「電話の問い合わせ対応に時間がかかりがち」
「電話営業の成果が出づらい」
「非効率な事務作業があり架電の本数が増やせない」
このようなお悩みをお持ちの方はCTIシステムを導入することで解決できます。
CTIシステムを導入することで、電話営業に関する事務作業を効率化し、架電の精度を高めていくことが可能だからです。
参考:CTIとは?導入メリットや機能、成果を出すポイントを徹底解説|LISKUL
しかしCTIシステムを初めて導入する際は「自社のシステムはどのCTIシステムと連携すべきだろうか」という疑問を持つのではないでしょうか。
そこで本記事ではCTI連携ができるシステムから連携に必要なものなど、連携の基本を解説します。
「CTIのことは分かっているが連携について知識がない」という方のために、連携に関する情報をリサーチして網羅しました。
読み終えた後には、自社に合うCTIシステムが見つけられるよう解説します。
目次
CTIと連携可能なシステム4つとそのメリット
まずCTIと連携可能なシステムは主に4つあります。
- PBX(Private Branch Exchange)構内交換機
- CRM(Customer Relationship Management)顧客関係管理システム
- SFA(Sales Force Automation)営業支援システム
- MA(Marketing Automation)マーケティングオートメーションツール
それぞれのシステムの特徴や得られる効果、連携が適しているケースは以下のとおりです。
システムの種類 | システムの 特徴 | 連携して 得られる効果 | 連携が適しているケース |
---|---|---|---|
PBX | 電話機同士をネットワークでつなぐことができる | 発着信情報と顧客情報の紐付けが可能 | 社内全般・電話に関わる全て。 |
CRM | 顧客情報の管理ができるシステム | 電話対応の品質向上 | オペーレーター、マーケター、セールスなど顧客に関わる職種。顧客分析全般。 |
SFA | 営業支援に特化したシステム | 架電営業の効率化 | インサイドセールス、フィールドセールスなど営業に関わる職種。架電業務。 |
MA | リード獲得に必要な機能が使えるシステム | 電話対応からの商談数増 | マーケターなどリード獲得に関わる職種。電話対応分析。 |
CTIとそれぞれのシステムにつなげることで、リストの取り込みや発着履歴と紐付けた顧客管理ができるようになります。
それぞれのシステムと連携することで「具体的にどのようなことができるのか」と、「そのメリット」について詳しく解説します。
PBXと連携することで得られる効果
PBXと連携することで得られる効果は主に2つあります。
- 発着信情報と顧客情報の紐付けができる
- 顧客情報と連携させるためには必須
CTIと連携させることで発着信情報と顧客情報を紐付けることができます。
そのため、電話があるたびにわざわざ顧客リストを調べるという手間を省くことができます。
PBXで構築された電話環境と顧客情報を紐付けるためには、CTIとの連携が必須です。
PBXはあくまでも電話機能の基礎となる部分を構築するだけなので、着信番号から分かるのは「誰か」という情報のみです。
コールセンターはもちろん、電話での問い合わせ対応をする方全般にとって必要なシステムとなります。
まずは少ない席数からPBXを導入したいという方に向けておすすめのツールをご用意したので、気になる方はぜひ資料をご確認ください。
参考:5席からの低価格で始められるクラウドPBX「InfiniTalk」
CRMと連携することで得られる効果
CRMと連携することで得られる効果は主に3つあります。
- 発着信情報を自動でパソコンに取り込みリスト化できる
- 通話内容の録音を顧客情報と紐付けて記録管理ができる
- 電話品質の向上が見込める
CRMとCTIを組み合わせる最大のメリットは「電話対応の品質向上」にあると言えるでしょう。
CRMと連携することで、発着信情報を自動でパソコンに取り込みリスト化したり、通話内容を録音しその内容を顧客情報と紐付けて記録・管理したりが可能となります。
電話の発着信と顧客情報を結びつけカスタマーサポートの対応品質を上げたり、アウトバウンド施策で架電をする際にも必要な情報に素早くアクセスできたりするのはCRMと連携する大きなメリットと言えるでしょう。
CRMで管理している様々な行動履歴と照らし合わせ顧客と対応できるので、インバウンド、アウトバウンドともに顧客対応の品質向上に役立ちます。
SFAと連携することで得られる効果
SFAと連携することで得られる効果は主に2つあります。
- 架電営業の効率化ができる
- 企業情報とも結びつけられるのでBtoB営業にも効果的である
商談内容や名刺管理など、営業支援に特化したSFAとの連携によって架電営業の効率化が見込めます。
効率化できた分を営業戦略を考える時間に充てたり、普段なら1件しか対応できないところ2件に増えるなど、成果に結びつくメリットが得られるでしょう。
個人ではなく、企業情報と結びつけるためBtoB営業との相性が良いのもポイントです。
CTIシステムの中にはSFAの企業情報からダイレクトに架電ができる機能を備えたものもあるため、営業活動の効率化を重視する企業は必須のシステムです。
MAと連携することで得られる効果
MAと連携することで得られる効果は主に2つあります。
- 電話対応からの商談数を増やせる
- 確度の高い商談ができる
MAとCTIを連携させると、「電話対応からの商談数を増やす」もしくは「有効な商談をピックアップして確度の高い商談ができる」ことが期待できます。
発着信情報や通話内容を記録し、電話状況からより詳細な顧客分析ができるようになるからです。
有効なリードを獲得するために活用するのがMAツールです。
アクセスログの収集やリードの有効判定をするため、情報を取りまとめ、マーケティング活動をサポートしてくれます。
そんなマーケティングを支援するMAツールと組み合わせることで、有効な商談を見つける機会が増えるでしょう。
CTIと各システムを連携するために必要なもの
CTIシステムと連携するために必要なものは以下の2つです。
- 電話回線
- 顧客情報を管理するシステム
電話回線
電話回線がなければCTIシステムは使えません。
電話回線にも種類があります。
先に結論をお伝えすると、CTIシステムはどのような電話回線でも取り入れることは可能です。
アナログ回線
昔からのアナログ回線の場合、CTIアダプターや「CTIボード」を使ってCTI信号を取り出しシステムとつなげます。
ただし、ナンバーディスプレイ契約がなければCTI信号が受信できない点には注意が必要です。
INS・ISDN回線(デジタル回線)
デジタル回線の場合は、ターミナルアダプターやCTIボードを使って信号を取り込みます。
ナンバーディスプレイ契約をせずとも発信先がデジタル回線の場合は番号が表示されます。(相手がアナログの場合は不可)
※INS・ISDN回線は2024年にサービス提供終了すると発表されています。
参考:2024年1月 ISDN(INS)終了。企業への影響と代替サービスについて解説 | オージス総研
IP電話・光回線
IP電話・光電話でのCTIシステムはSIPインターフェースのまま交換機等に取り込まれます。(光回線終端装置を介する場合はINS回線と同じ方法になる)
CTI導入前に、現状の回線の種類を契約書などで確認してください。
分からない場合は電話会社に問い合わせましょう。
参考:CTI導入のための基礎知識|使用する電話の環境 | 株式会社ダイコック
CTI導入のための基礎知識 | 回線の種類と必要な機器| Dycoc
顧客情報を管理するシステム
既存の顧客管理システムがある場合は既存のシステムと連携させましょう。
コールセンターや電話営業など、どの場合でも連携が必要です。
もし同時に導入を考えているのであれば、CTI機能を備えた顧客管理システムを導入するのも一つです。
顧客管理システムとの連携がないと、顧客情報との紐付けがなく電話の発着信から得られる情報を活用することができません。
広告からの問合せや他の営業接点などの情報を活用してこそ意味があります。
CTIシステムと顧客管理システムは、必ずセットで考えるようにしましょう。
参考:CTI導入のための基礎知識 | 顧客管理システムとの連動 | Dycoc
ツール連携とは | Media-CTI
CTIシステム選定で失敗しないための4つのポイント
CTIシステムの選定ポイントは主に4つあります。
- インバウンド型/アウトバウンド型など目的に合ったシステムを選ぶ
- 自社に必要な機能が使えるシステムを選ぶ
- サポート体制が整っているシステムを選ぶ
- セキュリティが強いシステムを選ぶ
システム選びの大前提として「導入目的や必要としている機能が明確」であり、実績・信頼・評価など「信頼できる提供元やサービス」であることが重要です。
選定に必要な項目を、理由とともに詳しく解説していきます。
インバウンド型/アウトバウンド型など目的に合ったシステムを選ぶ
数種類あるCTIシステムの特徴はそれぞれ異なります。
どちらにも対応しているシステムはありますが、特に「インバウンド型」か「アウトバウンド型」か、どちらの使用目的をメインに考えられているかを最初に確認しましょう。
アウトバウンドによる営業や宣伝・案内が目的であれば、顧客リストをもとに効率良く架電できるかがポイントです。
インバウンドであれば、着信対応がスムーズに行える機能があることが求められます。
分かりやすく言えば、営業メインなのかオペレーターメインなのかということです。
インバウンドかアウトバウンドかで重要な機能は変わりますので、自社で導入すべきCTIはどちらか確認をとりましょう。
自社に必要な機能が使えるシステムを選ぶ
インバウンド向け、アウトバウンド向けなど大きな方向性が決まったら、次は自社が本当に必要としている機能があるかを確認してください。
例えばインバウンド目的なら、ポップアップ表示機能や電話番号情報からオペレーターの自動振り分けをしてくれる機能など、アウトバウンド目的なら、オートコール機能やCRMシステムとの相性などが挙げられます。
さらにアウトバウンドの場合は機能も大事ですが、発信する側なので「通話料」をおさえられるかどうかも重視すべき点といえます。
自社の通話課金形態や電話対応の長さを考慮してシステムのプランを選びましょう。
サポート体制が整っているシステムを選ぶ
CTIシステムを選ぶ際にサポート体制は重要なポイントです。
顧客との電話は、いつ何時どのような状況で発生するかわかりません。
「大事な商談時にシステムエラーが……」「クレーム対応中に不具合が……」など、大きな機会損失を招くおそれがあるからです。
基本的には「土日含めいつでもサポート」や「導入後も無料でサポートが続く」など、長期的に安心して使い続けられるシステムを選びましょう。
セキュリティが強いシステムを選ぶ
CTIシステムは顧客情報と紐付けて使うことが基本です。
自社の顧客情報を外部サーバーに置くため、セキュリティに不安があるシステムの使用は避けるべきでしょう。
セキュリティの強さを見極めるポイントは「サーバーの管理体制」です。
例えば、「サーバー拠点を分散して管理し災害に備えている」など、より具体的に提示しているシステムは安全性が高いと言えます。
セキュリティ面がよく分からないまま選ぶことは絶対にやめましょう。
おすすめのCTIサービス3選
LISKULではより有益なサービスを紹介するため、CTIシステムを紹介するサイトを調査し出現頻度をスコアリングした上で、CTIシステムを紹介しています。
より詳しくサービスの比較がしたい方は、こちらの記事をご覧ください。
参考:おすすめのCTIシステム8選を比較!特徴や提供形態、実績などを簡潔に比較 | LISKUL
本記事では一例として上位3つを抜粋して簡単にご紹介します。
CT-e1/SaaS/Com Design
株式会社コムデザインが提供するサービスで、業界業種問わず、国内でもトップクラスの利用実績を持つCTIシステムです。
サーバー拠点を分散して災害やテロ対策に備えるなど、信頼度の高いシステムだと言えるでしょう。
特徴
- 追加で必要な機能のカスタマイズを無料行ってくれる
- 自社開発の製品なので開発エンジニアならではの細かい対応をしてくれる
- 業界・業種を問わず850テナント 15,000席以上の導入実績
参考:これからのコールセンタープラットフォーム クラウドCTI "CT-e1/SaaS" | コムデザイン
BIZTELコールセンター/株式会社リンクス
株式会社リンクが提供しており、導入実績が国内トップクラスのサービスです。
インターネットとPCのみで始められるクラウド型のCTIシステムです。
コールセンター対応向けに強いことをPRしているので、インバウンドよりのシステムと言えます。
特徴
- 4年連続シェアナンバーワン(ミック経済研究所調べ)
- 席数が少ない時に特にコストパフォーマンスが高い
- 知識が少なくても安心のサポート資料あり
参考:No.1クラウド型コールセンターCTIシステム | BIZTEL コールセンター | BIZTEL
OSORA/株式会社Scene Live
株式会社Scene Live (シーンライブ)が提供する、インバウンド向けのCTIシステムです。
各種ビジネスツールとの連携に強く、クラウド型で低コスト、インバウンドセールスから大規模なコールセンター構築に活用できるシステムです。
特徴
- 顧客満足度1位(日本トレンドリサーチ調べ)
- 席数の追加が最短翌日
- 電話番号、チャンネルの追加が無制限
参考:OSORA インバウンド向けコールシステム | 株式会社SceneLive(シーンライブ)
CTIとシステムを連携する際の4つの注意点
最後はCTIシステムの連携をする際の注意点をまとめます。
- 最初に既存のシステムと連携できることを確認する
- CTIを導入することで業務フローが固定化してしまう可能性がある
- 長期的な運用体制を想定して導入する
- 販売代理店の提供の場合はライセンス料が上乗せされる
これらの注意点を理解しておかないと、導入したものの期待していた効果が得られないことになりかねません。
運用面からコスト面まで、具体的に解説していきます。
最初に自社が導入しているシステムと連携できるか確認する
先述した選定ポイントの内容と重なるところもありますが、もし自社のシステムをそのまま活用する場合は「既存のシステムありき」であることに注意してください。
いくら魅力的なCTIシステムを見つけたとしても、自社のシステムと連携できないということになっては意味がありません。
PBX、CRM、SFA、MAなど、自社が活用しているシステムとの連携が可能か、さらに連携することでどういったことが実現できるのかまで確認することが重要です。
CTIを導入することで業務フローが変わり現場が混乱する可能性がある
CTIシステムを導入することで、自社の業務フローが変わり現場が混乱する可能性があるため注意が必要です。
CTIシステムの機能を最大限に活かすため、場合によって現場の電話対応が大きく変わるかもしれません。
その場合は、導入時に現場が混乱してしまうことも考えられるため導入を推進する役割の人は、丁寧なサポートとケアが必要です。
この場合にできる対策は、導入後にカスタマイズがしやすいCTIシステムを選ぶことです。
カスタマイズの費用は追加がかかってしまいますが、拡張性のあるシステムを選んでおくことで導入後でも対応することができるようになります。
長期的な運用体制を想定して導入する
先述した業務フローへの対応も含めて、システムを導入してから定着するまでは時間がかかることを想定しておきましょう。
いくらシステムが優秀だとしても、実際に扱う現場が慣れるまでには必ず時間が必要です。
また、事業規模が今後拡大していくなど組織体制が変わる可能性があるなら、利用人数や電話機の数によって料金がどのように変わるかを把握しておかなければなりません。
システムは頻繁に変えると不要な導入コスト(費用だけでなく教育コストも)がかさむため、良いシステムであれば変えない方が無難です。
電話対応や顧客管理の土台に大きく関わってくるシステムなので、自社の将来像を考えて慎重に検討してください。
販売代理店の提供の場合はライセンス料が上乗せされる
販売代理店からの提供なのか、開発企業から直接提供されるのかによって、かかるコストの性質が異なります。
販売代理店の場合は、コストの中にライセンス料が含まれており、自社にとっては不要なコストという見方もできます。
とはいえ、販売代理店を通じて提供されるシステムは「代理店を通じて販売提供しても問題ないシステム」なので、高品質なものを提供している可能性が高いです。
対して、自社開発でシステムを提供している場合はライセンス料は発生しません。
さらに、導入後も使いづらい点などフィードバックすることで、より使いやすいサービスにアップデートされる可能性もあります。
どちらが良い・悪いという点ではなく、自社にとってどちらの方がリスクやデメリットが大きいかを考えて選ぶと良いでしょう。
CTI連携に関するよくあるご質問
CTI連携を検討中の方に役立つQ&Aをまとめています。
Q.CTIとはなんですか?
A.CTIとは、電話やFAXをネットと連携するシステムです。CTIの導入で他システムとの連携が簡単となり、PC上での顧客データ確認やステータス変更が可能となります。
詳しくは以下の記事を参考にしてください。
参考:CTIとは?導入メリットや機能、成果を出すポイントを徹底解説
Q.CTI連携の一般的な用途は何ですか?
A.CTI連携は、顧客情報の自動表示、通話記録の自動保存、コールセンターの効率化、顧客サービスの向上など、多岐にわたる用途があります。
Q.CTIと連携させることで、営業部門はどのように恩恵を受けられますか?
A.営業部門では、CTIと連携することで顧客との通話内容が自動的にCRMに記録され、フォローアップや分析が容易になります。これにより、営業効率が向上し、成約率の向上も期待できます。
Q.CTI連携によるデータの可視化はどのように役立つのか?
A.CTIと他のシステムを連携させることで、通話データや顧客情報が一目でわかるダッシュボードが作成可能になります。これにより、業務の進捗や問題点を迅速に把握でき、経営判断の質が向上します。
Q.CTIと顧客データベースを連携する際のセキュリティ対策は?
A.顧客データベースとCTIを連携する際は、アクセス制限やデータの暗号化など、厳重なセキュリティ対策が必要です。また、定期的なセキュリティ監査を行い、不正アクセスを防止することが重要です。
まとめ
今回はCTIシステムと連携できるシステムと連携に必要なもの、加えてシステム選定のポイントから注意点まで解説しました。
PBX、CRM、SFA、MAなど、各種システムと連携できるCTIですが、その恩恵をうけるためには顧客情報システムと紐付けることが必須です。
導入するシステムは、インバウンド・アウトバウンド、どちらの割合が多いのかなど自社の目的や必要な機能を明確にし、サポートとセキュリティ体制が整っているものを選ぶのが鉄則と言えます。
加えて、導入後の自社の現場をシミュレーションし考えられるリスクに注意すれば、本当に自社に最適なCTIシステムと連携ができるでしょう。