10個の事例から学ぶ「バズマーケティング」を成功させるためのコツ

photo by Thomas Tolkien

商品やサービス購入する際に、口コミが購入の決め手になったことがある人は全体の約7割にものぼると言われています。
口コミはユーザーの購買行動の最大要因といっても過言ではないでしょう。

バズ・マーケティングは、口コミを利用したマーケティング手法です。ソーシャルメディアが浸透した現在、バズ・マーケティングを使い、口コミを上手に操れている企業は大きな収益をあげています。(参考:国内PR会社の一覧 ≫

今回は、バズ・マーケティングの成功事例をまじえながら、商品・サービスの口コミ急速に拡散させるためのコツをすべて紹介いたします。
確実な成功をおさめるためには、多くの事例から成功のコツを学ぶことが重要ではないでしょうか。


1.アクセス数24倍!『まるごとダイオウイカ天』キャンペーン~はなまるうどん~

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出典:はなまるうどん

はなまるうどんは、当時のテレビ番組で話題になっていた、深海の超巨大イカを天ぷらにします、というキャンペーンをエイプリルフール企画として行いました。
結果、SNS上で話題になり、アクセス数は通常の24倍にはね上がりました。(参考:アクセス解析ツールの一覧 ≫

この事例から学べることは下記2点です。
・世間で既に話題になっていることをしっかりとおさえるべき
・相手が誰かに話したくなることかを意識するべき

このキャンペーンの仕掛け人の小西利行さんいわく、相手が誰かに話したくなるコンテンツにするためには、”簡単に写真に撮れたり、簡単にメッセージで送信できる短い言葉が添えられていたり、というように、伝わりやすさを意識することが大事”だと言います。

出典:にっぽんのマーケター 指標は二つ。相手にとってうれしいか。そして、誰かに話したくなるか。|「マーケターの企み」Vol.13:POOL inc. 小西利行さん(4/4回)


2.ポジティブツイート15%アップ!『さわやかすぎる通勤』~フリスク~

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出典:ビルコム株式会社|FRISK新フレーバー発売時のウェブPR「さわやかすぎる通勤キャンペーン」

フリスクは、Twitterで「フリスク」とつぶやいただけで、「さわやかすぎる通勤」が当たるというバズ・マーケティングキャンペーンを行いました。

当選した人を自宅までリムジンで迎えに行き、車内で朝食を採りながらバイオリニストの生演奏を聴けるというインパクトのあるプレゼントを用意しました。
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出典:PRESIDENT 第2回/「フリスクで何かが起きている!?」Twitterキャンペーンの成功事例

結果、フリスクについてのツイートが拡散しただけでなく、ポジティブなコメントの比率が15%も増加しました。

当初のキャンペーンの目的は、フリスクの「マスカットミント」の認知拡大でしたが「フリスクのブランド評価の把握」「次なるマーケティングプランのアイディア」「インフルエンサー(その発言や行動が、ほかの消費者に対して大きな影響を与える人)の可視化」にもつながるなど、副次的な効果も生まれたとのこと。

この事例から学べることは下記2点です。
・「ツッコミどころ」のあるプレゼント内容を用意すると効果的
・キャンペーンには、シンプルな参加方法を用意するべき

出典:PRESIDENT 第2回/「フリスクで何かが起きている!?」Twitterキャンペーンの成功事例


3.ユーザー同士のつながりを利用したソーシャルモニター『ダイソンリレー』~ダイソン~

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出典:株式会社プレイウィズ|ソーシャルメディア後発組でもマーケティングで成功するには?

ダイソンは、掃除機DC48をバトン代わりに、友達5人でチームを組んで、掃除機とレビューをリレーしていくというキャンペーンを実施。
チーム全員にリレーが回れば、試用したDC48一台をチームにそのままプレゼントしました。
結果、facebook上で話題化することに成功すると共に、多くのユーザーボイスを集めることができました。

この事例から学べることは下記の点です。
・ユーザーのつながりに着目し、友達を巻き込んでのキャンペーンを実施すべき


4.371万ツイートで新記録達成!『ポッキー&プリッツの日』~ポッキー~

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出典:江崎グリコ株式会社

グリコは、11月11日の「ポッキー&プリッツの日」に「ポッキー」とTwitterでつぶやき、世界新記録を狙うキャンペーンを行いました。
このキャンペーンと同時に、「ポッキーロケットプロジェクト」と題して、ポッキーの形をしたロケットを飛ばす企画を実施、その模様を生中継しました。
結果、目標の200万ツイートを大きく超える371万44ツイートを達成しました。

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出典:マイナビニュース|11月11日は”ポッキーの日” – グリコがツイート数の世界記録更新に挑戦

この事例から学べることは下記の点です。
・目標と時間制限をユーザーと共有し、口コミをユーザーと共創すべき


5.挑戦者は18,000名超え!ゲームを利用した『ピラミッドオフィス頂上決戦』~JT Roots~

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出典:SMM Lab|[2013年5月第2回]話題のソーシャルメディアキャンペーン事例 今週のまとめ!《ロッテ×ももクロ、ダイソン、サンリオなど10選》

JTは、Roots アロマのキャンペーンとして、「ピラミッドオフィス頂上決戦」というゲームサイトをリリースしました。
ゲームをクリアすると、Rootsが当たるキャンペーンに応募できるという仕組みです。

このゲームはとにかく難しく、ゲームクリアのために助けを求めたくなるほどでした。
結果としてその難易度が話題となり、18,000名がサイトに訪れました。

この事例から学べることは下記の点です。
・ゲームの内容・難易度を利用することによって、話題化を狙うべき


6.インパクト大のプレゼントで応募殺到!『ケータイ代一生分無料キャンペーン』~ソフトバンク~

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出典:SMM Lab|[2013年4月第4回]話題のソーシャルメディアキャンペーン事例 今週のまとめ!《ソフトバンク、H.I.S.、映画「めめめのくらげ」×UHA味覚糖”e-ma”など9選》

ソフトバンクは、Facebookページ1周年記念に、「ケータイ代一生分無料キャンペーン」を実施しました。
ケータイ代一生分無料相当の商品券(5,188,000円)を 1名に、1,000円分商品券を1,000名にプレゼントするという企画でしたが、インパクトの大きいプレゼントだけに、15万名以上の応募がありました。

プレゼントキャンペーンを実施する際には、ともかくインパクトが重要です。
たとえ当選者が1名であったとしても、この事例のように多くの応募者を獲得できるからです。

この事例から学べることは下記の点です。
・プレゼントキャンペーンはユーザーへのインパクトで勝負すべき


7.タブーを犯した比較広告!?『Pepsi Taste Challenge』~ペプシ~

ペプシNEXZEROは、「コカ・コーラ」と比較して「どちらが美味しいか」のアンケート結果をテレビCMで大々的に紹介し、話題となりました。自社商品のおいしさを伝えるために、あえて競合他社の製品を引用する手法は、業界のタブーに触れたものと言えるでしょう。
しかし、結果としてこのキャンペーンは、SNSで拡散され、商品を広く伝えることができました

この事例から学べることは下記の点です。
・タブーを犯すことによって、注目を集めるべき

なお、このような比較広告キャンペーンをする際には、「比較広告に関するガイドライン」にある以下の要件を満たす必要があるで、注意が必要です。
(1)比較広告で主張する内容が客観的に実証されていること
(2)実証されている数値や事実を正確かつ適正に引用すること
(3)比較の方法が公正であること

出典:livedoorNEWS|コカと比較 ペプシCMなぜ大丈夫?


8.ストロー1本で150万インプレッション獲得!『ひげストロー』~スラーピー~

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出典:http://adgang.jp/2014/06/63572.html

米セブンイレブンが販売しているシャーベット飲料「スラーピー」は、“ひげストロー”が付いた新商品を発売しました。
InstagramなどSNSに投稿された“ひげ付セルフィー(セルフィー)”が話題となり、150万件のインプレッションを獲得し、そのほとんどがポジティブなフィードバックだったと言います。
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出典:http://instagram.com/p/oU60RJy8lD

若者を中心に最近流行している「セルフィー(自撮り)」を前提にして、
ターゲットに格好の「撮影・投稿ネタ」を提供することにより、口コミ化に成功した事例と言えるでしょう。

この事例から学べることは下記の点です。
・SNSでの影響力のある若者のトレンドを踏まえて、話題にしたくなるネタを提供すべき
・タイムライン上でパっと見た時にでも、魅力的なキャンペーンにすべき


9.ファン心理を利用して1ヶ月で16万票超え!『フレーバー復活総選挙』~ハーゲンダッツ~

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出典:SMM Lab|[2013年8月第2回]話題のソーシャルメディアキャンペーン事例 今週のまとめ!《リラックマ×JR山手線、『天空の城ラピュタ』バルス祭り、SUBARUなど9選》

ハーゲンダッツは、「あのフレーバーをもう一度!フレーバー復活総選挙」として、過去に好評だったフレーバーのうち、復活させたいものに投票するという企画を実施しました。

各SNSの1アカウントから、1日1回投票でき、1位に決定したものに投票した人の中から抽選で1,000名に、復活した1位のフレーバーをプレゼントしました。

このキャンペーンは、ブランドのファンを巻き込んだ手法だと言えます。
過去の商品の復活キャンペーンによって、過去のユーザー体験を想起させ、それが口コミ拡散のインセンティブになったものと思われます。
また、投票した人にだけ、復活の味を楽しんでもらうようにすることで、プレミアムな体験を演出したことも成功の要因でしょう。
結果、投票数は16万票を超えました。

この事例から学べることは下記の点です。
・既存のファンの心理を利用して、ブランドへの思いを口コミ化すべき


10.LINEで17万超の応募!『東京ドームコンサートタイトル募集』~AKB48~

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出典:AKB48グループ東京ドームコンサート

AKB48のオールナイトニッポンにおいて、東京ドームコンサートのタイトルを生放送中にリスナーから募集するというキャンペーンを行いました。
募集は番組のメール、FAX、AKB48の公式LINEで行い、このキャンペーンはすぐさまファンの間で広まりました。

自分の考えたコンサート名が、実際のコンサートで使われるという演出を行うことにより、ユーザーの自分のモノやコトを紹介してみんなに自慢したいという欲求を突くことで、ユーザーにこのキャンペーンを「自分事」としてとらえてもらうことに成功した事例と言えます。
結果、17万4932通の応募が集まり、キャンペーンは成功しました。

この事例から学べることは下記の点です。
・キャンペーンにユーザーを巻き込み、自分事化させるべき参考:国内PR会社の一覧 ≫


まとめ

最後に、バズ・マーケティングは、常日頃から世間で話題になっている事柄に注目し、なぜそのコンテンツが流行っているのかを分析することが重要です。バズ・マーケティングの成功のコツをまとめると、下記の13点です。

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参考:国内PR会社の一覧 ≫