参考データ(URL・ファイル)
  • 期日の記載

オンライン商談ならば、商談中議事録として商談を録画した動画の共有もできます。商談の内容をおさらいするには、商談動画を確認することで相手の手間も減らせるでしょう。

宿題や持ち帰り課題は迅速に回答する

アフターフォロー時に重要なコツは、商談中に交わした約束への対応になります。商談時の宿題や持ち帰った検討課題について、迅速に回答することが重要です。約束した回答が、未解決の場合は「○○の件については〇月〇日までに回答します」と返信することにより、相手からの信頼性を落とさない工夫が必要になります。

オンライン商談の場合は、持ち帰った課題や宿題を動画コンテンツで返すことが可能です。一度、画面共有で商談した経験から、商談担当者が「質問への回答動画」をつくって共有することは、親近感を高めることになります。

フィールドセールスのアフターフォローでは、せいぜいメールでの回答くらいです。オンライン商談では、動画コンテンツを活用したアフターフォローが相手に強い印象を残すことになります。

参考:オンライン営業を導入すべき5つの理由と、成功に導くコツを時系列ごとに紹介


オンライン商談でありがちな3つの注意点

オンライン商談のコツを数倍に高めるために知っておくべき「注意点」「落とし穴」を3つ紹介しましょう。オンライン商談の落とし穴は次の3つとなります。

  • 話し方
  • 視覚的な部分
  • 議事録・メモをとるとき

上にあげた3つの落とし穴を「提案が一方的にならない」ことと「上から目線にならない」点に注意することが必要です。

話し方が一方的になっていないか?

オンライン商談では、相手の温度感を察知できなくて一方的な話し方になる傾向があります。話し方が一方的でなくするためには、次の3つの点に注意しましょう。

  • 話す音声のトーンを切り替える
  • アクセントをつける
  • 間の取り方

相手との認識のズレに注意する

オンライン商談では、視覚的に認知しやすい画面共有をすることが相手と認識のズレを解消することになります。商談中は、「相手とズレを生じていないか」常に意識する点に注意しましょう。

リアル商談に比べてオンライン商談は、相手の反応を迅速に察知しにくい点がデメリットにもなります。商談前の「相手の声が聞こえるか」や「カメラ映り」などお互いに確認をして、コミュニケーションをとりやすい距離の環境をつくることが必要です。

議事録となるメモは簡単に

オンライン商談の落とし穴として、議事録と商談進行の両立があげられます。議事録と商談進行の両立には、商談内容のメモをとることに神経を張りめぐらせてしまい、本題の商談がおろそかになることでしょう。

本題の商談を疎かにしない対策として、オンライン商談の議事録のメモは「乱雑でもOK」と認識することです。議事録の書き方には、次のようなメモのとり方があります。

  • 大きめの文字
  • 画数の多い漢字は略す
  • 頻度の多い文字は略語
  • 数字部分は重要事項きっちり

商談後の新鮮な記憶をたどり、メモをまとめる時間も確保しておきましょう。スケジュールの詰め込みには、注意が必要です。

参考:オンライン営業を導入すべき5つの理由と、成功に導くコツを時系列ごとに紹介


まとめ

ここまで、オンライン商談の絶対的な3つのコツと段階ごとに使える14のコツを紹介してきました。すべて、オンライン商談のビジネス現場において役に立てる取り組みになります。この記事の内容を活かしてオンライン商談の量を増やすことが最大のメリットとなるでしょう。

オンラインによる商談数を増やせる点は、あきらかです。

  • 移動時間の削除
  • 遠方への販路拡大
  • お互いのリモートによる自由な時間選択

オンライン商談は、商談数を増やして、質のよい商談で成約数を増やせます。リアル商談の限界を今回紹介したコツで補うことにより、質のよい商談が毎回、実行可能です。質のよい商談で数をこなすことにより、成約数を増やすことができて、売上を増やすことにつながります。

コロナ禍において減少した売上を取り戻すため、この記事で紹介しているオンライン商談の最も重要なコツで、現在の営業活動を見直してみてはいかがでしょうか。