メールの誤送信を対策するためには、防止ツールやソフトを導入し、原因を究明追求することで早期解決が期待できます。対策をせず放置しておくとメールの誤送信による、個人情報や機密情報の漏洩につながり、損害賠償請求などといった大事に発展してしまいます。
しかし、「メールの誤送信を防止できるツールやソフトって何?」「メールの誤送信の原因って何?」「具体的な防止策を知りたい」
このような悩みを持っている方は多いのではないでしょうか。
本記事では、メールの誤送信の原因やよくある事例、具体的な損害、防止策について詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
メールの誤送信の原因とは?
メールの誤送信は、環境要因と人的要因によって生じることがほとんどです。対策するためには、顕在化した問題に対して仕組みを整備すること、ツールを利用して解決可能な事象とそれ以外の住み分けを行うことが重要です。メールの誤送信の原因である、環境要因と人的要因を具体的に見ていきましょう。
社内ルール|メール送信に関する仕組みが整備されていない
社内ルールを整備することで、環境要因が原因で生じるメールの誤送信を防止できます。社内ルールが整備されていなければ、ファイルの閲覧権限など組織内でメール送信に対する認識に相違が生じてしまい誤送信の可能性が高まります。
組織内でメール送信における共通ルールを整備し、問題の早期解決を図りましょう。具体的な防止策については後ほど解説します。
ヒューマンエラー|個人の危機意識が低い
先程、解説したように社内ルールを整備することで、環境要因が原因で生じるメールの誤送信を防止できます。しかし、どれだけ良い社内ルールを整備したとしても、ヒューマンエラーによりメールの誤送信が生じることもあります。
特に、個人の危機意識が低い場合にヒューマンエラーは発生しやすくなります。そのため社内ルールの整備と同時に個人の危機意識を高める教育も必要になります。
よくあるメール誤送信の事例
「宛先のミス」「誤字脱字」「添付ファイルの誤送付」などがメール誤送信のよくある事例です。ここでは、上記のような誤送信の事例でヒューマンエラーが起こりやすいポイントを詳しく解説します。
宛先のミス
メール送信の際に宛先を誤ってしまうヒューマンエラーは少なくありません。宛先を入力する際のToやCc・Bccといった項目でミスが発生しやすいと言えます。それぞれの項目には次のような意味がありますが、意外と各項目に対する理解が曖昧な社員もいるはずです。
宛先の項目
- To:宛先、メールを送信する対象のメールアドレスを入力する
- Cc:カーボン・コピー、メールや送信履歴を共有したい方のメールアドレスを入力する
- Bcc:ブラインド・カーボン・コピー、誰にも知られずにメールや送信履歴を共有したい場合に利用する
CcとBccの使い方のミスにより、メールアドレスを共有してしまうといったことが起こりやすいため、メールの使い方について認識統一を含め、使い方に注意しましょう。
誤字脱字
メール内容の誤字脱字もよくあるヒューマンエラーです。句読点の抜けやコピペ箇所のミスにより、送信内容が十分伝わらなくなることがあります。メールを送信する前に誤字脱字をチェックする癖をつけておくとこのようなミスを防止できることでしょう。
添付ファイルの誤送付
メールに添付したファイルが開けないことや、そもそも違うファイルを送信してしまうといったヒューマンエラーも多いです。添付したファイルが開けない場合には、権限に制限が付与されているため、共有できるように変更しましょう。
また、違うファイルを送信してしまうと取引先に多大な迷惑をかけてしまう可能性が高くなります。メールを送信する前に添付ファイルが正しいものなのか確認する社内ルールを整備するとヒューマンエラーを減少させられることでしょう。
メール誤送信による具体的な損害とは?お詫びでは済まないケースも
メール誤送信をしてしまうと最悪の場合、お詫びだけでは済まなくなり、損害賠償といった問題へと発展する可能性もあります。
具体的には、「個人情報漏洩」や「機密情報漏洩」などに該当してしまいます。
個人情報漏洩
メール送信の際に宛先ミスや添付ファイルミス、To・Cc・Bccの設定ミスにより、生年月日や住所、氏名などの個人情報が漏洩してしまいます。個人情報漏洩が発覚すると、企業は次のようなさまざまな問題に直面する可能性が高まります。
個人情報漏洩の結果として起きうる問題
- 業務の一時停止
- 信用の低下
- 損害賠償請求
業務の一時停止による業績の悪化や信用の低下による取引先の減少など企業が受ける影響はとても大きいです。以上のことから、メールの誤送信には細心の注意をはらいましょう。
機密情報漏洩
メールを誤送信してしまうと、社外に公開してはいけない機密情報が漏洩する可能性も高まります。例えば、新たなサービスの企画書を別の企業に誤送信してしまうと、機密情報の漏洩となり、業務の一時停止や信用の低下、損害賠償請求などの影響を受けることになります。
個人情報と同じく、機密情報の漏洩も企業は大きな損害を受けてしまいます。情報漏洩が起こらないよう社内ルールの整備やヒューマンエラーを防止しましょう。
意識に頼らない!具体的なメール誤送信の防止策
社員の意識に左右されない環境整備を中心とした組織としてのメール誤送信防止策を整備することで、メールの誤送信を防止できます。ここでは、次の2つの防止策について詳しく解説します。
・メール誤送信対策ツールの導入・活用
・社内ルールの整備
それぞれ見ていきましょう。
メール誤送信対策ツールの導入・活用
メール誤送信対策ツールを導入することで意識に頼らない防止策を整備できます。メール誤送信対策ツールには次のような機能が搭載されています。
メール誤送信対策に搭載されているツール
- 送信確認機能
- 送信保留機能
- ファイル暗号化機能
- 送信承認機能
- 注意喚起機能
送信確認機能
メールを送信する際にチェック項目が表れ、すべての項目をチェックしなければ送信できなくなる機能。メールの再チェックにより誤送信を防止できる。
送信保留機能
メールの送信を一時的に保留にし、再度確認できる機能。誤った情報が入力されていた場合には、メールを取り消せる。「outlook」には送信保留機能。「Gmail」では送信取り消し機能が標準装備されている
ファイル暗号化機能
アイバスの設定やファイルの権限設定を中心にファイルの中身を送信と同じタイミングでは付与しない機能。ファイルの閲覧権限を制限することでファイル誤送信時の情報流出を防止できる。
送信承認機能
上長承認機能や二段階チェック機能などの送信権限の分散を可能にする機能。二段階チェックすることでメールの誤送信を防止する。
注意喚起機能
新規アドレスへの注意喚起や登録のないアドレスへの送信に際し、注意を表示させる機能。再度確認することによりメールの誤送信を防止する。
CipherCraft/Mail
ツール名 | CipherCraft/Mail |
企業 | NTTテクノクロス株式会社 |
価格 | 年間サブスクリプション50ユーザー:80,000円~ |
企業規模 | 全てに対応 |
CipherCraft/Mailは、AIでメール誤送信を防止するツールです。送信するメールを再度確認し送信する仕組みを実現できるようになり、宛先ミスや添付ファイルミスなどを防げます。また、シーンによって機能を追加することも可能で、メールの誤送信をゼロに近づけられるツールとなっています。
safeAttachクラウドサービス
ツール名 | safeAttachクラウドサービス |
企業 | クロス・ヘッド株式会社 |
価格 | 1ユーザーあたり:400円 |
企業規模 | 全てに対応 |
safeAttachクラウドサービスは、メール誤送信防止と脱PPAPを実現する誤送信を防止するツールです。インストール不要で簡単に導入でき、さまざまな機能を搭載しているため、活用する環境に合わせて効果的に利用できます。また、30日間の無料トライアルも用意されており、一度利用してみて使用感を見た後に本格的に導入することも可能です。
Mail Safe
ツール名 | Mail Safe |
企業 | SBテクノロジー株式会社 |
価格 | 要問い合わせ |
企業規模 | 100名以上 |
Mail Safeは、メールの誤送信防止に必要な機能を提供するクラウド型のツールです。柔軟な条件設定が可能であり、アプリやモバイルなどさまざまな利用形態に対応しています。直感的に利用できるインターフェースで誰でも簡単に運用できます。また、30日間の無料トライアルで操作性を確かめてから導入を決定すれば相違が起こりにくくなるでしょう。
メールディーラー
ツール名 | メールディーラー |
企業 | 株式会社ラクス |
価格 | 初期費用:50,000円~ 月額費用:35,000円~ |
企業規模 | 全てに対応 |
メールディーラーは、メールの返信漏れや誤送信などを防止できるツールです。誰がどのメールに対応しているのか確認でき、大事なメールの見落としを防げます。メールを効果的に扱うためのノウハウが詰まったさまざまな機能を搭載しています。また、導入の際には専任のスタッフがサポートしてくれるため、導入も非常にスムーズです。
GUARDIANWALL Mailセキュリティ
ツール名 | GUARDIANWALL Mailセキュリティ |
企業 | キヤノンマーケティングジャパン株式会社 |
価格 | 要問い合わせ |
企業規模 | 全てに対応 |
GUARDIANWALL Mailセキュリティは、メール送信を適切に行うために必要な機能が搭載されたツールです。見つけにくい個人情報を検出するメールフィルタリング機能により、情報漏洩を防止できます。また、クラウド型とオンプレミス型が用意されているため、自社に合うものを選べます。
Coo Kai 誤送信防止ツール
ツール名 | Coo Kai 誤送信防止ツール |
企業 | 株式会社ピーエスシー |
価格 | 1ID:150円~ |
企業規模 | 250名以上 |
Coo Kai 誤送信防止ツールは、Outlookのアドイン機能でメールの誤送信を防止できるツールです。宛先や添付ファイルのチェック機能が搭載されており、情報漏洩の重大なミスを未然に防げます。また、その他にも管理者による設定管理や警告メッセージの表示など必要に応じて利用できる機能が豊富に備わっています。
CYBERMAIL Σ
ツール名 | CYBERMAIL Σ |
企業 | サイバーソリューションズ株式会社 |
価格 | 1アカウント:月額250円~ |
企業規模 | 全てに対応 |
CYBERMAIL Σは、日本企業に必要とされているコミュニケーション・セキュリティ・リスクマネージメント機能をオールワンに搭載しているツールです。操作性がシンプルであるため、誰でも簡単に利用できます。また、管理者専用画面が用意されており、簡単にアカウント管理が可能です。
社内ルールの整備
ツールを利用することで、メールの誤送信を防止できますが、メール送信に関して、認識相違はツールでは解決できません。自社の社内ルールを内省し、ルールの過不足への理解と対策が必要になります。
送信前チェックリストの作成
送信前のチェックリストを作成することで、メール送信に関する認識の統一が可能です。チェックリストの作成では、タイミングごとに各項目を設定しましょう。次の表を参考にしてください。
本文作成後 |
---|
日付や金額など数値情報に誤りはないか |
会社名・送信先に誤りはないか |
リンク先のURLに誤りはないか ※リンク先を開いて確認 |
電話番号やメールアドレスなどの連絡先に誤りはないか |
誤字脱字はないか |
文章表現が適切か |
機種依存文字が含まれていないか |
送信直後 |
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件名は入力されているか |
メールの宛先に誤りはないか |
差出人のアドレスに誤りはないか |
相手先のアドレスに誤りはないか |
添付ファイルに誤りはないか |
To・Cc・Bccの設定に誤りはないか |
送信後 |
---|
文字化けが発生していないか |
個人情報等は適切に管理されているか |
送信エラーが発生していないか |
確認ルールの設置と教育による徹底
社内に確認ルールを設置し、ルールを教育で共有することで効果的にメールの誤送信を防止できます。方法として、社員会議などでツールの使い方や確認ルールの共通認識をします。また、導入してからも定期的に教育研修を実施することで、効果を持続させられます。
誤送信の原因を理解し適切な防止策を
メールの誤送信が生じる原因として「メール送信に関する仕組みが整備されていない」や「個人の危機意識が低い」ことが挙げられます。特に、宛先のミスや誤字脱字、添付ファイルのミスなどといったヒューマンエラーにより引き起こされることが多いです。
メールの誤送信をしてしまうと個人情報や機密情報の漏洩につながり、企業にとって大きな損害を与えてしまいます。そこで、メール誤送信対策ツールを導入し、社員の意識に左右されない環境整備が重要です。また、送信前チェックリストの作成や教育による社内ルールの整備も忘れず行いましょう。
メールの誤送信の対策をして、安全な業務環境を整えてください。
※この記事はこちらのサイトに記載の情報を元に制作しております。
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