機械学習に必要な教師データの作成の手順とおすすめの作成代行サービス3選

グラフデータ

教師データは機械学習を正常に機能させるために必要なデータのことを指します。AI導入の目的となる「予測」のためには、この教師データが必要です。

今この記事を読んでいる方は「自社でもAIを開発・導入するために教師データの作成を始めたい」と思っているのではないでしょうか。

AIの予測の精度を高めるためには、膨大な数の教師データが必要です。そのため、よほどの大企業でない限り、社内リソースのみで教師データを用意するのは骨が折れます。上手に外部リソースを取り入れることが大切です。

この記事では教師データの作成手順と、外部リソースの活用法についてまとめています。



教師データとは機械学習を実現させるために必要なデータのこと

教師データとは機械学習を機能させるために必要なデータの種類のうちの1つです。

機械学習の一つに、事前に与えられているデータからパターンなどを認識し、新たにインプットされたデータに対しても予測を行う「教師あり学習」と呼ばれるものがあります。

この教師あり学習を実現させるためには、答えとなる「教師データ」が必要です。つまり、教師データとはAIなどで予測などを行うために必要なデータを指します。

高い精度の予測を行うためには、相応の情報量がないとうまくいきません。データは多ければ多いほど信頼性は高くなります。


教師データの作成がAI開発のボトルネック

教師データの作成の流れは単純で、大枠は「必要なデータを収集し、タグ付けする」という流れです。

しかし、とても単純な作業であるにも関わらず、AI開発における最大の関門と言えます。事実、AI開発期間の大部分はこの教師データの作成に費やされています。

タグの数は多いほうが教師データとしては優秀です。画像から読み取れる情報はできるかぎりタグ付けする必要があります。また、正確なアノテーションを行っていくためには一度にタグ付けして完了するだけではなく、一枚ごとに確認作業を入れていく必要があります。

単純作業であるものの、膨大な数が必要で、実際に自社で教師データを一から作り上げるとなると、教師データの作成にかなりのリソースを割く必要あります。そのため、人件費が積み重なっていき、資金の問題から開発自体が頓挫してしまうことも珍しくありません。

参考:日本に足りないデータ作成の原則。外国からやってきた機械学習ツールの実力は? | Ledge.ai


教師データを作成するリソースがない会社は、外部から調達するのがベター

教師データの作成を社内リソースで対応できる企業はほんの一握りです。膨大なデータを扱いますし、作業量も多いので、自社リソースだけで作成しきるのは現実的ではありません。

そのため、教師データを販売している企業や、作成の代行を行っている企業を活用するのが一般的です。

外注すると当然費用が発生しますが、社内の貴重なリソースを慣れない作業に充てるよりもコスパが良い場合がほとんどです。

教師データの作成(アノテーション)の代行会社おすすめ3選

教師データの作成が煩雑になっている、リソースがないなどの課題がある場合は、外部に作成を委託すると良いでしょう。

教師データの作成を代行している企業は多くありますが、今回は厳選して3つの企業をご紹介していきます。

株式会社サイバーテック


株式会社サイバーテック

株式会社サイバーテックはIT系アウトソーシング事業を行っており、その一環として教師データの作成サービスを請け負っています。

同社ではフィリピン中部にオフショア拠点を持っており直接雇用している現地スタッフが作業を実施しています。物価が安いフィリピンでの作業となるので、リーズナブルな価格で教師データの作成ができます。

直接雇用のスタッフによる作成なので守秘性が高く、現地の日本人マネージャーによるプロジェクト管理で品質面でも安心です。

また長期契約であれば、適宜追加学習を行い、精度向上に努めてくれます。

ランサーズ株式会社


ランサーズ株式会社

クラウドソーシングの大手であるランサーズに教師データ作成を依頼することができます。

ランサーズでは専任ディレクターにプロジェクトごと発注できる「Lancers Outsourcing」というサービスがあります。このサービスではさまざまな業務・プロジェクトに対応可能で、教師データの作成やアノテーション支援もそのうちの一つに含まれます。

「データの収集」「アノテーション」の両面からの支援が可能で、自社リソースが不足している企業にぴったりのサービスです。実際に月間で数万件レベルのデータ収集・アノテーションを行った事例もあります。

クラウドソーシングという特性上、運用体制をフレキシブルに拡張することが可能で、自社の状況に合わせて体制を拡大していくことができます。

株式会社パソナJOB HUB


株式会社パソナJOB HUB

アウトソーシングサービスを提供する株式会社パソナJOB HUBでは、アノテーションサービスを提供しています。

専任の担当者が企業ごとにニーズを把握して、自社が抱えるクラウドワーカーを活用して教師データの作成を行います。

自社開発のアノテーションツールを利用して作業効率化を図っているため、作業にかかる短時間・低コストでアノテーション業務が行えます。

機械学習用のデータセットを利用する

AI事業を始めたばかりだったり、データ整備などにそこまで時間がかけられない場合は、外部から教師データを集めるのも有効です。Web上にはオープンソースのデータセットが公開されています。

ただし、オープンソースのデータだけでは独自性が高く、競合優位性のあるAIの構築は難しいということを覚えておきましょう。価値の高いAIを開発するためには、自社独自の教師データを持つことが重要です。

オープンソースのデータセットを知りたいという方は以下の記事に詳しくまとめられています。

参考:【保存版】オープンデータ・データセット100選 -膨大なデータを活用しよう! | AI専門ニュースメディア AINOW


まとめ

教師データを有効に使うためにはデータの量だけではなく、データ管理の方法や有効な使用法についても正しく理解しておくことが大事です。

教師データの使い方を正確に理解することが、効率的なデータの収集と作成に結び付きます。

また、どんなに深い知識をもっていても、膨大な量のデータを一人で管理することは不可能です。無料で手に入るデータや格安で委託できる業者もありますので、大いに活用しましょう。

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