SNSマーケティングとは?6つの事例から学ぶ始め方と成功させるコツ

SNSマーケティングとは、SNSを活用して売れる仕組みを作るマーケティング手法です。

SNS広告、インフルエンサーマーケティング、SNSアカウント運用などを通して、商品・サービスの認知度向上や販売促進を働きかける一連の取り組みをSNSマーケティングと呼びます。

2019年の総務省の調査によれば、全世代の約7割がSNSを利用していることもわかるとおり、近年ではSNSマーケティングの重要性が増しています。

本記事では、現代のマーケティングにおいて必須のスキルともいえる「SNSマーケティング」について、事例を交えて解説します。

本記事のポイント
  • SNSマーケティングの基礎知識が身に付く
  • SNSマーケティングのメリット・デメリットが理解できる
  • 具体的なプラットフォームや手法について詳しく解説

「SNSマーケティングとは何なのか知りたい」
「SNSを活用して売上を上げる方法を学びたい」

…という方におすすめの内容となっています。

この解説を最後までお読みいただければ、あなたは「SNSマーケティングの基本」はもちろん、実際にどのようにSNSマーケティングを実践すべきか、理解できるようになります。

SNSマーケティングを通して、SNSマーケティングで大きな成果を上げることも可能です。

ではさっそく、SNSマーケティングを解説します。


目次

SNSマーケティングとはSNSを活用して売れる仕組みを作ること

SNSマーケティングとは、一言でいえば「SNSを活用して売れる仕組みを作ること」と定義できます。

具体的には、Twitter、Instagram、FacebookなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通してユーザーにアプローチし、ブランドや商品の認知度を向上させる、ファンを獲得するといった活動を通して、購買につなげていくのがSNSマーケティングです。

SNSマーケティングの代表的な手法としては、以下の5つが挙げられます。

▼SNSマーケティングの手法

  1. SNS広告
  2. インフルエンサーマーケティング
  3. SNSアカウント運用
  4. SNSキャンペーン
  5. ソーシャルリスニング

詳しくは後ほど「SNSマーケティングの5つの手法」にて解説しますので、続けてご覧ください。


SNSマーケティングの重要度が増している理由

近年、多くの企業がSNSマーケティングを実施しており、その存在感は増すばかりです。

SNSマーケティングの重要度は、なぜこれほどまでに増しているのでしょうか。その理由として挙げられるのが、「幅広い層へのSNSの普及」です。

実際のデータを見てみましょう。2019年の総務省の調査によれば、スマホ保有世帯の割合が8割超となっています。


出典:総務省

このスマホ保有率の上昇に牽引されるようにSNS利用率も高まっており、全年代の約7割がSNSを利用しています。

そのなかでも、10代後半・20代・30代の世代でのSNS利用率は8割超となっており、ほとんどの人がSNSを利用している状況となっています。


出典:総務省

つまり、SNSは多くの人が日常的に接しているツールであり、マーケティングにおいて無視できない存在となっていることがわかります。

さらに、商品を購買するときに、SNSの情報を参考にしている人が多いことも見逃せません。

クロス・マーケティングが実施した「SNSの利用実態に関する調査」によれば、SNSで見た商品やサービスに興味を持つ人の割合は、Twitter・Instagram・LINEで2~3割にのぼります。

さらに、興味を持った人の約半数が、興味を持った物を購入すると答えています。


出典:AMP

以上のとおり、普及率が高く、かつ購買意向に直接的な影響を与えるSNSは、マーケティングにおいて重要な役割を担うことがわかります。


SNSマーケティングのメリット

SNSマーケティングには、どんなメリットがあるのでしょうか。3つのメリットをご紹介しましょう。

メリット1:費用を抑えながら広く拡散できる

1つめのメリットは「費用を抑えながら広く拡散できる」ことです。

その理由は2つあり、1つめは前述のとおりSNS自体の利用率が高いためです。

たくさんの人がSNSを利用している分、ひとつのSNSマーケティング施策が、多くの人の目に留まりやすくなります。

2つめの理由は、SNSマーケティングで大きな話題となれば、SNSを通じて拡散していくためです。これは、SNSマーケティングならではの醍醐味ともいえます。

SNSマーケティングでは、単なる一方通行の宣伝で終わるのではなく、共感を生み出し共感を連鎖させていくことが可能です。

具体的には、ユーザーの「いいね!」やシェア(リツイート)を獲得することによって、ユーザーのフォロワー、さらにそのフォロワー…と、拡散のループが起きます。

施策を実施してみたら、想定をはるかに超える拡散が起きることも、珍しくありません。

メリット2:顧客との良好な関係を築きやすい

2つめのメリットは「顧客との良好な関係を築きやすい」ことです。

個人のSNS利用率が8割を超えていることは先に述べたとおりですが、企業やブランドも、SNSの公式アカウントを開設するケースが増えています。

ここで注目したいのが、SNS上でのやり取りでは、ユーザーと企業・ブランドの立ち位置はフラットであることです。

「消費者 VS 企業」ではなく、「個人と個人のコミュニケーション」が成り立つのが、SNSマーケティングの特徴といえます。

結果、ユーザーは企業やブランドに対して、親しみ・愛着・信頼といったポジティブな感情を抱きやすくなります。これが良好な関係構築へつながるのです。

企業側から見れば、ユーザーのダイレクトな反応を把握できます。より最適なコミュニケーション方法を取ることができるため、関係はさらに強固になっていきます。

メリット3:従来の広告に反応しない層にリーチできる

3つめのメリットは「従来の広告に反応しない層にリーチできる」ことです。

長年、新聞・雑誌などの紙媒体の広告に携わってきた人なら、肌感として「年々、反応率が落ちている」と感じているのではないでしょうか。

実際、株式会社サイカの「消費者1,269人に聞いた購買意欲・印象・信頼に影響する広告媒体アンケート調査」によれば、10代〜30代の世代では、新聞・雑誌広告よりもSNSやWebメディア上の広告に購買意欲を促進されるという結果が出ています。


出典:消費者1,269人に聞いた購買意欲・印象・信頼に影響する広告媒体アンケート調査

このように、従来の広告には反応しない層にアプローチできることは、SNSマーケティングの大きなメリットです。

特に若年層をターゲットとしたビジネスを展開している企業では、SNSマーケティングの恩恵を大きく受けることができるでしょう。


SNSマーケティングのデメリット

利点の多いSNSマーケティングですが、マイナス面もあります。2つのデメリットを見てみましょう。

デメリット1:炎上リスクがある

1つめのデメリットは「炎上リスクがある」ことです。

SNSマーケティングの良い点として「広く拡散できる」とお伝えしましたが、広く拡散するのはポジティブな情報ばかりではありません。

ネガティブな情報も、あっという間に拡散するのが、SNSの世界です。

どんな媒体であれ、間違った選択によって批判を受けるリスクはありますが、SNSマーケティングでは、拡散されるうちに大炎上となるリスクをはらんでいるのが、デメリットといえます。

例えば近年では、2020年11月2日に「タイツの日」に合わせて展開された「アツギ」のキャンペーンで大炎上が起きました。

Twitter上で、タイツを履いた女性のイラストを描いてハッシュタグ付きで投稿を促すキャンペーンを実施したのですが、公式アカウントが明らかに性的な画像までもリツイート。

アツギの顧客層である女性たちを中心に、大きな反発が起きたのです。

結果、アツギは「ラブタイツキャンペーンに関するお詫びとご報告」という文書を公開し、公式アカウントの当面休止を発表しました。


出典:Twitter

騒ぎは、新聞などでも報道され、SNSの範疇を超えて広く世間に知られることとなりました。

このような炎上騒動は定期的に発生しています。SNSマーケティングに取り組む以上は、炎上につながる誤った選択をしていないか、常に自問自答が必要です。

デメリット2:担当者のリテラシーが求められる

2つめのデメリットは「担当者のリテラシーが求められる」ことです。

前述の「炎上リスクがある」とも関連するのですが、SNSは、ユーザーにとって極めて個人的なプライベートツールです。

そのプライベートな空間に、土足で踏み込むような行動を起こせば、購買意欲を促進するどころか反感を買います。

具体的には、SNSにおけるマナーや、情報の扱いに関するモラル、セキュリティ意識などを理解している担当者が必要です。

リテラシーがない担当者では、無知ゆえに大きな失敗を犯すリスクが高くなります。

例えば、担当者が個人の意見と思われる見解を公式アカウントで発信した2019年7月のCBCテレビ報道部公式Twitterの事例を見てみましょう。

CBCテレビでは「CBCテレビ報道部公式ツイッターでの不適切な投稿について」のなかで、以下のとおり述べています。

弊社は報道機関として、選挙報道について厳に公平・中立な立場を堅持すべきと考えております。掲載されたコメントは弊社報道部の意思に基づくものではなく、あってはならない投稿と考えております。
出典:CBCテレビ

このように、知識なく軽い気持ちでSNSマーケティングに取り組めば、大きな痛手を負うことになりかねません。


SNSマーケティングに積極的に取り組むべき企業とは

SNSマーケティングにはメリット・デメリットの両面がありますが、それを踏まえたうえで、多くの企業で取り組むべきものといえます。

なかでも積極的に取り組むべき3つの企業をご紹介しましょう。

ターゲット層のSNS利用率が高い企業

1つめは「ターゲット層のSNS利用率が高い企業」です。

前述の総務省のデータによれば、最もSNS利用率が高い20代では87.1%と約9割がSNSを利用しています。


出典:総務省

もし20代向けの商品・サービスを展開しているのであれば、SNSマーケティングを行わないという選択肢はないでしょう。

加えて、10代後半および30代もSNS利用率が8割を超えていますから、積極的にSNSマーケティングに取り組むべきです。

口コミで広がりやすい商品・サービスを扱う企業

2つめは「口コミで広がりやすい商品・サービスを扱う企業」です。

もしあなたの企業で扱っている商品やサービスに、「つい人にシェアしたくなる」ようなポイントがあって、口コミで広がりやすい特徴を持っているのなら、SNSマーケティングを利用しない手はありません。

▼ 口コミで広がりやすい商品の例

  • 感動するほど使用感が良い商品
  • インスタ映えしやすいビジュアルを持つ商品
  • 強い共感を呼ぶ商品コンセプトを持つ商品

SNSは「現代の口コミツール」という一面も持っています。SNSマーケティングによって、口コミを自走させる仕組みを作ることが可能です。

簡単な見極め方としては、現在の新規顧客の入り口として「友人・知人の紹介」の割合が多いのであれば、SNSマーケティング向きの企業といえます。

オンライン上で商品・サービスを販売している企業

3つめは「オンライン上で商品・サービスを販売している企業」です。

SNSマーケティングは、ECサイトやランディングページへの集客手法のひとつとして、効果的です。

インターネット時代の購買心理プロセスは「AISAS」で表現されますが、そのすべてはSNS上で完結できます。

さらに、SNSから流入したユーザーは、購入後もSNSで共有する割合が高いため、拡散の連鎖を作りやすくなるのです。

オンライン上で商品・サービスを販売している企業であれば、SNSマーケティングの成果を早期に実感しやすいはずです。


SNSマーケティングのプラットフォーム

SNSと一口にいっても、プラットフォームはさまざまです。ここでは代表的な6つのプラットフォームを見てみましょう。

  1. Twitter
  2. Instagram
  3. Facebook
  4. LINE
  5. YouTube
  6. TikTok

Twitter

Twitterは全角140字以内という短文の投稿が特徴のSNSです。日本国内のユーザー数は約4,500万人にのぼります(2019年現在)。

首相、大統領、大臣、行政機関などもTwitterアカウントを持っていることが多く、世界のユーザー数は3億人を超えます。

▼ Twitterの特徴

  • 140字の短文で気軽に投稿できる
  • トレンド・リアルタイム・タイムリーの情報収集に強い
  • リツイート機能により爆発的な拡散が可能
  • 年齢層は10代〜50代以上まで幅広い

いわゆる「バズる」状態を作りやすいのがTwitterの特徴ですが、一方で「荒れやすい」面もあります。

実際に、Twitterはユーザー間での誹謗中傷が問題になることも多いツールです。

SNSマーケティングにおいては、Twitterの短文投稿ならではの気軽さ・リツイート機能による拡散のしやすさを、ポジティブに使いこなすことが重要になります。

Twitterを利用したSNSマーケティングについて詳しくは、以下の記事もご覧ください。

参考:Twitter活用の成果を上げる7つの方法を、検証結果とともに大公開
   Twitter活用でサイト訪問者を3倍以上増加!プロモーションのコツ
   Twitterの5つの企業アカウントから学ぶ「ファン獲得」の極意
   Twitterマーケティングの成果を上げる分析ポイントと活用したい3つのツール
   プロモツイートとは?Twitter広告初心者向けの始め方ガイド付き
   

Instagram

Instagramは、写真や動画を投稿するタイプのSNSです。日本国内のユーザー数は3,300万人です(2019年現在)。

Twitterがテキストを中心としているのとは対照的に、Instagramの中心は写真や動画などのビジュアルコンテンツです。

「インスタ映え」という言葉が話題になったように、多くの人の注目を集める写真を撮影して投稿する楽しさがユーザーを惹きつけ、人気のSNSとなりました。

▼ Instagramの特徴

  • メインは写真や動画
  • ハッシュタグをつける文化が盛ん
  • リツイートのような拡散機能はない(基本的にフォローしている人の投稿しかタイムラインに表示されない)
  • ハッシュタグ以外の検索はできない
  • ストーリーズ機能やライブ配信機能がミレニアル世代に人気

かつては「10代〜20代女性に人気のSNS」といわれていましたが、現在では男性ユーザーや30代以降のユーザーも増えています。

Instagramの投稿者のことをインスタグラマーと呼びますが、インスタグラマーのなかには熱狂的なファンを持つインフルエンサーも多くいます。

そのため、Instagramはインフルエンサーマーケティングのプラットフォームとしてもおなじみです。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

Facebook

Facebookは実名登録制のSNSで、日本国内のユーザー数は2,600万人です(2019年現在)。

ここまでに紹介したTwitter・Instagramでは、インターネット上での名前(ハンドルネーム)を利用し、オンライン上のみの知り合いを増やすことも多いのですが、Facebookではリアル(オフライン)の友人・知人・仕事関係者とつながりやすいのが特徴です。

▼ Facebookの特徴

  • 実名登録制
  • リアル(オフライン)の知人とつながりやすい
  • 30代〜50代の利用者が多い
  • 特定のユーザーと交流できるグループ機能がある

Facebookには、特定のユーザーだけが加入できるグループ機能があるのもユニークな点です。オンラインサロンのプラットフォームとして、Facebookグループがよく利用されています。

実名登録やグループ機能によって、ユーザー同士が濃いつながりを持っているのが、Facebookの特徴といえます。

SNSマーケティングにおいては、ある特定のコミュニティ内での認知アップやビジネス関連商材の販売と相性が良いのがFacebookです。

Facebookを利用したSNSマーケティングについて詳しくは、以下のページをご覧ください。

参考:Facebook広告とは?始めるために知っておくべき全知識を解説
   Facebookページ活用法|広告との違いと投稿のコツ10選
   Facebook広告の効果を大幅に改善するカスタムオーディエンス広告活用法!
   Facebook広告のメリット|広告活用を考える人が知るべき10のこと
   【検証結果あり!】Facebookリード獲得広告のメリット・デメリット
  

LINE

LINEは、コミュニケーションアプリとして国内No.1のシェアを誇るSNSです。

月間アクティブユーザー数(MAU)が8,300万人(2020年現在)となっており、日本の人口の約7割がLINEを利用している計算になります。

▼ LINEの特徴

  • 国内シェアNo.1のコミュニケーションアプリ
  • 若年層からシニア層まで幅広い年代が利用
  • 企業の公式アカウントでユーザーと「友だち」としてつながれる

LINEは、公式アカウントを設置することでユーザーと「友だち」としてつながることができます。

TwitterやInstagramの公式アカウントと、LINEの公式アカウントが大きく異なる点は「チャットボット」を設置できることです。

チャットボットとは、人間同士のような自然な会話ができるロボット(プログラム)によってユーザーとチャットをする仕組みのことです。

チャットボットを利用すれば、企業やブランドとユーザーとの会話が可能になり、関係性を築くために役立ちます。

LINEについて詳しくは、以下の記事もご覧ください。

参考:5分でわかるLINE@(ラインアット)とは?効果的な使い方と事例まとめ
   LINE公式アカウントのLINEチャット(旧1:1トーク)の運用方法。顧客満足度の向上に繋がる効果的な使い方とは?
   5分で分かるLINE公式アカウントの使い方。必ず使いたい3つの機能とは?
   LINEをビジネス利用する2つのメリットとおさえておきたい6つの注意点
   Web担当者必見!LINEの媒体資料を広告プロダクト別に厳選まとめ【2020年12月最新版】
   

YouTube

YouTubeは、動画配信市場において世界No.1のシェアを持つ動画配信のプラットフォームです。

YouTuber(ユーチューバー)と呼ばれる動画配信者のチャンネルを登録するフォローの仕組みがあり、コメントなどで交流もできることから、YouTubeは「動画SNS」とも呼ばれます。

YouTubeの日本国内の月間利用者数は6,500万人を超えています(2020年現在)。

▼ YouTubeの特徴

  • 世界で最も人気の動画配信プラットフォーム
  • 幅広いユーザー層、幅広い配信者が存在する
  • トップユーチューバーはインフルエンサーとして強力な影響力を持つ
  • Google社のサービスのためビッグデータを活用した広告配信が可能

近年では、テレビの衰退とともにYouTubeの台頭が取り上げられることが多く、今後もYouTubeが注目される流れは続くでしょう。

そのため、SNSマーケティングのプラットフォームとしても、YouTubeの重要性は増しています。

YouTubeについて詳しくは、以下の記事もご覧ください。

参考:Youtube広告の種類と、目的を達成するための選び方のコツ
   YouTube広告のCPAを1/3にした担当に獲得型動画広告の3つの鉄則を聞いてきた
   YouTube広告を始めるために必要な費用は?費用対効果をアップさせる5つのコツ
   3つの事例から学ぶYouTubeマーケティング成功のポイント
   

TikTok

TikTokは、音楽に合わせた15秒〜1分のショートムービーを配信できる動画SNSです。日本国内での利用者数は950万人です(2019年現在)。

特に中高生をはじめとする若い世代に人気で、いわゆるZ世代向けのSNSマーケティングにおいて注目されるプラットフォームがTikTokです。

▼ TikTokの特徴

  • Z世代に人気のSNSで流行の発信地となりやすい
  • 短い動画専用のプラットフォーム
  • TikTokで流行ったダンスなどを真似する文化があるため流行が拡散しやすい

10代の流行に敏感なセグメント層をターゲットとしている場合には、TikTokを押さえておくべきといえるでしょう。

TikTokについて詳しくは、以下をご覧ください。

参考:TikTok最新動向レポート_2020年7月ver.
   YouTubeの次はTikTok!?スマホ世代のための動画広告必勝法
   「TikTok」がZ世代にウケる3つの理由
   「TikTok」が新時代の勝ち筋である3つの理由
   


SNSマーケティングの5つの手法

前章ではSNSマーケティングを「プラットフォーム」という切り口で見てきましたが、次に「手法」という切り口で見てみましょう。

(1)SNS広告

1つめの手法は「SNS広告」です。

各プラットフォームでは、それぞれ独自の広告配信サービスが提供されています。

例えばTwitterであれば、通常のツイートの間に、広告のツイートを挟み込むことができます。


出典:Twitter

テキストだけでなく、画像や動画を利用してより訴求力の高い広告を作成できるのは、SNS広告の強みです。

加えて、広告を届けるユーザーを細かくターゲティングできるため、効率的な運用ができることも見逃せません。

地域・言語・端末・年齢・性別などの特性はもちろん、会話・イベント・過去のエンゲージメント経験など、非常に綿密なターゲティングが可能です。

▼ Twitter広告のターゲティングの一例


出典:Twitter

SNS広告では、Web上の管理画面から広告出稿の申込み・手続き・効果測定までできます。タイミングを逃さない広告配信とスピーディな改善が可能です。

SNS広告について詳しくは、以下をご覧ください。

参考:SNS広告のお役立ち資料

(2)インフルエンサーマーケティング

2つめの手法は「インフルエンサーマーケティング」です。

インフルエンサーマーケティングとは、SNS上で多くのフォロワーやファンを持つ人の影響力をマーケティングに活用する手法です。

具体的なやり方としては、チャンネル登録者数が多いユーチューバーに商品を使っている動画を配信してもらう、フォロワー数の多いインスタグラマーとコラボして商品を開発するなどの方法があります。

インフルエンサーによっては、数百万人規模のファンを抱えているため、その影響力は絶大です。

例えば、400万人を超えるチャンネル登録者数を持つユーチューバーヒカル氏と、アパレル企業のロコンドがコラボした企画では、発売1週間で売上が6億円を突破し、アクセス集中によるサーバダウンや株価の高騰で話題となりました。

インフルエンサーマーケティングの実践は、企業の成長に欠かせないといっても過言ではありません。

インフルエンサーマーケティングについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。

参考:インフルエンサーマーケティングとは?まず押さえるべき基本と注意点
   インフルエンサーマーケティングはなぜ流行している?その実践方法・活用事例も紹介
   インフルエンサーマーケティングのメリットと成功事例、始め方まで徹底解説
   

(3)SNSアカウント運用

3つめの手法は「SNSアカウント運用」です。

SNSに企業の公式アカウントを設置し運用することで、情報発信やユーザーとのコミュニケーションを行うのが、SNSアカウント運用になります。

公式サイトやリリースなどの情報発信は【企業⇒ユーザー】と一方向ですが、SNSでは【企業⇔ユーザー】と双方向になるのが特徴です。

企業にとっては、瞬時に生(ナマ)のユーザーの反応を見ることができます。

ユーザーにとっては、企業やブランドに親しみや愛着を感じて、より深く商品・サービスを愛用するきっかけとなります。

SNSアカウント運用の成功事例としては、SHARPの公式アカウントが挙げられます。


出典:Twitter

(4)SNSキャンペーン

4つめの手法は「SNSキャンペーン」です。

SNSキャンペーンとは、SNS上でユーザー参加型のイベントを企画し、ユーザーに参加してもらうことで認知度や集客を高める手法です。

例えば、以下のような企画があります。

  • 特定のハッシュタグをつけた投稿を促す
  • 商品写真を投稿すると抽選でプレゼントがあたる
  • 大喜利などのコンテスト形式で投稿を促す

SNSキャンペーンには、ユーザー自身が参加することで商品・サービスへの愛着を深めたり、その投稿を見た他のフォロワーが影響を受けて商品・サービスを利用したりする効果があります。

SNSキャンペーンが話題となり、いわゆる「バズる」状態となることも多いため、積極的活用したい手法です。

例として、企業ではありませんが非常に大きな話題となったのが、ZOZO前社長の前澤友作氏が2019年1月に実施した「100万円を100人にプレゼントするお年玉企画」です。

アカウントをフォローしてツイートした人のなかから100人に100万円が送られるという企画で、たくさんのユーザーがツイートを行いました。


出典:Twitter

前澤友作氏は「お金配りおじさん」という愛称で呼ばれるようになり、現在でも企画は継続しています。

内容には賛否両論あるものの、話題になるSNSキャンペーンの作り方という点では、参考になる点が多い事例です。

SNSキャンペーンについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。

参考:思わずシェアしたくなる!面白いSNSキャンペーン事例6選&3つの成功ポイント
   SNSキャンペーンで失敗したくないあなたへ!7つの事例に学ぶ成功のコツ

(5)ソーシャルリスニング

5つめの手法は「ソーシャルリスニング」です。

ソーシャルリスニングとは、主にSNSを通してユーザーの名前の声を収集・分析し、マーケティングに活用する手法です。

SNS上には、企業が主導して行うアンケート調査などでは抽出することのできない「ユーザーの本音」が隠れています。

このユーザーの本音をマーケティングに活かしていくのが、ソーシャルリスニングです。

例えば、自社商品についてTwitterでどんなツイートがされているか、Instagramではどんな写真・ハッシュタグで投稿されているかなどを調査し、自社ブランド・商品・サービスに対する本音を把握していきます。

ソーシャルリスニングによって得られた発見や課題は、新商品の開発やサービスの改善などに役立てていきます。

具体的な実践方法など、ソーシャルリスニングについて詳しくは、以下をご覧ください。

参考:ソーシャルリスニングとは?SNSから消費者のニーズを知る方法とツール5選
   おすすめソーシャルリスニングツール8選!特徴・機能・価格などを徹底比較
   ソーシャルリスニングとは?SNSから消費者のニーズを知る方法とツール35選


SNSマーケティングの成功事例6選

SNSマーケティングの成功事例をプラットフォームごとに紹介します。

Twitterの成功事例|アタゴ空調設備株式会社

見やすい投稿ページのフォロー&リツイートキャンペーンで成功

Twitter事例
引用:アタゴ空調設備株式会社(@ATAGOofficial)さん | Twitter

アタゴ空調設備株式会社はフォローとリツイートで空気清浄機が抽選で1名に当たるキャンペーンを行いました。

投稿文と画像が目につきやすくいだけでなくハッシュタグをうまく活用することで拡散されやすい投稿となっています。

4,492件のリツイートと50件の引用ツイートをされています。(2022年4月現在)

参考:フォロワー数を増やすTwitterキャンペーン│中小企業向けの事例10選

Instagramの成功事例|ル・クルーゼ・ジャポン株式会社

ユーザー参加型のキャンペーンで成功


引用:みんなでサクラを咲かせよう|ルクルーゼ

ルクルーゼにはフラワーコレクションという花をモチーフにした人気のシリーズがあります。そこで、ルクルーゼのフラワーコレクションを活用している写真や桜に関連した写真を募集。

花をモチーフにした食器は写真映えがよく、投稿を見たユーザーに自分もほしい、と思ってもらえそうな効果があります。

ハッシュタグ「#ルクルーゼサクラ」をでの投稿は3,864件されています。(2022年4月現在)

参考:Instagramキャンペーン事例8選!事例から学ぶ成果アップのポイント

Facebookの成功事例|株式会社ユニクロ

高い更新頻度で目につきやすく、商品やキャンペーンなどの認知向上


引用:Uniqlo|Facebook

ユニクロはキャンペーンや新商品の情報をほぼ毎日投稿しています。

タレントやアーティストをモデルに起用し、多くのユーザーにユニクロを好きになってもらう工夫をしています。

1,135,467人がフォロー中です(2022年4月現在)

参考:国内外のFacebook企業ページ事例24選

LINEの成功事例|シンラガーデン

LINEを使ったデリバリーで1か月に5,000個の弁当を売り上げた焼肉店

LINE事例
引用:1カ月で5,000個の弁当を販売! LINEを使った焼肉屋のデリバリー成功の舞台裏|LINE for Business

新型コロナウイルスの感染が全国的に広がる中、店舗の営業自粛を決断した2020年4月〜5月末までの約2カ月間、テイクアウト・デリバリーサービスのみに切り替えて営業を行いました。

LINE公式アカウントを活用してテイクアウト・デリバリーサービスを宣伝。「先着200名に自家製カクテキをプレゼント」といったクーポンもつけ、お得な情報に敏感な主婦層のアクションを喚起しました。

2020年5月のテイクアウト・デリバリーサービスの売上は、前年同月比の店舗売上と比較して121%を記録しました。1カ月で約5,000個の焼肉弁当を販売し、店舗休業による売上ダウンをカバーできました。

参考:集客・売上アップに役立つおすすめLINE公式アカウント事例10選

YouTubeの成功事例|LINEマンガ

サービスに重点を置いたクリエイティブを使い、開始から7年でダウンロード数1位を獲得

Youtube事例
引用:マンガアプリ利用者数No.1「LINEマンガ」がリニューアル!|LINE Japan

LINEマンガでは、新規ユーザーにアプリをインストールしてもらいたい、既存ユーザーに継続した利用を促したい、という課題がありました。

そこで、電子コミックと相性が良いYouTubeを広告媒体とし、漫画の魅力を伝えながらもLINEマンガの「サービス」に重点を置いた広告クリエイティブを展開した結果、アプリインストールの単価は13%改善しました。

新規ユーザーには広く電子コミックを訴求でき、既にアプリをインストール済みのユーザーには継続利用を促す効果的な広告を配信できました。

参考:YouTube広告の成功事例から学ぶ成果をあげるための3つの鉄則

TikTokの成功事例|江崎グリコ株式会社

企業の記念日に合わせて、TikTokでイベントを開催し話題に。

TikTok事例
引用:#ポッキー何本分体操 |ポッキー|グリコ

11月11日のポッキー&プリッツの日に合わせてTikTok内で「#ポッキー何本分体操」というハッシュタグをつけた動画の投稿を促すキャンペーンを行いました。

若者世代に人気のインフルエンサーを起用し、選ばれた動画は11月11日に渋谷の街頭ビジョンで放映されるという特典もありました。

参考:【事例】TikTok企業アカウントの成功事例4選!いま最もホットなSNSのその全貌とは


SNSマーケティングの始め方 3ステップ

SNSマーケティングをこれから始めたいという方へ、始め方を3ステップでご紹介します。

  • ターゲットを明確にする
  • ターゲットに最適なプラットフォームと手法を選択する
  • 企画を立てて実行する

ステップ1:ターゲットを明確にする

1つめのステップは「ターゲットを明確にする」です。

まずは、「誰に届けたいのか」を明確にしましょう。

SNSマーケティングでは、緻密なターゲティングを行うことができますが、そもそも誰に届けるべきかが明確になっていなければ、どうターゲティングすべきか判断ができません。

ターゲットを明確にするためには「ペルソナ」を利用する方法がおすすめです。


出典:ウェブマーケティングを成功に近づけるターゲット戦略4ステップ

詳しくは、以下の記事でご確認ください。

ウェブマーケティングを成功に近づけるターゲット戦略4ステップ

ステップ2:ターゲットに最適なプラットフォームと手法を選択する

2つめのステップは「ターゲットに最適なプラットフォームと手法を選択する」です。

ターゲットが明確になったら、ターゲットに最適なプラットフォームと手法を選択しましょう。

プラットフォーム手法
  • Twitter
  • Instagram
  • Facebook
  • LINE
  • YouTube
  • TikTok
  • SNS広告
  • インフルエンサーマーケティング
  • SNSアカウント運用
  • SNSキャンペーン
  • ソーシャルリスニング

もちろん1つだけでなく、状況に応じて組み合わせることが必要です。

ターゲットが明確になっていれば、おのずと選ぶべきプラットフォーム・手法は絞られてくるはずですが、決めきれないときにはテストを重ねることをおすすめします。

コストを最小限に抑えて小規模で実際に実践をして、結果の良かった方法を大きく育てていく方針で進めると、ロスを抑えることができます。

ステップ3:企画を立てて実行する

3つめのステップは「企画を立てて実行する」です。

具体的には、以下のポイントを企画書として落とし込んでおくと良いでしょう。

  • 目的(目指すべきゴールは?)
  • 目標(ゴールを数値化すると?)
  • ターゲット(誰に届ける?)
  • 戦略(どんな方針・作戦で?)
  • 戦術(具体的には何をする?)

企画書の作り方は、以下の記事でも解説しています。参考にご覧ください。

企画を通すのはアイディアとテクニック!企画書づくりを助けてくれるおすすめ記事18選


SNSマーケティングを成功させるコツ

SNSマーケティングを成功させるために、最も重要なコツをひとつ挙げるならば、それは「使うプラットフォームや手法の特性を知り尽くすこと」といえます。

しかし、それがなかなか難しいのも現実といえるでしょう。

ここまでご覧いただくとわかるととおり、SNSマーケティングの範疇は多岐にわたります。プラットフォームも手法も数多くあり、しかもそれらは増えたり減ったりとアップデートを繰り返しています。

自社内で最新SNSマーケティングの知見を収集し続けるのが難しければ、一部はアウトソーシングして、プロのスキルを有効活用するのが得策です。

SNSマーケティングの依頼先としておすすめの企業は、以下の記事にまとめました。あわせてご覧ください。

▼ SNSマーケティングを成功させるために活用したい企業


まとめ

SNSマーケティングとは、SNSを活用して売れる仕組みを作ることです。

SNS利用率が7割を超えている現在では、SNSマーケティングの重要度が増しています。

SNSマーケティングのメリットは以下のとおりです。

  1. 費用を抑えながら広く拡散できる
  2. 顧客との良好な関係を築きやすい
  3. 従来の広告に反応しない層にリーチできる

SNSマーケティングのデメリットは以下のとおりです。

  1. 炎上リスクがある
  2. 担当者のリテラシーが求められる

次の企業は、SNSマーケティングに積極的に取り組むべき企業といえます。

  1. ターゲット層のSNS利用率が高い企業
  2. 口コミで広がりやすい商品・サービスを扱う企業
  3. オンライン上で商品・サービスを販売している企業

SNSマーケティングのプラットフォーム・手法には以下の種類があります。

プラットフォーム手法
  • Twitter
  • Instagram
  • Facebook
  • LINE
  • YouTube
  • TikTok
  • SNS広告
  • インフルエンサーマーケティング
  • SNSアカウント運用
  • SNSキャンペーン
  • ソーシャルリスニング

SNSマーケティングの始め方の3ステップはこちらです。

ステップ1:ターゲットを明確にする
ステップ2:ターゲットに最適なプラットフォームと手法を選択する
ステップ3:企画を立てて実行する

SNSマーケティングを成功させるためには、積極的にサポート企業の協力をあおぎ、プロの知見を活用することも大切です。SNSマーケティングへの取り組みを通して、新しい顧客と出会い、良好は関係構築を目指しましょう。