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Web広告の提案の成否は、プランニングによって決まると言っても過言ではないくらいとても重要です。
しかし、コツさえ掴めば誰でも作成できるようになります。
本記事では、Web広告業界に10年身を置く筆者が、初心者でも広告プランニングを迷わず作成できるように、以下の内容を解説します。
・Web広告プランニングが必要な理由
・Web広告プランニングの流れ
・Web広告プランニングのコツ
また、Web広告のプランニングはシミュレーションツールを使うことで大幅にコストを短縮し、手早く効率的に作成できます。ぜひ下記リンクから、無料で使える広告効果のシミュレーションツールに登録して活用してみてください。
目次
Web広告プランニングとは
Web広告プランニングとは、自社の宣伝を行いたい広告主のために、Web広告をどう活用してプロモーションを行っていくべきかを計画し提案することを指します。
具体的には、広告主の案件に対して、目的やKPIを定めたり、ターゲットや使用する広告媒体を考えます。いわゆる5W1Hに沿った形で、何をどのようにユーザーに届けるのかを計画します。
Web広告を実施するには必要不可欠な業務で、作成するにあたって幅広い知識や経験が必要とされます。
そのため、Web広告に関する知識が無かったり、初心者の方は中々苦労されることが多いようです。
Web広告プランニングが必要な理由
では、Web広告プランニングを設計することは何故必要なのでしょうか?
その理由は下記の2点にあります。
- 広告主の目的や課題を達成するため
- 広告主と配信内容の認識合わせをするため
広告主の目的や課題を達成するため
自社のため以上に、広告主の目的や課題を達成するためにプランニングは必要になります。
広告主がどんな課題を抱えていて、Web広告を実施することでそれをどう解決するのかを考える必要があります。その工程なしに、目的もなくWeb広告を配信しても、自己満足にしか過ぎず、手元には広告を配信したという事実しか残りません。
プランニングをすることで、広告主の悩みに寄り添った効果的な結果を出すことが出来るのです。
広告主と配信内容の認識合わせをするため
また、広告主と配信内容の認識合わせをすることも理由の一つになります。
広告主にとってもきちんと広告を配信する方針を立ててもらえると、代理店に広告配信をお願いするにあたって安心できると思います。プランニング内容に合意を得られて初めて発注をいただけます。
この広告プランニングをきちんと設計することが、広告主からの信頼度増築にも繋がるでしょう。
Web広告プランニングの流れ
Web広告プランニングは下記の流れで、5W1Hに沿った形で行います。
- KGIとKPIを決める …Why、What
- ターゲットを決める …Who
- 使用する媒体を決める …Where
- 媒体ごとに予算・配信期間を決める …How much、When
1.KGIとKPIを決める
まずは、プロモーションの目的(KGI)を定めましょう。
広告主がWebを通して広告を配信したいのは、「自社開発の製品をアピールするため」ですか?それとも、「自社への採用活動のため」ですか?
はじめに目的をしっかりと定めましょう。
また、目的は複数設定せず、1つに絞ることがおすすめです。ついついCVもブランディングもと目的をたくさん考えがちですが、広告配信が上手く行かない原因となります。
1つの目的に沿うことで、広告プランニングをより具体的に作成することができますし、結果の検証もしやすくなります。
また、目的をきちんと果たしたかを見極めるための指標(KPI)を設けることも大切です。
「自社開発の製品をアピールするため」にWeb広告を使用するとなっても、その広告をみたユーザー数を指標に置くのか、広告先のサイト上でどれだけのユーザーに商品を購入をして頂けたかを指標に置くのかで、最適な広告媒体であったり、準備するクリエイティブなども変わります。
参考:KPIとKGIの違いとは?目標達成のために覚えておきたい正しい設定方法
2.ターゲットを決める
次に、広告内容を届けたいターゲット層をきちんと決めましょう。
今回広告を通して訴求したい内容が、メンズシェーバーの新作商品だったとします。
この商品を20代の女性で日ごろからグルメ好きな人が広告を見て買うことはあるでしょうか?
恐らく、異性へのプレゼントなどの目的がない限り無いと思われます。
このように、きちんと訴求したい内容が刺さるターゲットを見定めましょう。
また、Web広告媒体によってターゲティング設定を絞り込みできる範囲が様々です。
性別や年齢層、地域で絞られるのは勿論ですが、中には普段どういうものに興味関心を抱いているかの情報を元に配信が出来たり、動画の視聴履歴を元に設定ができる媒体もあります。
是非、ターゲットが決まったら、それに見合うターゲティングが出来る広告媒体を選定しましょう。
3.使用する広告媒体を決める
ここでは、広告配信を行う媒体を決めましょう。
そもそもWeb広告には様々な種類がありますが、媒体の違いは勿論、各媒体によって配信できる広告スタイルも異なります。
なお、Web広告の種類が多く存在するため、その中でも今回は特に運用型広告において、潜在層・顕在層それぞれ向けに代表的なものをご紹介します。
代表的なWeb広告媒体の一覧表
まずは主なWeb広告媒体の一覧表をお見せします。
こちらを見ていただき、それぞれがどのような特徴があるのか把握した上で、以下を読み進めてください。
参考リンク:ネット広告の種類全37種 課題別効果の出る手法一覧
潜在層向け
ここでは、これから広告主の商品を知るはずではあるものの、まだ商品が知られていない、もしくは検討されていない段階のユーザーに向けて効果的な広告媒体を紹介します。
1.SNS広告
Facebook・Instagram・LINE・Twitter・TikTokといったSNS広告は、潜在層向けに認知拡大するときに向いていると言われています。
リツイートやシェアなどで拡散されやすいこと、画像や動画がメインなので気軽に視聴やクリックしやすいことが理由として挙げられます。
また各SNS媒体はユーザーの個人情報を多く保有しており、その情報を基にしたターゲティングが優秀です。
興味関心を持っているもの、配偶者の有無などのオーディエンス情報を活用して、ターゲットに広く配信することが可能です。
2.ディスプレイ広告
ここでは特に、Yahoo!広告やGoogle広告における画像広告や動画広告を指しています。
例えば、Yahoo!のトップページや、GoogleではGmail や YouTubeなどに配信が可能です。
SNS広告と同様に、画像や動画で視覚的にも情報がインプットされやすいので、クリエイティブを通して訴求したい場合にオススメです。
またYahoo!やGoogleも、検索履歴やGoogleアカウントの閲覧履歴を基にしたオーディエンス情報を有しており、それを活用した配信が可能です。
Youtubeを視聴していて、自分が関心のあるジャンルの広告が流れたことのある方も多いでしょう。
参考リンク:ディスプレイ広告の始め方とリスティング広告との違いを徹底解説!
顕在層向け
ここでは、その商品やサービスに関して既に知っていたり、見たことがある、あるいは既に購入を検討しているといった、あと一歩でコンバージョンに繋がるであろうユーザーに向けたオススメの広告スタイルを紹介します。
1.リスティング広告
リスティング広告では、ユーザーが検索したキーワードに関連した文章形式の広告を配信することが可能です。
GoogleもしくはYahoo!にて出稿可能で、多くの方々が必ず一度見たことがある広告スタイルということで、理解が比較的しやすいスタイルでもあります。
商品名であったり、そのジャンルのキーワードで検索している人は、ある程度商品の購入を検討している人であると推測されます。
特に商品名・サービス名を検索している人は、そのサービスを既に知っているわけですし、購入にかなり近い状態といえます。
そうした顕在層向けの広告として筆頭なのがこのリスティング広告です。
2.リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、一度サイトに訪問はしているものの、何かしらの理由で商品購入やサービス利用に繋がらなかったユーザーに向けて、再度広告を配信してアクションを促すことが出来る広告スタイルです。
ほとんどの媒体で配信が可能になっています。
また一度サイトに訪問しているユーザーなので、購入意欲が高いと判断できます。
一度のサイト訪問で購入までいく人は実は少なく、何度か広告を通じてアピールする必要があります。
リスティング広告と同様に、顕在層の取りこぼしを防ぐための手段として非常に優秀です。
なお、リスティング広告を通して商品を知ったものの、購入に至らなかったユーザーを狙ってリターゲティング広告を一緒に配信するケースはよくあるため、是非プランニング作成時には二つセットでプランニングすると良いでしょう。
媒体ごとに予算・配信期間を決める
広告を配信するにあたって、最適な予算を決める必要があります。
この広告予算を決めるにあたって、広告主から事前に指定がある場合と、代理店から提案するパターンの2通りあります。
1.広告主から事前に指定があるパターン
Web広告プロモーションを行うにあたって、広告主側が使用できる予算があらかじめ決められていることがあります。
その広告予算ぴったりの金額でプランニングを作成するのは勿論良いのですが、より幅広い選択肢を与えられるよう複数パターンの金額でシミュレーションを作成されることをオススメします。
広告主にとっては、比較ができることで最適な予算をより決めやすくなり、それが説得力があるのものならば、元々考えていた広告予算よりも多い予算金額にしてくれる場合もあります。
なお、配信期間に関しても事前に指定されていることがありますが、プロモーションをするにあたって、その期間が適切かどうかも含めて決定するようにしましょう。
2.代理店から提案するパターン
代理店が必要な予算を考えて提案するパターンもあります。
算出方法はいくつか考えられますが、今回は「目標CPA×目標CV数」という数式で求める方法をご紹介します。
まず、CPA(顧客獲得単価)とは、コンバージョン1件あたりにかかる広告費用のことを指します。目標のコンバージョン数を獲得するのにどのくらいの費用がかかるのかを、こちらの計算式で算出することが可能です。
目標CPAは、広告主からご共有頂くか、これまでに行ってきた他施策での数値を参考にするようにしましょう。
例)目標CPA 7,000円×目標CV数 20件=140,000円
この場合、予算は14万円ということになります。ただし、ここには代理店の利益などは入っていないので、そこに運用費を別途上乗せしてください。
また、配信期間ですが、少額の予算で長期間広告を配信しても、かえって広告の結果が悪くなることがあります。配信したい内容や予算感に沿って決めましょう。
広告主によっては、Web広告に手を出したことが無いということもあるかもしれません。その場合はまず試しに1ヶ月行ってみたり、あるいは検討から実際の購入までに繋げたいようなプロモーションの場合は3ヶ月から半年様子を見るなどしましょう。
シュミレーションを実施する
具体的なターゲット、媒体、予算などが決まったら、実際に広告配信をした際のパフォーマンスをシュミレーションしてみましょう。
シュミレーションを提示することで広告効果がイメージしやすく、また問題点が出てくれば事前に修正することもできます。
広告シュミレーションが無料でできるツールもあるので参考にしてみてください。
参考:誰でも無料で使える広告効果シュミレーションツール
Web広告プランニングのコツ
提案相手が満足して広告を発注していただけるように、本章で紹介するWeb広告プランニングのコツを押さえておきましょう。
広告出稿の目的に沿っているか常に意識する
何のために広告を出稿するのか、設定した目的(KGI)を常に意識してプランニングを作成しましょう。
CV(売上や問い合わせ)を増やしたいのであれば、限られた予算の中でCPAを下げ、効率的に広告配信する必要があります。IMPやクリック数よりも、CPAやCVRを意識しましょう。
自社サービスの認知度を広げたいのであれば、表示回数やクリック数・動画視聴数などをみることになるでしょう。
Web広告にはたくさんの指標がありますが、目的に影響度の大きい指標を重点的にみるようにしましょう。
ペルソナを設定してみる
ペルソナとは、広告出稿する商品やサービスを使ってくれるであろうモデルユーザーのことを指します。
実際に存在しそうな人物像を作り出し、そのモデルユーザーは普段Web上でどんな行動をとっているのか、商品に興味をもつきっかけは何か、を考えます。
ペルソナを設定することで、広告媒体の選定やターゲティング、広告の訴求内容をより具体的に検討することができます。
参考:ペルソナマーケティングが5分で理解できる!【日本企業の厳選事例6選】
Web広告媒体を適切に選ぶ
媒体によって、リーチできる年齢や性別、ターゲティングの得意不得意があります。
適切な広告媒体を設定することが、広告出稿が成功するかどうかの要となります。
各媒体の広告媒体のメリットやデメリットを事前に把握しましょう。
先ほどご紹介したWeb広告媒体の一覧表も参考に、適切に媒体を選定しましょう。
参考:SNSマーケティングとは?基本から効果的な手法まで事例入りで解説
ネット広告の種類全37種 課題別効果の出る手法一覧
過去の配信実績をもとに数値を算出する
目標CPAやCPCなどを考える際に、過去の配信実績をもとに算出すると、より実際の数値に近い形で求めることができます。
ネット上にて各広告媒体に関する単価が掲載されているページを多く見受けられますが、定めるKPIやターゲティング、広告クリエイティブ、テキスト内容によって、配信単価などは大きく変わるため、一概にその単価情報が施策に当てはめられるとも言えません。
過去に配信した実績を元に、これから数値を算出する案件に近いものをいくつか参考にして、数値を出しましょう。
どうしても難しい場合はプロにお願いする
ご自身の知識やリテラシーに自信が持てない方や、プランニング作成に何時間もかかってしまう方はプロの広告運用代行業者に相談するのも手でしょう。
プロの広告運用代行業者は、過去配信実績をいくつも持っていることが多く、より上手くいくプランニングを提案してくれるでしょう。
是非、「Web広告運用代行」や「Web広告プランニング 会社」などで検索してみてください。
Web広告二次代行サービスの例は以下の資料からご覧いただけます。
参考:【少額・スポット可】ネット広告運用の2次代行サービス
広告プランニングによく用いるWeb広告用語
プランニングを作成する上にあたって、最低限以下の用語は押さえましょう。
- IMP(インプレッション数)
広告がユーザーのデバイス上に表示される回数のことです。同じユーザーに2回表示された場合は、インプレッション数は2となります。 - CT(クリック数)
ユーザーがどれだけ広告をクリックしたかの回数のことです。
特に、飛ばしたいリンク先がある場合に、そのリンクURLもしくはリンクに飛べるようになっているボタンや画像動画を押した際の回数を、広告主側は知りたいと思われる場合が多いでしょう。 - CPC(クリック単価)
ユーザーがテキスト広告やバナー広告などをクリックした際に、クリック1回あたりの費用のことを指します。 - CTR(クリック率)
配信した広告がクリックされた割合を指しており、「クリック数÷インプレッション数」で求めることが可能です。クリック率が高ければ高いほど、それだけ多くのリアクションがある広告という風に判断できます。 - CV数(獲得数)
CVとは元々Conversionの略で、直訳すると転換という意味ですが、Web広告業界では顧客になる行動のことを指しています。
具体的には、商品購入や会員登録、資料請求、プレゼント応募など様々なアクションのことを指し、CV数とはその最終的な成果に繋がった数を指しています。 - CVR(コンバージョン率)
Web広告においては、「CV数÷クリック数」で求められます。コンバージョン率が高ければ高いほど、リンクをクリックしたユーザーが具体的なアクションを起こすほど、良い訴求内容であったと考えられます。
参考:新入社員必見!Webマーケティング業界で最初に使う略語20選【2018年版】
まとめ
広告プランニングの経験が少ない方にとっては、一から行うことはなかなか難しいと思います。
本記事では、Web広告プランニングを行う上で、きちんとプロモーションの目的やターゲットを決めたうえで適切な広告媒体、予算、配信期間を定める方法を説明しました。
広告プランニングの基礎的な部分が、ご理解いただけたと思います。
本記事を参考に、ぜひ広告主の課題や希望に寄り添ったプランニングを作成いただければ嬉しいです。
Webプランニングを含めた、Web広告の提案に関する全体的な解説については、以下の資料をご覧ください。
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